アベノミクスが増税前消費を後押し=過半数超え(52.3%)
[13/06/25]
提供元:PRTIMES
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「2013年の消費意欲と住宅需要」についてアベノミクス施行の前後比較
〜 増税前に買っておきたい商品2トップに変動なし=1位「住宅」、2位「自動車」 〜
〜 増税でもアベノミクス効果により、夫のお小遣い額は下がらない傾向 〜
〜 新築住宅は、「消費税増税前に購入したい」が8割以上 〜
「2013年の消費意欲と住宅需要に対するアベノミクスの影響調査」結果発表
旭化成ホームズ株式会社(本社:東京都 新宿区、代表取締役社長:平居正仁 以下、旭化成ホームズ)では、2012年12月14日〜16日に実施した、「2013年の消費意欲と住宅需要に関する意識調査」に続き、「2013年の消費意欲と住宅需要に対するアベノミクスの影響調査」として、調査を実施しました。
・全国30歳以上既婚者858名を対象に、「消費税増税前の消費意識に対するアベノミクスの影響」に関する調査
・全国30歳以上既婚者で、3年以内に「新築」住宅(新築一戸建て(注文住宅含む)もしくは新築マンション)の
購入意向者449名を対象として、「消費税増税前の新築住宅需要に対するアベノミクスの影響」に関する調査
今回の調査では、前回調査後に施行され、連日メディアを賑わせている安倍晋三内閣の経済政策、「アベノミクス」が消費税増税前の消費意欲や、家計対策、さらに新築住宅購入の検討に対してどのような影響を与えているのか、また新築一戸建て注文住宅での、増税適用のスケジュール認知率などについても意見を集め、アベノミクス施行前に実施した前回調査との比較も踏まえた結果をまとめています。
また、旭化成ホームズでは「消費税増税の住宅購入への影響に関する専用サイト」を2013年1月より開設し、本調査も紹介しています。
■消費税増税の住宅購入への影響に関する専用サイト:http://www.asahi-kasei.co.jp/hebel/shouhizei/index.html
調査の背景
安倍晋三内閣が実施する経済政策「アベノミクス」において、長期間続いているデフレを脱却し名目経済成長率3%、物価目標2%を目指すため、「財政出動」「金融緩和」「成長戦略」という「3本の矢」を柱とした経済対策を打ち出したことで、連日、政策が及ぼす実態経済への影響についてさまざまな議論がされています。そのような中、来年4月からの消費税増税を踏まえ、アベノミクス効果の恩恵を受けられる「適正な住宅購入時期」などを検証する記事も、メディアで掲載される機会が増加しています。新築一戸建ての注文住宅においては、現行の消費税率5%で購入するためには、新税率の施行日よりも6ヵ月間前倒しとなる、2013年9月30日までに請負契約完了が必要となります。安倍内閣発足前だった前回調査と、アベノミクスが施行され約5か月間が経過し、現行の消費税率の適用期限まで200日間を切ったこのタイミングでは、消費者の消費意欲にどのような変化が起きているのでしょうか。このような消費税増税とアベノミクス効果に対する消費者の意識変化を把握するために、調査を実施しました。
アンケート調査実施概要
■調査方法 :インターネット調査
■実査期間 :2013年5月30日〜31日
■調査対象/回答者数
・消費税増税前の消費意識に対するアベノミクスの影響:
全国、30歳以上、既婚者/858名
・消費税増税前の消費意識に対するアベノミクスの影響:
全国、30歳以上、既婚者、3年以内に「新築」住宅(新築一戸建て(注文住宅含む)もしくは新築マンション)の購入意向がある方/449名
調査結果
<消費税増税前の消費意識に対するアベノミクスの影響>
※対象者:全国、30歳以上、既婚者/858名
(1) アベノミクス効果による景気回復に、6割以上が前向きな見方
安倍晋三内閣の経済政策であるアベノミクスによって、「景気が回復しているという実感はあるか」を聞いてみたところ、「実感している」の回答は20.7%(「実感している(2.9%)」、「多少実感している(17.9%)」の合計)と、現時点は少数派でしたが、「実感はないが今後は回復する(43.1%)」が最も回答率が高かったことから、6割以上がアベノミクスによる景気回復に前向きな見方をしていることがわかりました。
(2) アベノミクス効果は消費税増税前の消費意欲を「後押ししている」が過半数超え=52.3%
アベノミクス効果が消費税増税前の消費意欲を後押ししているかどうかを聞いてみたところ、「後押ししている」の回答が52.3%と過半数を超えました(「していると思う(9.7%)」、「少ししていると思う(42.6%)」の合計)。アベノミクス効果による景気回復が、消費意欲への後押しにはなっている様子がうかがえました。
