“自分らしく生きる”4人の女性が“真のダイバーシティ”を考えた結果、新しい”人生ゲーム”の開発提案に?!
[17/11/07]
提供元:PRTIMES
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“自分らしく生きる”4人の女性が考える“真のダイバーシティ”とは
MAKI.JAPANは2017年10月7日、国際ガールズ・デー/映画『ソニータ』公開記念スペシャルイベント 「Speak Out! Talk & Party」を開催した。“自分らしく自由に生きる”4人のパネリストが登壇し、現在に至るまでの不安や葛藤、今後の夢やキャリアについてトークを展開。“自分らしさ”をマイノリティにせず、理解・尊重する“真のダイバーシティ”とは何かを語った。
MAKI.JAPANは2017年10月7日、国際ガールズ・デー/映画『ソニータ』公開記念スペシャルイベント 「Speak Out! Talk & Party」を開催した。“自分らしく自由に生きる”4人のパネリストが登壇し、現在に至るまでの不安や葛藤、今後の夢やキャリアについてトークを展開。“自分らしさ”をマイノリティにせず、理解・尊重する“真のダイバーシティ”とは何かを語った。
[画像1: https://prtimes.jp/i/28115/2/resize/d28115-2-960150-1.jpg ]
「国際ガールズ・デー」とは、女性の権利を促進する日として2011年に国連が定めた国際デー。10月11日当日には、世界中で様々なイベントが開催されているが、日本での認知度はかなり低い。「国際ガールズ・デー」を啓蒙することが目的でもある本イベントを主催した「ガール・パワー」は、“女性が自由に生きるための女子教育提供NGO”(正式名:一般社団法人日本女子力推進事業団)として、途上国はもちろん、欧米日本などの経済先進国においても「女性が自分らしく、自由に生きる」ことへの偏見、差別、社会的・文化的障壁を乗り越えられる社会を作るための活動を行っている。
今回登壇するパネリスト4名は、一人一人が全く異なる生き方を選んでいる人間で、見方によればマイノリティとも捉えられる。フィットミー株式会社代表取締役の星田奈々子氏は、リクルートで働く傍ら、2006年に1万円台で叶う洋服のフルオーダーメードサロン「Fit Me Order made」を創業。9年間は副業として事業を拡大し、2014年の出産を機にパラレルキャリアに終止符を打ち、「Fit Me」を本業に。現在は恵比寿にサロンを構え、全国でも展開中。仕事と子育てを両立させる“ワーママ”である。NPO法人World Theater Project理事長の教来石小織氏は、2012年より途上国の子どもたちを対象にした移動映画館を開始。団体としてカンボジアの子どもたち33,000人以上に映画を届けてきた。2015年には、日本武道館で行われたプレゼンコンテスト「夢AWARD」で優勝を果たしている“夢を追い、叶える”女性。株式会社イクスシード代表取締役の如月音流氏は、携帯絵文字作家として活躍。個人で立ち上げた絵文字(アスキーアート)サイトがメルマガ会員30万人の人気サイトとなり、上京後はWebシステム開発・デザインなどを手掛けるニューハーフ企業を立ち上げる。現在も複数の企業の代表を務め、フォトグラファー、タレントとしても活動している“女という性を選んだ男性”だ。本イベントの企画運営を務めたMAKI.JAPAN代表の山口真紀氏は、2016年にミセスワールド日本代表となり、同年11月に韓国で行われた世界大会に出場。その後、一般社団法人日本女子力推進事業団(通称:ガールパワー)のプロジェクトリーダーとして活躍しながら、2017年3月にMAKI.JAPANを開業しパラレルキャリアをスタートさせた。結婚をしているが“産まない”という選択肢を選んだ女性だ。
4人の女性が考える“自分らしさ”
最初のトークテーマは「自分らしさとは?」。この質問の答えを出すのが難しかったと語る教来石氏は「何事も諦めないところ」が自分らしさであると分析。「人生七転び八起きで、様々なことにチャレンジするということは、それだけつまずくことも多いけれど、そのたびに何度も起き上がって、諦めずに頑張る強さが自分らしいなと思う」。今の仕事を通じて、世界中の子供たちを笑顔にすることを諦めたくないと強い意志を見せた。
