元フランス文化大臣 ジャック・ラング氏 大林賞受賞記念講演&シンポジウムを開催
[18/12/18]
提供元:PRTIMES
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ラング氏「文化の投資ほど素晴らしいものはない」と語る
東京藝術大学は、2018年12月14日(金)に、元フランス文化大臣であるジャック・ラング氏の大林賞受賞を記念し講演会とシンポジウムを開催しました。
フランスの都市と文化の革命に大きく貢献するとともに、その指針となる政策およびモデルを確率し、さらに文化の地方分権、パリのルーブル美術館を起点とする文化施設を中心としたグラン・トラボー事業の総指揮も取られた同氏の功績が評価され、大林賞の受賞に至りました。ラング氏は、「大林賞を受賞でき光栄です」と受賞の喜びを語りました。また、ジャポニスム2018で安倍首相と対話したエピソードに触れ、「安倍首相の文化政策に関する意見を伺い、今までとは違う革新的なものを感じました。とても驚きました」と述べ、今後の日本の文化政策に期待している様子が伺えました。
[画像1: https://prtimes.jp/i/40309/1/resize/d40309-1-374960-2.png ]
講演の後ラング氏と東京藝術大学の教授や出身アーティスト6名(青柳氏、伊東氏、隈氏、舘鼻氏、千住氏、宮廻氏)によるパネルディスカッションを開催。現在、日本でも地方文化の再活性化を基軸とする地方創生への期待が膨らんでおり、国のGDP向上における文化経済の貢献力が注目されています。そのような状況の中、フランスの都市と文化の革新に大きく貢献したジャック・ラング氏から様々な意見をいただきました。ラング氏は過去の政策を振り返りながら、「私がルーブル美術館のガラスのピラミット制作を進めている際、非難・中傷もありましたが必ず実現させるという強い想いがありました。大事なのはその想いです。国家は文化への投資をしなければならない。文化予算を維持することによって、未来の信頼を維持できる」と述べました。革命的な文化政策を進めてきたラング氏の文化政策に対する情熱や使命感が伝わる言葉を通して、日本の今後の文化政策に対しての課題を提起できました。
大林賞受賞記念講演&シンポジウム の様子
開会に先立ち大林財団 大林剛郎理事長は、ラング氏の経歴を振り返りながら「本日の意見交換会は、日本の街づくりや文化形成、地方文化の再活性化を基軸とする地方創生に関わる人たちにとって感慨深いものになることを期待しています」と挨拶しました。
ラング氏は、「大林賞を受賞することでき、光栄です。ありがとうございます」と受賞の喜びを笑顔で語りました。また、自身のこれまでやってきた政策を時には笑いも交えながらお話しされました。ラング氏は、「日本でも文化施設が地方を活性化させた例があると思いますが、文化の投資ほど素晴らしいものはないと思っています。文化は幸福の源、自己実現の源、発展の源です」と述べ、文化への情熱、愛を感じられる熱い講演が終了しました。
[画像2: https://prtimes.jp/i/40309/1/resize/d40309-1-485917-3.png ]
パネルディスカッションを開催
講演の後ラング氏と東京藝術大学の教授や出身アーティスト6名(青柳氏、伊東氏、隈氏、舘鼻氏、千住氏、宮廻氏)によるパネルディスカッションを開催しました。パネルディスカッションは、フランスの都市と文化の革新に大きく貢献したラング氏に、日本の様々な分野で活躍するゲストが意見を問う形で進められました。宮廻氏は、ラング氏がフランスの文化大臣だった際、財政難の中でも文化に多くの予算を投入した理由を問うと、ラング氏は「国家は芸術と文化にコミットしなければならない。文化予算を維持することによって、未来の信頼を維持できる」と熱く述べ、これまで多くの文化政策を進めてきたラング氏の文化政策の情熱が垣間見られました。最後に伊東氏は、「ラング氏のお言葉とお話しいただいた皆様のお言葉をまとめると、文化のドアは1度開いたら閉まらない。開くまでは大変ですが、開いたら閉まらない」と述べ、文化に対する愛が溢れるパネルディスカッションを締めくくりました。
[画像3: https://prtimes.jp/i/40309/1/resize/d40309-1-168984-4.png ]
ジャック・ラング氏、クローン文化財を見学
[画像4: https://prtimes.jp/i/40309/1/resize/d40309-1-910736-6.jpg ]
