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絶滅危惧種トゲネズミ類生息域外保全実施計画への取り組みを開始しました

2019年9月30日

神戸どうぶつ王国

絶滅危惧種トゲネズミ類生息域外保全実施計画への取り組みを開始しました

神戸どうぶつ王国(株式会社どうぶつ王国、園長:佐藤哲也)では、2019年7月31日より国内希少野生動植物種及び国の天然記念物に指定されている絶滅危惧種「アマミトゲネズミ」を飼育、トゲネズミ類生息域外保全実施計画に参画することになりました。

【概 要】
現在、日本固有の野生トゲネズミ類は3種(アマミトゲネズミ、トクノシマトゲネズミ、オキナワトゲネズミ)が知られています。そのうち、アマミトゲネズミ・トクノシマトゲネズミは、普通の哺乳類と異なる不思議な染色体を持っており、性別決定のメカニズムを知る上で大変貴重な存在です。しかし、昨今生息環境の変化や外来生物(マングース、ノネコ等)により大きく数を減らし絶滅危惧種に選定されています。トゲネズミ類を絶滅から救う為、公益社団法人日本動物園水族館協会(JAZA)と環境省は、「生物多様性保全の推進に関する基本協定書」に基づきトゲネズミ類の飼育・繁殖技術の確立を目指し、動物園での生息域外保全を行う事になり、トゲネズミ類3種のうち、まず野生個体数が比較的安定しているとされるアマミトゲネズミの飼育・繁殖技術の確立に取り組みます。

※生息域外保全
生物や遺伝資源を自然の生息地の外において保全すること。それらの生物の科学的知見を得るとともに、飼育繁殖することにより絶滅を回避する取り組み。

【今後の取り組み】
現在、取り組んでいるのは国内3園館。神戸どうぶつ王国では現在2ペア(オス2頭、メス2頭)を飼育、今後は飼育繁殖と科学的な知見の集積を行うことでトゲネズミの保全に取り組んでいきます。

■トゲネズミとは…
尾を除く体長(頭胴長)は10cm程度。
背中を覆う硬いトゲ状の毛が名前の由来。
夜行性で森林に生息、昆虫類や木の実を食べる。
トゲネズミ類は世界で3種が確認されており、いずれも日本固有種。         

アマミトゲネズミ(奄美大島)          
トクノシマトゲネズミ(徳之島)            
オキナワトゲネズミ(沖縄本島)

■個体性別決定について
哺乳類はX染色体とY染色体という2種類の性染色体によって個体の性別が決定する。
メス…X染色体2本 
オス…X染色体1本、Y染色体1本

アマミトゲネズミとトクノシマトゲネズミはオス・メスともにY染色体が無いにもかかわらず個体の性別が決まるため、性別決定のメカニズムを知る上でたいへん貴重な存在といえる。

■トゲネズミ類生息域外保全実施計画取り組み園館
宮崎市フェニックス自然動物園(2017年)
埼玉県こども動物自然公園(2017年)
神戸どうぶつ王国(2019年)

※アマミトゲネズミは非公開となりますが、当ホームページで随時情報を更新していきます。

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