中国国有企業が無農薬栽培を目指し日本企業と合弁会社設立、上海で水耕栽培を開始
[11/11/10]
提供元:PRTIMES
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中国国内における農業は、土壌汚染や農薬により、農産物の安全性の確保が難しくなっています。この対策として、上海市政府傘下の国有企業、上海国盛集団は農産物の安全を確保する為に水耕栽培の本格導入に着手しました。この水耕栽培技術は、日本メーカーの協和(株)(本社:大阪府高槻市 代表取締役:野澤重晴)と総資本金500万元(約6000万円)で合弁会社(上海盛澤農業発展有限公司)を設立し、協和(株)の技術支援によって中国国内で生産拠点を作る計画を進めています。
合弁会社は本年5月に設立し、上海市松江区で2500m2 のガラス温室の中に果菜および葉菜の水耕栽培プラントを設置し、本年11月10日から栽培を開始する予定です。
〈経 緯〉
中国国内産の農産物の安全性は極めて低いことから、富裕層では日本からの輸入食材の購入量が増加しています。将来国内において大きな問題となることを予測した上海国盛集団が、無農薬野菜の生産をめざして日本の水耕栽培技術を取り入れ、国内生産の推進を決めました。
上海国盛集団は上海市の80%の農産物の流通を行っている国有企業です。無農薬野菜の供給、水耕栽培プラントの施工、栽培技術の指導までの全てを、上海市だけでなく中国全土に供給できる体制を協和(株)と合弁会社を作ることで実現させる事業計画を立てています。
〈今後の計画〉
合弁会社は、協和(株)からプラントの設計、施工、製造そして栽培技術など、水耕栽培プラントの全ての技術支援を、また上海国盛集団から販売先や農業資金などの支援を受け、中国全土に向けて水耕栽培の普及を行い、3年後10万m2 、5年後100万m2 、10年後500万m2 の展開を計画しています。
〈栽培作物〉
本年11月10日から上海松江区の自営農場で栽培を開始する作物は、レタス類、サラダナ、チンゲンサイ、ミズナなどのサラダ用葉菜類と、トマト、キュウリ、パプリカ、メロンなどの果菜類を栽培する予定です。
近年中国でもサラダなどで野菜を生で食べるといった、食文化が欧米化していることから、水耕栽培では生食用の作物を栽培する計画です。
<ハイポニカ水耕栽培について>
協和(株)は1962年から水耕栽培の研究を開始、1966年から国内で水耕栽培プラントの販売を行っている老舗のメーカーで、1985年のつくば科学万博の政府館でトマトの放任栽培により一株から一万六千個の実をつけた【巨木トマト】を展示しました。この独自の栽培技術は国内外から多くの評価を受けています。 特に同社のシステムは全ての作物や生育時期において、肥料の成分や濃度を変えず、常に同一濃度、同一組成で栽培ができるため、自動化、省力化が容易であると同時に、土栽培では不可能とされる栽培技術の標準化が可能であることが大きな特徴です。
植物が生育する環境を安定に保つことで、生理状態を高レベルで安定し、土での栽培や他の水耕栽培と比べて生育速度が速く、品質が高く、収量も多い特長があります。
<会社概要> (URL)http://www.kyowajpn.co.jp/hyponica/
【代表者】 野澤 重晴 (ノザワ シゲハル)
【設立】 1953年7月
【資本金】 9,600万円(グループ合計23億7千万円)
【事業内容】 プラスチック成型金型設計・製造、
成型部品製造・販売
水気耕栽培ハイポニカの設計・製造・販売