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NYの視点:米FOMCの利上げ見通し分かれる

注目トピックス 経済総合

米連邦準備制度理事会(FRB)は2日間にわたる連邦公開市場委員会(FOMC)で、市場の予想通り政策金利であるFF金利誘導目標を0-0.25%で据え置くと同時に、金融政策の正常化に向けて「忍耐強く」対処する方針を維持した。2015年の新メンバーでの初会合で、反対票はなかった。本年のメンバーはハト派が多数を占める。前回2014年12月会合では計3名のメンバーが反対票に投じた。タカ派として知られるフィッシャー米ダラス連銀総裁やプロッサー米フィラデルフィア地区連銀総裁は経済の改善をフォワードガイダンスに反映する必要性を指摘し反対票に投じた一方で、ハト派のコチャラコタ米ミネアポリス地区連銀総裁は低インフレや長期インフレ期待の低下を受けて決定が2%インフレ目標に向けたFRBの信用のリスクとなるとして反対票を投じた。

景気判断で、FOMCは回復ペースを前回声明の「moderate緩やか」から「solid着実」に上方修正した。さらに、前回の会合で残されていた「considerable time相当の期間」の文言を削除したことはFRBが依然利上げに向けた軌道にあることを示している。一方、インフレの判断は「長期の目標を一段と下回った」とした。また、インフレ期待でも「著しく低下した」としたほか、「短期的な低下を予想している」とした。FRBの2つの責務で完全雇用の達成には一段と近づいたものの、インフレの2%目標の達成からはさらに遠ざかったとメンバーが認識していることが明らかになった。政策判断で「国外の展開を考慮する」としたことやタカ派の反対票がなくなったことはハト派寄りの材料ととれる。

市場関係者の判断は分かれた。結果を受けて、これまで利上げに慎重な見通しを示していたジャナス・キャピタル・ブループのビル・グロス氏は、年内6月にもFRBが0.25%の利上げを実施すると見ていることを明らかにした。一方、声明で初めて「国際情勢」との文言が加えられたことに注目し、利上げが先送りされるとの見通しも根強い。新債券王として知られる米資産運用会社ダブルライン・キャピタル の ジェフリー・ガンドラック最高経営責任者(CEO)はFOMCを控えたイベントで「緩和政策に戻るリスクを生む」として年内の利上げを警告した。



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