1stコーポ Research Memo(3):同社の事業を支える4つの強み
[24/02/28]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 日本株
*13:33JST 1stコーポ Research Memo(3):同社の事業を支える4つの強み
■会社概要
2. 同社の強みと事業モデル
ファーストコーポレーション<1430>の強みは、(1) 造注方式による特命受注、(2) 社内における正確かつ素早い情報共有、(3) トップによる迅速な意思決定、(4) 土地情報を獲得する独自のネットワーク、の4点である。
(1) 造注方式による特命受注
「造注方式」とは、同社の急成長を実現させた事業モデルである。これは、他社に先駆けてマンション用地を仕入れ、企画・設計を行い事業主に提案し、特命で工事を受注して施工し引き渡す方式だ。各事業主のニーズに合った事業開発を提案するなかで、精度の高い用地情報を幅広く収集して、用地情報の確保から企画提案までを最短10日間というスピードで実現している。
具体的には、造注方式は以下の流れで進められる。まず不動産会社や金融機関、土地所有者など、多岐にわたる独自のネットワークを駆使してマンション用地情報の収集を行い、次に、立地特性を最大限に生かせるよう、周辺環境、マーケティング、権利関係、各種法規制等の調査を実施しクオリティの高いプランを作成する。そのプランに基づき、事業主に対して、土地代、建築費、設計料等の諸経費を基に事業収支を作成し、より緻密で正確な事業計画の提案を行ったうえで、事業主の要望を立案する。そして、効率的なプランをベースに適正かつ有効的な建築費の見積りを行い、オリジナルの各種標準仕様を選定することで、最大限に考慮した建築費の見積りを提示し、工事を特命で受注することになる。
「造注方式」は、同社が土地を押さえることで主体的に企画提案ができるため、競争入札で建設工事を受注する場合と比較して契約条件が良くなる。一般的に、建設会社にとって、こうした特命工事の比重をいかに高められるかが、収益向上につながるポイントとなるが、同社は「造注方式」により高い特命比率を実現し、事業運営の効率化と高い利益率の両立を可能にしている。
(2) 社内における正確かつ素早い情報共有
次に弊社が同社の強みと考えているのが、事業用地の情報が社内でしっかりと共有されている点だ。毎週行う会議のなかで、土地開発専任の部署が仕入れてきた用地の情報を営業部署と共有し、連携を密にすることで、法人営業部署はそれぞれのデベロッパーに適した事業用地の情報を迅速かつ的確に提案できる。こうした社内の風通しの良さが事業用地とデベロッパーを他社に先駆けてマッチングできることにつながっている。
(3) トップによる迅速な意思決定
同社の哲学の1つである「土地を制するものが全てを制する」に基づき、重要な事業用地に関しては、トップである中村利秋(なかむらとしあき)代表取締役社長が実際に現地に出向き、その場で購入するかどうかの意思決定を行う。一般的に不動産業界においては、事業用地を探しているデベロッパーが多いが、適した土地が見つかりにくいというのが現状である。都市部などの首都圏においては特に顕著であり、こうした状況のなかで、トップが自ら迅速な意思決定を行うことで、競合他社に先んじて優良な事業用地を獲得することを可能にしている。
(4) 土地情報を獲得する独自のネットワーク
通常、事業用地の情報を取得するためには、地域の不動産屋、金融機関などに足繁く通ってゼロから信頼関係を構築し、土地の情報を仕入れるという長いスパンの活動が必要とされる。もちろん、同社においてもこのような地道な活動によって獲得する情報網もある一方で、中途採用による社員の持つネットワークから土地の情報を取得する事例が多い。魅力的なネットワークを持った人材の採用により、ゼロから関係を構築するという手間を省くことが、効率的な情報の収集と土地の確保につながっていると弊社は考える。
また、今後は新しい建築技術の開発によって、同社の提案力と施工技術に磨きをかけていく。新しい建築技術に関しては、耐震・免震に優れた施工方法の開発に注力しており、順調に進捗している状況だ。これにより、他社との差別化をさらに図り、受注拡大につなげていく考えだ。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 清水陽一郎)
