Jリース Research Memo(5):2023年3月期は売上高100億円超え、各利益でも過去最高を更新
[23/07/18]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 日本株
*14:55JST Jリース Research Memo(5):2023年3月期は売上高100億円超え、各利益でも過去最高を更新
■業績動向
1. 2023年3月期の業績概要
ジェイリース<7187>の2023年3月期の連結業績は、売上高で前期比19.6%増の10,960百万円、営業利益で同25.0%増の2,465百万円、経常利益で同26.7%増の2,465百万円、親会社株主に帰属する当期純利益で同24.4%増の1,667百万円となり、売上高で初の100億円を超え、各利益でも過去最高を更新した。
売上面では、住居用賃料保証、事業用賃料保証ともに大都市圏や新規出店エリアでの顧客獲得が堅調に推移した。売上構成比で59%を占める住居用賃料保証は、前期比15%増となった。背景として、入居需要は底堅く推移しており、少子高齢化や晩婚化の進行による単身世帯の増加及び賃料債務保証利用率(現状73%程度)の堅調な伸びもあるが、同社の強みである地域密着営業、外部企業との連携やニーズに対応した顧客の囲い込み等が奏功した結果でもある。地域別では、大都市圏(1都3県、愛知県、大阪府)の売上高が前期比23.7%増となり、全体の伸びをけん引した。新規出店(2023年3月期は4店舗)や(一社)全国不動産協会をはじめとする外部企業・団体との提携による営業ネットワークの拡充、顧客ニーズに対応した商品ラインナップ強化等も成長に寄与した。売上構成比で24%を占める事業用賃料保証は、前期比21%成長となった。事業用賃貸借契約における保証利用率は19%程度と低く、拡大余地が大きいことから、事業用賃料保証を成長分野と見据え、積極的な拡販を行った。コロナ禍や経済停滞期における貸主のリスク回避意識の高まりやアフターコロナにおける出店増加等も追い風となった。一方で、この分野では新規参入企業も見られたか、同社は業界をリードする企業として強みを発揮し、市場成長(14%程度)を超える成長をした。
営業利益は前期比493百万円の増加、営業利益率は22.5%(同1.0ポイント上昇)と好調を維持した。過去4年以上にわたり独自のデータベースを活用して与信審査の強化を行ってきたこと、入居者の状況に応じた債権管理業務を引き続き実施したことなどにより、与信コストがコントロールでき、債権管理業務の効率化につながった。経営指標では、売上高を拡大するなか、代位弁済立替金残高は前期比398百万円増加したものの、主に3ヶ月以内の残高(入居者への未督促分も含まれており、回収可能性が相対的に高い)が増加したものであり、債権の質は向上している。代位弁済発生率は5.8%(前期は5.8%)とリスクコントロールができていることを示す。また、代位弁済回収率が97.6%(同98.6%)高い水準であることから、債権の質が維持・向上し、債権管理業務が効率的に行われていると言える。なお、販管費は前期比14.7%増と売上高の伸び(同19.6%)よりも伸びを抑制し、堅調な増益に寄与した。
自己資本比率は35.5%と中期の目標であった30%超えを達成。収益回復により財務基盤の強化が進む
2. 財務状況と経営指標
2023年3月期末の総資産は前期末比923百万円増の9,755百万円となった。うち流動資産は同1,085百万円増の7,684百万円であり、主な要因は、代位弁済立替金の増加398百万円、未収入金の増加377百万円などによる。固定資産は同162百万円減の2,070百万円であり、主な要因は有形固定資産の減少72百万円などである。
負債合計は前期末比163百万円減の6,295百万円となった。うち流動負債は同120百万円減の6,127百万円であり、主な要因は短期借入金の減少540百万円などである。固定負債はほぼ変わらなかった。有利子負債残高は、同606百万円減の1,348百万円と減少傾向が続く。
経営指標(2023年3月期末)では、自己資本比率が35.5%(前期末は26.9%)であり、中期の目標であった30%を上回った。流動比率も125.4%(前期末は105.6%)と安全性が改善している。同社は安定成長フェーズに入り収益力が高まっており、今後もさらに財務基盤が強化されることになるだろう。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 角田秀夫)
