プチ=高コスパ!? プチブームの背景には「コスパ意識の高まり」
[12/06/19]
提供元:PRTIMES
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コスパ意識が特に強いのは高額消費財の「住宅」「クルマ」!
コスパ評価では「機能・性能」「使い勝手のよさ」を重視!
消費生活アドバイザー:和田由貴氏
「必要十分という意識の高まりからプチ商品が人気に。
特に高コスパの「プチバン」が今年ブレイクの兆し」とコメント
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ここ数年、さまざまな商品やサービスの頭文字として使われているキーワード「プチ」。
既に利用経験を持つ人、利用経験がなくても今後利用意向がある人も多いのではないだろうか。「プチ」の具体例をあげると、プチプラコスメ、プチ家電、プチ旅、プチギフト、プチ
バン、プチスイーツ、プチぜいたくグルメ、などさまざまだが、「プチ」を題する商品やサー
ビスの特性から、「プチ」はユーザーにとって必要な機能やサイズに圧縮する分、それらを
手軽な価格で提供することを担保している商品やサービス、といった解釈ができそうだ。消費
者のコストパフォーマンスに対する意識が高まり、より自分の生活にフィットした、必要十分
な機能やサイズを求める傾向を反映した現象だろうか。
では、消費者にとっての「コストパフォーマンス」とは何か?商品やサービスの価値を測る
キーワードとして、既に浸透している感はあるものの、その明確な基準は存在せず、消費者の
主観で使われているというのが実情だろう。そこでこの「コストパフォーマンス」について、
どのような評価基準があるのか、また「プチ」を題した、さまざまな商品やサービスは、どう
評価されているか。その実態を探るために、マーケティング・リサーチの株式会社アイシェア
(東京渋谷区、代表取締役:井桁祐樹)が調査を実施。20代〜60代で「コストパフォーマン
ス」という言葉を認知している男女1204名のアンケート調査結果を公開。さらに、アンケー
ト結果について、消費生活アドバイザー和田由貴氏に話を聞いてみた。
■9割以上の人が、商品やサービスを購入する際に“コスパ”を意識
まず、商品やサービスを購入する際に「コストパフォーマンス」を意識するかどうかを聞いた
ところ、「強く意識する(=32.6%)」と「まあまあ意識する(=61.6%)」を合計し
た“意識層”が94.2%と高い結果となった。
また、コストパフォーマンス意識層の約半数(49.8%)がここ数年間の間でコストパフォー
マンスに対する意識が高くなったと回答している。※「とても高くなった(=11.8%)」
「どちらかというと高くなった(=38.0%)」
■住宅・クルマなど高額消費財ほどコストパフォーマンスを強く意識
さらに、コストパフォーマンスの評価基準と購入する商品やサービスの価格帯との関連性を調
べたところ、「金額が大きいほど評価基準が厳しくなる」が64.3%となり、「金額の大小は
評価基準とは関係ない(=28.0%)」「金額が小さいほど評価基準が厳しくなる(=
7.7%)」を大きく上回る結果となった。
商品・サービス別にコストパフォーマンスに対する意識度合いを4段階評価(「強く意識す
る」「まあまあ意識する」「まったく意識しない」「わからない」)で聞いたところ、「強く
意識する」の回答が多かったのは「住宅(賃貸を除く)=46.5%」」や「自動車(=
40.9%)」などの高額消費財で、他の商品・サービスに比べて圧倒的に高いことがわかっ
た。住宅、自動車に次いでコストパフォーマンスを「強く意識する」の回答が多かった商品や
サービスを、回答率の順で見ると、パソコン(37.6%)、家電(白物家電=32.8%、黒物家
電=32.1%)、携帯電話(25.4%)、旅行(23.8%)、高級レストラン(22.0%)など比
較的高額な商品・サービスが多いが、ブランド品(14.6%)、貴金属・宝飾品(15.4%)、
趣味用品(14.7%)など、高額商品でも必ずしもコストパフォーマンスを強く意識していな
いカテゴリーがあることもわかった。
■コスパの評価基準は「機能や性能」「使い勝手のよさ」が上位!
次に商品・サービス別にコストパフォーマンスの評価基準について聞いてみたところ、多くの
商品・サービスで「機能や性能」、「使い勝手のよさ」を重視する傾向が強い結果となった。
その他「強く意識する」率が高い上位の商品・サービスで、重視されているコストパフォーマ
ンス評価基準の上位5位までを見てみると、以下のような結果となった。
■「プチ」商品・サービス認知率は約7割!
■利用者のコスパ評価=「高い」が7割以上!
