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抹茶はアンチエイジングや脳卒中予防などありとあらゆる健康効果あり。そんな世界でも注目されている“MATCHA”市場を日本が主導するには?『日本“MATCHA”サミット』開催

2月6日「抹茶の日」を記念して、改めて抹茶を見直す!《日本・中国・韓国・フランス》世界中の抹茶の有識者が一同に集結




  2017年2月6日(月)、お茶大学(運営:本学:東京都新宿区新宿7-27-3 クリオ東新宿壱番館905茶空間)は、2月6日が「抹茶の日」であることを受けて、日本の抹茶をより理解していただくことを目的に、「日本“MATCHA”サミット」を開催致しました。 第一部では抹茶の効果効能や、世界に広がる日本の“MATCHA” と今後の展望を、お茶の第一人者である大妻女子大学 名誉教授/「お茶大学」校長 大森正司よりお話しいたしました。第二部では、日本・中国・韓国・フランス各国のお茶の有識者をお呼びして、それぞれの有識者が考える世界での抹茶の立ち位置についてや、日本の抹茶が世界基準になるためにはどうしたら良いかを考えるディスカッションを開催し、熱い議論が繰り広げられました。

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<第一部:世界に広がる日本の“MATCHA” と今後の展望 レポート>
■抹茶とは
玉露がお茶の王様としての美味しさを保っている秘密は、一番茶の茶葉を摘む予定日の3〜4週間前から、茶樹の上に簀子を張り、むしろ等をたらして(近年は寒冷紗を用いるところが多くみられるようになりました)、太陽光をさえぎって育てるところにあります。4月上旬40〜50%の遮光率であったものが、数日前くらいには90%ほどの遮光率まで高められます。
このような工程操作により“おおい香”と呼ばれる独特の香りがするようになりますが、この青くさく、生のりのような香りは抹茶の香りの特徴でもあります。
 うま味の成分はアミノ酸類ですが、中でもグルタミン酸、テアニン、アルギニンというアミノ酸が、光をさえぎることにより 煎茶の約1.5倍以上に増加します。

■抹茶の製法
 玉露の作り方は、茶葉を摘採した後、蒸煮⇒揉捻⇒乾燥、という工程を経て製品となりますが、
このうち「揉捻」という操作を行わず、そのまま乾燥したものを碾茶と呼称しています。この碾茶を石臼で挽いて粉にしたものが「抹茶」です。
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■抹茶の効果効能 〜抹茶は本当に身体にいい!〜 
 茶は古来より薬として、珍重されてきました。1991年、日本で初めて茶の国際会議が開催されましたが、この時、それまで伝承されてきた茶は薬としての効果がある、具体的にはがん、高血圧、心疾患等の生活習慣病を始めとした疾患に効果のある可能性が、実験事実を基に発表されました。茶の効果が大きく見直された時期でもあります。 これらの効果は茶を「飲む」として利用することだけで、これらの効果がみとめられたわけですが、抹茶の場合には不溶性の残り70%を含めて、すべて利用することになります。抹茶の健康効果にはさらなる可能性が秘められているわけです。

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 抹茶にはカフェイン、ポリフェノール(カテキン)、アミノ酸(テアニン)などが豊富に含まれますので、これらが単体、あるいは複合して様々な生理機能を発現します。
 カフェインは、「これが茶に含まれるが故に古来から飲用されてきた」とも言われ、茶を飲んだ人の多くは覚醒効果、利尿効果を経験することと思います。

 カテキンは抗酸化性と吸着性に優れた物質で、茶を白い布などにこぼすと着色して落ちなくなったり、急須に茶渋が付いて汚れてきますが、これらはカテキンの吸着作用によります。それ故に風邪のウイルス感染症に効果があったり、口臭の予防になったりします。またカテキンの抗酸化性はアンチエイジングとの略同義語としても使用可能な性質で、抗酸化物質は細胞のがん化抑制効果、動脈硬化抑制作用、血圧上昇抑制作用、脳卒中予防作用、肥満抑制作用、老化認知症予防効果等、酸化ストレスに効果を示す物質です。