<SI>
■業績動向
1. 2023年3月期の業績概要
ジェイリース<7187>の2023年3月期の連結業績は、売上高で前期比19.6%増の10,960百万円、営業利益で同25.0%増の2,465百万円、経常利益で同26.7%増の2,465百万円、親会社株主に帰属する当期純利益で同24.4%増の1,667百万円となり、売上高で初の100億円を超え、各利益でも過去最高を更新した。
売上面では、住居用賃料保証、事業用賃料保証ともに大都市圏や新規出店エリアでの顧客獲得が堅調に推移した。売上構成比で59%を占める住居用賃料保証は、前期比15%増となった。背景として、入居需要は底堅く推移しており、少子高齢化や晩婚化の進行による単身世帯の増加及び賃料債務保証利用率(現状73%程度)の堅調な伸びもあるが、同社の強みである地域密着営業、外部企業との連携やニーズに対応した顧客の囲い込み等が奏功した結果でもある。地域別では、大都市圏(1都3県、愛知県、大阪府)の売上高が前期比23.7%増となり、全体の伸びをけん引した。新規出店(2023年3月期は4店舗)や(一社)全国不動産協会をはじめとする外部企業・団体との提携による営業ネットワークの拡充、顧客ニーズに対応した商品ラインナップ強化等も成長に寄与した。売上構成比で24%を占める事業用賃料保証は、前期比21%成長となった。事業用賃貸借契約における保証利用率は19%程度と低く、拡大余地が大きいことから、事業用賃料保証を成長分野と見据え、積極的な拡販を行った。コロナ禍や経済停滞期における貸主のリスク回避意識の高まりやアフターコロナにおける出店増加等も追い風となった。一方で、この分野では新規参入企業も見られたか、同社は業界をリードする企業として強みを発揮し、市場成長(14%程度)を超える成長をした。
営業利益は前期比493百万円の増加、営業利益率は22.5%(同1.0ポイント上昇)と好調を維持した。過去4年以上にわたり独自のデータベースを活用して与信審査の強化を行ってきたこと、入居者の状況に応じた債権管理業務を引き続き実施したことなどにより、与信コストがコントロールでき、債権管理業務の効率化につながった。経営指標では、売上高を拡大するなか、代位弁済立替金残高は前期比398百万円増加したものの、主に3ヶ月以内の残高(入居者への未督促分も含まれており、回収可能性が相対的に高い)が増加したものであり、債権の質は向上している。代位弁済発生率は5.8%(前期は5.8%)とリスクコントロールができていることを示す。また、代位弁済回収率が97.6%(同98.6%)高い水準であることから、債権の質が維持・向上し、債権管理業務が効率的に行われていると言える。なお、販管費は前期比14.7%増と売上高の伸び(同19.6%)よりも伸びを抑制し、堅調な増益に寄与した。
自己資本比率は35.5%と中期の目標であった30%超えを達成。収益回復により財務基盤の強化が進む
2. 財務状況と経営指標
2023年3月期末の総資産は前期末比923百万円増の9,755百万円となった。うち流動資産は同1,085百万円増の7,684百万円であり、主な要因は、代位弁済立替金の増加398百万円、未収入金の増加377百万円などによる。固定資産は同162百万円減の2,070百万円であり、主な要因は有形固定資産の減少72百万円などである。
負債合計は前期末比163百万円減の6,295百万円となった。うち流動負債は同120百万円減の6,127百万円であり、主な要因は短期借入金の減少540百万円などである。固定負債はほぼ変わらなかった。有利子負債残高は、同606百万円減の1,348百万円と減少傾向が続く。
経営指標(2023年3月期末)では、自己資本比率が35.5%(前期末は26.9%)であり、中期の目標であった30%を上回った。流動比率も125.4%(前期末は105.6%)と安全性が改善している。同社は安定成長フェーズに入り収益力が高まっており、今後もさらに財務基盤が強化されることになるだろう。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 角田秀夫)
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