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ベクルリー(R)について、CHMPが小児患者に対する COVID-19治療薬として適応拡大に肯定的な見解を採択

欧州委員会で承認の場合、ベクルリーはEUにおいて最初で唯一の承認を得た小児患者に対する抗ウイルス薬に

2022年9月29日
ギリアド・サイエンシズ株式会社

ベクルリー(R)(レムデシビル)について、CHMPが小児患者さんに対するCOVID-19治療薬として適応拡大に肯定的な見解を採択
―欧州委員会で承認された場合、ベクルリーはEUにおいて 最初で唯一の承認を得た12歳未満の小児患者さんに対する抗ウイルス薬に―
ギリアド・サイエンシズ(本社:米カリフォルニア州フォスターシティ、ナスダック:GILD、以下「ギリアド」)は9月16日、欧州医薬品庁(EMA)欧州医薬品委員会(CHMP)が、ベクルリー(R)(レムデシビル)について、酸素吸入を必要としないCOVID-19重症化リスクの高い小児患者さん(体重40 kg以上)、および肺炎を有し、酸素吸入(投与開始時の低流量また高流量酸素またはその他の非侵襲的換気)を必要とするSARS-CoV-2を有する小児患者さん(生後4週間以上、体重3 kg以上)の治療薬として、適応拡大に肯定的な見解を採択したことを発表しました。今後、欧州委員会(EC)によるCHMPの勧告審査後、承認されれば、ベクルリーは、COVID-19重症化リスクの高い青年期の患者さんや酸素吸入を必要とするCOVID-19小児患者さんに対する唯一の承認を得たCOVID-19治療薬となります。

ギリアドのチーフ・メディカル・オフィサーであるマーダッド・パーシー(Merdad Parsey, MD, PhD)は次のように述べています。「ベクルリーのような有効性が実証された抗ウイルス薬は、パンデミックが続く中、社会の中で最も感染に対して脆弱な人々に必要とされ続けています。私たちは、小児治療におけるギャップを解消し、COVID-19からの早期回復を可能にする前向きな一歩となる、今回のCHMPの見解を誇りに思います」
今回の肯定的な見解は、現在進行中のCARAVAN第II/III相試験において、COVID-19 により入院した小児患者さんが良好な忍容性および臨床的改善と回復を示した割合が高いと認めれた結果と成人患者さんの試験データに基づいています。CARAVAN試験に登録された小児患者さん53名のうち、ベクルリーを投与された患者さんに新たな安全性シグナルは認められませんでした。全体で75%と85%の患者さんが、それぞれ10日目および最終評価時に臨床的改善(順序尺度で2ポイント以上の増加)を示し、それぞれ60%と83%の患者さんが、10日目と30日目までに退院しました。本試験では、38例(72%)に有害事象(AEs)が発現しました。試験登録前の患者さんの基礎疾患または入院中に起こったCOVID-19に起因する3件の死亡例を含め、11例(21%)に治験薬とは関連がないと判断された重篤な有害事象(SAEs)が発現しました。

スペイン・マドリードの12 de Octubre病院の小児感染症専門医で、コンプルテンセ(Complutense)大学准教授のパブロ・ロホ医師(Pablo Rojo, MD, PhD)は、次のように述べています。「COVID-19のパンデミックが進行すると、子どものような感染に対して脆弱なグループには、COVID-19からより早く回復できるよう、安全性プロファイルが十分に確立された有効な治療法が重要です。従って、医学界はベクルリーについて、今回の小児患者さんに対するCHMPの肯定的見解を嬉しく思います。また、ECの決定を心待ちにしています」

ベクルリーは、欧州経済領域(EEA)において、酸素吸入を必要としないCOVID-19重症化リスクの高い成人患者さん、および肺炎を有し、酸素吸入(投与開始時の低流量または高流量酸素またはその他の非侵襲的換気)を必要とする成人および青年期の患者さん(12歳以上18歳未満、体重40kg以上)に対する治療薬として使用できる唯一の抗ウイルス薬です。

ベクルリーについて
ベクルリーは、ギリアドの10年以上にわたる抗ウイルス研究の成果を基に創薬されたヌクレオチド誘導体です。本剤は、COVID-19による入院患者さんの標準治療として使われる抗ウイルス薬で、進行リスクが高い非入院患者さんの疾患進行を抑制する治療として推奨されています。ベクルリーの安全性プロファイルは確立されており、幅広い集団において最小限の薬物相互作用を有しています。ベクルリーは、さまざまな重症度の患者さんに対して疾患の進行を抑制し、入院患者さんの早期回復を可能にすることにより病院の限られたリソースを解放し、医療システムのコスト削減に貢献しています。