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『カテキン(EDGC)による枯草菌の突然変異抑制』岩田多子 他(1988)

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『カテキン(EGCG)による血中コレステロール上昇抑制』 福興眞弓 他(1986))

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『ラット小腸からのコレステロール吸収阻害』 T.Chisaka 他 (1988)

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『α波、θ波出現に及ぼすテアニン摂取量の影響』小林加奈理、他(1998)

■抹茶の現状
 和食がユネスコ無形文化遺産として登録されたことを受け、米、日本酒、茶・・・特に抹茶は大きく着目され、「MATCHA」として国際語にもなりました。日本の抹茶の持つ色、香り、味、美味しさ、効能、文化性等の優位性は歴然としており 、和食と共に抹茶は有望な資産として注目されております。
 事実、抹茶ラテ、とか抹茶ソフト、抹茶アイス、抹茶ケーキなどは大変な人気ともなっております。しかし、海外での抹茶の状況をみますと、粉末化したお茶という考えが一人歩きをし、通常の緑茶や紅茶、ウーロン茶を粉にしただけのものをが抹茶として流通するなど、思いもかけないことが起こっています。国内では茶価の下落、消費の低迷、放棄茶園の増加などの問題が山積しており、抹茶についての国際標準というものを、日本のリードにおいて早急に整備することが不可欠急務の課題であると考えます。
 日本には茶業中央会、世界緑茶協会なる全国組織も存在しています。しかしこの国際標準の問題はなかなか進展せず、むしろ諸外国において抹茶について、誤解を招く国際標準ができようものなら、これまた由々しき問題と考えます。
 日本の抹茶には長い歴史と伝統・文化があります。これは大変に貴重な、大切な伝統・文化と思いますが、伝統・文化は往々にして正しく伝わらないことも起こります。

■抹茶の展望
 抹茶についてのこのような現状をどのようにして打開したらよいか、もちろん明快な答えは持ち合わせていませんが一言でいえば、長い歴史を有する「日本の抹茶の伝統・文化」を科学することが重要であると考えます。
科学すること、それはその事象を多観点で見ること、つまり比べてみることです。
 新しい発明、発見は技術革新から生まれると考えます。茶業界だけに留まらず、異業種と科学的実践を重ねていくことで日本の抹茶を盛り上げていく必要があります。

<第二部:“MATCHA”サミット レポート>
■各国の “MATCHA”の立ち位置・最新のトレンドについて
 抹茶に対する認識の在り方や、抹茶トレンドに各国でそれぞれ差はあるものの、共通項も見つかりました。それがは、伝統的な抹茶の飲用よりも、抹茶ラテや抹茶ソフトといったものが先駆けて人気になっているという実状です。特に韓国では、1年間の抹茶飲用量が50g/人であるというデータも一部出ており、抹茶をシンプルにそのまま愉しむ楽しむという人が非常に少ないことが分かっています。また中国では、抹茶の飲用率自体は年々増加傾向にあるものの、日本産の抹茶はほとんど取り扱いがなく、中国産の抹茶が出回って流通しているため、製法やクオリティの異なるものが、多くの人に本来の抹茶として愉しまれているという課題を抱えていることもわかりました。
 一方で、フランスでは抹茶に対する意識や、考え方も大きく異なり、“食材”としての抹茶が流行していることについてステファン・ダントン氏は次のようにコメントしました。

「今でこそ、お店で抹茶を使った商品を見ることは多くなったが、それは有名なメゾンが食材として使い始めたことがキッカケであって、本来の抹茶の魅力が伝わっているわけではない。そもそも、アジア圏とは食文化が異なるフランスでは、ポリフェノールはワインから摂取する人が多くことからも、1年間全くお茶を飲まない人もいるくらい、お茶に対する関心はそこまで高くない。また、抹茶は、クレソンやパセリなどと同系色のため、視覚的ハードルも高く、抹茶の飲用を習慣化するには工夫が必要だ。」
 各国で抹茶の生産や、トレンドを推進していく動きはあるが、本来の日本の抹茶の魅力はまだまだ普及できておらず、その解決策は日本の動きに委ねられているように思える意見が飛び交いました。

