アイル Research Memo(8):DX支援のリーディングカンパニーを目指す
[21/04/12]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 日本株
■中期成長戦略
1. 成長に向けた基本戦略
アイル<3854>は、コロナ禍による不透明感を考慮して、新3ヶ年中期経営計画(2021年7月期〜2023年7月期、1年ごとに更新するローリング方式)の目標値については、公表を延期している。今後、コロナ禍の影響を踏まえて必要な検討を行い、業績予想の算定が可能となった時点で公表するとしている。
目標値の公表は延期したものの、成長に向けた基本戦略としては、DX支援のリーディングカンパニーを目指し、(1)システムソリューション事業の安定成長による強固な収益基盤の構築、(2)Webソリューション事業を第二の収益柱に育成、(3)新技術を取り込んだ新たな業務システム領域への進出、を掲げている。独自のCROSS-OVERシナジー戦略を推進し、新技術を取り込んだ独自開発のサービス・製品を有機的に結合させ、高付加価値トータルソリューションパッケージとして市場に提供することで、高収益体質の構築に取り組む方針だ。
(1) システムソリューション事業の安定成長による強固な収益基盤の構築
各業種パッケージの製品強化、現行5業種特化(アパレル・ファッション業界、食品業界、医療機器業界、ねじ・金属部品業界、鉄鋼・非鉄業界)における顧客層拡大、新営業拠点の設置や商圏エリアの拡大、ERP市場やBtoB EC市場の開拓などを加速する。顧客層拡大では、従来は業態として卸売業がメイン顧客層だったが、基幹業務管理システム「アラジンオフィス」の業種特化型標準パッケージ展開で培った機能・ノウハウを生かして、特化5業種のなかで製造・輸入・小売業といった業態に顧客層の拡充を推進する。
(2) Webソリューション事業を第二の収益柱に育成
次世代クラウドサービスの開発や新料金プランの策定により、BtoC EC市場のバックヤード支援強化を推進する。
(3) 新技術を取り込んだ新たな業務システム領域への進出
ブロックチェーンやAI(人工知能)を活用したサービスの開発を推進する。
2. 研究開発への積極投資
(1) シビラと資本業務提携してブロックチェーン技術を活用
2017年6月にシビラに出資して資本業務提携した。シビラの独自開発ブロックチェーン技術「Broof」を活用して、クラウドサービスのセキュリティ向上、在庫データのオープン化、企業・店舗・サービスを横断したオープンなプラットフォームの企画・開発・販売に共同で取り組んでいる。2017年8月には業務管理クラウドサービス「CROSSシリーズ」において、シビラのブロックチェーン技術「Broof」の運用を開始している。
(2) 次世代クラウド研究開発用オフィス「アイル松江ラボ」
次世代クラウド研究開発用オフィスとして島根県松江市に「アイル松江ラボ」を開設し、2017年10月から本格稼働した。島根県松江市は、日本で開発されたプログラミング言語としては初めて国際規格に認証された「Ruby(ルビー)」の街を標榜し、エンジニアにとっては聖地とも言える都市の1つである。シンプルかつ高い生産性・柔軟性を持つプログラミング言語「Ruby」に開発言語を統一することで、既存のクラウドサービス「CROSSシリーズ」次世代版の開発を、より効率的に高品質で行う。
(3) AIを活用したサービスなど研究開発に積極投資
同社によると、中堅・中小企業の受注方法は85.8%がアナログ手段(Fax、電話、メール、対面営業、展示会)であり、BtoB EC導入率は14.2%にとどまっている。しかしながら、約4割の企業がデジタルシフトの意向を持っているとのことである。
市場環境としては、今後、DX実現に向けたIT投資の拡大、働き方改革(生産性向上)推進によるERPなどIT投資の拡大、EC市場の拡大、新技術(ブロックチェーンやAIなど)市場の拡大が予想される。こうした市場環境のもとで、競争力向上に向けた取り組みとして、業務システム分野においてAIを活用したデータ分析・業務自動化の研究開発活動を推進する。また基幹システムやクラウドサービスで培ったノウハウを独自のCROSS-OVERプラットフォームとして構築し、基幹システムとクラウドサービスの相互連携をさらに加速させる方針だ。
3. トレンドとして中期成長基調に変化なし
市場環境は良好であり、顧客数は増加基調である。また品質・生産性向上の効果やストック項目の拡大により利益率も上昇基調である。2021年7月期は特需の反動という一時的要因でイレギュラーな形となるが、DX支援のリーディングカンパニーを目指す中期成長基調に変化はないと弊社では見ている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 水田雅展)