(3) 消費税増税前に買っておきたい商品やサービスジャンルランキング1位=「住宅」
消費税増税が施行される前に、「なるべく早く買っておきたい商品やサービスジャンル」について、前回と同様、30〜50代と、60歳以上とで比較をしてみたところ、30〜50代では1位:住宅=40.7%(前回42.3%)、2位:自動車=34.4%(前回37.8%)、3位:白物家電=28.0%(前回33.0%)、4位:パソコン=21.1%(前回24.2%)、5位:黒物家電=20.7%(前回25.0%)と順位にはあまり変動が見られませんでしたが、60歳以上では前回は「パソコン」「白物家電」「自動車」の回答率が高かったのに対して、今回は1位に同率で、住宅=28.8%(前回10.6%)・白物家電=28.8%(前回19.5%)、3位:自動車=27.5%(前回14.6%)、4位:パソコン=22.9%(前回21.0%)、5位:旅行・レジャー=18.2%(前回14.7%)となり、住宅が前回8位から、1位に上昇致しました。
各年代を通じて「住宅」が1位になり、「自動車」など、高額商品を優先的に購入したい意向が浮き彫りになり、また60歳以上では、消費税増税前に買っておきたい商品やサービスジャンルが増えていることが確認できました。
(4) 消費税増税後の夫のお小遣い額、「現状維持」が最多=71.9%(前回65.8%)で、「下げるべき」が大幅に減少
今回の消費税増税により「夫の毎月のお小遣い額」を変えるべきかどうかを聞いたところ、1位は「現状維持」で71.9%(前回=65.8%)、2位は「家計が圧迫されるので、下げるべき」、3位が「夫の出費が増えるので、上げるべき」で、前回調査と同様の順位になりましたが、回答比率で前回と比較してみると「家計圧迫されるので、下げるべき」は前回が30.2%だったのに対して、今回は19.2%と大幅に減少、また「夫の出費が増えるので、上げるべき」は前回の4.0%から今回は8.9%と、こちらは倍以上に上昇しました。アベノミクスによる景気回復への期待が、夫の小遣い額にもプラス材料となった可能性があります。
(5) 消費税増税に向けて家計の対策を「考えている」は未だ少数派=15.2% (前回13.5%)
対策としてはコストパフォーマンスを意識する傾向
消費税増税に向けて、何らか家計の対策を考えているかどうかについて聞いたところ、こちらも前回調査と同様の傾向で、「考えている」はわずかに上昇したものの15.2%(前回13.5%)に留まり、「今は考えていないがこれから考える」が54.3%(前回52.6%)で最多、約3割の30.5%(前回33.9%)が「特に対策は考えない」という結果となり、未だ具体的な対策の検討には至っていないことがわかりました。この結果を男女別で比較してみたところ、「特に対策は考えない」は男性に多い傾向にありました(※男性=34.1%、女性=26.7%)。
また、消費税増税に向けて家計の対策を考えている人、これから考える人に、どのような対策を考えるかの結果についても前回と比較をしてみたところ、前回1位だった「節約する」が2位となり(前回82.2%→今回70.2%)、逆に前回2位だった「かしこい消費(買い物)をする」が1位となりました(前回71.7%→今回74.7%)。この結果を男女別で比較してみたところ、「かしこい消費(買い物)をする」を支持している傾向は、男性71.9%(前回67.3%)、女性77.4%(前回75.6%)と、特に女性がコストパフォーマンス(「かしこい消費(買い物)」)を意識することがわかりました。
(6) 家計で見直しが必要だと思う項目1位は公共料金=58.0%
「外食」、「旅行やレジャー」など、遊興費に対する見直し意識が緩和
消費税増税により、家計で見直しが必要だと思う項目についても前回調査結果と比較してみたところ、順位に変動がみられました。前回1位「外食の回数」=59.9%、2位「食費」=58.9%、3位「旅行やレジャーの回数」=51.9%、4位「公共料金(ガス代、電気代、水道代、光熱費)」=51.3%、5位「生活必需品の購入費(家庭日用品・日用雑貨・洗剤・衛生用品・食料品・医療品・衣類・化粧小物等)」=49.0%だったのに対して、今回の結果では、1位「公共料金」=58.0%、2位「食費」=56.7%、3位「外食の回数」=55.1%、4位と5位が同率で「生活必需品」「旅行やレジャーの回数」=47.8%となりました。前回よりも「外食」や「旅行・レジャー」など、自宅以外での消費に対する見直し意識が緩和されている様子がうかがえます。男女別で比較してみると、女性の方がより「外食」「旅行やレジャー」に対しての見直し意識が緩和されている傾向が確認できました。最も少なかったのは前回調査と同様で、「子供の習い事や塾などにかけるお金=5.8%」(前回4.1%)となり、食費や娯楽、生活必需品を見直しても、子供の教育については、極力投資を減らしたくないという両親の姿勢がうかがえました。
