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29日の香港市場概況:ハンセン0.3%高で4日ぶり反発、中国生物製薬9.8%上昇

注目トピックス 外国株
29日の香港市場は値上がり。主要50銘柄で構成されるハンセン指数が前日比88.02ポイント(0.34%)高の25703.50ポイント、本土企業株で構成される中国本土株指数(旧H株指数)が11.91ポイント(0.12%)高の9992.64ポイントとそろって4日ぶりに反発した。売買代金は788億6700万香港ドルとなっている(28日は747億6500万香港ドル)。

米中通商問題の不透明感がやや後退する流れ。本土マーケットの引け後に中国商務部が会見し、「通商問題を話し合うため、中国側は9月の米国訪問を検討している」と会見で発表した。これより先、ムニューシン米財務長官は28日、「中国の通商担当者が近くワシントンを訪問すると予想している」と述べている。香港の政情不安、中国の元安進行などを嫌気し指数は安く推移していたものの、終盤に入り買いが優勢となった。

ハンセン指数の構成銘柄では、バイオ製薬・中医薬メーカーの中国生物製薬(1177/HK)が9.8%高と急伸。中間決算の上振れが好感された。決算報告を受け、一部のブローカーは、「研究開発費の減少により、下期の増益幅は拡大する見通し」と分析している。米中関係が株価に左右されやすい銘柄群も高い。中国ニット衣料最大手の申洲国際集団HD(2313/HK)が3.5%高、光学部品メーカーの舜宇光学科技(2382/HK)が2.1%高、ブタ肉生産で世界トップの万洲国際(WHグループ:288/HK)が1.0%高で引けた。

業種別では、港湾・海運・港湾がしっかり。中遠海運HD(1919/HK)が1.5%、中遠海運能源運輸(1138/HK)と太平洋航運集団(2343/HK)がそろって0.7%、中遠海運港口(1199/HK)が3.2%、天津港発展HD(3382/HK)が1.5%ずつ上昇した。

好業績銘柄の物色も続く。主要企業の決算報告が終盤に入るなか、増益決算を公表した銘柄群では、使い捨て医療器具大手の山東威高集団医用高分子製品(ウェイガオ・グループ・メディカル・ポリマー:1066/HK)が7.1%高、国有資産管理会社(AMC)の中国華融資産管理(2799/HK)が5.4%高、建設機械メーカー中国大手の中国龍工HD(3339/HK)が1.6%高、中国家電大手のTCL電子HD(TCLエレクトロニクス・ホールディングス:1070/HK)が1.2%高などと値を上げている。

半面、中国不動産セクターは安い。中国恒大集団(3333/HK)が5.9%、万科企業(2202/HK)が2.0%、広州富力地産(2777/HK)が1.4%ずつ下落した。金融当局が複数の銀行に対し、デベロッパー向け融資を3月末水準まで引き下げるよう窓口指導した??と伝わったことを嫌気している。中国恒大集団に関しては、中間期の52%減益も売り材料視された。

香港拠点の銘柄群も総じてさえない。香港鉄路(MTR:66/HK)が1.6%安、東亜銀行(23/HK)が1.5%安、九龍倉置業地産投資(1997/HK)が1.1%安、中銀香港(2388/HK)が0.9%安と下げた。域内情勢を巡っては、香港のテレビ局が29日、中国人民解放軍の武装トラックが香港に入ってくる模様を放映。中国国営メディアは「香港駐留部隊の定期交代に過ぎない」と伝えているものの、増員などが判明した場合は反政府派の反発が強まると懸念されている。

一方、本土市場は小幅ながら続落。主要指標の上海総合指数は、前日比0.10%安の2890.92ポイントで取引を終えた。不動産株が安い。金融株、公益株、自動車株、医薬品株も売られた。半面、ハイテク株は高い。メディア関連株、海運株、消費関連株の一角も買われた。

【亜州IR】



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