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タナベ経営 Research Memo(6):新中期経営計画を発表、年率10%台の高成長を目指す

注目トピックス 日本株
■今後の見通し

1. 中期経営計画の概要
タナベ経営<9644>は、2022年3月期からスタートする5ヶ年の中期経営計画(2021〜2025)「TCG Future Vision 2030」を発表した。世界で唯一無二のコンサルティンググループ、TCG(Tanabe Consulting Group)の創造に向けて、プロフェッショナルDXサービスによるコンサルティング・バリューチェーンを構築し、成長を加速していく考えだ。

同社のこれまでの中期経営計画では、年率3〜4%の堅実な収益成長を目標に掲げて確実にクリアする堅実な経営が定評であった。ところが、今回発表された業績目標値については、従来のイメージを覆す高い成長目標を打ち出している。具体的には、最終年度となる2026年3月期に売上高150億円、営業利益18億円、ROE10%、ROA15%を目指す。5年間の年平均成長率は売上高で10.2%、営業利益で19.1%と2ケタ成長を見込んでいる。また、収益性についても営業利益率で前期の8.2%から12.0%に、ROEで4.5%から10%に引き上げていく計画だ。付加価値の高い経営コンサルティング事業を中心に伸ばしていくため、同事業の売上構成比は前期実績の61.2%から2026年3月期は75.3%まで上昇する見通しとなっている。

事業別の売上高目標を見ると、DXコンサルティングが3,800百万円と最も大きく伸びることになる。ただ、このうち2,000百万円は今後M&Aでグループ化する企業(3社程度)の売上を含めた数値となっている。ただ、それでも売上増加額としては高くなる。また、M&A・アライアンスコンサルティングについても前期実績としてはまだ小さかったものと見られるため、売上増加の寄与としてはDXコンサルティングと並んで大きく見込んでいることになる。これらはいずれもM&Aでグループ会社化した(株)リーディング・ソリューションやグローウィン・パートナーズ(株)とのシナジーによって大きく伸ばしていくものと予想される。

今回の中期経営計画で大きな成長を見込んでいるのも、ビジネスモデル変革・マーケティング等の戦略デザイン(上流工程)から、オペレーションズ等の具体的課題の実装・実行(下流工程)までを一貫して提供できる体制を構築することが大きいと弊社では見ている。特に、同社がターゲットにする中堅企業は業務のDXが遅れており、With・Afterコロナを見据えた経営戦略、DX戦略などのコンサルティングニーズが旺盛であり、また、事業承継や事業再生といったニーズも多いことから、今後、これらの需要を取り込むことで年率2ケタ台の成長は実現可能と弊社では見ている。さらに言えば、同様の顧客層をターゲットとするコンサルティング企業で、同社のように上流から下流の工程までワンストップで支援できるところは無いことも、同社にとっては高成長を実現していくうえでの好機と捉えられる。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)




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