特に韓国では、1年間の抹茶飲用量が50g/人であるというデータも一部出ており、抹茶をシンプルにそのまま愉しむ楽しむという人が非常に少ないことが分かっています。また中国では、抹茶の飲用率自体は年々増加傾向にあるものの、日本産の抹茶はほとんど取り扱いがなく、中国産の抹茶が出回って流通しているため、製法やクオリティの異なるものが、多くの人に本来の抹茶として愉しまれているという課題を抱えていることもわかりました。

■日本の抹茶が世界基準になるにはどうしたらいいか
 中国や韓国でも抹茶の生産はあるが、まだまだ日本の抹茶のクオリティには届かないという意見がある一方で、中国は生産量だけでなく、技術も全体的に向上しており、抹茶の品質が上がればわざわざ日本から買わなくても良い日が来るという見方も出てきています。つまり、抹茶は日本の伝統文化であったにも関わらず、世界中でそれぞれの抹茶文化が形成されてしまっているため、今まさに日本独自の抹茶の価値を高めていくことが求められています。サミットの終わりには、中村 羊一郎氏は「日本の茶文化を世界的なものとしていくには、まず若年層に対してどうやって飲んでもらうかを考える必要がある。親が飲まなければ、その子は飲まないだろう。また、日本人が自分たちの手で世界にお茶の文化を発信していくことも求められている。」とコメントし、会を締めくくりました。

■実施概要
【正式名称】 「日本“MATCHA”サミット」
【場所】 野村コンファレンスプラザ日本橋(中央区日本橋室町2丁目4番3号 日本橋室町野村ビル5F・6F)
【日時】  2017年2月6日(月)13:00〜14:40(開場 12:30) 

■プログラム概要
第一部 『世界に広がる日本の“MATCHA”と今後の課題』
登壇者:大妻女子大学 名誉教授/「お茶大学」校長 大森正司

第二部 『“MATCHA”サミット』登壇者:中村羊一郎氏 (静岡産業大学 特任教授)【日本】
王 亜雷氏  (日本中国茶協会 代表)【中国】
李 瑛子   (社団法人 韓国茶道協会 東京支部長)【韓国】
ステファン ダントン((株)おちゃらか 代表) 【フランス】

■登壇者一覧
<第一部>
大森 正司

[画像9: https://prtimes.jp/i/23815/2/resize/d23815-2-820465-12.jpg ]

1942年生まれ。1970年、東京農業大学大学院・農芸化学専攻博士課程 修了。その後、大妻女子大学講師、助教授、教授を経て、現在は大妻女子大学名誉教授、大妻女子大学「お茶大学」校長。 専門分野は食品科学、食品微生物学。お茶の科学と薬効、お茶のルーツ、 伝統食品と健康に関する科学と文化などについて調査・研究を行っている。 このほか、NPO法人日本茶普及協会理事長、NPO法人日本食行動科学研究所長、お茶料理研究会事務局長を務める。著書に、『日本茶をまいにち飲んで健康になる』(キクロス出版)、『お茶で若く美しくなる!』(読売新聞社)、美味しいお茶の教科書(PHP)などがある。お茶の第一人者。

<第二部>
中村 羊一郎 【日本】

[画像10: https://prtimes.jp/i/23815/2/resize/d23815-2-176444-10.jpg ]

1943(昭和18年)静岡市生まれ。東京教育大文学部卒。静岡県史編さん室長、静岡市立商業高校長、静岡産業大学教授(民俗学)を経て、同大学情報学部特任教授を歴任。2014年から同大学総合研究所客員研究員。主な著書に「番茶と日本人」など。近年はミャンマーの茶文化研究に力を入れている。2016年6月、著書「番茶と庶民喫茶史」が、茶道文化研究に関する優れた著作に贈られる「茶道文化学術賞」(三徳庵主催)を受賞した。