<消費税増税前の新築住宅需要に対するアベノミクスの影響>
※対象者:全国、30歳以上、既婚者、3年以内に「新築」住宅(新築一戸建て(注文住宅含む)もしくは新築マンション)の購入意向がある方/449名
(7) 3年以内の「新築住宅」購入意向者が大幅増加=52.3% (前回30.3%)
3年以内に「新築」(住宅新築一戸建て(注文住宅含む)もしくは新築マンション)の購入意向があるかどうかの回答を、前回調査と比較してみたところ、「ある」が52.3%と過半数を超え、前回調査結果の30.3%から大幅に上昇していることがわかりました。この結果を男女別で比較してみると、前回調査で「ある」と回答した男性は25.8%だったのに対して、今回は54.0%と倍増。女性では前回調査で「ある」が37.1%だったのに対して、今回は50.7%とこちらも4割近い上昇率となっています。
(8) アベノミクスの金融緩和により、今後住宅ローン金利は「上がって行く」=83.3%
金利上昇気配から、「早めに新築住宅を購入しておきたい」=62.2%
アベノミクスの「金融緩和」により、住宅ローン金利は、今後どうなって行くと思うかを聞いたところ、「上がって行くと思う」の見方が83.3%と圧倒的多数となりました(「上がって行くと思う(33.0%)」、「少しずつ上がって行くと思う(50.3%)」の合計)。さらに「金利上昇気配を感じるので、早めに新築住宅を購入しておきたい」という考え方について、どう思うかを聞いてみたところ、「そう思う」の回答が62.2%と多数派となりました(「そう思う(21.2%)」、「ややそう思う(41.0%)」の合計)。8割以上が住宅ローン金利の上昇を予測し、且つ6割以上が金利上昇気配から早めの新築住宅購入を検討しているという結果から、アベノミクスが新築住宅の購入意向者の増加に影響を与えている様子がうかがえます。
(9) 新築住宅は「消費税増税前に購入したい」が前回と同様圧倒的多数=80.8%
消費税増税前に購入したい理由、1位:「増税の負担を軽減したい」=80.7%
消費税増税後に購入したい理由、1位:「増税に関係なく、ゆっくりと考えるべき」=61.6%
消費税増税を踏まえた新築住宅の消費意識・購入のタイミングについて、二者択一で意見を聞いてみたところ、新築住宅は「消費税増税前に購入したい」が80.8%と、(前回83.4%)と同様に圧倒的多数となりました。
「消費税増税前に買うべきだ」と答えた人に、その理由を聞いてみたところ、1位は「消費税増税の負担を少しでも軽減したいから」が最も多く80.7%(前回87.1%)、2位はアベノミクスの影響からか、「増税後は物件価格が上昇すると考えるから」の32.5%(前回24.2%)、3位に「今回の増税では増税後の住宅ローン減税や控除の導入など、政府からの緩和措置は取られないかもしれないから」=16.0%(前回20.2%)という結果となり、前回と同様にほとんどの人が消費税増税の負担を減らす目的で、「増税前のタイミング」で買うべきと考えていることがわかりました。
それに対して、「消費税増税後に買うべきだ」と答えた人に、その理由を聞いてみたところ1位は「住宅購入は増税に関係なく、ゆっくりと考えるべきものだと思う」=61.6%で、前回調査結果(49.4%)よりも大幅に増加しました(※前回と同様、女性の方が多い傾向、男性=52.9%、女性=74.3%)。2位は「増税後は物件価格が下落すると考えられるから」=29.1%ですが、こちらは前回調査結果(40.5%)から大幅に減少しました(※こちらは男性の方が多い傾向、男性=31.4%、女性=25.7%)。数値に変動はあったものの状況に捉われず、ゆっくり考えたい女性と、状況に対応して考えていきたいという男性の意識の違いは前回と同様の傾向となりました。
※参考:消費税増税による新築一戸建ての負担増試算=建物代が2,500万円の新築一戸建て住宅を購入する場合、2014年4月(8%に上昇)=75万円の負担増、2015年10月(10%に上昇)=125万円の負担増となります。
土地の代金に消費税はかかりません。消費税増税による新築分譲マンションの負担増試算=建物価格が4000万円の新築分譲マンションを購入する場合、2014年4月(8%に上昇)=120万円の負担増、2015年10月(10%に上昇)=200万円の負担増となります。土地の代金に消費税はかかりません(※2013年1月時点)。
(10) 新築住宅の希望形態、一戸建て派が上昇=71.0%
