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緑が丘ネオポリスにおいて空間拡張システムの実証実験を開始

■デジタル技術による団地コミュニティの活性化

2024年4月23日
大和ハウス工業株式会社
代表取締役社長 芳井敬一
大阪市北区梅田3-3-5

 

 

 大和ハウス工業株式会社(本社:大阪市北区、代表取締役社長:芳井 敬一)は、2024年4月17日、兵庫県三木市において、建物とデジタル技術を組み合わせる拡張空間を利用し、開発から年数が経過した住宅団地でのコミュニティ活性化を図る実証実験を開始しましたので、お知らせします。(※1)

※1.実証期間は、2024年4月17日から2025年春まで。

 

【表】

 

 居住者の減少や高齢化が進む住宅団地では、公共交通機関の運行廃止や免許返納などにより遠方への移動が不便となっており、公民館や役所などの公共施設から離れて暮らす住民にとって十分な地域コミュニティが形成できていない恐れがあります。そのため、郊外型住宅団地では徒歩圏内でのコミュニティ施設やリモート窓口の設置など、施設とサービスの両面から、地域住民が集えるコミュニティの仕組みが求められています。

 そこで、当社は兵庫県三木市のコミュニティ施設において、仮想空間や遠隔地とつながる空間拡張システムを用いた、コミュニティ活性化に関する実証実験を開始することとしました。

 実証実験では、デジタル映像と自然音で仮想空間を再現する「XR技術」(※2)を採用し、居心地の良い空間を演出することで、利用者数や発話量などへの影響を検証します。また、コミュニティ施設と遠隔地を映像と音声でリアルタイムに繋ぐことで、リモートによるコミュニケーションの快適性を確認します。

 今後は実験結果をもとに、地域コミュニティの活性化に寄与するための、建築とデジタル技術を融合した空間拡張システムの開発を目指します。

※2.AR(拡張現実)、VR(仮想現実)、MR(複合現実)といった現実世界と仮想世界を融合する表現技術の総称。

 

【表:https://kyodonewsprwire.jp/prwfile/release/M000427/202404229809/_prw_PT1fl_w1ncBO74.png

 

●実証実験開始の背景

 当社は、1960年代から郊外型住宅団地「ネオポリス」を全国61カ所に開発してきました。その多くはまちびらきから40年以上が経過しており、住民の高齢化、人口減少、空き家・空き地の増加といった課題がみられます。当社は、これらの課題を解決し、街の魅力を新たに創出する「リブネスタウンプロジェクト」を2015年に開始。現在、8つのネオポリスで団地再耕事業として進めています。

 その中でも、兵庫県三木市の「緑が丘ネオポリス」では、2015年8月にまちの活性化に向けて産官学民がそれぞれの強みを生かしながら戸建住宅団地の課題解決を検討する「郊外型住宅団地ライフスタイル研究会」が設立。当社などが代表幹事企業を務める当研究会では、一般社団法人「生涯活躍のまち推進機構(現:みらまち緑が丘・青山推進機構)」の設立や自動運転によるコミュニティ内移動サービスの実証実験、コミュニティ施設の設置などの取り組みを進めてきました。

 2023年11月には、当社と一般社団法人「みらまち緑が丘・青山推進機構」が「緑が丘ネオポリス」で実現したいみらいのまちについてのワークショップを開催。地域住民67名と意見交換した結果、日頃の困りごとの解決や新たな人間関係を構築できる「コミュニティの場の創出」が求められることがわかりました。

 これまでコミュニティ施設では、イベントなどのきっかけがない場合には利用者は限られてしまうため、定常的に多世代が集って交流する仕組みを必要としていました。そこで、当社はコミュニティ施設において空間拡張システムによる郊外型住宅団地のコミュニティ活性化への効果を検証することにしました。

 本実証実験での結果をもとに、コミュニティ施設の利用頻度向上につながる空間拡張システムを開発し、行政サービスの告知や企業による商品販売の仲介などに繋げていきます。


【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202404229809-O3-k5Z7M2B0】 【空間拡張システム】

 

1.仮想空間の体験や遠隔地との空間共有などを実現する空間拡張システムの実証実験

 実証実験では、兵庫県三木市のコミュニティ施設を利用して、子どもから高齢者まで、多世代の住民に仮想空間の体験や遠隔地との空間共有によるコミュニケーション機会を提供します。

 仮想空間とつながる体験では、居合わせた住民同士の交流を活性化させるため、映像と自然音で居心地の良い空間を演出します。古都風景や古民家の室内など日常に溶け込む4種類のデジタル映像をプロジェクターで映すとともに、リラックス効果のある雨音や囲炉裏で薪をくべる音などを複数のスピーカーをもちいて立体音響として流します。

 遠隔地との空間共有では、遠隔地とのコミュニケーションを活性化するため、道の駅やほかの地域のコミュニティ施設とつなぎます。遠隔地側の表情や身振り、声などを共有するために、複数のスピーカーやプロジェクター、ビデオ会議システムを使用して、実寸大の映像や環境音などを伝えます。2024年4月17日から2024年4月24日は、「食に関する遠隔地の魅力」をテーマにして、コミュニティ施設と「道の駅かなん」(大阪府南河内郡河南町)をつなげ、2024年5月以降は、住民の要望に応じた場所やテーマを設定していきます。




2.利用者の様子を捉えるセンシング手法による評価と分析

 実証実験では、各種センサー技術を導入することで、仮想空間の体験や遠隔地との映像・環境音の共有が利用者に与える影響を分析します。発話モニタリング用のマイクやカメラ、表情分析センサー、温湿度・CO2濃度センサーなどを設置することで、来場者へのアンケート評価と各種センシングデータとの相関関係を検証します。

 また、仮想空間の体験や遠隔地との空間共有をするときとしないときの来場者の滞在時間、居場所の選択、世代間交流の発生状況などの傾向を確認します。

 空間内の様子を捉えたセンシング結果をデータベースとして蓄積・分析することで、将来的に地域コミュニティの活性化に寄与する空間拡張システムの開発を目指していきます。

 

【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202404229809-O4-78ab8jTF

 

■実証実験の概要

【表:https://kyodonewsprwire.jp/prwfile/release/M000427/202404229809/_prw_PT2fl_7ipc6QnL.png

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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