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波乱の展開も相対的な日本株の底堅さを見極め

オープニングコメント
 29日の東京市場は波乱の展開になりそうだ。欧州連合(EU)は27日に開いたユーロ圏財務相会合(ユーログループ)で、30日に期限を迎えるギリシャ向け金融支援を延長せず、予定通り終了すると決めた。27日未明に、ギリシャ政府が突然、国民投票の実施を表明したことで、ギリシャが一方的に協議を打ち切ったと批判。ギリシャの債務不履行への懸念はさらに強まっている。

 これを受けて為替市場ではユーロが急落し、1ユーロ138円台から、一気に133円台をつける局面をみせている。シカゴ日経225先物清算値は26日には大阪比95円高の20855円をつけていたが、現在は20400円台での推移となっている。この流れを受け、幅広い銘柄に売りが先行することになろう。世界的に不安定な相場環境が続くなかで、短期的には日本株にもその影響は避けがたいところである。

 しかし、株主重視への転換基調、日銀・年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)の参入などを背景に、海外勢による日本株への関心は高い。外部環境の不透明さが、より日本株の安定感につながる可能性がある。特に6月から企業統治指針(コーポレートガバナンス・コード)が適用されるなど、日本特有の横並び意識が変化していることは日本に資金を向かいやすくさせている。

 株主総会が通過したことで、週明けには企業の成長戦略、資本戦略等を手掛かりとした物色が意識される。また、成長戦略「日本再興戦略」が発表される。目新しい材料ではないが、IoTやビッグデータ、人工知能(AI)など最先端技術による社会構造変化を見据えた施策が大きな目玉となるため、これら関連銘柄に注目したい。環太平洋経済連携協定(TPP)交渉の大筋合意に向け、日米事務協議を7月上旬にも東京で開催する方向で調整しており、TPP関連にも注目。

 その他、外部環境の不透明や今週は小売企業の決算が本格化するため、内需系の好業績銘柄への物色に向かわせよう。テーマ株では、米航空宇宙局(NASA)が国際宇宙ステーション(ISS)の主電源について、GSユアサ<6674>に発注すると伝えられており、リチウムイオン電池関連に注目。

 なお、日経平均は25日線が20440円辺りに位置している。同水準での踏ん張りがみられるようだと、中小型株辺りから押し目拾いの流れが強まる可能性はありそうだ。

<AK>

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