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1. 成長に向けた基本戦略
アイル<3854>は、コロナ禍による不透明感を考慮して、新3ヶ年中期経営計画(2021年7月期〜2023年7月期、1年ごとに更新するローリング方式)の目標値については、公表を延期している。今後、コロナ禍の影響を踏まえて必要な検討を行い、業績予想の算定が可能となった時点で公表するとしている。
目標値の公表は延期したものの、成長に向けた基本戦略としては、DX支援のリーディングカンパニーを目指し、(1)システムソリューション事業の安定成長による強固な収益基盤の構築、(2)Webソリューション事業を第二の収益柱に育成、(3)新技術を取り込んだ新たな業務システム領域への進出、を掲げている。独自のCROSS-OVERシナジー戦略を推進し、新技術を取り込んだ独自開発のサービス・製品を有機的に結合させ、高付加価値トータルソリューションパッケージとして市場に提供することで、高収益体質の構築に取り組む方針だ。
(1) システムソリューション事業の安定成長による強固な収益基盤の構築
各業種パッケージの製品強化、現行5業種特化(アパレル・ファッション業界、食品業界、医療機器業界、ねじ・金属部品業界、鉄鋼・非鉄業界)における顧客層拡大、新営業拠点の設置や商圏エリアの拡大、ERP市場やBtoB EC市場の開拓などを加速する。顧客層拡大では、従来は業態として卸売業がメイン顧客層だったが、基幹業務管理システム「アラジンオフィス」の業種特化型標準パッケージ展開で培った機能・ノウハウを生かして、特化5業種のなかで製造・輸入・小売業といった業態に顧客層の拡充を推進する。
(2) Webソリューション事業を第二の収益柱に育成
次世代クラウドサービスの開発や新料金プランの策定により、BtoC EC市場のバックヤード支援強化を推進する。
(3) 新技術を取り込んだ新たな業務システム領域への進出
ブロックチェーンやAI(人工知能)を活用したサービスの開発を推進する。
2. 研究開発への積極投資
(1) シビラと資本業務提携してブロックチェーン技術を活用
2017年6月にシビラに出資して資本業務提携した。シビラの独自開発ブロックチェーン技術「Broof」を活用して、クラウドサービスのセキュリティ向上、在庫データのオープン化、企業・店舗・サービスを横断したオープンなプラットフォームの企画・開発・販売に共同で取り組んでいる。2017年8月には業務管理クラウドサービス「CROSSシリーズ」において、シビラのブロックチェーン技術「Broof」の運用を開始している。
(2) 次世代クラウド研究開発用オフィス「アイル松江ラボ」
次世代クラウド研究開発用オフィスとして島根県松江市に「アイル松江ラボ」を開設し、2017年10月から本格稼働した。島根県松江市は、日本で開発されたプログラミング言語としては初めて国際規格に認証された「Ruby(ルビー)」の街を標榜し、エンジニアにとっては聖地とも言える都市の1つである。シンプルかつ高い生産性・柔軟性を持つプログラミング言語「Ruby」に開発言語を統一することで、既存のクラウドサービス「CROSSシリーズ」次世代版の開発を、より効率的に高品質で行う。
(3) AIを活用したサービスなど研究開発に積極投資
同社によると、中堅・中小企業の受注方法は85.8%がアナログ手段(Fax、電話、メール、対面営業、展示会)であり、BtoB EC導入率は14.2%にとどまっている。しかしながら、約4割の企業がデジタルシフトの意向を持っているとのことである。
市場環境としては、今後、DX実現に向けたIT投資の拡大、働き方改革(生産性向上)推進によるERPなどIT投資の拡大、EC市場の拡大、新技術(ブロックチェーンやAIなど)市場の拡大が予想される。こうした市場環境のもとで、競争力向上に向けた取り組みとして、業務システム分野においてAIを活用したデータ分析・業務自動化の研究開発活動を推進する。また基幹システムやクラウドサービスで培ったノウハウを独自のCROSS-OVERプラットフォームとして構築し、基幹システムとクラウドサービスの相互連携をさらに加速させる方針だ。
3. トレンドとして中期成長基調に変化なし
市場環境は良好であり、顧客数は増加基調である。また品質・生産性向上の効果やストック項目の拡大により利益率も上昇基調である。2021年7月期は特需の反動という一時的要因でイレギュラーな形となるが、DX支援のリーディングカンパニーを目指す中期成長基調に変化はないと弊社では見ている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 水田雅展)
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