2020年第2四半期、台湾再生エネルギー産業の振り返りと今後の展望<ワイズ機械業界ジャーナル9月第5週号発行>
[20/09/30]
提供元:PRTIMES
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〜台湾機械業界の動向が分かる〜
ワイズコンサルティング グループ(本社:中華民国台北市、代表取締役:吉本康志)は台湾機械業界専門誌「ワイズ機械業界ジャーナル」の9月第5週号を発行しました。今週号では、紡織機械業界、再生エネルギー業界、重電メーカーの士林電機(SEEC)、機械メーカーの投資動向について紹介します。
[画像1: https://prtimes.jp/i/59899/19/resize/d59899-19-925561-0.png ]
<200930号内容案内>
[表: https://prtimes.jp/data/corp/59899/table/19_1.jpg ]
台湾再生エネルギー産業の振り返りと今後の展望—2020年第2四半期
工業技術研究院(工研院)産業科技国際策略発展所(産科国際所、ISTI)の資料によると、2020年第2四半期の台湾再生エネルギー産業の生産額は217億3,000万台湾元で前期比25.6%増、前年同期比9.4%減だった。
一、各カテゴリー概況
太陽光発電産業
新型コロナウイルスの感染が世界的に拡大した影響で、2020年の太陽光発電市場の需要は減少した。しかし、感染状況が落ち着いたため、各国政府が太陽光発電装置の設置を推進する政策を実施し始めたことから、市場の需要は拡大する見通しだ。
2020年第1四半期の台湾太陽光発電産業の生産額は、中国サプライチェーンの供給が遅延したことから、前年同期比14.3%減となった。しかし、第2四半期は中国サプライチェーンの供給が回復し、第1四半期からずれ込んだ商業化運転から派生した需要もあったため、生産額は前期比13.9%増となった。20年下半期は政策によって市場需要が拡大して、台湾太陽光発電産業の生産額は上半期を上回り、20年通年の生産額は568億2,000万台湾元となる予測だ。
風力発電産業
2020年第2四半期、世界風力発電市場の需要は高い水準を維持し、原材料と関連部品の需要も拡大して、台湾風力発電産業メーカーの出荷状況は予測を上回った。洋上風力発電については、発電所の建設スケジュールに影響が出たものの、部品製造に対する影響は小さく、水中基礎と陸上変電システムの原材料、部品の出荷は順調に進んだ。さらに、新規メーカーが参入したことから風力発電産業全体の生産額が成長し、20年第2四半期は73億2,000万台湾元で前期比58.4%増、前年同期比65.1%増だった。
その他再生エネルギー産業
その他再生エネルギー産業のうち最も高い割合を占めているのは燃料電池で、2020年第2四半期の生産額は7億7,000万台湾元だった。例年第2四半期は燃料電池の需要期である。新型コロナウイルスの影響で多くの国が生産を一時休止したことから、大量の受注が台湾燃料電池部品メーカーに流れ込んだため、20年第2四半期の生産額は大きく伸びた。しかし、第3四半期と第4四半期に受注消化が完了することに加えて、関連工事が延期されたことから、20年通年の予想生産額は下方修正されている。
[画像2: https://prtimes.jp/i/59899/19/resize/d59899-19-349754-1.png ]
二、メーカー動向
SGREが14MWの新型洋上風力発電機を発表
シーメンスガメサ・リニューアブル・エナジー(SGRE)は設備容量14メガワット(MW)の新型洋上風力発電機を発表した。パワーブースト機能により容量を15MWまで増強することができ、発電量は旧モデルの25%増と予測される。なお、プロトタイプは2021年に完成予定で、24年より実用化される見通しだ。
現在、すでに風力発電所開発業者2社がSGREの新型風力発電機を採用することを決定しており、そのうち1社は台湾の風力発電所「海龍2号」(設備容量300MW)の開発業者である。また、その他の風力発電所開発業者がSGREの新型風力発電機を採用した場合、SGREは台中港の風力発電機組立工場をアジア地区の出荷拠点にアップグレードする可能性がある。これに合わせて、台湾の風力発電機関連メーカーも生産プロセスをアップグレードさせ、産業競争力を向上させることができる。