シンポジウムの開催前に、ラング氏は東京藝術大学COI拠点制作の伝統技術と最新技術が融合したクローン文化財を見学しました。高精密かつ質感まで細部にわたり忠実に再現された、釈迦三尊像などの作品の数々に感動したような様子が伺えました。
ジャック・ラング氏 大林賞受賞記念講演&シンポジウム 概要
都市の未来に指標を与えた研究者を表彰する「大林賞」を元フランスの文化大臣 ジャッグ・ラング氏が受賞しました。それを記念し、公益財団法人 大林財団と共催で大林賞受賞記念講演&シンポジウムを開催しました。
■ 日 時 :2018年12月14日(金)14:00〜16:00
■ 場 所 :東京藝術大学COI拠点 Arts & Science LAB. 4F 球型ホール
■ 出席者 :ジャック・ラング氏(アラブ世界研究所(IMA)理事長)
青柳 正規(前文化庁長官、東京藝術大学特任教授)
伊東 順二(コーディネーター、東京藝術大学特任教授)
隈 研吾(建築家、東京藝術大学客員教授)
舘鼻 則孝(アーティスト)
千住 明(作曲家、東京藝術大学特任教授)
宮廻 正明(東京藝術大学名誉教授) ※五十音順
[画像5: https://prtimes.jp/i/40309/1/resize/d40309-1-158342-5.png ]
1939年フランス生まれ。パリ大学法学部及びパリ政治学院卒業。24歳で教授資格者となる。法学博士。
1963年ナンシー国際演劇祭の前身であるナンシー演劇祭を設立し、実行委員長を務める。1981年フランソワ・ミッテラン大統領が誕生すると文化大臣に抜擢され、1986年まで務める。1986年社会党から初出馬して国民議会議長に当選。1988年ミッテラン再選にともない文化大臣に再任。1995年のシラク政権誕生で官僚を退くまでに革命200年担当大臣、情報担当大臣、国民教育大臣などを兼務。1994年欧州議会議員に転出するが、1997年ふたたび国民議会議員に当選。1989〜2000年ブロワ市長を兼務し、その後パ=ド=カレー県の国民議会議員を務める。2013年オランダ大統領よりアラブ世界研究所(IMA)理事長に任命される。
※公益財団法人 大林財団「大林賞」とは
大林財団では、都市が抱える諸問題の解決に多大な貢献があった研究者をはじめ、都市のあり方や将来像に画期的な指標を与えた方、またそれを実践した方に対し、その功績を称えて隔年で「大林賞」を授与しています。
http://www.obayashifoundation.org/obayashiprize
東京藝術大学は、2018年12月14日(金)に、元フランス文化大臣であるジャック・ラング氏の大林賞受賞を記念し講演会とシンポジウムを開催しました。
フランスの都市と文化の革命に大きく貢献するとともに、その指針となる政策およびモデルを確率し、さらに文化の地方分権、パリのルーブル美術館を起点とする文化施設を中心としたグラン・トラボー事業の総指揮も取られた同氏の功績が評価され、大林賞の受賞に至りました。ラング氏は、「大林賞を受賞でき光栄です」と受賞の喜びを語りました。また、ジャポニスム2018で安倍首相と対話したエピソードに触れ、「安倍首相の文化政策に関する意見を伺い、今までとは違う革新的なものを感じました。とても驚きました」と述べ、今後の日本の文化政策に期待している様子が伺えました。
[画像1: https://prtimes.jp/i/40309/1/resize/d40309-1-374960-2.png ]
講演の後ラング氏と東京藝術大学の教授や出身アーティスト6名(青柳氏、伊東氏、隈氏、舘鼻氏、千住氏、宮廻氏)によるパネルディスカッションを開催。現在、日本でも地方文化の再活性化を基軸とする地方創生への期待が膨らんでおり、国のGDP向上における文化経済の貢献力が注目されています。そのような状況の中、フランスの都市と文化の革新に大きく貢献したジャック・ラング氏から様々な意見をいただきました。ラング氏は過去の政策を振り返りながら、「私がルーブル美術館のガラスのピラミット制作を進めている際、非難・中傷もありましたが必ず実現させるという強い想いがありました。大事なのはその想いです。国家は文化への投資をしなければならない。文化予算を維持することによって、未来の信頼を維持できる」と述べました。革命的な文化政策を進めてきたラング氏の文化政策に対する情熱や使命感が伝わる言葉を通して、日本の今後の文化政策に対しての課題を提起できました。
大林賞受賞記念講演&シンポジウム の様子
