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SDエンター Research Memo(6):投げ放題プランやPリーガー活用販促を冬の需要期の起爆剤に

注目トピックス 日本株

■事業変革の進捗と業績動向

(3)ボウリング事業

ボウリング事業はフェーズ2においてもフェーズ1から引き続きリピート客獲得が中心課題となる見通しだ。ボウリングは業界全体も同社自身もこの第2四半期の既存店売上高が前年比2ケタのマイナスとなるなど、苦境にあるといえる。SDエンターテイメント<4650>に特有の事情として、すべてのボウリング施設が北海道内にあるということがある。北海道民のレジャーは、夏場はアウトドアスポーツが中心で、ボウリングを含めた屋内型レジャーにとってはオフシーズンとなる。反対に寒さが厳しい冬は屋内レジャーにとっての書き入れ時となる。この季節差が本州以南に比べて激しい。

上記のような事情から、同社のボウリング事業の販促策は需要期にあたる第3四半期と第4四半期がポイントとなる。同社が現在打ち出しているのは、(1)投げ放題プランの導入によって客単価増を図る、(2)「パーティボウリング」による付帯収入の強化と原価率のコントロール、(3)北海道初のPリーガー(女子プロボウラー)誕生を活用した販促、の3点だ。これらは2015年3月期の第2四半期から取り組んできたが、一定の効果は確認できており、需要期の起爆剤になることが期待されている。

具体的には、「投げ放題」プランの導入の結果、9月の客単価は1年前に比べて7%上昇した。付帯収入では、「パーティボウリング」を謳い、DJやイベントガールが場内を盛り上げるイベント開催に合わせてアルコール飲料販売やグッズの販売を行うことで客単価大幅増につなげることに成功しているほか、プロショップでもリサイクルボールの販売開始や在庫管理システム刷新などで収益性向上が実現されている。

今後も法人営業、飲食、イベント等のトップライングロースのための施策と、メンテナンスや人件費などにおけるコスト削減・合理化策の組み合わせにより、収益の1.5倍化という全社目標に沿ったセグメント収益の成長を目指す方針だ。

2015年3月期第2四半期累計のボウリング事業の売上高は488百万円(前年同期比13%減)となった。前述のような販促策を行ったものの、そもそも夏場の不需要期にあたったこともあって、業界全体を取り巻く環境を跳ね返すには至らなかった。第3四半期に入って、11月には前年比横ばいに戻り12月も好調が続いたとみられる。第4四半期も、前年同期の売上高が低水準だったことから発射台が低くなっているため、既存店の前年比プラスは続くものと弊社ではみている。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 浅川 裕之)



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