三、今後の展望
太陽光発電産業
新型コロナウイルスの感染拡大によるサプライチェーンの供給遅延は、すでに解消されている。2020年4月に予定されていた太陽光発電所の商業運転が、新型コロナウイルスの影響で6月末に遅延されたため、第1四半期の出荷が第2四半期にずれ込んだことから、第2四半期の生産額は第1四半期より成長する見通しだ。また、太陽光発電設備の農地設置に関する規定が改正され、太陽光発電の商業運転は多角化に発展していくだろう。しかし、世界市場で供給過剰が続いていることから、太陽電池と電池モジュールの価格下落は改善せず、台湾太陽光発電メーカーも価格の下方修正を強いられるだろう。このため、20年通年の太陽光発電産業の生産額は568億2,000万台湾元で前年比6.3%減の小幅減少となる予測だ。
風力発電産業
2020年、世界風力発電機の新設設備容量はさらに成長すると予測されており、中国および欧米風力発電機メーカーの風力発電機部品に対する需要が成長している。このため、台湾風力発電産業の▽ブレード▽カーボンファイバー▽鉄鋼部品▽電機設備──などの出荷は19年より成長する見込みだ。
また、台湾洋上風力発電所の設備設置工事が進んでいることにより、多くの新規メーカーがサプライチェーンに参入し、風力発電所の関連設備が出荷されことから、2020年の台湾風力発電産業の生産額は272億6,000万台湾元で前年比60.7%と大きく伸びる見通しだ。
その他再生エネルギー産業
各国における新型コロナウイルスの感染流行は収束の兆しがなく、燃料電池生産国の関連工事はすべて延期されることとなった。さらに、世界経済の低迷によって市場需要も大幅減少していることから、2020年通年の燃料電池の生産額は29億1,000万台湾元と予測される。
<ワイズ機械業界ジャーナルとは>
[画像3: https://prtimes.jp/i/59899/19/resize/d59899-19-309223-2.png ]
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【会社概要】
会社名:ワイズコンサルティング グループ
所在地:中華民国台北市襄陽路9號8F
代表者:吉本康志
設立:1996年11月
URL:https://www.ys-consulting.com.tw/
事業内容:
・経営コンサルティング(人事労務・マーケティング・経営戦略・情報セキュリティ)
・人材トレーニング(階層別研修・職種別研修)
・日本語台湾経済ニュース、機械業界ジャーナル配信
・市場調査・業界調査・顧客調査
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【お客様からのお問い合わせ先】
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ワイズコンサルティング グループ(本社:中華民国台北市、代表取締役:吉本康志)は台湾機械業界専門誌「ワイズ機械業界ジャーナル」の9月第5週号を発行しました。今週号では、紡織機械業界、再生エネルギー業界、重電メーカーの士林電機(SEEC)、機械メーカーの投資動向について紹介します。
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<200930号内容案内>
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台湾再生エネルギー産業の振り返りと今後の展望—2020年第2四半期
工業技術研究院(工研院)産業科技国際策略発展所(産科国際所、ISTI)の資料によると、2020年第2四半期の台湾再生エネルギー産業の生産額は217億3,000万台湾元で前期比25.6%増、前年同期比9.4%減だった。
一、各カテゴリー概況
太陽光発電産業
新型コロナウイルスの感染が世界的に拡大した影響で、2020年の太陽光発電市場の需要は減少した。しかし、感染状況が落ち着いたため、各国政府が太陽光発電装置の設置を推進する政策を実施し始めたことから、市場の需要は拡大する見通しだ。
