GMOペパボ Research Memo(1):「FREENANCE」など成長期待の高いサービスへの投資を継続
[20/03/06]
提供元:株式会社フィスコ
提供元:株式会社フィスコ
注目トピックス 日本株
■要約
GMOペパボ<3633>は、GMOインターネット<9449>のグループ会社で、インターネット関連サービスを展開している。主なサービスは、レンタルサーバー「ロリポップ!」、ネットショップ開業・作成サービス「カラーミーショップ」、ハンドメイドマーケット「minne(ミンネ)」など。2019年12月にJASDAQから東証第2部に市場変更した。
1. 2019年12月期業績の概要
2019年12月期の連結業績は、売上高が前期(非連結)比9.0%増の8,943百万円、営業利益が同67.6%増の783百万円となり、売上高は2003年の創業以来16期連続での増収、営業利益は6期ぶりに過去最高を更新した。当第2四半期よりWebコンテンツ制作事業及びフリーランス向けファクタリングサービス「FREENANCE(フリーナンス)」を運営するGMOクリエイターズネットワーク(株)を連結子会社化したことにより、売上高で204百万円の増額要因、営業利益で216百万円の減額要因となっている。単独業績で見ると売上高は同6.6%増の8,738百万円、営業利益は同114.9%増の1,005百万円と大幅増益を達成している。増益要因の大半はハンドメイド事業におけるプロモーションコストの削減効果によるもので、同事業の営業利益も94百万円(前期は682百万円の損失)と2012年のサービス開始以降初めて黒字化した。また、オリジナルグッズ作成・販売サービス「SUZURI(スズリ)」についても認知度の向上が進み、流通金額で前期比110.8%増の880百万円と急伸し、成長が期待できる状況となっている。
2. 2020年12月期業績見通し
2020年12月期の連結業績は、売上高で前期比7.3%増の9,600百万円、営業利益で同5.8%増の829百万円と増収増益が続く見通し。売上高については「SUZURI」や「minne」「FREENANCE」などの注力事業の拡大が続くほか、主力事業である「ロリポップ!」や「カラーミーショップ」も単価アップ等の取り組みを継続することで増収を見込む。利益面では、優秀な人材を確保する環境整備のため、給与水準の引き上げや福利厚生の充実に取り組む方針となっていること、「FREENANCE」「SUZURI」への積極投資を継続することなどから、1ケタ増益と堅実な増益を見込んでいる。なお、「FREENANCE」については2018年10月のサービス開始以降、個人事業主やフリーランスを中心に順調に利用者数が拡大し、リピート率も80%超と高水準で推移している。同社の試算では、「FREENANCE」の対象となるフリーランス向けファクタリングサービスの潜在需要は年間5,000億円規模※になると見ている。まだ先行投資段階ではあるものの、数年後には同社の収益柱の1つに成長する可能性がある事業として弊社では注目している。
※フリーランス人口(228万人)×平均年収(440万円)×想定ファクタリング利用率(5%)=5,000億円
3. 今後の成長戦略
同社は今後の成長戦略として、「表現活動を支援する会社として圧倒的No.1」を目指すことを打ち出している。インターネット上の表現活動を支えるインフラサービス(ロリポップ!等)に加えて、利用者同士が結びつくプラットフォームサービス(minne、SUZURI)や「FREENANCE」など成長期待の高いサービスへの戦略投資を継続し、また、M&A等も活用しながら成長スピードを加速していく考えだ。「minne」についてはプロモーションコストの抑制により流通額が一時的に伸び悩んでいるものの、オウンドメディアを活用したブランディングの強化や収益の複層化(集客支援や広告収入等)に取り組むことで成長を目指していく。
■Key Points
・ストック型のホスティング事業とEC支援事業を両輪に成長、第3の柱となるハンドメイド事業も2019年12月期に黒字化を達成
・2020年12月期は給与アップや福利厚生の充実を図りつつ、増収増益を継続する見通し
・ストックサービスによる安定的かつ継続的な収益を基盤とし、成長期待の高いサービスへの戦略投資により成長スピードを加速する