如月氏は「思い立ったが吉日。やりたいと思った事を、いつでも自分の力ですぐに出来るというのが自分らしさ」だという。「地元でやっていた飲食関連の仕事も、携帯電話の仕事もIT関連の仕事も、成功したらすぐに次のステップに進んできた」。出来る事ややりたい事をすぐに行動に移せる人とそうじゃない人がいるが、自身の原動力になるものとは何か?という質問には「やってみた先に何があるのか、目指すべき目標を具体的に考えることが重要。最近興味があるカメラに関しては、3年間1万時間という期間を決めて、その時間をひたすら写真を上達することに費やしたらきっとある程度の成果が得られるんじゃないかと想像してからスタートさせた。あとは、何かを始める時は誰かにそれを言う、目標を人前で宣言すること。言ってしまうことで他人からプレッシャーを与えて貰えるので」とコツを語った。
星田氏の自分らしさは、とにかく“前向き”であること。なぜこんなにも逆境を愛してしまうのか、そのルーツは15歳の時のオーストラリアへの単身留学がきっかけだった。「留学先の高校では20人の大部屋の寮で生活し、白人しかいない中でたった一人のアジア人だった。英語も人一倍勉強しなければいけないのに、消灯時間は20時半だったため、トイレやお風呂の中でこっそり勉強するという状況が3年間続いた。その時に常に考えていたのは、一日寝れば明日になって、日本に帰れるのが一日近づくということ。本当に辛かったが、毎日笑えているし食事も充分に出来ているだけマシだ、という風に前向きな考えをするクセがついた。苦労した分、その先の人生を楽しむことができるのでは?と思うようになったら、逆境も愛することができるようになった」という。
山口氏は「逆境の中でも笑っている、というのが自分らしさ。ネガティブ思考なので、すぐ悪いほうに悪いほうにと考えてしまうが、友人が言ってくれた“どんなに辛くても笑っていな。そしたら一瞬だけでも楽しいと思える瞬間があるから。”という言葉がまさしくその通りだなと感じている。地球は丸いので、“わたし幸せ!”と言ったら、地球をぐるっと一周回ってその言葉は自分に返ってくるはず。笑っていれば、同じように幸せそうな人が近寄ってくるものだと思う」と笑顔で語った。
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“自分らしさ”を見失ってしまう瞬間、そんな時どうする?
2つ目のトークテーマは「自分らしさを見失う時は?」。自分らしさを見失う瞬間は特にないと言う如月氏に対し、他3名は自分を見失ってしまった過去と、その時どう乗り越えてきたかを語った。
星田氏は、社会人1年目でリクルートに入社した時の “名刺獲得キャンペーン”の思い出を語った。「ちょっと前までキラキラの女子大生だった私が、池袋のちょっと治安が悪い地域に飛び込みで営業をしてこいと言われ、自分の今まで頑張ってきた人生は何だったのかな?リクルートに入って何がしたかったんだっけ?と不満を感じてしまった。気持ちを切り替えることができず、4日間のキャンペーンのうち2日間何もせず悩み続けていたが、先輩に“とりあえず飛び込んでみろ”と言われ、仕方なく会社がたくさん入ったビルに足を運んで片っ端から挨拶をしにいった。ヤクザの事務所のような場所もあったが、みんなしっかりと対応してくれて、意外と世間は優しいものだということに気がついた。自分のプライドが世間、社会との壁を作っていた」と振り返る。この経験から、何をするにも早く取りかかるのが大切で、自分を見失いそうになってもとりあえずやってみる、ウジウジ考えるよりも行動に移すことが大切」だと学んだと言う。
教来石氏は、パニックになったり落ち込んでしまったりしている時に立ち返る言葉を紹介。この仕事を始めた頃に出会った人に言われた“焦らない、あてにしない、諦めない”という3つの“A”だ。自分を見失いそうになることは多々あるが、いつもこの3Aを思い出すことで冷静になれるのだと説明した。
