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RSテクノ Research Memo(2):12インチウェーハの推定月間需要量は右肩上がりのトレンドが続く

注目トピックス 日本株
■事業環境

1. 事業環境
シリコンウェーハ再生事業はすそ野の広い半導体産業の中でもニッチな分野だ。しかし、前述のように半導体チップの製造コスト削減という観点からは無視できない効果があり、今後も存続する事業領域であると弊社では考えている。他方、再生加工賃の下落で新規参入が難しい状況となっているため、RS Technologies<3445>を始めとする既存事業者にとっては安定的な競争状態にあると言える。

SEMIによると2016年の世界シリコンウェーハ出荷面積は10,738百万平方インチだった。このうち約70%が12インチウェーハと考えると2016年の12インチウェーハの出荷枚数は約6,650万枚と計算され、月間554万枚程度が出荷されていることになる。この2割前後(約100万枚〜110万枚/月)がモニターウェーハということになり、これがシリコンウェーハ再生加工市場の全体像ということになる。

同社は三本木工場に20万枚/月、台湾子会社の台南工場に10万枚/月の12インチウェーハ再生加工能力を有している。三本木工場は当初は16万枚でスタートしたが、ここ数年生産ラインの改良を重ねた結果、デザインキャパシティは20万枚/月にまで拡大した。三本木工場にはこのほかに、8インチ以下のサイズについて12万枚/月の加工能力がある。台南工場は12インチウェーハの専用工場だ。現状は台南工場においてもフル生産が行われており、三本木工場同様、月によっては10万枚を超える生産・出荷が行われているもようだ。

約100万枚/月の市場(12インチウェーハ)において30万枚/月超の再生加工能力を有するということで、同社は能力ベースの世界シェア30%を有し、グローバルトップのポジションにある。国内市場での競合相手は三益半導体工業<8155>、濱田重工(株)などだ。このうち三益半導体工業は信越化学工業<4063>のグループ企業で、新品ウェーハの研磨加工も担っている。濱田重工は熊本県において同社と同じくウェーハの再生加工事業を行っている。

海外勢では台湾勢のKinik Company<1560 T.T>、Scientech Corporation<3583 T.T>、Phoenix Silicon International Corporation<8028 T.T>が主要な競合相手だ。シリコンウェーハ市場では日本企業が世界シェアの70〜80%を握っていることもあり、再生加工も日本企業の独壇場であったが、台湾にファウンドリ企業(半導体製造請負企業)が集積するに従って、台湾にも再生加工事業者が生まれた。それぞれ10%程度のシェアを有しているとみられる。こうした競合状況のなか同社は、後述する同社独自の強みと、業務提携・M&Aを活用して、中期的に世界シェア40%を獲得することを目標として掲げている。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 浅川 裕之)


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