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
<ST>
GMOペパボ<3633>は、GMOインターネット<9449>のグループ会社で、インターネット関連サービスを展開している。主なサービスは、レンタルサーバー「ロリポップ!」、ネットショップ開業・作成サービス「カラーミーショップ」、ハンドメイドマーケット「minne(ミンネ)」など。2019年12月にJASDAQから東証第2部に市場変更した。
1. 2019年12月期業績の概要
2019年12月期の連結業績は、売上高が前期(非連結)比9.0%増の8,943百万円、営業利益が同67.6%増の783百万円となり、売上高は2003年の創業以来16期連続での増収、営業利益は6期ぶりに過去最高を更新した。当第2四半期よりWebコンテンツ制作事業及びフリーランス向けファクタリングサービス「FREENANCE(フリーナンス)」を運営するGMOクリエイターズネットワーク(株)を連結子会社化したことにより、売上高で204百万円の増額要因、営業利益で216百万円の減額要因となっている。単独業績で見ると売上高は同6.6%増の8,738百万円、営業利益は同114.9%増の1,005百万円と大幅増益を達成している。増益要因の大半はハンドメイド事業におけるプロモーションコストの削減効果によるもので、同事業の営業利益も94百万円(前期は682百万円の損失)と2012年のサービス開始以降初めて黒字化した。また、オリジナルグッズ作成・販売サービス「SUZURI(スズリ)」についても認知度の向上が進み、流通金額で前期比110.8%増の880百万円と急伸し、成長が期待できる状況となっている。
2. 2020年12月期業績見通し
2020年12月期の連結業績は、売上高で前期比7.3%増の9,600百万円、営業利益で同5.8%増の829百万円と増収増益が続く見通し。売上高については「SUZURI」や「minne」「FREENANCE」などの注力事業の拡大が続くほか、主力事業である「ロリポップ!」や「カラーミーショップ」も単価アップ等の取り組みを継続することで増収を見込む。利益面では、優秀な人材を確保する環境整備のため、給与水準の引き上げや福利厚生の充実に取り組む方針となっていること、「FREENANCE」「SUZURI」への積極投資を継続することなどから、1ケタ増益と堅実な増益を見込んでいる。なお、「FREENANCE」については2018年10月のサービス開始以降、個人事業主やフリーランスを中心に順調に利用者数が拡大し、リピート率も80%超と高水準で推移している。同社の試算では、「FREENANCE」の対象となるフリーランス向けファクタリングサービスの潜在需要は年間5,000億円規模※になると見ている。まだ先行投資段階ではあるものの、数年後には同社の収益柱の1つに成長する可能性がある事業として弊社では注目している。
※フリーランス人口(228万人)×平均年収(440万円)×想定ファクタリング利用率(5%)=5,000億円
3. 今後の成長戦略
同社は今後の成長戦略として、「表現活動を支援する会社として圧倒的No.1」を目指すことを打ち出している。インターネット上の表現活動を支えるインフラサービス(ロリポップ!等)に加えて、利用者同士が結びつくプラットフォームサービス(minne、SUZURI)や「FREENANCE」など成長期待の高いサービスへの戦略投資を継続し、また、M&A等も活用しながら成長スピードを加速していく考えだ。「minne」についてはプロモーションコストの抑制により流通額が一時的に伸び悩んでいるものの、オウンドメディアを活用したブランディングの強化や収益の複層化(集客支援や広告収入等)に取り組むことで成長を目指していく。
■Key Points
・ストック型のホスティング事業とEC支援事業を両輪に成長、第3の柱となるハンドメイド事業も2019年12月期に黒字化を達成
・2020年12月期は給与アップや福利厚生の充実を図りつつ、増収増益を継続する見通し
・ストックサービスによる安定的かつ継続的な収益を基盤とし、成長期待の高いサービスへの戦略投資により成長スピードを加速する
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
<ST>