自分らしくなくなる時は“笑顔でなくなってしまった時”だと分析する山口氏。「自分の人生を振り返った時、子供の頃は本当に暗い子だったと思う。小学校のときは友達が一人もいなかったし、今よりもずっと太っていて自信がなかった。そんな自分を変えるきっかけになったのが、自分は人よりも少しだけ勉強が出来るかもと気がついた時。ドリルの進みが早いとか漢字テストの点数が良いとか、ほんの些細なことだったけどそれを褒めてくれる先生がいた。そのことに気が付いてからは、少しだけ自分に自信が持てたし、明るい性格に変わっていけたかなと思う。なので、自分を見失ってしまったら“自分の強みは何なのかを思い出す”ことが大切」と語った。
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仕事もプライベートも“自分らしく”
トークセッション最後のトークテーマは「どんなキャリアを築いていきますか?」というもの。
会社員として働きながら洋服のサロンを立ち上げ、3年前に娘を出産して三足のわらじを履いていた星田氏は「40代に入ったのでもっと丁寧な人生を送りたいと思い、リクルートを辞めてサロン経営に専念した。店舗を移転させたり店舗を増やしたり規模は拡大しているが、今後はもっと社会的に大きい事業にしていきたい。2020年に東京パラリンピックが控えているが、例えば身体のチューブを隠したいとか、身体的に障害があってお洋服が選びづらいといった方々のお役に立ちたい。そしていつか3歳の娘が大きくなった時に、母が社会の役に立つ活動をしていたんだなと理解してくれたら嬉しい」と、会社社長として、そして母としての展望を語った。
カンボジアでの映画上映がメインだったワールドシアタープロジェクトの活動に、大きな転機が来ていると説明する教来石氏。「映画の上映自体は、現地の方の理解とプロジェクターとスクリーンと映画作品自体があれば可能なこと。ただその映画作品が足りていなかった。本を世界中に届ける活動というのはNGOが行っているが、映画はやはり権利の問題があるのでなかなか難しい。吹き替えをするにも、国ごとに言葉が違うので一回一回作り変えなければいけない。そんな中、俳優の齊藤工さんが、マダガスカルに上映会をしにいくという番組の企画の中で、私達と同じ権利の問題に悩まされていた。そこで彼から、世界中の子供たちが楽しめる言葉の無いクレイアニメの制作を一緒にしませんかとご提案を頂き、それに共感してくれた映画監督や映画関係者の方が集まりアニメ制作が実現した。完成したものが10月28日の東京国際映画祭で上映される。この作品は機材さえあればどこでも上映できるものなので、これをきかっけに世界中の国へと活動の幅を広げていきたい」と目を輝かせた。
LGBTと呼ばれ、いわゆるマイノリティというポジションに立たされることが多いという如月氏。「マイノリティというのは、周りから“可哀想”という目で見られることが多い。でも私自身は自分のことを可哀想だと思った事は一度もない。マイノリティであっても楽しく生きてる人って結構たくさんいるということを皆さんに知ってもらって、マイノリティでも自由に楽しく生きている普通となんら変わりのない人間だということを伝えていきたい。そのためには、この先も色々なことにチャレンジし続けることが大切だと思っている。仕事でもプライベートでも、あの人たちは何でも出来て何でも挑戦できるんだという事を知ってもらって、どんな人にも一歩を踏み出す勇気を与えられる人になりたい」と今後の活動を語った。
女性活躍推進で必ずと言っていいほど“ママ”という存在が取り上げられる現状について思うところがあるという山口氏は「会話の中でも、結婚しているなら子供は何人いらっしゃるんですか?と聞かれて、いないと答えると“すみません!ごめんない!”という風に謝られてしまう。なぜ謝られるのかなと思うが、やはり子供がいない=可哀想と思われている節があるのかなと思う。如月氏と同じく、私も自分自身が可哀想と思った事はないし、むしろこの立場だからこそ出来ることがあると考えている。今後多様な生き方をする女性が増えていった時に、女性達がもっと生きやすい社会にしていきたい」と語り、人と違うということは人にはない強みであり、それを知るためには違う人とたくさん話をしてコミュニケーションをすることが大切。そうしなければ違いは見つからない、と意見を述べた。
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日本人の価値観の根底には“人生ゲーム”が関わっている?