ベクルリーは、SARS-CoV-2ウイルスの依存性RNAポリメラーゼを標的とすることにより、細胞内でのウイルス複製を直接阻害します。in vitro解析の結果、ベクルリーは、現在主流となっているオミクロン変異株BA.2.12.2、BA .4およびBA .5に対し、抗ウイルス活性を保持しています。ベクルリーは、これまでに解析されたすべてのオミクロン変異株に対し、抗ウイルス活性を保持していることが確認されています。世界中で新たに懸念されるSARS-CoV-2変異株が出現している中、ギリアドはそれらに対するベクルリーの有効性を継続的に評価していきます。

ベクルリーは、世界約50カ国で承認されています。現在までにベクルリーおよびジェネリック薬のレムデシビルは、ボランタリー・ライセンスを通じて提供された127の低中所得国における700万人を含め、世界で1,100万人以上の患者さんに提供されています。これらのボランタリー・ライセンスは、レムデシビルへの幅広い患者アクセスを可能にするというギリアドのコミットメントを反映し、ロイヤリティ・フリーで提供されています。

米国でのベクルリーの適応症
米国におけるベクルリー(R)(レムデシビル100 mg注射剤)の適応症は、SARS-CoV-2ウイルス検査の結果が陽性であった、次の成人および小児患者さん(生後28日以上、体重3kg以上)に対するCOVID-19治療となります。

・入院している
・あるいは、入院しておらず、軽症から中等症のCOVID-19であり、入院や死亡を含むCOVID-19重症化リスクが高い

詳細については、www.gilead.comに掲載されている米国の添付文書(完全版)をご覧ください。

米国におけるベクルリーに関する重要な安全性情報
禁忌
ベクルリー製剤またはそのいずれかの成分に対して臨床上問題となる過敏症の既往歴のある患者には投与しないでください。

警告および使用上の注意
・過敏症(注入に伴う反応とアナフィラキシー反応を含む):ベクルリーの投与中および投与後に、注入に伴う反応やアナフィラキシー反応などの過敏症の発生が報告されています。また、そのほとんどが1時間以内に発現しています。投与中は患者をモニタリングし、臨床的に適切となるよう投与完了から少なくとも1時間は過敏症の徴候や症状がないか観察してください。低血圧、高血圧、頻脈、徐脈、低酸素症、発熱、呼吸困難、喘鳴、血管浮腫、発疹、吐き気、発汗や振戦などの症状が現れることがあります。点滴速度を下げると(点滴時間は最長で120分)、これらの反応を予防できる可能性があります。投与に伴う重度の過敏症が発現した場合、直ちにベクルリーの投与を中止し、適切な治療を開始して下さい(「禁忌」を参照)。
・トランスアミナーゼ上昇リスク:ベクルリーを投与された健常被験者やCOVID-19患者に、トランスアミナーゼの上昇が認められています。COVID-19の臨床初見としてもトランスアミナーゼ上昇が報告されています。全ての患者について、肝機能検査を行ってください(「用法および用量」を参照)。ALTが施設基準値上限(ULN)の10倍を超える場合、ベクルリーの投与中止を検討してください。ALT上昇に伴い肝臓の炎症を示す症状・徴候が認められた場合はベクルリーの投与を中止してください。
・クロロキン・ヒドロキシクロロキンとの併用時の抗ウイルス活性低下リスク:ベクルリーとリン酸クロロキンまたはヒドロキシクロロキン硫酸塩との併用については、細胞培養で拮抗作用が認められ、ベクルリーの抗ウイルス活性が低下する可能性があることから、併用は推奨しません。

副作用
・発現率が高かった副作用(全グレードにおいて発現率5%以上)は吐き気でした。
・発現率が高かった検査値異常(全グレードにおいて発現率5%以上)は、ALT上昇とAST上昇でした。