現在、想定している、もしくは希望に近い新築住宅の形態について聞いてみたところ、「一戸建て」派が71.0%(前回66.9%)と前回よりも若干上昇し多数派となり、「新築分譲マンション」派は24.3%(前回29.1%)と少数にとどまりました。これは男女共にほぼ同様の傾向にありますが、年代別に比較をしてみると、「一戸建て」は30代〜40代の支持率が81.0%と特に高いことがわかりました。
(11) 新築住宅の平均想定額が200万円程度上昇=¥40,768,374 (前回¥38,421,053)
→用意できる平均頭金比率はやや減少=39.7% (前回41.9%)
次に購入を予定している、新築住宅の想定金額や、用意できる頭金の比率についても前回と同様に聞いてみました。まず新築住宅の想定金額では、全体の平均が前回調査に比べ200万円以上上昇し¥40,768,374(前回¥38,421,053)になりました。想定額ごとの比率は、多少の増減が見られたものの、前回調査と同様の傾向で、全年代を通して「2001〜4000万円」に集中しており、「2001〜3000万円」=23.8%(前回28.8%)、「3001〜4000万円」=28.7%(前回28.0%)、次いで多かったのは「4001〜5000万円」=16.7%(前回17.5%)、「〜2000万円」=11.8%(前回10.5%)で、全体の81.1%が5000万円以下という結果となりました(前回84.8%)。
また、新築住宅の購入金額のうち、頭金として用意できる金額比率の平均は39.7%(前回41.9%)と、こちらは前回の調査結果から少し下がりました。この数値は年代が上がると共に上昇し、30〜40代と50歳以上で二極化している傾向は前回調査と同様です。この数値を詳細に比較してみると30〜40代は、「11〜20%」が最多で22.4%(前回17.2%)、30%以下の比率は全体の68.5%(前回66.1%)だったのに対して、50歳以上は、「91〜100%」が最多で29.5%(前回31.4%)、「31%以上」の比率は全体の66.4%(前回72.1%)と、新築住宅の平均想定額の上昇が影響してか、前回調査よりも若干低い結果となりました。
(12) 新築一戸建てで注文住宅での増税適用スケジュール
→「知っていた」が大幅上昇=72.4% (前回51.2%)
消費税増税にともない、新築一戸建ての注文住宅で増税が適用されるスケジュールについて、知っていたかどうかを聞いてみたところ、前回調査結果と比較して「知っていた」が72.4%(「詳細に知っていた(18.0%)」、「なんとなく知っていた(54.4%)」の合計)と大幅に上位しました(前回=51.2%/※「詳細に知っていた(11.8%)、「なんとなく知っていた(39.4%)」の合計」。現行税率(5%)の適用期限が迫ってきていることで、新築住宅購入検討者の関心が高まっている様子がうかがえます。
(13) 二世帯住宅で家族と同居→家計負担軽減のためなら「アリ」=61.5%
増税により、高くなる購入資金を親が援助してくれるなら「アリ」=57.5%
「消費税が増税することによって、家計への負担も増えたりするので、二世帯住宅など家族と集まって住むことで、光熱費や食費などの負担を減らしながら暮らしてみるのもアリだと思うかどうか?」の質問では、「そう思う」が全体の61.5%(※「そう思う(18.3%)」、「ややそう思う(43.2%)」の合計)と、前回とほぼ同様の結果でした(前回60.6%(※「そう思う(14.9%)と「ややそう思う(45.7%)」の合計)。ちなみに「そう思う」の率を男女別で比較してみたところ、こちらも前回と同様、男性の方が高い傾向(男性=68.1%、女性=54.4%)となりました。
また、「消費税が増税することによって購入資金が少し高くなってしまう分を、親(または子ども)が援助してくれるのであれば、二世帯住宅などで家族と集まって暮らしてみるのもアリだと思うかどうか?」を聞いてみたところ、「そう思う」が全体の57.5%(※「そう思う(16.7%)」、「ややそう思う(40.8%)」の合計)と、こちらも前回とほぼ同様の結果でした(前回54.5%(※「そう思う」=10.9%と「ややそう思う」=43.6%の合計)。こちらも「そう思う」の率は男性の方が高い傾向(※男性=63.4%(前回62.6%)、女性=57.5%(前回46.3%))であることがわかりました。
今回の追加調査により、「アベノミクス」が消費税増税前の消費意欲を後押ししていること、消費税増税や住宅ローン金利の上昇が、新築住宅購入意向者の増加に影響を与えていることがわかりました。
また、前回調査に比べて多くの新築住宅購入検討者が、現行税率(5%)の適用のための請負契約完了期限を理解し、増税負担を軽減する目的で、消費税増税前に購入するべきと考えていることが確認されました。