王 亜雷(オウ アライ) 【中国】

[画像11: https://prtimes.jp/i/23815/2/resize/d23815-2-454336-9.jpg ]

安徽農業大学元学長王鎮恒氏を父に持ち、自身も茶葉・茶業研究で最も歴史ある安徽農業大学茶葉学部(現在は茶和食品科技学部)の学士・修士課程に学ぶ。大学では中国茶葉界の泰斗故陳椽先生(六大茶類を科学的に確立)を始め、著名な先生方より直接指導を受け、卒業後は母校にて数年間教鞭を取り、多くの後進を育成した。
現在は日本中国茶協会代表の他、安徽農業大学客員教授、中国茶葉学会理事、中国茶葉流通協会常務理事、中国国際茶文化研究会理事、呉覚農茶学思想研究会理事、世界茶聯合會副秘書長などの要職に就いている。

李 瑛子(イ ヨンジャ) 【韓国】

[画像12: https://prtimes.jp/i/23815/2/resize/d23815-2-195797-8.jpg ]

韓国茶道 茶礼道研究家。韓国・仁川出身。在日韓国人の夫との結婚により1972年に来日。茶道との出会いは、韓国より日本の方が先だった。京都に旅行した時に日本茶道に触れ、その礼儀作法に魅力を感じて学び始めた。
1970年代後半、日本茶道を学んでいるうちに、お茶の先生から「韓国にも茶道はないの?」と聞かれたことがきっかけで、韓国茶道について研究することになった。
韓国と日本の師範資格を持つ李さんだが、昨年は韓国の茶道大学で1年間学んだ。現在もたびたび韓国を訪問し、韓国の奥深い茶文化について研究を続けている。

ステファン ダントン 【フランス】

[画像13: https://prtimes.jp/i/23815/2/resize/d23815-2-108176-11.jpg ]

1964年フランス・リヨン生まれ。
リセ・テクニック・ホテリア・グルノーブルでホテル経営を専攻。1985年の卒業時にソムリエの資格を取得。1992年に来日後、紅茶専門店などに勤務しながら、日本茶の可能性を切り開くための勉強を始める。2005年、東京・吉祥寺に「おちゃらか」を開店。日本茶や、日本茶ベースのオリジナルフレーバーティーの開発・販売を行う。

■大妻女子大学「お茶大学」とは
大妻女子大学は1908年、大妻コタカが技芸学校として創立・発足したもので、以来100余にわたり、「新しい時代に役立つ知識や技術を身に付けた、自立した女性の育成」ということを建学の精神とし、人格形成教育を行ってきました。
本学は「日本女子に対し廉恥報恩を基調とする徳操を涵養し、時代の進運に適応すべき学芸を授け、有為な社会人たらしめること」を教育の目的に掲げています。すなわち、豊な教養と高度な専門知識並びに広い視野を持って、新しい時代に対処し、社会の発展に寄与できる人材の育成を目的としています。
人はこの世に誕生してから死ぬまで、限りなく食べ続けます。この「食べる」ということの意義は大変大きく、生き続けるためだけではなく、心を豊かにする根源であり、まさに生活の知識、技術、文化の原点であると考えられます。
そして日本においては、この「食」の多様な姿の中でも、茶はその要ともなるものであり、特に近年の茶を飲用することによる生活習慣病の予防効果は、結果的に、今に見る「健康日本21」として、世界に冠たる健康国を形成しているものと考えられます。このたび、茶の有する「侘び・寂び」と本学の校訓である「恥を知れ」との柔和を図り、それを基盤として、食育を正面から捉えて健康な身体を、そして茶育をもう一方の正面から捉えて健康な心を形成することを目的として、『お茶大学』を設立することとします。
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