<第18回 日本病態栄養学会(2015年1月10日〜11日)で発表予定> 野菜ジュースを食前に飲むことで、メタボの原因の一つである 食後の血糖値の上昇が抑えられることをヒト試験で確認
[15/01/08]
提供元:PRTIMES
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〜食事中に野菜ジュースを飲んだ場合は食後の血糖値が速やかに低下〜
【参考】厚生労働省が“メタボ改善による保険料減額制度”などを含む
「医療保険制度改革骨子」を公表し、2015年の通常国会に提出する予定であることを発表
カゴメ株式会社(社長:寺田直行、本社:愛知県名古屋市)は、城西大学(金本郁男教授)との共同研究により、野菜ジュースを食前に飲むことで、メタボリックシンドローム(以下メタボ)の原因の一つである食後の血糖値の上昇が抑えられることを、ヒト試験で明らかにしました。また、野菜ジュースを食事中に飲んだ場合は、食後の血糖値が速やかに低下することを確認しました。
【参考】メタボをとりまく状況
医療費の高騰を受け、厚生労働省は2015年1月8日に自民党・厚生労働部会等合同会議において「医療保険制度改革骨子(メタボ改善による保険料減額制度などを含む)」を説明し、2015年の通常国会に提出する予定であることを発表しました。メタボの予防・改善に対する関心はこれまで以上に高まることが予想されます。
■本研究の目的
野菜には血糖値の上昇を抑える成分が含まれています。そこで本研究では、食前、または食事中の野菜ジュースの飲用が、メタボの原因の一つである食後の血糖値の上昇に与える影響を明らかにすることを目的としました。
■方法と結果
健常な大学生に、野菜ジュースと白米を次の5パターンで摂取していただき、食後の血糖値の変化を調べました。
・野菜ジュース200mLを白米106g摂取前に摂取(15分前、30分前、60分前)
・野菜ジュース200mLを白米106gと同時に摂取
・白米150gのみを摂取
※全体の糖質量は50gに統一しました。
この結果、野菜ジュースを白米摂取前に飲むと、白米のみを摂取した場合に比べて食後の血糖値の上昇が低く抑えられ、特に白米摂取の30分前に野菜ジュースを飲んだ場合に最も高い効果が見られました。また、野菜ジュースと白米を同時に摂取した場合は、白米のみを摂取した場合に比べて、食後の血糖値が速やかに低下しました。
<まとめ>
◆ 野菜ジュースを食前に飲むことで、食後の血糖値の上昇が抑えられました。
特に、食事の30分前に飲むことで効果が高まることを確認しました。
野菜ジュースを食事中に飲んだ場合は、食後の血糖値が速やかに低下することがわかりました。
◆本研究結果は第18回日本病態栄養学会(2015年1月10日〜11日)にて発表致します。
【城西大学薬学部医薬品安全性学 教授 金本郁男先生のコメント】
野菜サラダにくらべると、市販の野菜ジュースの良さは、その手軽さです。朝起きがけに野菜ジュースをコップ1杯飲むだけで食後血糖が改善できるわけです。ただし、野菜ジュースの効果だけに期待して野菜ジュースを飲み過ぎるのではなく、食事全体のカロリーなどにも気を付けて、バランスの良い食事をすることが大切です。今後は、耐糖能異常のある人にも同様の効果があることを明らかにして参ります。
<研究概要>
1.背景と目的
【メタボをとりまく状況】
今やメタボ及びその予備群の割合は40代以上の男性の2人に1人と言われ、直近10年間で、肥満(BMI≧25)の方の割合は増加傾向にあります(※1)。医療費の高騰が問題となる中、厚生労働省は2015年1月8日に自民党・厚生労働部会等合同会議において「医療保険制度改革骨子(メタボ改善による保険料減額制度などを含む)」を説明し、2015年の通常国会に提出する予定であることを発表しました。これにより、メタボの予防・改善に対する関心はこれまで以上に高まることが予想されます。
※1 厚生労働省 平成24年 国民健康・栄養調査
【血糖値の上昇と野菜の摂取について】
メタボ予防・改善のためには食後の血糖値の上昇を抑えることが重要です。野菜には、食物繊維やクエン酸などの血糖値の上昇を抑える成分が含まれており、野菜を摂ることよって血糖値の上昇を抑える効果があることが知られています。近年では、食後よりも食前に野菜を摂ることで、食後の血糖値の上昇が抑えられることが明らかになってきており、健康を維持するための新たな野菜の食べ方として注目されています。
