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セル用ガスケット、トヨタ新型「MIRAI」に継続採用

住友理工株式会社

 
 住友理工株式会社(本社:名古屋市中村区、代表取締役 執行役員社長:清水和志)は、12月9日に発売されたトヨタ自動車株式会社(本社:愛知県豊田市、代表取締役社長:豊田章男)のFCV(燃料電池自動車)、新型「MIRAI」に、当社の「セル用ガスケット」が継続採用されましたので、お知らせいたします。本製品はFC(燃料電池)スタック向けのゴム製シール部材で、2014年に発売された初代モデル向けの従来品から品質や性能を向上させつつ、量産性を大幅に改善しており、より安全で快適なFCVの提供に貢献しています。

 FCVは、FCスタック内に水素と空気中の酸素を取り込み、化学反応を起こして作った電気を動力源として走行。地球温暖化の一因となる温室効果ガスの二酸化炭素を放出せず、水のみを排出して環境にやさしいことから、「究極のエコカー」とも呼ばれています。

 今回採用されたのは、セパレータと呼ばれる板状の部材や発電部材などからなるセルの構成部品のうち、水素と酸素、そして水の漏れを防ぐゴム製シール部材「セル用ガスケット」です。FCスタックはセル330枚が積層された構造で、これら1枚1枚に本製品が搭載されています。
 また、セル用ガスケットは氷点下から100℃以上の広い温度領域において高いシール性を発揮し、FCVの長期安全性、高効率な発電性能に貢献しています。
 継続採用にあたって当社は、コアコンピタンス「高分子材料技術」により、新材料を創出するとともに、初代モデル開発で培ったシール設計技術および評価技術を駆使し、より高品質かつ高耐久な製品を開発しました。さらに材料開発を通じて製法を刷新し、高速成型を可能にするなど、製造プロセスの大幅な短縮を実現しました。

 自動車産業で「CASE※」と呼ばれる新たなトレンドが台頭する中、政府は2050年までに温室効果ガスの排出量を実質ゼロにする「カーボンニュートラル」の政策を打ち出しており、電動化「E」の流れはますます加速することが予測されます。
 「人・社会・地球の安全・快適・環境に貢献する企業」を目指すべき企業像に掲げる住友理工グループは、FCVの基幹部品であるFCスタックの構成部材を担うことで、よりクリーンで持続可能な社会、そして快適なモビリティライフの実現に寄与してまいります。

※   「C:Connected(つながる)」「A:Autonomous(自動運転)」「S:Shared & Services(シェアリング)」「E:Electric(電動化)」

 
【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202012229013-O1-dPot7z1Z

 
<新型「MIRAI」に搭載された住友理工の主要製品>
■防振ゴム
(1)   FCスタックフレームマウント
FCスタックケースが搭載されるフレームとボデーの締結部分に配置され、エアーコンプレッサーなどからの振動伝達の低減や、車両自体の振動の低減にも貢献します。

(2)   レギュレーターマウント
水素減圧弁の支持部分に取り付けられます。水素減圧弁からの振動低減に貢献します。

(3)   水素タンクマウント
水素タンクをボデー部分に固定するために取り付けられます。水素タンクの安定支持の役割を担っており、タンクバルブからの振動低減に貢献します。

(4)  エアーコンプレッサーマウント
FCスタックに空気を供給するエアーコンプレッサーを支持しています。コンプレッサーからの振動低減に貢献します。 

■ホース
(1)   水素ホース
水素タンクに充填された水素をFCスタックへ供給します。分子量が小さい水素に対する非常に高度なシール性要求に応えています。

(2)   エアー系ホース
エアーコンプレッサーで圧縮された空気中の酸素をFCスタックへ供給します。水素との反応を阻害しないようにコンタミ管理が行き届いた工程で生産しています。
 
(3)   FC冷却用ホース
FCでの発電を安定化させるための冷却回路に使用するホースです。高電気抵抗のゴム材料を採用し、発電した電気への安全性を高めています。

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