皆様が新築住宅購入をご計画される際にお役立ていただきたく、今後もこのような調査活動を実施し、情報発信に努めて参ります。
〜 増税前に買っておきたい商品2トップに変動なし=1位「住宅」、2位「自動車」 〜
〜 増税でもアベノミクス効果により、夫のお小遣い額は下がらない傾向 〜
〜 新築住宅は、「消費税増税前に購入したい」が8割以上 〜
「2013年の消費意欲と住宅需要に対するアベノミクスの影響調査」結果発表
旭化成ホームズ株式会社(本社:東京都 新宿区、代表取締役社長:平居正仁 以下、旭化成ホームズ)では、2012年12月14日〜16日に実施した、「2013年の消費意欲と住宅需要に関する意識調査」に続き、「2013年の消費意欲と住宅需要に対するアベノミクスの影響調査」として、調査を実施しました。
・全国30歳以上既婚者858名を対象に、「消費税増税前の消費意識に対するアベノミクスの影響」に関する調査
・全国30歳以上既婚者で、3年以内に「新築」住宅(新築一戸建て(注文住宅含む)もしくは新築マンション)の
購入意向者449名を対象として、「消費税増税前の新築住宅需要に対するアベノミクスの影響」に関する調査
今回の調査では、前回調査後に施行され、連日メディアを賑わせている安倍晋三内閣の経済政策、「アベノミクス」が消費税増税前の消費意欲や、家計対策、さらに新築住宅購入の検討に対してどのような影響を与えているのか、また新築一戸建て注文住宅での、増税適用のスケジュール認知率などについても意見を集め、アベノミクス施行前に実施した前回調査との比較も踏まえた結果をまとめています。
また、旭化成ホームズでは「消費税増税の住宅購入への影響に関する専用サイト」を2013年1月より開設し、本調査も紹介しています。
■消費税増税の住宅購入への影響に関する専用サイト:http://www.asahi-kasei.co.jp/hebel/shouhizei/index.html
調査の背景
安倍晋三内閣が実施する経済政策「アベノミクス」において、長期間続いているデフレを脱却し名目経済成長率3%、物価目標2%を目指すため、「財政出動」「金融緩和」「成長戦略」という「3本の矢」を柱とした経済対策を打ち出したことで、連日、政策が及ぼす実態経済への影響についてさまざまな議論がされています。そのような中、来年4月からの消費税増税を踏まえ、アベノミクス効果の恩恵を受けられる「適正な住宅購入時期」などを検証する記事も、メディアで掲載される機会が増加しています。新築一戸建ての注文住宅においては、現行の消費税率5%で購入するためには、新税率の施行日よりも6ヵ月間前倒しとなる、2013年9月30日までに請負契約完了が必要となります。安倍内閣発足前だった前回調査と、アベノミクスが施行され約5か月間が経過し、現行の消費税率の適用期限まで200日間を切ったこのタイミングでは、消費者の消費意欲にどのような変化が起きているのでしょうか。このような消費税増税とアベノミクス効果に対する消費者の意識変化を把握するために、調査を実施しました。
アンケート調査実施概要
■調査方法 :インターネット調査
■実査期間 :2013年5月30日〜31日
■調査対象/回答者数
・消費税増税前の消費意識に対するアベノミクスの影響:
全国、30歳以上、既婚者/858名
・消費税増税前の消費意識に対するアベノミクスの影響:
全国、30歳以上、既婚者、3年以内に「新築」住宅(新築一戸建て(注文住宅含む)もしくは新築マンション)の購入意向がある方/449名
調査結果
<消費税増税前の消費意識に対するアベノミクスの影響>
※対象者:全国、30歳以上、既婚者/858名
(1) アベノミクス効果による景気回復に、6割以上が前向きな見方
安倍晋三内閣の経済政策であるアベノミクスによって、「景気が回復しているという実感はあるか」を聞いてみたところ、「実感している」の回答は20.7%(「実感している(2.9%)」、「多少実感している(17.9%)」の合計)と、現時点は少数派でしたが、「実感はないが今後は回復する(43.1%)」が最も回答率が高かったことから、6割以上がアベノミクスによる景気回復に前向きな見方をしていることがわかりました。
(2) アベノミクス効果は消費税増税前の消費意欲を「後押ししている」が過半数超え=52.3%
アベノミクス効果が消費税増税前の消費意欲を後押ししているかどうかを聞いてみたところ、「後押ししている」の回答が52.3%と過半数を超えました(「していると思う(9.7%)」、「少ししていると思う(42.6%)」の合計)。アベノミクス効果による景気回復が、消費意欲への後押しにはなっている様子がうかがえました。
(3) 消費税増税前に買っておきたい商品やサービスジャンルランキング1位=「住宅」
