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KDDI Research Memo(5):auスマートバリューによる囲い込みにより成長が加速

注目トピックス 日本株
■KDDI<9433>の業績動向

(1)過去の業績動向

2001年3月期から2015年3月期までの業績動向を見ると、TUKA事業とBBC&ソリューション事業の減収により減収となった2003年3月期を除いて、2008年3月期まではauを中心とした携帯電話事業の拡大に足並みをあわせる格好で売上高、営業利益ともに拡大トレンドとなった。しかし、ソフトバンクモバイル(株)(現ソフトバンクグループ<9984>傘下のソフトバンク(株))がiPhone3Gを発売した2008年7月以降はその影響を受けモバイル通信事業が低迷。2009年3月期と2010年3月期は、営業利益は徹底した経費削減により増加を確保したものの、売上高は減少を余儀なくされた。

田中孝司(たなかたかし)代表取締役社長就任後、2011年に「もっと身近に!」、「もっといろんな価値を!」、「もっとグローバルへ!」という3つの事業ビジョンのもとで、3M戦略とグローバル戦略を開始。さらに、2011年10月にiPhoneの販売を開始したほか、2012年3月にはスマートパスポート構想第1弾であるauスマートパスやauスマートバリューがスタート。これらにより顧客基盤が拡充され、2012年3月期以降、業績の成長スピードが加速。2014年3月期を初年度とする3ヶ年計画では、2014年3月期から2016年3月期までの3年間を本格的な利益拡大フェーズと位置付け、連結営業利益の毎期2ケタ成長を中期経営目標として掲げ、3M戦略の推進・深化とグローバル戦略の推進を行った。これらの戦略が結実し、フィーチャーフォンからスマートフォンへのシフトを主要因とするau通信ARPUの上昇と、モバイルと固定通信のバンドルを通じた契約数 (ID) の拡大を軸にモバイル通信料収入と端末販売収入の増大が原動力となり業績は順調に拡大した。

一方、財務状態について見ると、業績の拡大を背景に純資産が順調に積み上がる格好となっており、2015年3月期の親会社所有者帰属持分比率は54.5%と50%を超える水準となっている。また、D/Eレシオは0.38倍と同社が誕生した直後の2001年3月期の2.48倍から大幅に改善している。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 森本 展正 )



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