開会に先立ち大林財団 大林剛郎理事長は、ラング氏の経歴を振り返りながら「本日の意見交換会は、日本の街づくりや文化形成、地方文化の再活性化を基軸とする地方創生に関わる人たちにとって感慨深いものになることを期待しています」と挨拶しました。
ラング氏は、「大林賞を受賞することでき、光栄です。ありがとうございます」と受賞の喜びを笑顔で語りました。また、自身のこれまでやってきた政策を時には笑いも交えながらお話しされました。ラング氏は、「日本でも文化施設が地方を活性化させた例があると思いますが、文化の投資ほど素晴らしいものはないと思っています。文化は幸福の源、自己実現の源、発展の源です」と述べ、文化への情熱、愛を感じられる熱い講演が終了しました。
[画像2: https://prtimes.jp/i/40309/1/resize/d40309-1-485917-3.png ]
パネルディスカッションを開催
講演の後ラング氏と東京藝術大学の教授や出身アーティスト6名(青柳氏、伊東氏、隈氏、舘鼻氏、千住氏、宮廻氏)によるパネルディスカッションを開催しました。パネルディスカッションは、フランスの都市と文化の革新に大きく貢献したラング氏に、日本の様々な分野で活躍するゲストが意見を問う形で進められました。宮廻氏は、ラング氏がフランスの文化大臣だった際、財政難の中でも文化に多くの予算を投入した理由を問うと、ラング氏は「国家は芸術と文化にコミットしなければならない。文化予算を維持することによって、未来の信頼を維持できる」と熱く述べ、これまで多くの文化政策を進めてきたラング氏の文化政策の情熱が垣間見られました。最後に伊東氏は、「ラング氏のお言葉とお話しいただいた皆様のお言葉をまとめると、文化のドアは1度開いたら閉まらない。開くまでは大変ですが、開いたら閉まらない」と述べ、文化に対する愛が溢れるパネルディスカッションを締めくくりました。
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ジャック・ラング氏、クローン文化財を見学
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シンポジウムの開催前に、ラング氏は東京藝術大学COI拠点制作の伝統技術と最新技術が融合したクローン文化財を見学しました。高精密かつ質感まで細部にわたり忠実に再現された、釈迦三尊像などの作品の数々に感動したような様子が伺えました。
ジャック・ラング氏 大林賞受賞記念講演&シンポジウム 概要
都市の未来に指標を与えた研究者を表彰する「大林賞」を元フランスの文化大臣 ジャッグ・ラング氏が受賞しました。それを記念し、公益財団法人 大林財団と共催で大林賞受賞記念講演&シンポジウムを開催しました。
■ 日 時 :2018年12月14日(金)14:00〜16:00
■ 場 所 :東京藝術大学COI拠点 Arts & Science LAB. 4F 球型ホール
■ 出席者 :ジャック・ラング氏(アラブ世界研究所(IMA)理事長)
青柳 正規(前文化庁長官、東京藝術大学特任教授)
伊東 順二(コーディネーター、東京藝術大学特任教授)
隈 研吾(建築家、東京藝術大学客員教授)
舘鼻 則孝(アーティスト)
千住 明(作曲家、東京藝術大学特任教授)
宮廻 正明(東京藝術大学名誉教授) ※五十音順
[画像5: https://prtimes.jp/i/40309/1/resize/d40309-1-158342-5.png ]
1939年フランス生まれ。パリ大学法学部及びパリ政治学院卒業。24歳で教授資格者となる。法学博士。
1963年ナンシー国際演劇祭の前身であるナンシー演劇祭を設立し、実行委員長を務める。1981年フランソワ・ミッテラン大統領が誕生すると文化大臣に抜擢され、1986年まで務める。1986年社会党から初出馬して国民議会議長に当選。1988年ミッテラン再選にともない文化大臣に再任。1995年のシラク政権誕生で官僚を退くまでに革命200年担当大臣、情報担当大臣、国民教育大臣などを兼務。1994年欧州議会議員に転出するが、1997年ふたたび国民議会議員に当選。1989〜2000年ブロワ市長を兼務し、その後パ=ド=カレー県の国民議会議員を務める。2013年オランダ大統領よりアラブ世界研究所(IMA)理事長に任命される。
※公益財団法人 大林財団「大林賞」とは
大林財団では、都市が抱える諸問題の解決に多大な貢献があった研究者をはじめ、都市のあり方や将来像に画期的な指標を与えた方、またそれを実践した方に対し、その功績を称えて隔年で「大林賞」を授与しています。
http://www.obayashifoundation.org/obayashiprize