消費税増税が施行される前に、「なるべく早く買っておきたい商品やサービスジャンル」について、前回と同様、30〜50代と、60歳以上とで比較をしてみたところ、30〜50代では1位:住宅=40.7%(前回42.3%)、2位:自動車=34.4%(前回37.8%)、3位:白物家電=28.0%(前回33.0%)、4位:パソコン=21.1%(前回24.2%)、5位:黒物家電=20.7%(前回25.0%)と順位にはあまり変動が見られませんでしたが、60歳以上では前回は「パソコン」「白物家電」「自動車」の回答率が高かったのに対して、今回は1位に同率で、住宅=28.8%(前回10.6%)・白物家電=28.8%(前回19.5%)、3位:自動車=27.5%(前回14.6%)、4位:パソコン=22.9%(前回21.0%)、5位:旅行・レジャー=18.2%(前回14.7%)となり、住宅が前回8位から、1位に上昇致しました。
各年代を通じて「住宅」が1位になり、「自動車」など、高額商品を優先的に購入したい意向が浮き彫りになり、また60歳以上では、消費税増税前に買っておきたい商品やサービスジャンルが増えていることが確認できました。
(4) 消費税増税後の夫のお小遣い額、「現状維持」が最多=71.9%(前回65.8%)で、「下げるべき」が大幅に減少
今回の消費税増税により「夫の毎月のお小遣い額」を変えるべきかどうかを聞いたところ、1位は「現状維持」で71.9%(前回=65.8%)、2位は「家計が圧迫されるので、下げるべき」、3位が「夫の出費が増えるので、上げるべき」で、前回調査と同様の順位になりましたが、回答比率で前回と比較してみると「家計圧迫されるので、下げるべき」は前回が30.2%だったのに対して、今回は19.2%と大幅に減少、また「夫の出費が増えるので、上げるべき」は前回の4.0%から今回は8.9%と、こちらは倍以上に上昇しました。アベノミクスによる景気回復への期待が、夫の小遣い額にもプラス材料となった可能性があります。
(5) 消費税増税に向けて家計の対策を「考えている」は未だ少数派=15.2% (前回13.5%)
対策としてはコストパフォーマンスを意識する傾向
消費税増税に向けて、何らか家計の対策を考えているかどうかについて聞いたところ、こちらも前回調査と同様の傾向で、「考えている」はわずかに上昇したものの15.2%(前回13.5%)に留まり、「今は考えていないがこれから考える」が54.3%(前回52.6%)で最多、約3割の30.5%(前回33.9%)が「特に対策は考えない」という結果となり、未だ具体的な対策の検討には至っていないことがわかりました。この結果を男女別で比較してみたところ、「特に対策は考えない」は男性に多い傾向にありました(※男性=34.1%、女性=26.7%)。
また、消費税増税に向けて家計の対策を考えている人、これから考える人に、どのような対策を考えるかの結果についても前回と比較をしてみたところ、前回1位だった「節約する」が2位となり(前回82.2%→今回70.2%)、逆に前回2位だった「かしこい消費(買い物)をする」が1位となりました(前回71.7%→今回74.7%)。この結果を男女別で比較してみたところ、「かしこい消費(買い物)をする」を支持している傾向は、男性71.9%(前回67.3%)、女性77.4%(前回75.6%)と、特に女性がコストパフォーマンス(「かしこい消費(買い物)」)を意識することがわかりました。
(6) 家計で見直しが必要だと思う項目1位は公共料金=58.0%
「外食」、「旅行やレジャー」など、遊興費に対する見直し意識が緩和
消費税増税により、家計で見直しが必要だと思う項目についても前回調査結果と比較してみたところ、順位に変動がみられました。前回1位「外食の回数」=59.9%、2位「食費」=58.9%、3位「旅行やレジャーの回数」=51.9%、4位「公共料金(ガス代、電気代、水道代、光熱費)」=51.3%、5位「生活必需品の購入費(家庭日用品・日用雑貨・洗剤・衛生用品・食料品・医療品・衣類・化粧小物等)」=49.0%だったのに対して、今回の結果では、1位「公共料金」=58.0%、2位「食費」=56.7%、3位「外食の回数」=55.1%、4位と5位が同率で「生活必需品」「旅行やレジャーの回数」=47.8%となりました。前回よりも「外食」や「旅行・レジャー」など、自宅以外での消費に対する見直し意識が緩和されている様子がうかがえます。男女別で比較してみると、女性の方がより「外食」「旅行やレジャー」に対しての見直し意識が緩和されている傾向が確認できました。最も少なかったのは前回調査と同様で、「子供の習い事や塾などにかけるお金=5.8%」(前回4.1%)となり、食費や娯楽、生活必需品を見直しても、子供の教育については、極力投資を減らしたくないという両親の姿勢がうかがえました。
