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Iスペース Research Memo(7):将来的に広告事業とメディア事業の利益構成比50:50を目指す

注目トピックス 日本株
■今後の見通し

3. 今後の重点施策と目標
インタースペース<2122>は2019年9月期の重点施策として「BtoC領域の強化」「グローバル展開の強化」「クリエイティブの品質向上」の3つを掲げており、これらの取り組みを実行していくことで2020年9月期以降の収益成長を実現していく考えだ。

(1) BtoC領域の強化
同社は将来的にインターネット広告事業とメディア事業の利益構成比50:50を目指しており、これを実現するためにBtoC領域であるメディア運営事業の強化に取り組んでいく方針となっている。まずは「既存メディアのコンテンツ強化」と「新規メディアの創出」に注力し、その後「新規ビジネスモデルの創出」を実現していくことでメディア運営事業の収益を拡大していく戦略だ。

「既存メディアのコンテンツ強化」では、「ママスタジアム」や「4MEEE」「KOIMEMO(コイメモ)」(恋愛情報サイト)「mofmo(モフモ)」(ペット情報サイト)などの主要メディアの記事コンテンツの拡充に取り組んでいく。前述したように「ママスタジアム」では「ママスタ保活」を新たにリリースし、更なるUU数の獲得を狙う。データベースの収集と蓄積により、付加価値の高いサービスを提供できれば、有料化していくことも可能と見ている。また、時期は未定だが「ママスタジアム」のスマートフォンアプリ版の開発も進めていく予定にしている。

同社の強みであるママ領域を主軸に据えてその周辺領域へと横展開を図りながら規模を拡大していく計画で、金融や旅行関連のコンテンツ強化、「KOIMEMO」であればマッチングアプリとの連携、「mofmo」であればペット保険やペットフード等のアフィリエイト広告での展開などを想定している。また、これらのメディアは国内展開だけにとどまっているが、将来的にはグローバル配信も視野に入れている。そのため、宗教観に影響されないコンテンツ作りも目指している。

また、事業を拡大していくうえで、インターネット広告事業との相互連携も進めていく。新たに設立した子会社のTAG STUDIOではアフリエイトメディアを運営しており、インターネット広告事業へのトラフィック支援に寄与している。また、「ママスタジアム」への広告出稿なども今後拡大していきたい考えだ。こうした取り組みを推進することで、2018年9月期末の既存メディアの月間UU数0.1億人を1億人まで拡大することができれば、営業利益で12億円程度の水準が視野に入ってくると見ている。


次に、「新規メディアの創出」については、出版社とのアライアンスによる共同展開を進めているほか、M&Aの活用、自社開発などにも取り組んでいく。アライアンス戦略では、(株)セブン&アイ出版と共同で、ファッション・ライフスタイル情報サービス「saita PULS(サイタプラス)」やオンラインニュースメディア「ヨガジャーナルオンライン」を運営しているほか、(株)MADUROが発行する男性向けファッション・カルチャー・ライフスタイル誌「MADURO(マデュロ)」オンライン版の共同運営も開始しており、ブランド顧客層の獲得に取り組んでいる。

「新規ビジネスモデルの創出」では、既存市場において新たなビジネスモデルの構築を目指している。具体的な展開としては、前述した「Welnomi」によるサブクスリプションモデルの取り組みを開始している。また、今後も比較サイトを作ってユーザーを送客することで成果報酬を得るビジネスモデルや、位置情報等のビッグデータを収集・蓄積して活用する付加価値サービス提供によるユーザー課金モデルなどの検討も進めている。

(2) グローバル展開の強化
アフィリエイトサービスの東南アジアでの展開を広げ、アフィリエイトプラットフォームでアジアNo.1(中国を除く)を目指して行く。タイ、ベトナム、インドネシア、台湾(越境EC用で活用)に加えて、2019年9月期よりマレーシア、シンガポールでもサービス展開を開始している。2013年以降、タイ、ベトナム、インドネシアに進出し、アフィリエイト広告市場の草創期から育成してきたことから、現地での「アクセストレード」のブランド力も高く、今後も年率2ケタ成長が見込まれ、新たに進出したマレーシアやシンガポールでも同様の成長が期待される。海外事業全体の売上規模は数億円規模とまだ小さいものの、今後、東南アジアでアフィリエイト広告市場が拡大していくとともに、中長期的に同社収益へ貢献してくるものと期待される。

(3) クリエイティブの品質向上
メディア事業を拡大していくうえで、ブランド広告の獲得も重要な施策となる。現状、アパレルや雑貨等のハイブランド系については、雑誌の広告出稿が中心となっており、インターネット広告は少ない。インターネット広告はクリエイティブの質の面での担保が難しく、ブランドイメージを最も大事にするハイブランド系の顧客企業にとってはまだリスクが大きいためだ。ただ、ブランド広告については規模が大きいため、顧客を獲得できれば売上増に大きく貢献する可能性がある。このため同社はクリエイティブの品質管理を強化し(メディア運営のガイドラインを固める)、ユーザー満足度、並びに顧客満足度を最大化できるような高品質なクリエイティブを創る体制の構築に取り組んでいく方針となっている。そういう面でも、出版社とのアライアンスによって共同事業を進めていることは、同社にとってプラスになると考えられる。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)




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