トークセッションの最後に語られた「日本の家庭の“幸せ”というものに対する価値観は“人生ゲーム”が影響していると思う」という教来石氏の発言は、パネリスト4名だけでなく会場にいた多くの参加者の共感を呼んだ。「日本は結婚して夫婦になって子供が生まれてマイホームを持ってというのがスタンダードになっていて、そこから少しでも外れてしまうと可哀想と言われてしまう。それはきっと“人生ゲーム”で培われた感覚だと思う。人生ゲームという遊び自体を否定はしないが、もっと多種多様な人生もあるということを知ってもらいたい」と持論を展開。これに対し星田氏は「新しい人生ゲームを発売したら、もしかしたら世の中の価値観が変わるかもしれない」と同調し、山口氏も「様々なダイバーシティを考慮して、例えば離婚をすることも人生の経験値の一つとして車に乗っけていけるような、そんな人生ゲームが作れたら面白い」とコメントし会場を沸かせた。
[画像5: https://prtimes.jp/i/28115/2/resize/d28115-2-407202-3.jpg ]
トークセッション終了後に行われたパーティセッションは、パネリストと来場参加者が一体となり意見を交換しあう場となった。参加者の男性は「自分が彼女たちの立場になったとしたら、あんなにポジティブでいられないと思う。彼女達がなぜポジティブでいられるのか、その理由を知ることができた」とコメント。参加者の女性も「確かに今まで“マイノリティ”な人達に対して、触れちゃいけない理由があるはずで、聞いてしまったら“すみません、ごめんない”と言ってしまっていた。ただ、深刻な理由がある方も多いと思うので、そこの判断が難しいのも事実。彼女達の活躍によって日本人の意識が変わっていったらいいなと思う」など、本トークイベントが自身の価値観を見直すきっかけになったという意見が見受けられた。
また、この時間には、フォトグラファーの木村咲氏を迎えた「綺麗に撮られる3つの秘訣」というフォトセッション企画も行われた。自分らしさを引き出し、女性が美しく撮られるコツとして「猫背にならず胸を張る」「顔はカメラの真正面を向き、身体は斜め45度横を向く」「手で動きを付ける」などが挙げられた。
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最後に、主催者である山口氏は「ワーキングママ、起業女子、女性リーダー、LGBT、DINKS、バリキャリなど、女性には様々な選択肢がある。そして、その選んだ選択肢によって人は集まる。ただ、ワーママが産まない女と語ってみたり、起業女子が専業主婦に会ってみたり、そんな普段あまり価値観を交える機会はなかなかないのではないかと私は思う。今生きている生き方の選択はそれぞれ違っても、実は、不安や弱さはもちろんのこと、幸せに生きていきたい気持ち、未来に貢献したい気持ちどの女性も変わらない。そう思えるパネルトークであった。あれ、人と違う。みんなと違うな。と思ったら、それはマイノリティじゃない。自分らしさ、そしてそれは強みになりうる何かなのかもしれない。人との違いを受け入れ、違う生き方を選んだ人を理解し、最終的にはマイノリティという言葉がなくなること、それが真のダイバーシティなのではないか?」とコメント。“みんな違ってみんないい”という言葉はよく聞くが、実際は“みんなと違ったら、あんまり良くない”それが日本。1回しかない人生だから、選べる選択肢もまた1つしかない。自分と違う選択をした人間を否定するのはとても簡単だが、違う生き方を選んだ人が周りにいたら、自分が経験できないことを知っていてそれを教えてくれる存在となり、そういう存在が居るという事はとても幸せなことだと思う。と持論を展開し、イベントは締めくくられた。
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文:赤堀奈美