【本研究の目的】
当社ではこれまでに、野菜ジュースを食前、または食事中に摂取することで、食後の血糖値の上昇が抑えられることを、ラットを用いた試験で明らかにしています。本試験ではより確かな科学的根拠を得るため、ヒトを対象として試験を行い、その効果を検証しました。
2.食前、または食事中の野菜ジュースの飲用が食後の血糖値に与える影響
【試験方法】
健常な大学生8名に、下記の5パターンで野菜ジュースと白米を摂取していただきました(それぞれ日を分けて実施)。食後の血糖値を経時的に測定し、血糖値の変化を調査しました。
・野菜ジュース200mLを白米106g摂取前に摂取(15分前、30分前、60分前)
・野菜ジュース200mLを白米106gと同時に摂取
・白米150gのみを摂取
※全体の糖質量は50gに統一しました。
※事前に試験計画を十分に説明し、同意を得られた方を対象に実施しました。
【結果】
食前、または食事中の野菜ジュースの飲用が食後の血糖値の上昇に与える影響(図1)
野菜ジュースを白米摂取前に飲んだ場合、白米のみを摂取した場合に比べ、食後の血糖値の上昇が低く抑えられました。
野菜ジュースと白米を同時に摂取した場合は、白米のみを摂取した場合に比べ、食後の血糖値の上昇は抑えられなかったものの、上昇した血糖値が速やかに低下しました。
血糖値の最大変化量(ΔCmax※)の比較(図2)
食事開始時からの血糖値の最大変化量(以下、ΔCmax)は、野菜ジュースを白米摂取前に飲んだ場合、白米のみを摂取した場合に比べて有意に低い値を示しました。特に白米摂取の30分前に野菜ジュースを飲んだ場合に最も高い効果が見られました。
野菜ジュースと白米を同時に摂取した場合は、有意な差は見られませんでした。
※ΔCmaxはメタボの原因の一つである血糖値の急激な上昇の指標で、食事開始後の血糖値の最大値と食事開始前の血糖値の差の値です。ΔCmaxが大きいほど、血糖値が急激に上昇したことを示します。
【まとめ】
今回の研究結果より、野菜ジュースを食前に飲むことで、食後の血糖値の上昇が抑えられることを明らかにしました。特に食事の30分前に飲むことで効果が高まることも示唆されました。また、野菜ジュースを食事中に飲んだ場合は、 食後の血糖値が速やかに低下することを確認しました。
今後は、どれくらいの量の野菜ジュースを飲むと効果的なのか、野菜ジュース中のどの成分がどのようなメカニズムで効果を示しているのかを明らかにしてまいります。
【参考】厚生労働省が“メタボ改善による保険料減額制度”などを含む
「医療保険制度改革骨子」を公表し、2015年の通常国会に提出する予定であることを発表
カゴメ株式会社(社長:寺田直行、本社:愛知県名古屋市)は、城西大学(金本郁男教授)との共同研究により、野菜ジュースを食前に飲むことで、メタボリックシンドローム(以下メタボ)の原因の一つである食後の血糖値の上昇が抑えられることを、ヒト試験で明らかにしました。また、野菜ジュースを食事中に飲んだ場合は、食後の血糖値が速やかに低下することを確認しました。
【参考】メタボをとりまく状況
医療費の高騰を受け、厚生労働省は2015年1月8日に自民党・厚生労働部会等合同会議において「医療保険制度改革骨子(メタボ改善による保険料減額制度などを含む)」を説明し、2015年の通常国会に提出する予定であることを発表しました。メタボの予防・改善に対する関心はこれまで以上に高まることが予想されます。
■本研究の目的
野菜には血糖値の上昇を抑える成分が含まれています。そこで本研究では、食前、または食事中の野菜ジュースの飲用が、メタボの原因の一つである食後の血糖値の上昇に与える影響を明らかにすることを目的としました。
■方法と結果
健常な大学生に、野菜ジュースと白米を次の5パターンで摂取していただき、食後の血糖値の変化を調べました。
・野菜ジュース200mLを白米106g摂取前に摂取(15分前、30分前、60分前)
・野菜ジュース200mLを白米106gと同時に摂取
・白米150gのみを摂取
※全体の糖質量は50gに統一しました。
この結果、野菜ジュースを白米摂取前に飲むと、白米のみを摂取した場合に比べて食後の血糖値の上昇が低く抑えられ、特に白米摂取の30分前に野菜ジュースを飲んだ場合に最も高い効果が見られました。また、野菜ジュースと白米を同時に摂取した場合は、白米のみを摂取した場合に比べて、食後の血糖値が速やかに低下しました。
<まとめ>
