節電いらず?再注目される東京の軽井沢“多摩ニュータウン”
[11/07/25]
提供元:PRTIMES
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有楽土地株式会社(東京都中央区)の社内プロジェクト「ライフスタイル研究会-多摩レポート」では、東日本大震災後、従来から人気が高かった東京湾岸エリアに代わり、液状化の影響を受けにくい内陸の土地として多摩エリアが注目されはじめていることに着目し、多摩ニュータウンの居住者(30〜50代男女300人)と、住宅購入を考えている首都圏在住者(30〜40代男女300人)に、住宅選びや多摩ニュータウンに関する意識調査を実施いたしました。その結果、多摩ニュータウンはその地盤の安全性や、都心に比べて緑が多く涼しい土地であることから、“安全な街”、“住み続けたい街”、“自然に節電できる街”であるとの認識が高いことがわかりました。
■調査方法:インターネットアンケート ■調査時期:2011年6月
■調査対象: a.多摩ニュータウン居住者30〜50代男女300名 b.住宅購入希望者30〜40代男女300名
【利便性から安全性へ〜変わる住宅選びの基準 住宅購入希望者の意識調査より】
住宅購入を考えている首都圏在住者に、震災前後で住宅選びの基準に変化があったか聞くと、変化があったと答える人が64%にのぼりました。
また、震災前、住宅選びで重視する基準は1.交通の利便性 2.治安の良さ 3.子育て環境の良さ がベスト3でしたが、震災後、1.地盤の安全性 2.交通の利便性 3.防災面の充実度がベスト3となっています。
特に、地盤の安全性は28%から67%に増加、防災面の充実度は15.7%から40.3%と大幅に割合が大きくなっており、震災後、安全・安心なエリアへの意識が高くなっていることがうかがえます。
また、首都圏在住者がもつ多摩ニュータウンのイメージで、震災前後の変化が顕著だったのは、ネガティブイメージ(都心から遠い、住民の老齢化)の割合の低下とともに、地盤が安全(1.3%から13.3%に増加)、災害に強い(0.7%から7%に増加)など、安全性に関するイメージの割合が高くなっている点でした。
【55%が地盤の安全性を実感 住み続けたい街、多摩 多摩ニュータウン居住者の意識調査より】
震災後注目される多摩エリア(多摩ニュータウン)の居住者に、多摩ニュータウンに住む利点を聞いたところ、「地盤の安全性」をあげる人の割合が震災前後で28%から55%に大幅に増加しました。
また、その他、震災後にポイントを上げたのは「防災面の充実」「防犯面の良さ」「地域コミュニティの充実」「インフラの充実」「親や子が近くにいる」など、今回の震災を機会に、“もしも”の時に対応できる点が見直されました。
その結果、多摩ニュータウンに「住み続けたいと思う」住人は89.7%となりました。
【ヒートアイランドと無縁、多摩は天然のクールタウン 多摩ニュータウン居住者の意識調査より】
早々の梅雨明けや節電の影響で、今年は例年よりも暑さを感じる夏が続いています。多摩ニュータウンの居住者に多摩エリアの夏の利点やイメージを聞きました。
その結果、“自然に避暑ができる”、“緑が多く都心ほど暑くない”、“ヒートアイランド現象の影響が少ない”、“街全体が自然のグリーンカーテン”といった回答が目立ちました。緑が多くて風通しが良いことや、高い建物が少なくゆったりした街並みであることがあいまって、都心より涼しいと感じる人が多いようです。
また、多摩エリアが涼しいということは、イメージや体感だけではなくデータでも実証されています。気象庁のデータによると、昨年(2010年)の都下西部と東京都市部の夏の平均気温は、最高気温こそあまり差がありませんが、最低気温では約2.5度の差があります。また、都下西部の中でも、八王子市に比べ多摩市は平均最低気温がさらに低いというデータもあります。多摩エリアは、この夏注目すべき東京都心からアクセスの良い避暑地ともいえるのではないでしょうか。
【これからの住宅選びのキーワードは、安全・安心、自然との共存】
以上の調査結果を鑑みても、震災前後で住宅選びの基準が大きく変わったと言えます。住宅に詳しい一級建築士でインテリアプランナーの井上恵子氏は調査結果を受け、こう分析します。
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震災後に講師をした住まい選びセミナーでは、参加者の方から液状化・地質・構造など専門的な質問が飛び出し、震災前とは意識がだいぶ変わったと感じました。意識調査の結果を見ても「住宅選びのポイントに変化があった」と答えた人が64%に上り、特に「地盤の安全性」「防災面の充実度」が大きく伸びています。地盤のよい場所のニーズが高まったこと、そして震災後のモノ不足から防災・備蓄倉庫などの必要性も大きく認識されました。
また、昨年に引き続き今年も猛暑の夏です。節電意識も加わって、お年寄りや小さなお子さんの健康面が心配されています。熱帯夜を招く「ヒートアイランド現象」の原因は「緑の喪失(寄与率78%)」「冷暖房の室外機などの排熱(寄与率22%)」(東京都環境局)となっており、周辺環境の緑化率は、節電、エコ、健康的な生活を送るうえで大切なポイントであると言えます。
大きな震災を経て今後の住宅選びのキーワードは、自然災害を受けにくい土地、耐震性・耐火性のある地域・家、防災庫をもつなど災害対策が進んでいる地域、緑や通風の恩恵を受けられる土地、人と人とのつながり・ご近所付き合いが保てる場所と言ってよいと思います。
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これからの住宅選びでより重視されるポイントは、安全性や防災面が優れていることや、自然と共存しながら健康的な生活が送れる場所になってきているのではないでしょうか。
■井上恵子■