<消費税増税前の新築住宅需要に対するアベノミクスの影響>
※対象者:全国、30歳以上、既婚者、3年以内に「新築」住宅(新築一戸建て(注文住宅含む)もしくは新築マンション)の購入意向がある方/449名
(7) 3年以内の「新築住宅」購入意向者が大幅増加=52.3% (前回30.3%)
3年以内に「新築」(住宅新築一戸建て(注文住宅含む)もしくは新築マンション)の購入意向があるかどうかの回答を、前回調査と比較してみたところ、「ある」が52.3%と過半数を超え、前回調査結果の30.3%から大幅に上昇していることがわかりました。この結果を男女別で比較してみると、前回調査で「ある」と回答した男性は25.8%だったのに対して、今回は54.0%と倍増。女性では前回調査で「ある」が37.1%だったのに対して、今回は50.7%とこちらも4割近い上昇率となっています。
(8) アベノミクスの金融緩和により、今後住宅ローン金利は「上がって行く」=83.3%
金利上昇気配から、「早めに新築住宅を購入しておきたい」=62.2%
アベノミクスの「金融緩和」により、住宅ローン金利は、今後どうなって行くと思うかを聞いたところ、「上がって行くと思う」の見方が83.3%と圧倒的多数となりました(「上がって行くと思う(33.0%)」、「少しずつ上がって行くと思う(50.3%)」の合計)。さらに「金利上昇気配を感じるので、早めに新築住宅を購入しておきたい」という考え方について、どう思うかを聞いてみたところ、「そう思う」の回答が62.2%と多数派となりました(「そう思う(21.2%)」、「ややそう思う(41.0%)」の合計)。8割以上が住宅ローン金利の上昇を予測し、且つ6割以上が金利上昇気配から早めの新築住宅購入を検討しているという結果から、アベノミクスが新築住宅の購入意向者の増加に影響を与えている様子がうかがえます。
(9) 新築住宅は「消費税増税前に購入したい」が前回と同様圧倒的多数=80.8%
消費税増税前に購入したい理由、1位:「増税の負担を軽減したい」=80.7%
消費税増税後に購入したい理由、1位:「増税に関係なく、ゆっくりと考えるべき」=61.6%
消費税増税を踏まえた新築住宅の消費意識・購入のタイミングについて、二者択一で意見を聞いてみたところ、新築住宅は「消費税増税前に購入したい」が80.8%と、(前回83.4%)と同様に圧倒的多数となりました。
「消費税増税前に買うべきだ」と答えた人に、その理由を聞いてみたところ、1位は「消費税増税の負担を少しでも軽減したいから」が最も多く80.7%(前回87.1%)、2位はアベノミクスの影響からか、「増税後は物件価格が上昇すると考えるから」の32.5%(前回24.2%)、3位に「今回の増税では増税後の住宅ローン減税や控除の導入など、政府からの緩和措置は取られないかもしれないから」=16.0%(前回20.2%)という結果となり、前回と同様にほとんどの人が消費税増税の負担を減らす目的で、「増税前のタイミング」で買うべきと考えていることがわかりました。
それに対して、「消費税増税後に買うべきだ」と答えた人に、その理由を聞いてみたところ1位は「住宅購入は増税に関係なく、ゆっくりと考えるべきものだと思う」=61.6%で、前回調査結果(49.4%)よりも大幅に増加しました(※前回と同様、女性の方が多い傾向、男性=52.9%、女性=74.3%)。2位は「増税後は物件価格が下落すると考えられるから」=29.1%ですが、こちらは前回調査結果(40.5%)から大幅に減少しました(※こちらは男性の方が多い傾向、男性=31.4%、女性=25.7%)。数値に変動はあったものの状況に捉われず、ゆっくり考えたい女性と、状況に対応して考えていきたいという男性の意識の違いは前回と同様の傾向となりました。
※参考:消費税増税による新築一戸建ての負担増試算=建物代が2,500万円の新築一戸建て住宅を購入する場合、2014年4月(8%に上昇)=75万円の負担増、2015年10月(10%に上昇)=125万円の負担増となります。
土地の代金に消費税はかかりません。消費税増税による新築分譲マンションの負担増試算=建物価格が4000万円の新築分譲マンションを購入する場合、2014年4月(8%に上昇)=120万円の負担増、2015年10月(10%に上昇)=200万円の負担増となります。土地の代金に消費税はかかりません(※2013年1月時点)。
(10) 新築住宅の希望形態、一戸建て派が上昇=71.0%