◆ 野菜ジュースを食前に飲むことで、食後の血糖値の上昇が抑えられました。
特に、食事の30分前に飲むことで効果が高まることを確認しました。
野菜ジュースを食事中に飲んだ場合は、食後の血糖値が速やかに低下することがわかりました。
◆本研究結果は第18回日本病態栄養学会(2015年1月10日〜11日)にて発表致します。
【城西大学薬学部医薬品安全性学 教授 金本郁男先生のコメント】
野菜サラダにくらべると、市販の野菜ジュースの良さは、その手軽さです。朝起きがけに野菜ジュースをコップ1杯飲むだけで食後血糖が改善できるわけです。ただし、野菜ジュースの効果だけに期待して野菜ジュースを飲み過ぎるのではなく、食事全体のカロリーなどにも気を付けて、バランスの良い食事をすることが大切です。今後は、耐糖能異常のある人にも同様の効果があることを明らかにして参ります。
<研究概要>
1.背景と目的
【メタボをとりまく状況】
今やメタボ及びその予備群の割合は40代以上の男性の2人に1人と言われ、直近10年間で、肥満(BMI≧25)の方の割合は増加傾向にあります(※1)。医療費の高騰が問題となる中、厚生労働省は2015年1月8日に自民党・厚生労働部会等合同会議において「医療保険制度改革骨子(メタボ改善による保険料減額制度などを含む)」を説明し、2015年の通常国会に提出する予定であることを発表しました。これにより、メタボの予防・改善に対する関心はこれまで以上に高まることが予想されます。
※1 厚生労働省 平成24年 国民健康・栄養調査
【血糖値の上昇と野菜の摂取について】
メタボ予防・改善のためには食後の血糖値の上昇を抑えることが重要です。野菜には、食物繊維やクエン酸などの血糖値の上昇を抑える成分が含まれており、野菜を摂ることよって血糖値の上昇を抑える効果があることが知られています。近年では、食後よりも食前に野菜を摂ることで、食後の血糖値の上昇が抑えられることが明らかになってきており、健康を維持するための新たな野菜の食べ方として注目されています。
【本研究の目的】
当社ではこれまでに、野菜ジュースを食前、または食事中に摂取することで、食後の血糖値の上昇が抑えられることを、ラットを用いた試験で明らかにしています。本試験ではより確かな科学的根拠を得るため、ヒトを対象として試験を行い、その効果を検証しました。
2.食前、または食事中の野菜ジュースの飲用が食後の血糖値に与える影響
【試験方法】
健常な大学生8名に、下記の5パターンで野菜ジュースと白米を摂取していただきました(それぞれ日を分けて実施)。食後の血糖値を経時的に測定し、血糖値の変化を調査しました。
・野菜ジュース200mLを白米106g摂取前に摂取(15分前、30分前、60分前)
・野菜ジュース200mLを白米106gと同時に摂取
・白米150gのみを摂取
※全体の糖質量は50gに統一しました。
※事前に試験計画を十分に説明し、同意を得られた方を対象に実施しました。
【結果】
食前、または食事中の野菜ジュースの飲用が食後の血糖値の上昇に与える影響(図1)
野菜ジュースを白米摂取前に飲んだ場合、白米のみを摂取した場合に比べ、食後の血糖値の上昇が低く抑えられました。
野菜ジュースと白米を同時に摂取した場合は、白米のみを摂取した場合に比べ、食後の血糖値の上昇は抑えられなかったものの、上昇した血糖値が速やかに低下しました。
血糖値の最大変化量(ΔCmax※)の比較(図2)
食事開始時からの血糖値の最大変化量(以下、ΔCmax)は、野菜ジュースを白米摂取前に飲んだ場合、白米のみを摂取した場合に比べて有意に低い値を示しました。特に白米摂取の30分前に野菜ジュースを飲んだ場合に最も高い効果が見られました。
野菜ジュースと白米を同時に摂取した場合は、有意な差は見られませんでした。
※ΔCmaxはメタボの原因の一つである血糖値の急激な上昇の指標で、食事開始後の血糖値の最大値と食事開始前の血糖値の差の値です。ΔCmaxが大きいほど、血糖値が急激に上昇したことを示します。
【まとめ】
今回の研究結果より、野菜ジュースを食前に飲むことで、食後の血糖値の上昇が抑えられることを明らかにしました。特に食事の30分前に飲むことで効果が高まることも示唆されました。また、野菜ジュースを食事中に飲んだ場合は、 食後の血糖値が速やかに低下することを確認しました。
今後は、どれくらいの量の野菜ジュースを飲むと効果的なのか、野菜ジュース中のどの成分がどのようなメカニズムで効果を示しているのかを明らかにしてまいります。