住まいのアトリエ 井上一級建築士事務所主宰
一級建築士・インテリアプランナー・日本女子大学通信教育課程「住宅リフォーム計画」講座担当
総合建設会社の設計部に約15年在籍し、主にマンションの設計・工事監理を担当。2000年の「住宅の品質確保の促進等に関する法律(品確法)」制定後よりマンションの性能評価に深く関わる。2004年に独立後、住宅性能評価員講習を修了。住まいの安全・安心などに関する講演、執筆を行う。
■調査方法:インターネットアンケート ■調査時期:2011年6月
■調査対象: a.多摩ニュータウン居住者30〜50代男女300名 b.住宅購入希望者30〜40代男女300名
【利便性から安全性へ〜変わる住宅選びの基準 住宅購入希望者の意識調査より】
住宅購入を考えている首都圏在住者に、震災前後で住宅選びの基準に変化があったか聞くと、変化があったと答える人が64%にのぼりました。
また、震災前、住宅選びで重視する基準は1.交通の利便性 2.治安の良さ 3.子育て環境の良さ がベスト3でしたが、震災後、1.地盤の安全性 2.交通の利便性 3.防災面の充実度がベスト3となっています。
特に、地盤の安全性は28%から67%に増加、防災面の充実度は15.7%から40.3%と大幅に割合が大きくなっており、震災後、安全・安心なエリアへの意識が高くなっていることがうかがえます。
また、首都圏在住者がもつ多摩ニュータウンのイメージで、震災前後の変化が顕著だったのは、ネガティブイメージ(都心から遠い、住民の老齢化)の割合の低下とともに、地盤が安全(1.3%から13.3%に増加)、災害に強い(0.7%から7%に増加)など、安全性に関するイメージの割合が高くなっている点でした。
【55%が地盤の安全性を実感 住み続けたい街、多摩 多摩ニュータウン居住者の意識調査より】
震災後注目される多摩エリア(多摩ニュータウン)の居住者に、多摩ニュータウンに住む利点を聞いたところ、「地盤の安全性」をあげる人の割合が震災前後で28%から55%に大幅に増加しました。
また、その他、震災後にポイントを上げたのは「防災面の充実」「防犯面の良さ」「地域コミュニティの充実」「インフラの充実」「親や子が近くにいる」など、今回の震災を機会に、“もしも”の時に対応できる点が見直されました。
その結果、多摩ニュータウンに「住み続けたいと思う」住人は89.7%となりました。
【ヒートアイランドと無縁、多摩は天然のクールタウン 多摩ニュータウン居住者の意識調査より】
早々の梅雨明けや節電の影響で、今年は例年よりも暑さを感じる夏が続いています。多摩ニュータウンの居住者に多摩エリアの夏の利点やイメージを聞きました。
その結果、“自然に避暑ができる”、“緑が多く都心ほど暑くない”、“ヒートアイランド現象の影響が少ない”、“街全体が自然のグリーンカーテン”といった回答が目立ちました。緑が多くて風通しが良いことや、高い建物が少なくゆったりした街並みであることがあいまって、都心より涼しいと感じる人が多いようです。
また、多摩エリアが涼しいということは、イメージや体感だけではなくデータでも実証されています。気象庁のデータによると、昨年(2010年)の都下西部と東京都市部の夏の平均気温は、最高気温こそあまり差がありませんが、最低気温では約2.5度の差があります。また、都下西部の中でも、八王子市に比べ多摩市は平均最低気温がさらに低いというデータもあります。多摩エリアは、この夏注目すべき東京都心からアクセスの良い避暑地ともいえるのではないでしょうか。
【これからの住宅選びのキーワードは、安全・安心、自然との共存】
以上の調査結果を鑑みても、震災前後で住宅選びの基準が大きく変わったと言えます。住宅に詳しい一級建築士でインテリアプランナーの井上恵子氏は調査結果を受け、こう分析します。
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震災後に講師をした住まい選びセミナーでは、参加者の方から液状化・地質・構造など専門的な質問が飛び出し、震災前とは意識がだいぶ変わったと感じました。意識調査の結果を見ても「住宅選びのポイントに変化があった」と答えた人が64%に上り、特に「地盤の安全性」「防災面の充実度」が大きく伸びています。地盤のよい場所のニーズが高まったこと、そして震災後のモノ不足から防災・備蓄倉庫などの必要性も大きく認識されました。
また、昨年に引き続き今年も猛暑の夏です。節電意識も加わって、お年寄りや小さなお子さんの健康面が心配されています。熱帯夜を招く「ヒートアイランド現象」の原因は「緑の喪失(寄与率78%)」「冷暖房の室外機などの排熱(寄与率22%)」(東京都環境局)となっており、周辺環境の緑化率は、節電、エコ、健康的な生活を送るうえで大切なポイントであると言えます。
大きな震災を経て今後の住宅選びのキーワードは、自然災害を受けにくい土地、耐震性・耐火性のある地域・家、防災庫をもつなど災害対策が進んでいる地域、緑や通風の恩恵を受けられる土地、人と人とのつながり・ご近所付き合いが保てる場所と言ってよいと思います。
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これからの住宅選びでより重視されるポイントは、安全性や防災面が優れていることや、自然と共存しながら健康的な生活が送れる場所になってきているのではないでしょうか。
■井上恵子■
住まいのアトリエ 井上一級建築士事務所主宰
一級建築士・インテリアプランナー・日本女子大学通信教育課程「住宅リフォーム計画」講座担当
総合建設会社の設計部に約15年在籍し、主にマンションの設計・工事監理を担当。2000年の「住宅の品質確保の促進等に関する法律(品確法)」制定後よりマンションの性能評価に深く関わる。2004年に独立後、住宅性能評価員講習を修了。住まいの安全・安心などに関する講演、執筆を行う。