MAKI.JAPANは2017年10月7日、国際ガールズ・デー/映画『ソニータ』公開記念スペシャルイベント 「Speak Out! Talk & Party」を開催した。“自分らしく自由に生きる”4人のパネリストが登壇し、現在に至るまでの不安や葛藤、今後の夢やキャリアについてトークを展開。“自分らしさ”をマイノリティにせず、理解・尊重する“真のダイバーシティ”とは何かを語った。
MAKI.JAPANは2017年10月7日、国際ガールズ・デー/映画『ソニータ』公開記念スペシャルイベント 「Speak Out! Talk & Party」を開催した。“自分らしく自由に生きる”4人のパネリストが登壇し、現在に至るまでの不安や葛藤、今後の夢やキャリアについてトークを展開。“自分らしさ”をマイノリティにせず、理解・尊重する“真のダイバーシティ”とは何かを語った。
[画像1: https://prtimes.jp/i/28115/2/resize/d28115-2-960150-1.jpg ]
「国際ガールズ・デー」とは、女性の権利を促進する日として2011年に国連が定めた国際デー。10月11日当日には、世界中で様々なイベントが開催されているが、日本での認知度はかなり低い。「国際ガールズ・デー」を啓蒙することが目的でもある本イベントを主催した「ガール・パワー」は、“女性が自由に生きるための女子教育提供NGO”(正式名:一般社団法人日本女子力推進事業団)として、途上国はもちろん、欧米日本などの経済先進国においても「女性が自分らしく、自由に生きる」ことへの偏見、差別、社会的・文化的障壁を乗り越えられる社会を作るための活動を行っている。
今回登壇するパネリスト4名は、一人一人が全く異なる生き方を選んでいる人間で、見方によればマイノリティとも捉えられる。フィットミー株式会社代表取締役の星田奈々子氏は、リクルートで働く傍ら、2006年に1万円台で叶う洋服のフルオーダーメードサロン「Fit Me Order made」を創業。9年間は副業として事業を拡大し、2014年の出産を機にパラレルキャリアに終止符を打ち、「Fit Me」を本業に。現在は恵比寿にサロンを構え、全国でも展開中。仕事と子育てを両立させる“ワーママ”である。NPO法人World Theater Project理事長の教来石小織氏は、2012年より途上国の子どもたちを対象にした移動映画館を開始。団体としてカンボジアの子どもたち33,000人以上に映画を届けてきた。2015年には、日本武道館で行われたプレゼンコンテスト「夢AWARD」で優勝を果たしている“夢を追い、叶える”女性。株式会社イクスシード代表取締役の如月音流氏は、携帯絵文字作家として活躍。個人で立ち上げた絵文字(アスキーアート)サイトがメルマガ会員30万人の人気サイトとなり、上京後はWebシステム開発・デザインなどを手掛けるニューハーフ企業を立ち上げる。現在も複数の企業の代表を務め、フォトグラファー、タレントとしても活動している“女という性を選んだ男性”だ。本イベントの企画運営を務めたMAKI.JAPAN代表の山口真紀氏は、2016年にミセスワールド日本代表となり、同年11月に韓国で行われた世界大会に出場。その後、一般社団法人日本女子力推進事業団(通称:ガールパワー)のプロジェクトリーダーとして活躍しながら、2017年3月にMAKI.JAPANを開業しパラレルキャリアをスタートさせた。結婚をしているが“産まない”という選択肢を選んだ女性だ。
4人の女性が考える“自分らしさ”
最初のトークテーマは「自分らしさとは?」。この質問の答えを出すのが難しかったと語る教来石氏は「何事も諦めないところ」が自分らしさであると分析。「人生七転び八起きで、様々なことにチャレンジするということは、それだけつまずくことも多いけれど、そのたびに何度も起き上がって、諦めずに頑張る強さが自分らしいなと思う」。今の仕事を通じて、世界中の子供たちを笑顔にすることを諦めたくないと強い意志を見せた。
