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ひざの痛みの原因と治療に対する3つの誤解が浮き彫りに

●変形性ひざ関節症の疾患啓発サイト「ひざ科学研究所」がひざの痛みと対処法に関する調査結果を発表
●病気の早期発見と適切な治療機会の喪失が痛みの症状悪化の原因にも



科研製薬株式会社(東京都文京区、代表取締役社長:大沼哲夫)と生化学工業株式会社(東京都千代田区、代表取締役社長:水谷建)が本日開設した変形性ひざ関節症の疾患啓発サイト「ひざ科学研究所」(監修:勝呂徹 東邦大学名誉教授、http://www.hizaken.com)は、このほど全国の40代から70代男女のひざの痛みの経験者および未経験者、合計1,000人を対象に「ひざの痛みと対処法に関するアンケート調査」を実施しました。

アンケート調査の結果からは、ひざの痛みの原因や治療に関して、「ひざの病気は高齢者だけのもの」、「自己流の対処で痛みがとれれば大丈夫」、「病院に行くほどのことではない」という3つの誤解があることが明らかになりました。「ひざ科学研究所」では、これらの誤解のために、ひざの痛みの原因を早期に診断する機会が失われ、適切な治療が受けられないまま症状の悪化を招く可能性があることが明らかなことからひざの痛みに関する誤解を解くお手伝いをしていきます。

【ひざの病気の原因と治療に対する3つの誤解】
◆誤解1. ひざの病気は高齢者だけのもの (添付の調査データ 設問1~3参照)
今回の調査では、全体の60%を超える人がひざの痛みの原因は「年齢的なもの」であると考えていました。また、50代以上の約半数となる46%の人が、現在または過去にひざの痛みを経験していることが分かり、ひざの痛みのある方々の25%が40代で痛みを感じ始めていることが浮き彫りになりました。さらに、痛みの原因を「年齢的なもの」、「運動不足」、「肥満」と考える人に比べて、「ひざの病気」と認識する人はひざの痛みのある方々・ひざの痛みのない方々ともに少ないとの結果も得られました。これらの結果から、中高年のひざの痛みの原因は病気の可能性があると認識されていない現状が見て取れました。
→ ドクターコメント)中高年のひざの痛みの原因の多くは変形性ひざ関節症という病気ですが、半月板の変性断裂などの病気も含まれています。ひざの痛みは決して高齢者だけのものではありません。

◆誤解2. 自己流の対処で痛みがとれれば大丈夫 (調査データ 設問4、5参照)
ひざが痛いときの対処法とその選択理由を聞いたところ、ひざの痛みのある方々では「サポーターをする」、「病院に行く」、「運動する」、「市販の薬を使う」、「サプリメントを飲む」と続き、ひざの痛みのない方々では「病院に行く」、「思いつかない」、「整骨院やマッサージに行く」、「減量する」、「サポーターをする」と続きました(ひざの痛みのない方々は痛くなったとき自分が選ぶと思われる対処法を選択)。しかし、その選択理由については両方の方々ともに「なんとなく」と答えた人が最多となりました。これらの結果より、ひざの痛みに対し自己流の方法で対処している場合が多い状況も確認されました。
→ ドクターコメント)ひざの痛みの原因が変形性ひざ関節症である場合、適切な治療を受けずにいると症状の悪化を招く可能性があります。しかし、この病気は適切な治療によって進行を遅らせることが期待できます。

◆誤解3. 病院に行くほどのことではない (調査データ 設問6~8参照)
ひざの痛みの対処法として「病院に行く」を選ばなかった人に、なぜ病院に行かなかったのかを聞いたところ、一番多くの人が選んだ理由は「病院に行くほどではないと思ったから」でした。また、どのようになったら病院に行くかを聞いた設問では、「痛みがひどくなったら」、「歩くのがつらくなったら」という回答が多く、症状が悪化するまで受診を見送る人が多い現状が認められました。その一方で、病院に行った人は、ひざの痛みの対処法として「病院に行く」ことを勧める割合が一番多いことがわかりました。
→ ドクターコメント)病院に行った人の多くは「痛みの改善」を実感しています。早期に適切な診断・治療を行うことが病気の悪化予防につながるため、病院での早期受診が大切です。