<HH>
■会社概要
2. 同社の強みと事業モデル
ファーストコーポレーション<1430>の強みは、(1) 造注方式による特命受注、(2) 社内における正確かつ素早い情報共有、(3) トップによる迅速な意思決定、(4) 土地情報を獲得する独自のネットワーク、の4点である。
(1) 造注方式による特命受注
「造注方式」とは、同社の急成長を実現させた事業モデルである。これは、他社に先駆けてマンション用地を仕入れ、企画・設計を行い事業主に提案し、特命で工事を受注して施工し引き渡す方式だ。各事業主のニーズに合った事業開発を提案するなかで、精度の高い用地情報を幅広く収集して、用地情報の確保から企画提案までを最短10日間というスピードで実現している。
具体的には、造注方式は以下の流れで進められる。まず不動産会社や金融機関、土地所有者など、多岐にわたる独自のネットワークを駆使してマンション用地情報の収集を行い、次に、立地特性を最大限に生かせるよう、周辺環境、マーケティング、権利関係、各種法規制等の調査を実施しクオリティの高いプランを作成する。そのプランに基づき、事業主に対して、土地代、建築費、設計料等の諸経費を基に事業収支を作成し、より緻密で正確な事業計画の提案を行ったうえで、事業主の要望を立案する。そして、効率的なプランをベースに適正かつ有効的な建築費の見積りを行い、オリジナルの各種標準仕様を選定することで、最大限に考慮した建築費の見積りを提示し、工事を特命で受注することになる。
「造注方式」は、同社が土地を押さえることで主体的に企画提案ができるため、競争入札で建設工事を受注する場合と比較して契約条件が良くなる。一般的に、建設会社にとって、こうした特命工事の比重をいかに高められるかが、収益向上につながるポイントとなるが、同社は「造注方式」により高い特命比率を実現し、事業運営の効率化と高い利益率の両立を可能にしている。
(2) 社内における正確かつ素早い情報共有
次に弊社が同社の強みと考えているのが、事業用地の情報が社内でしっかりと共有されている点だ。毎週行う会議のなかで、土地開発専任の部署が仕入れてきた用地の情報を営業部署と共有し、連携を密にすることで、法人営業部署はそれぞれのデベロッパーに適した事業用地の情報を迅速かつ的確に提案できる。こうした社内の風通しの良さが事業用地とデベロッパーを他社に先駆けてマッチングできることにつながっている。
(3) トップによる迅速な意思決定
同社の哲学の1つである「土地を制するものが全てを制する」に基づき、重要な事業用地に関しては、トップである中村利秋(なかむらとしあき)代表取締役社長が実際に現地に出向き、その場で購入するかどうかの意思決定を行う。一般的に不動産業界においては、事業用地を探しているデベロッパーが多いが、適した土地が見つかりにくいというのが現状である。都市部などの首都圏においては特に顕著であり、こうした状況のなかで、トップが自ら迅速な意思決定を行うことで、競合他社に先んじて優良な事業用地を獲得することを可能にしている。
(4) 土地情報を獲得する独自のネットワーク
通常、事業用地の情報を取得するためには、地域の不動産屋、金融機関などに足繁く通ってゼロから信頼関係を構築し、土地の情報を仕入れるという長いスパンの活動が必要とされる。もちろん、同社においてもこのような地道な活動によって獲得する情報網もある一方で、中途採用による社員の持つネットワークから土地の情報を取得する事例が多い。魅力的なネットワークを持った人材の採用により、ゼロから関係を構築するという手間を省くことが、効率的な情報の収集と土地の確保につながっていると弊社は考える。
また、今後は新しい建築技術の開発によって、同社の提案力と施工技術に磨きをかけていく。新しい建築技術に関しては、耐震・免震に優れた施工方法の開発に注力しており、順調に進捗している状況だ。これにより、他社との差別化をさらに図り、受注拡大につなげていく考えだ。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 清水陽一郎)
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