如月氏は「思い立ったが吉日。やりたいと思った事を、いつでも自分の力ですぐに出来るというのが自分らしさ」だという。「地元でやっていた飲食関連の仕事も、携帯電話の仕事もIT関連の仕事も、成功したらすぐに次のステップに進んできた」。出来る事ややりたい事をすぐに行動に移せる人とそうじゃない人がいるが、自身の原動力になるものとは何か?という質問には「やってみた先に何があるのか、目指すべき目標を具体的に考えることが重要。最近興味があるカメラに関しては、3年間1万時間という期間を決めて、その時間をひたすら写真を上達することに費やしたらきっとある程度の成果が得られるんじゃないかと想像してからスタートさせた。あとは、何かを始める時は誰かにそれを言う、目標を人前で宣言すること。言ってしまうことで他人からプレッシャーを与えて貰えるので」とコツを語った。
星田氏の自分らしさは、とにかく“前向き”であること。なぜこんなにも逆境を愛してしまうのか、そのルーツは15歳の時のオーストラリアへの単身留学がきっかけだった。「留学先の高校では20人の大部屋の寮で生活し、白人しかいない中でたった一人のアジア人だった。英語も人一倍勉強しなければいけないのに、消灯時間は20時半だったため、トイレやお風呂の中でこっそり勉強するという状況が3年間続いた。その時に常に考えていたのは、一日寝れば明日になって、日本に帰れるのが一日近づくということ。本当に辛かったが、毎日笑えているし食事も充分に出来ているだけマシだ、という風に前向きな考えをするクセがついた。苦労した分、その先の人生を楽しむことができるのでは?と思うようになったら、逆境も愛することができるようになった」という。
山口氏は「逆境の中でも笑っている、というのが自分らしさ。ネガティブ思考なので、すぐ悪いほうに悪いほうにと考えてしまうが、友人が言ってくれた“どんなに辛くても笑っていな。そしたら一瞬だけでも楽しいと思える瞬間があるから。”という言葉がまさしくその通りだなと感じている。地球は丸いので、“わたし幸せ!”と言ったら、地球をぐるっと一周回ってその言葉は自分に返ってくるはず。笑っていれば、同じように幸せそうな人が近寄ってくるものだと思う」と笑顔で語った。
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“自分らしさ”を見失ってしまう瞬間、そんな時どうする?
2つ目のトークテーマは「自分らしさを見失う時は?」。自分らしさを見失う瞬間は特にないと言う如月氏に対し、他3名は自分を見失ってしまった過去と、その時どう乗り越えてきたかを語った。
星田氏は、社会人1年目でリクルートに入社した時の “名刺獲得キャンペーン”の思い出を語った。「ちょっと前までキラキラの女子大生だった私が、池袋のちょっと治安が悪い地域に飛び込みで営業をしてこいと言われ、自分の今まで頑張ってきた人生は何だったのかな?リクルートに入って何がしたかったんだっけ?と不満を感じてしまった。気持ちを切り替えることができず、4日間のキャンペーンのうち2日間何もせず悩み続けていたが、先輩に“とりあえず飛び込んでみろ”と言われ、仕方なく会社がたくさん入ったビルに足を運んで片っ端から挨拶をしにいった。ヤクザの事務所のような場所もあったが、みんなしっかりと対応してくれて、意外と世間は優しいものだということに気がついた。自分のプライドが世間、社会との壁を作っていた」と振り返る。この経験から、何をするにも早く取りかかるのが大切で、自分を見失いそうになってもとりあえずやってみる、ウジウジ考えるよりも行動に移すことが大切」だと学んだと言う。
教来石氏は、パニックになったり落ち込んでしまったりしている時に立ち返る言葉を紹介。この仕事を始めた頃に出会った人に言われた“焦らない、あてにしない、諦めない”という3つの“A”だ。自分を見失いそうになることは多々あるが、いつもこの3Aを思い出すことで冷静になれるのだと説明した。