【監修者の総括】
ひざ科学研究所の監修を務める東邦大学名誉教授の勝呂 徹先生は、今回の分析結果を受けて次のように語っています。
「50歳以上の中高年のひざの痛みの多くは『変形性ひざ関節症』という関節の病気によるものです。ひざ関節の軟骨がすり減ることで関節に炎症や痛みが生じる病気です。加齢、肥満、太ももの筋力低下などが原因と考えられていますが、過去にひざに外傷を受けた人、仕事やスポーツなどでひざに負担をかけてきた人も発症しやすい傾向があります。早期に適切な診断、治療を受けることで、軽症のうちに病気の原因を取り除き、進行を遅らせることが期待できますので、普段からひざの状態に関心を持ち、痛みや違和感を感じたら早めに整形外科でひざのメディカルチェックを受けることが大切です。ひざの病気は高齢者だけでなく、誰もが発症する可能性があります。早期受診による診断と適切な治療でQOL(クオリティ・オブ・ライフ)の向上に努めましょう」。

なお、「ひざ科学研究所」では、この調査の分析結果を、それぞれの「誤解」別に解説するコンテンツを3回にわたって公開していく予定です(7月10日(本日)、8月下旬、9月下旬)。ひざの痛みに関する正しい情報発信を通じて、ひざの痛みでお悩みの方々の誤解を解き、QOL向上をお手伝いしていきます。

【変形性ひざ関節症について】
ひざ関節のクッションである関節軟骨がすり減り、ひざ関節に炎症や痛みが生じる病気です。初期症状は、立ち上がりや歩き始めなど動作の開始時にひざに一時的な痛みや違和感がある程度です。さらに水がたまってひざが腫れる、ひざの曲がりが悪くなる、痛みで階段の上り下りや正座がつらくなるなどの症状が出ることもあります。悪化すると、強く痛む、O脚になる、歩行が困難となるなど、日常生活に支障をきたすようになります。
治療には「保存療法」と「手術療法」があります。保存療法には、太ももの筋肉を鍛える運動療法、足底板、ひざサポーターなどを用いる装具療法と痛み止めの貼り薬や飲み薬、およびヒアルロン酸の関節内注射などの治療法があります。ひざ関節の痛みや変形がひどくなり、保存療法が有効でなくなると、骨切り術や人工関節置換術などの手術が必要となります。
早期に診断と適切な治療を受けることで症状をコントロールし、病気の進行(軟骨の変性)を遅らせることが期待できます。

【ひざの痛みに関するアンケート調査の概要】
調査目的:ひざの痛みのある方々、またはひざに痛みのない方々に対して、ひざのケアや治療に関する意識と行動を調べること。
実施日:2012年4月27日〜5月1日
調査対象:全国の40歳から79歳の男女10,000名を対象にスクリーニング調査を行い、ひざの痛みの経験者800名、ひざの痛みの未経験者200名を抽出し、本調査を実施しました。
割付(人数):
ひざの痛みや違和感のある方々
     40代 50代  60代  70代
  男性 100  100  100  100
  女性 100  100  100  100

ひざの痛みや違和感のない方々
     40代 50代 60代 70代
  男性 25  25  25  25
  女性 25  25  25  25

本資料に記載の結果は、実施したアンケート調査結果を日本の人口構成比率およびスクリーニング調査におけるひざの痛みのある人の比率に基づきウェイトバック(発生割合を調整)した結果です。

グラフを含む当プレスリリースの完全版は
http://www.kaken.co.jp/nr/release/nr20120710.pdf
をご参照ください。
「ひざ科学研究所」サイト開設リリースとともにPDF化して掲載しています。


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