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アストラゼネカのオラパリブ、米国食品医薬品局(FDA)が転移乳癌の承認申請を受理、優先審査品目に指定

生殖細胞系列BRCA遺伝子変異を有するHER-2陰性転移乳癌に対する新たな治療選択肢提供の可能性

卵巣癌以外で初となるPARP阻害剤の薬事承認申請受理

本資料はアストラゼネカ英国本社が2017年10月18日に発信したプレスリリースを日本語に翻訳し、みなさまのご参考に提供するものです。本資料の正式言語は英語であり、その内容・解釈については英語が優先します。

アストラゼネカ(本社:英国ロンドン、最高経営責任者(CEO):パスカル・ソリオ[Pascal Soriot]、以下、アストラゼネカ)とメルク・アンド・カンパニー(本社:米国ニュージャージー、以下「メルク(北米以外ではMSD)」)は、2017年10月18日、米国食品医薬品局 (FDA) が、術前補助療法、術後療法としての化学療法あるいは転移癌の治療歴を有する生殖細胞系列BRCA変異陽性 (gBRCAm) HER2陰性転移乳癌患者さんに対するオラパリブ錠の追加新薬申請を受理し、同剤を優先審査品目に指定したことを発表しました。処方医薬品ユーザーフィー法に基づく審査終了予定日は2018年第1四半期と設定されました。

本申請は卵巣癌以外では初となるポリ(ADP-リボース)ポリメラーゼ(PARP)阻害剤の申請であり、米国におけるオラパリブの3番目の適応申請となります。追加新薬承認申請はNew England Journal of Medicineに掲載された第III相OlympiAD試験の良好な結果に基づいています。

オラパリブはカプセル剤として2014年12月にFDAの迅速承認プログラムのもと初めて承認され、最初に承認されたPARP阻害剤となりました。以降、今日までに3,000人以上の進行卵巣癌患者さんがオラパリブ・カプセルによる治療を受けています。現在、乳癌、前立腺癌およびすい臓癌を含む多岐にわたる癌種において、オラパリブ錠の臨床試験を実施中です。

以上

*****

OlympiAD試験について
OlympiAD試験は302例の病的変異または病的変異疑いに分類される生殖細胞系列BRCA1またはBRCA2遺伝子変異を有するHER2陰性転移乳癌患者さんにおけるオラパリブ(300 mg 1日2回投与)の有効性および安全性を医師の選択した化学療法(カペシタビン、ビノレルビンもしくはエリブリンのいずれか1つ)と比較検討した非盲検、無作為化、多施設共同第III相試験です。本国際共同試験は欧州、アジア、北米および南米の19カ国において実施されました。

オラパリブについて
オラパリブは、FDAが最初に承認したファースト・イン・クラスの経口ポリ(ADP-リボース)ポリメラーゼ(PARP)阻害剤であり、DNA損傷応答(DDR)経路に異常をきたした癌細胞に特異的に作用し、細胞死を誘導します。特に、in vitro試験により、オラパリブ誘発細胞毒性はPARP酵素活性およびPARP-DNA形成増加に関与し、その結果DNA損傷および癌細胞死を引き起こす可能性が示されています。

オラパリブは、アストラゼネカの癌細胞のDNA損傷応答(DDR)メカニズムを標的とする業界有数のポートフォリオの基盤となる薬剤です。

*オラパリブは本邦未承認薬です。

転移乳癌について
2012〜2014年のデータ1に基づき、米国では女性の約8人に1人が乳癌と診断されており、2017年には25万人以上の女性が乳癌と診断されることになります1。過去30年間に治療選択肢は増加しましたが、転移乳癌と診断された患者さんを治癒する方法は現在ありませんし、これら患者さんの5年相対生存率は現在26.9%です1,2,3。したがって、治療の第一義的な目的は出来る限り長く病勢の進行を遅らせ、患者さんのクオリティ・オブ・ライフを改善あるいは最低限維持することにあります2。

生殖細胞系BRCA遺伝子変異について
BRCA1およびBRCA2は損傷したDNAの修復に関わるタンパク質を生成する遺伝子であり、細胞内遺伝子の安定性維持に重要な役割を果たします。これらの遺伝子のいずれかが変異あるいは変化すると、BRCAタンパクが生成しないまたは正常に機能せず、DNA損傷が適切に修復されない可能性があります。その結果、細胞の癌化につながるさらなる遺伝子変化を起こす可能性が高くなります4。

アストラゼネカとメルクの癌領域における戦略的提携について
2017年7月27日、アストラゼネカとメルクは、アストラゼネカの世界初および主要なPARP阻害剤であるオラパリブおよび現在開発中であるMEK阻害剤セルメチニブを複数の癌種における共同開発・商業化に関する癌領域における世界的な戦略的提携を発表しました。本提携は、PARPとMEK阻害剤は一連の癌種においてPD-L1/PD-1阻害剤と併用することが可能であることを示す増加しつつあるエビデンスに基づくものであり、併用療法の望ましい基幹製品になるというオラパリブの可能性を最大化することを目的としています。本提携において、両社はオラパリブおよびセルメチニブを他の可能性のある新薬との併用療法および単剤療法として共同開発します。また、単独で、各社は各々のPD-L1およびPD-1薬との併用でオラパリブおよびセルメチニブを開発します。

アストラゼネカにおけるオンコロジー領域について
アストラゼネカはオンコロジー領域において歴史的に深い経験を有しており、急速に拡大しつつある患者さんの人生と当社の将来を変革する可能性のある新薬ポートフォリオを保持しています。2014年から2020年までの期間に発売を予定する少なくとも6つの新薬、および低分子・バイオ医薬品の広範な開発パイプラインを有する当社は、肺癌、卵巣癌、乳癌および血液癌に焦点を当てたNew Oncologyをアストラゼネカの5つの成長基盤のひとつとして進展させることに注力しています。中核となる成長基盤に加え、当社は、Acerta Pharma社を介した血液学領域への投資に象徴されるような、戦略を加速する革新的な提携および投資についても積極的に追求していきます。

アストラゼネカは、癌免疫治療、腫瘍ドライバー遺伝子と耐性、DNA損傷修復および抗体薬物複合体の4つの科学的基盤を強化し、個別化医療を推し進める併用療法の開発に挑戦し続けることで癌治療のパラダイムを再定義し、将来的には癌による死亡をなくすことをビジョンに掲げています。

アストラゼネカについて
アストラゼネカは、サイエンス志向のグローバルなバイオ・医薬品企業であり、主にオンコロジー、循環器・代謝疾患、および呼吸器の3つの重点領域において、医療用医薬品の創薬、開発、製造およびマーケティング・営業活動に従事しています。また、炎症、感染症およびニューロサイエンスの領域においても、他社との提携を通じて積極的に活動しています。当社は、100カ国以上で事業を展開しており、その革新的な医薬品は世界中で多くの患者さんに使用されています。詳細についてはhttp://www.astrazeneca.comまたは、ツイッター@AstraZeneca(英語のみ)をフォローしてご覧ください。

1. National Cancer Institute. Cancer Fact Sheet: Female Breast Cancer. Available at https://seer.cancer.gov/statfacts/html/breast.html Last accessed October 2017
2. American Cancer Society. Breast Cancer Facts & Figures 2015-2016. Available Online. Accessed October 2017.
3. American Cancer Society. Managing Cancer as a Chronic Illness. Available Online. Accessed October 2017.
4. National Cancer Institute. BRCA1 and BRCA2: Cancer Risk and Genetic Testing. Available Online. Accessed October 2017.
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