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足元には原石が眠っている〜100年先を見据え、日本の可能性を探る 『 幸福実感社会への転進』 月尾嘉男・著 

6月7日、モラロジー研究所発行 定価1,296円(税込)、四六判・181頁

公益財団法人モラロジー研究所(千葉県柏市光ヶ丘2-1-1)は、6月7日、新刊本『幸福実感社会への転進』 月尾嘉男(つきおよしお)著を発行、モラロジー ブックストア(オンラインショップ) http://www.ecmoralogy.jp/より発売を開始しました。




[画像1: https://prtimes.jp/i/26560/1/resize/d26560-1-829182-2.jpg ]

フランスの作家、アルベール・カミュの随筆「シジフォスの神話」で有名になったギリシャ神話があります。
神々を欺瞞したシジフォスは、罰として巨石を山頂まで運搬することを命じられます。ところが、あと一押しで山頂という時に、毎回、巨石は山麓まで転落してしまい、永遠に運搬を繰り返すことになるのです。

現在、日本の多くの企業が陥っているのも同様の事態ではないでしょうか。掲げる目標が売上げなど単純な数値であれば、それは達成可能かもしれません。しかし、それとて達成した段階でさらなる目標が必要となり、終わることはありません。

では、こうした「シジフォスの不条理」から脱却するために、企業が目指すべきは何なのでしょうか--。東京大学名誉教授で、メディア政策・システム工学を専門とする著者は、環境・文化・歴史・経済等、多角的な視点から考察し、「社員から地域社会、さらには国家や世界全体の幸福を実現すること。幸福を一義的に定めることはできないが、経済格差の縮小、地域社会の発展、自然環境の保全など、いくつかの基盤は存在する」と提起します。

本書は、企業が社会に提供すべきこと、目標とすべきことを、時々の話題や社会現象を背景に、公益財団法人
モラロジー研究所発行の『道経塾』の連載「100年先を読む」一般社団法人日本電気協会発行の『電気新聞』の
連載「ウェーブ時評」で発表した著者のコラムを再構成し、「幸福実感社会」への転進を図るための道標とした
ものです。

「大転換期の今こそ、強みと弱みの自覚を!」を合言葉に、100年先の未来を見据え、国家再興、地域創生、
そして産業の戦略を探ります。

本書の構成と骨子
〈第1章〉「足元の宝」を発掘せよ--国家再興の戦略を考える
冒頭では国土面積の約12倍、世界8位という「排他的経済水域+領海」面積、そして世界4位というその海水の体積に着目。日本が「海洋大国」として、近海に広がる豊富な鉱物資源、生物資源を、これまた世界屈指の深海探査・地底掘削技術を駆使して活用することを提言する。さらに、日本文化に通底する清潔精神、高潔で勤勉な精神の維持が日本再生のための重要なカギとなること、日本に根づいたアニミズム精神が知能ロボットとの共生を後押しし、人口問題解決のカギとなり得ること等を説く。

〈第2章〉「不易流行」を見極めよ--産業の明日を考える
情報技術が進歩した現代では、コンピュータで代替できる仕事は消滅しやすく、人間にしかできない仕事が存続する。「これから数十年間で、現存する世界の仕事の半分に相当する20億人の仕事が消滅する」と指摘する学者もいる中、情報革命に対抗する戦略として、社会に共感をもたらす「情緒」の発信を目指せ、と提言。さらに、古代の強国カルタゴ消滅の歴史的教訓から、「倫理と文化が企業を長期的に発展させる」と述べる。

〈第3章〉「開拓の精神」を思い起こせ--地域創生の戦略を考える
岐阜の山間集落で雪下ろしをはじめとする雪国の生活を体験できるツアーを宣伝したところ、都会から参加希望者が集まり、地域にとっては有償で雪下ろしをしてもらえるという一挙両得につながったなどの例を挙げ、「価値は希少であるほど増大する」という発想から、「格差こそが付加価値を生む高次産業への切り札」と主張。さらに「先入観念を打破すれば、異質な未来が出現する」として、官公依存社会から脱却し、住民自らが自助の精神で、足元の原石を宝石に磨き上げることを提言。

