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製薬企業は、MR（medical representative：医薬情報担当者）が医師を訪問し、医薬品に関する最新の知識や情報を提供する活動を行っています。しかしMRは、多忙な医師の臨床時間の合間を縫って短時間の面談で情報を伝える必要があることから、訪問前にいかにその医師の求める情報を把握し、面談時間を有効活用できるかが重要となります。このMR活動をサポートするために、各製薬会社は大量のデータを保有していますが、これらの状況を整理し、総合的に判断するには多くの準備時間を要しています。また、製薬会社は社会保障費抑制などの事業環境の変化を背景に、限られたリソースの中で効果的な営業活動が求められています。そこでエクスメディオでは、これらのMR活動をサポートすべく、卒業大学・医局・論文共著などから医師同士のつながりを可視化するツールとして「Doctor Social Graph（仮）」を開発し、製薬企業への最初の導入を開始いたしました。さらにいくつかの企業への導入も見込まれております。実用段階に入ったことで、今後は運用しながら検証を進め、さらに製品をブラッシュアップしてまいります。

「Doctor Social Graph（仮）」は大きく2つの価値を提供しています。▼MR活動の質向上：MRが情報提供活動を行う医師の情報が一目で確認できることで、保有データを安定的に活用することが可能となり、医師に提供する情報の質の向上を図ることができます。▼エリア営業戦略の精度向上：エリアの担当医師の複雑な関係性を視覚的に理解することができるため、営業課題のある医師や施設に対するアプローチ立案のための参考情報を安定的に得ることができます。

すでに導入している製薬企業からは「大量の医師に関わるデータが視覚化されることで、これまで把握できていなかった医師のつながりが見え、MR活動の質を向上できる」といった評価を頂いていますが、今後はこれらの情報を可視化するだけにとどまらず、人工知能（AI）に基づく独自のグラフ分析アルゴリズムを用いて、医師間の処方影響関係を推測する技術や、「ヒポクラ x マイナビ」内の「知見共有」での医師の行動や「Bibgraph」での論文検索傾向などから分析したデータと紐づける技術により、さらに精度の高い医師データを完成させていく計画で開発を続けております。

多くの製薬企業で「Doctor Social Graph（仮）」が導入される未来には、企業にとっては、限られたリソースで効率的に医師の求める質の高い情報を提供できる、医師に求められ信頼を獲得できる情報提供活動の実現が期待できます。医師にとっては、多忙な臨床の合間での対応となるMRとの面談が、医師自身が求める情報を効率的に獲得できる有益な機会となります。そして、結果的には医療の質の向上に繋がり、患者に還元されます。

エクスメディオでは「テクノロジーの力で世界の健康寿命を5年延ばす」ことをミッションに掲げ、医師向けサービス「ヒポクラ x マイナビ」を通じた臨床支援を行っております。この「Doctor Social Graph（仮）」も、医師の臨床に役立つ情報を提供する新たなルートを追加したことになると考えております。また、「ヒポクラ x マイナビ」で蓄積した知見やデータを活用して製薬会社との協業を進めることで、これからも医師の臨床に役立つサービスを安定的に無償で提供し続けることにも繋がっていきます。

【ヒポクラ x マイナビについて】
臨床や研究の場で生じるさまざまな課題を解決に導くサポートツール「ヒポクラ x マイナビ」は、▼非専門医が匿名で専門医（皮膚科、眼科）に診断のアドバイスを受けることのできる「コンサルト」、▼医師同士が経験に基づく知見を共有し、AIが臨床の問題解決をサポートする「知見共有」、▼世界のキーオピニオンリーダー（KOL）が発信/シェアする医療ニュースをAIが紹介する「世界医療ニュース」、▼PubMedをはじめとした日米のデータベースから日本語・英語混在で横断的に論文を検索できる「Bibgraph」の4つのサービスを軸に展開しています。