2020年第1四半期の台湾太陽光発電産業の生産額は、中国サプライチェーンの供給が遅延したことから、前年同期比14.3%減となった。しかし、第2四半期は中国サプライチェーンの供給が回復し、第1四半期からずれ込んだ商業化運転から派生した需要もあったため、生産額は前期比13.9%増となった。20年下半期は政策によって市場需要が拡大して、台湾太陽光発電産業の生産額は上半期を上回り、20年通年の生産額は568億2,000万台湾元となる予測だ。
風力発電産業
2020年第2四半期、世界風力発電市場の需要は高い水準を維持し、原材料と関連部品の需要も拡大して、台湾風力発電産業メーカーの出荷状況は予測を上回った。洋上風力発電については、発電所の建設スケジュールに影響が出たものの、部品製造に対する影響は小さく、水中基礎と陸上変電システムの原材料、部品の出荷は順調に進んだ。さらに、新規メーカーが参入したことから風力発電産業全体の生産額が成長し、20年第2四半期は73億2,000万台湾元で前期比58.4%増、前年同期比65.1%増だった。
その他再生エネルギー産業
その他再生エネルギー産業のうち最も高い割合を占めているのは燃料電池で、2020年第2四半期の生産額は7億7,000万台湾元だった。例年第2四半期は燃料電池の需要期である。新型コロナウイルスの影響で多くの国が生産を一時休止したことから、大量の受注が台湾燃料電池部品メーカーに流れ込んだため、20年第2四半期の生産額は大きく伸びた。しかし、第3四半期と第4四半期に受注消化が完了することに加えて、関連工事が延期されたことから、20年通年の予想生産額は下方修正されている。
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二、メーカー動向
SGREが14MWの新型洋上風力発電機を発表
シーメンスガメサ・リニューアブル・エナジー(SGRE)は設備容量14メガワット(MW)の新型洋上風力発電機を発表した。パワーブースト機能により容量を15MWまで増強することができ、発電量は旧モデルの25%増と予測される。なお、プロトタイプは2021年に完成予定で、24年より実用化される見通しだ。
現在、すでに風力発電所開発業者2社がSGREの新型風力発電機を採用することを決定しており、そのうち1社は台湾の風力発電所「海龍2号」(設備容量300MW)の開発業者である。また、その他の風力発電所開発業者がSGREの新型風力発電機を採用した場合、SGREは台中港の風力発電機組立工場をアジア地区の出荷拠点にアップグレードする可能性がある。これに合わせて、台湾の風力発電機関連メーカーも生産プロセスをアップグレードさせ、産業競争力を向上させることができる。
三、今後の展望
太陽光発電産業
新型コロナウイルスの感染拡大によるサプライチェーンの供給遅延は、すでに解消されている。2020年4月に予定されていた太陽光発電所の商業運転が、新型コロナウイルスの影響で6月末に遅延されたため、第1四半期の出荷が第2四半期にずれ込んだことから、第2四半期の生産額は第1四半期より成長する見通しだ。また、太陽光発電設備の農地設置に関する規定が改正され、太陽光発電の商業運転は多角化に発展していくだろう。しかし、世界市場で供給過剰が続いていることから、太陽電池と電池モジュールの価格下落は改善せず、台湾太陽光発電メーカーも価格の下方修正を強いられるだろう。このため、20年通年の太陽光発電産業の生産額は568億2,000万台湾元で前年比6.3%減の小幅減少となる予測だ。
風力発電産業
2020年、世界風力発電機の新設設備容量はさらに成長すると予測されており、中国および欧米風力発電機メーカーの風力発電機部品に対する需要が成長している。このため、台湾風力発電産業の▽ブレード▽カーボンファイバー▽鉄鋼部品▽電機設備──などの出荷は19年より成長する見込みだ。
また、台湾洋上風力発電所の設備設置工事が進んでいることにより、多くの新規メーカーがサプライチェーンに参入し、風力発電所の関連設備が出荷されことから、2020年の台湾風力発電産業の生産額は272億6,000万台湾元で前年比60.7%と大きく伸びる見通しだ。
その他再生エネルギー産業
各国における新型コロナウイルスの感染流行は収束の兆しがなく、燃料電池生産国の関連工事はすべて延期されることとなった。さらに、世界経済の低迷によって市場需要も大幅減少していることから、2020年通年の燃料電池の生産額は29億1,000万台湾元と予測される。
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