〈第4章〉「歴史の教訓」に学べ--文明社会の明日を考える
ヤモリは垂直な壁面も自由自在に移動するが、それは1本の指先に50万本も生えている細毛の効果であることが解明され、接着剤を使わない粘着テープが開発された。こうした先端研究分野は、バイオミミクリーと呼ばれるが、日本語に訳すと「生物を模倣する科学技術」となる。生物には海中に誕生して40億年、陸上に進出して4億年の歴史があるが、現在の人類の祖先は20万年前に登場したにすぎない。万物の霊長・人間よりも進歩している生物は多数存在する。米先住民族ネズパース族の「どのような動物も、あなたよりはるかに多くのことを知っている」という言葉をかみしめ、偉大な祖先に謙虚に学ぶところから、新しい世界が展開すると結ぶ。

<目次>
〈第1章〉「足元の宝」を発掘せよ--国家再興の戦略を考える
フロンティア海洋をめざそう
輸入魚介でもてなす東京五輪大会
環境清潔と精神の高潔が日本の財産
格差社会を変革するエシカルな活動
勤勉精神の奪還が日本を幸福にする
ロボットと共生する先進国家をめざす
開放された舞台でこそ価値ある俳優が演技する
日本に不足している用意周到
日本を再生する名誉の復権
有限の継承が無限を実現する

〈第2章〉「不易流行」を見極めよ--産業の明日を考える
エントロピー概念が示唆する経営革新
林業再生への戦略
製造業を復興させる発想の転換
3D印刷技術がもたらす革命を好機とする
物語るモノが巨大なビジネスを創出する
ビッグデータ時代にも人間にしかできない仕事
魅力こそ企業を発展させる源泉
情報革命にも淘汰されない企業となる秘訣
共感を基礎とする情緒が事業を発展させる
シェアリングがも他平等の精神
激変を好機とする適応ビジネスの知恵
危機を好機に逆転する代打の発想
増大が成長という構図の転換が次代を開拓する
倫理と文化が企業を長期に発展させる

〈第3章〉「開拓の精神」を思い起こせ--地域創生の戦略を考える
フッォサマグナが提供する新規事業の機会
格差こそ価値の源泉である
菅公依存社会から住民自立社会への転換手段
夜間と休日で地方議会再生
足元の原石を宝石に研磨できる地域が発展する
先入概念を打破すれば異質な未来が出現する
生活でも仕事でも見直されるコンパクト思想
開拓精神が逆境からの脱出を可能にする

〈第4章〉「歴史の教訓」に学べ--文明社会の明日を考える
徳異点を認識すれば発展の糸口を発見できる
複数の視点から理解する時代
空気が売買される環境危機
節約精神が文明の贅肉を削除する
実感されない損失を減少させる社会への転換
どのような年齢からでも遅くはない
格差社会に対処すす互助精神
人間を凌駕する生物の叡智
あとがき

著者経歴】
[画像2: https://prtimes.jp/i/26560/1/resize/d26560-1-626166-1.jpg ]

月尾嘉男(つきおよしお)
昭和17年生まれ。東京大学工学部卒業。工学博士。
名古屋大学工学部教授、東京大学工学部教授、
総務省総務審議官等を経て、平成15年、東京大学名誉教授。
これまでコンピュータ・グラフィックス、人工知能、仮想現実、メディア政策等を研究。全国各地でカヌーとクロスカントリーをしながら、知床半島塾、羊蹄山麓塾、釧路湿原塾、信越仰山塾、瀬戸内海塾等を主宰し、地域の有志とともに環境保護や地域計画に取り組む。
著書に『装置としての都市』(鹿島出版会)、『縮小文明の展望』(東京大学出版会)、『地球の救い方』『先住民族の叡智』(遊行社)ほか。


★公益財団法人モラロジー研究所は、倫理道徳の研究と社会教育を推進する研究教育団体です。大正15(1926)年に法学博士・廣池千九郎が創立し以来、一貫して人間性・道徳性を育てる研究・教育・出版活動を展開しています。
【書籍概要】
書名:幸福実感社会への転進
著者:月尾嘉男
判型:四六判・181頁
定価:定価1,296円(税込))
ISBN978-4-89639-259-3
発行:モラロジー研究所
発売日:6月7日
発売:モラロジー ブックストア(オンラインショップ)
http://www.ecmoralogy.jp/

公益財団法人モラロジー研究所 
千葉県柏市光ヶ丘2-1-1
Tel04-7173-3158 Fax04-7173-3324
http://www.moralogy.jp/  
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