現在、想定している、もしくは希望に近い新築住宅の形態について聞いてみたところ、「一戸建て」派が71.0%(前回66.9%)と前回よりも若干上昇し多数派となり、「新築分譲マンション」派は24.3%(前回29.1%)と少数にとどまりました。これは男女共にほぼ同様の傾向にありますが、年代別に比較をしてみると、「一戸建て」は30代〜40代の支持率が81.0%と特に高いことがわかりました。
(11) 新築住宅の平均想定額が200万円程度上昇=¥40,768,374 (前回¥38,421,053)
→用意できる平均頭金比率はやや減少=39.7% (前回41.9%)
次に購入を予定している、新築住宅の想定金額や、用意できる頭金の比率についても前回と同様に聞いてみました。まず新築住宅の想定金額では、全体の平均が前回調査に比べ200万円以上上昇し¥40,768,374(前回¥38,421,053)になりました。想定額ごとの比率は、多少の増減が見られたものの、前回調査と同様の傾向で、全年代を通して「2001〜4000万円」に集中しており、「2001〜3000万円」=23.8%(前回28.8%)、「3001〜4000万円」=28.7%(前回28.0%)、次いで多かったのは「4001〜5000万円」=16.7%(前回17.5%)、「〜2000万円」=11.8%(前回10.5%)で、全体の81.1%が5000万円以下という結果となりました(前回84.8%)。
また、新築住宅の購入金額のうち、頭金として用意できる金額比率の平均は39.7%(前回41.9%)と、こちらは前回の調査結果から少し下がりました。この数値は年代が上がると共に上昇し、30〜40代と50歳以上で二極化している傾向は前回調査と同様です。この数値を詳細に比較してみると30〜40代は、「11〜20%」が最多で22.4%(前回17.2%)、30%以下の比率は全体の68.5%(前回66.1%)だったのに対して、50歳以上は、「91〜100%」が最多で29.5%(前回31.4%)、「31%以上」の比率は全体の66.4%(前回72.1%)と、新築住宅の平均想定額の上昇が影響してか、前回調査よりも若干低い結果となりました。
(12) 新築一戸建てで注文住宅での増税適用スケジュール
→「知っていた」が大幅上昇=72.4% (前回51.2%)
消費税増税にともない、新築一戸建ての注文住宅で増税が適用されるスケジュールについて、知っていたかどうかを聞いてみたところ、前回調査結果と比較して「知っていた」が72.4%(「詳細に知っていた(18.0%)」、「なんとなく知っていた(54.4%)」の合計)と大幅に上位しました(前回=51.2%/※「詳細に知っていた(11.8%)、「なんとなく知っていた(39.4%)」の合計」。現行税率(5%)の適用期限が迫ってきていることで、新築住宅購入検討者の関心が高まっている様子がうかがえます。
(13) 二世帯住宅で家族と同居→家計負担軽減のためなら「アリ」=61.5%
増税により、高くなる購入資金を親が援助してくれるなら「アリ」=57.5%
「消費税が増税することによって、家計への負担も増えたりするので、二世帯住宅など家族と集まって住むことで、光熱費や食費などの負担を減らしながら暮らしてみるのもアリだと思うかどうか?」の質問では、「そう思う」が全体の61.5%(※「そう思う(18.3%)」、「ややそう思う(43.2%)」の合計)と、前回とほぼ同様の結果でした(前回60.6%(※「そう思う(14.9%)と「ややそう思う(45.7%)」の合計)。ちなみに「そう思う」の率を男女別で比較してみたところ、こちらも前回と同様、男性の方が高い傾向(男性=68.1%、女性=54.4%)となりました。
また、「消費税が増税することによって購入資金が少し高くなってしまう分を、親(または子ども)が援助してくれるのであれば、二世帯住宅などで家族と集まって暮らしてみるのもアリだと思うかどうか?」を聞いてみたところ、「そう思う」が全体の57.5%(※「そう思う(16.7%)」、「ややそう思う(40.8%)」の合計)と、こちらも前回とほぼ同様の結果でした(前回54.5%(※「そう思う」=10.9%と「ややそう思う」=43.6%の合計)。こちらも「そう思う」の率は男性の方が高い傾向(※男性=63.4%(前回62.6%)、女性=57.5%(前回46.3%))であることがわかりました。
今回の追加調査により、「アベノミクス」が消費税増税前の消費意欲を後押ししていること、消費税増税や住宅ローン金利の上昇が、新築住宅購入意向者の増加に影響を与えていることがわかりました。
また、前回調査に比べて多くの新築住宅購入検討者が、現行税率(5%)の適用のための請負契約完了期限を理解し、増税負担を軽減する目的で、消費税増税前に購入するべきと考えていることが確認されました。
皆様が新築住宅購入をご計画される際にお役立ていただきたく、今後もこのような調査活動を実施し、情報発信に努めて参ります。