薬物相互作用
・ベクルリーと併用薬の薬物相互作用を検討するヒトを対象とした試験は行われていません。

用法および用量
用量:成人患者および12歳以上で体重40 kg以上の小児患者: 1日目に200 mg、2日目以降は1日1回100 mgを点滴静注します。生後28日以上かつ体重3kg以上の小児患者:1日目に5mg/kg、2日目以降は2.5mg/kgを維持用量として1日1回点滴静注します。
・投与期間:
○ 侵襲的機械換気および/またはECMOを必要とする入院患者の場合、推奨投与期間は合計10日間です。COVID-19の徴候があると診断された場合、早急にベクルリーを投与する必要があります。
○ 侵襲的機械換気および/またはECMOを必要としない入院患者の場合、推奨投与期間は5日間です。臨床的改善が認められない場合、投与期間をさらに5日間まで延長でき、投与日数の合計は最高で10日間です。
○ 軽症から中等症のCOVID-19と診断され、入院または死亡を含むCOVID-19重症化リスクの高い非入院患者の場合、推奨投与期間は合計で3日間です。COVID-19の徴候があると診断された場合、できるだけ早急に、症状発現から7日以内に開始することを推奨します。
・投与前および投与中の検査:ベクルリーの投与開始前はeGFR、肝機能検査、プロトロビン時間の検査を行い、投与期間中も、臨床上必要に応じて行ってください。
・腎機能障害:eGFRが30 mL/分未満の患者には、ベクルリーの投与は推奨しません。

調製と投与
・ベクルリーには、凍結乾燥粉末バイアル入りの注射剤(100 mg)とバイアル入りの注射剤(100mg/20 mL(5 mg/mL))の2種類の製剤があります。体重3 kg以上40 kg以下の小児患者に対して承認されている剤形は凍結乾燥粉末製剤のみです。完全版の添付文書をご参照ください。
・アナフィラキシー等の重度の過敏症反応の管理が可能な条件下でのみ投与してください。

妊婦および授乳婦への投与
・妊婦:妊婦レジストリは確立されています。妊娠中のベクルリーの使用に関するヒトのデータは十分に得られていません。COVID-19は、子癇前症、子癇、早産、前期破水、静脈血栓塞栓性疾患、胎児死亡などの母体や胎児の有害転帰と関連しています。
・授乳婦:ベクルリーが乳汁中へ移行するかは不明です。COVID-19患者の授乳については、乳児へのウイルス曝露を避けるための臨床ガイドラインを参照してください。

ギリアド・サイエンシズについて
ギリアド・サイエンシズは、すべての人々にとって、より健康な世界の実現を目指し、30年以上にわたり医療の革新を追求し、飛躍的な進歩を遂げてきたバイオ医薬品企業です。当社はHIV、ウイルス性肝炎、がんなどの生命を脅かす疾患の予防と治療のため、革新的な医薬品の開発に取り組んでいます。カリフォルニア州フォスターシティに本社を置き、世界35カ国以上で事業を行っています。

将来予測に関する記述
本プレスリリースは、1995年「米国証券訴訟改革法」(Private Securities Litigation Reform Act of 1995)で定義される「将来予測に関する記述」に該当し、いくつかのリスクや不確定要素などの要因を含む場合があります。これらのリスク等には、ギリアドのベクルリーの供給/流通を効果的に管理する能力、現在見込まれるタイムライン内に臨床試験を開始、進行、完了するギリアドの能力、またはそれらが全く完了できない可能性、ベクルリー関連を含む進行中または追加の臨床試験から得られた結果が好ましくない可能性、ECがベクルリーについて、COVID-19小児患者さんに対する治療薬として、適時に、または全く製造販売承認を行わない可能性を含む規制当局への申請および関連する申請に対する承認が適時に行われない不確実性、規制当局から承認された場合でも、その承認に著しい制限が課される可能性および上記のいずれかの根拠となる仮定も含まれます。これらのリスクやその他の不確定要素については、米国証券取引委員会に提出している、2022年6月30日を期末とするギリアド四半期報告書(フォーム10-Q)で詳細に説明しています。これらのリスク、不確定要素およびその他の要因により、実際の結果が「将来予測に関する記述」で言及されたものと大きく異なる可能性があります。歴史的事実以外の全ての記述は、「将来予測に関する記述」とみなされます。このような「将来予測に関する記述」は将来の業績を保証するものではありませんので、この記述に過度に依拠しないようご注意下さい。「将来予測に関する記述」は全て、ギリアドが現在入手できる情報に基づいており、ギリアドは「将来予測に関する記述」を更新する義務を負うことはなく、更新する意向もありません。

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