「プチ」がつく商品・サービスについて、どれだけの人が知っているかを聞いたところ、「知
っているしよく使う=2.7%」「知っていて購入・利用したことがある=16.8%」「知って
いるが購入・利用したことはない=49.3%」を合計した、認知者が全体の68.8%となり、否
認知者を大きく上回った。「プチ」がつく商品・サービスの利用者にコストパフォーマンスが
高いと思うか評価を聞いたところ、「とてもコストパフォーマンスが高いと思う=12.4%」
「まあまあコストパフォーマンスが高いと思う=59.4%」と高評価が71.8%となり、「コス
トパフォーマンスが高いと思わない=28.2%」を大きく上回った。
「プチ」商品・サービスの購入・利用経験者に対して、興味・関心がある「プチ」商品・サー
ビスを聞いたところ、「プチスイーツ」=42.3%、「プチ旅」=39.7%、「プチぜいたくグ
ルメ」=35.5%、「プチプラコスメ」=31.2%となった。さらに、これまで購入・利用した
ことがある「プチ商品」のコストパフォーマンスについて、5段階評価で聞いたところ、全体
的に高評価(「非常にコストパフォーマンスが良かった」「まあまあコストパフォーマンスが
よかった」)が、低評価を大きく上回る結果となった。
■「プチ」商品・サービスの利用意向は約7割!
■コスパ意識の高かった高額消費財でプチ化への期待高まる!
今後「プチ」商品・サービスの購入・利用意向を聞いたところ、購入・利用意向者が全体の約
7割(※「ぜひ購入・利用してみたいと思う=5.6%」「機会があれば利用してみたいと思う
=63.4%」)となった。
今後「プチ」化を推進してほしい商品・サービスを聞いたところ、「高級レストラン=
25.3%」「パソコン=21.1%」「黒物家電=19.3%」「自動車=16.1%」 と、コスパ意
識の高かった高額消費財が上位に並んだ。
■夏のボーナスでもコスパ意識が浸透
今年の夏のボーナスでも、どんな商品やサービスを購入するかを聞いてみたところ、「不要な
出費を抑え、必要十分な要素を確保した商品やサービスを購入する」が75.0%で、「少し贅
沢をして、必要十分以上の要素までを確保した商品やサービスを購入する=22.8%」「思い
切り贅沢をして、必要十分を大きく上回る要素を確保した商品やサービスを購入する=
2.3%」を大きく上回り、高コスパ商品やプチ商品が求められているという結果となった。
今回の調査結果で、消費者のコストパフォーマンスに対する意識の高さと、より高い対価を求
める傾向が確認された。チ化」への期待が高まっている様子もうかがわせた。今後の「プチ」
展開に、ますます目が離せなそうだ。
今回の調査結果を受け、ますます目が離せない今後の「プチ」展開について、消費生活アドバ
イザーの和田由貴氏に話を聞いてみた。
■消費生活アドバイザー:和田由貴氏
近年のサービスや商品のプチ化、高コスパな品が求められるようになったのは、賢い消費者が
増えたことにあります。
バブル期以降、ハイスペックを重視したり、身の丈に合わないほどのものが支持されるという
傾向がありました。その後消費者マインドが悪化すると、安かろう悪かろうの品が台頭してく
るという対極の方向へ流れて行ったわけですが、現在はそれらを踏まえ、質は高品位志向、サ
イズや価格は生活に相応な「必要十分なもの」を選択するという消費行動に変化しています。
今女性誌などでは、プチプラコスメ、プチグルメ、プチ旅行といった商品が頻繁に取り上げら
れていますが、生活必需品ではないにしても生活に潤いを与えるものが高コスパ化し大きな支
持を得ています。
さらに、クルマや住宅、家電など、スペックや価格が重視されるものに高コスパを求める消費
者が増え、プチバンやコンパクトマンション、プチ食洗機やプチドラムといったプチ家電など
の商品が登場しており、これらのジャンルにも「プチ化」のブームの波が来ています。調査結
果にもあるように、高額消費財ほどコストパフォーマンスを強く意識する傾向の中、最近クル
マではミニバンよりも小さいけれど、同等の機能を持つコンパクトカーのプチバンが話題で、
使い勝手や機能はそのままの高コスパ商品であるとして注目を集めています。今後は、トヨタ
やホンダなど各メーカーからプチバンを続々と投入する予定という情報もあり、今年ブレイク
する兆しを見せています。
《和田由貴氏プロフィール》
消費生活アドバイザー、家電製品アドバイザー、食生活アドバイザーなど、幅広く暮らしや家
事の専門家として多方面で活動。
また、環境カウンセラーや省エネルギー普及指導員でもあり、2007年には環境大臣より「容
器包装廃棄物排出抑制推進員(3R 推進マイスター)」に委嘱されるなど、環境問題にも精
通する。現役の主婦・2児の母でもあり、講演、執筆、テレビ出演、新聞・雑誌やWebでの連
載なども多く、日常生活に密着したアドバイスを得意とする。
【調査概要】
・調査タイトル:「コスパの定義と消費者評価」
・対象者: 全国/20〜60代の男女 コストパフォーマンス認知者
・有効回答数:計1204名(20代243s、30代242s、40代239s、50代242、60代238s)
・調査期間:2012年6月1日(金)〜6月3日(日)