自分らしくなくなる時は“笑顔でなくなってしまった時”だと分析する山口氏。「自分の人生を振り返った時、子供の頃は本当に暗い子だったと思う。小学校のときは友達が一人もいなかったし、今よりもずっと太っていて自信がなかった。そんな自分を変えるきっかけになったのが、自分は人よりも少しだけ勉強が出来るかもと気がついた時。ドリルの進みが早いとか漢字テストの点数が良いとか、ほんの些細なことだったけどそれを褒めてくれる先生がいた。そのことに気が付いてからは、少しだけ自分に自信が持てたし、明るい性格に変わっていけたかなと思う。なので、自分を見失ってしまったら“自分の強みは何なのかを思い出す”ことが大切」と語った。
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仕事もプライベートも“自分らしく”
トークセッション最後のトークテーマは「どんなキャリアを築いていきますか?」というもの。
会社員として働きながら洋服のサロンを立ち上げ、3年前に娘を出産して三足のわらじを履いていた星田氏は「40代に入ったのでもっと丁寧な人生を送りたいと思い、リクルートを辞めてサロン経営に専念した。店舗を移転させたり店舗を増やしたり規模は拡大しているが、今後はもっと社会的に大きい事業にしていきたい。2020年に東京パラリンピックが控えているが、例えば身体のチューブを隠したいとか、身体的に障害があってお洋服が選びづらいといった方々のお役に立ちたい。そしていつか3歳の娘が大きくなった時に、母が社会の役に立つ活動をしていたんだなと理解してくれたら嬉しい」と、会社社長として、そして母としての展望を語った。
カンボジアでの映画上映がメインだったワールドシアタープロジェクトの活動に、大きな転機が来ていると説明する教来石氏。「映画の上映自体は、現地の方の理解とプロジェクターとスクリーンと映画作品自体があれば可能なこと。ただその映画作品が足りていなかった。本を世界中に届ける活動というのはNGOが行っているが、映画はやはり権利の問題があるのでなかなか難しい。吹き替えをするにも、国ごとに言葉が違うので一回一回作り変えなければいけない。そんな中、俳優の齊藤工さんが、マダガスカルに上映会をしにいくという番組の企画の中で、私達と同じ権利の問題に悩まされていた。そこで彼から、世界中の子供たちが楽しめる言葉の無いクレイアニメの制作を一緒にしませんかとご提案を頂き、それに共感してくれた映画監督や映画関係者の方が集まりアニメ制作が実現した。完成したものが10月28日の東京国際映画祭で上映される。この作品は機材さえあればどこでも上映できるものなので、これをきかっけに世界中の国へと活動の幅を広げていきたい」と目を輝かせた。
LGBTと呼ばれ、いわゆるマイノリティというポジションに立たされることが多いという如月氏。「マイノリティというのは、周りから“可哀想”という目で見られることが多い。でも私自身は自分のことを可哀想だと思った事は一度もない。マイノリティであっても楽しく生きてる人って結構たくさんいるということを皆さんに知ってもらって、マイノリティでも自由に楽しく生きている普通となんら変わりのない人間だということを伝えていきたい。そのためには、この先も色々なことにチャレンジし続けることが大切だと思っている。仕事でもプライベートでも、あの人たちは何でも出来て何でも挑戦できるんだという事を知ってもらって、どんな人にも一歩を踏み出す勇気を与えられる人になりたい」と今後の活動を語った。
女性活躍推進で必ずと言っていいほど“ママ”という存在が取り上げられる現状について思うところがあるという山口氏は「会話の中でも、結婚しているなら子供は何人いらっしゃるんですか?と聞かれて、いないと答えると“すみません!ごめんない!”という風に謝られてしまう。なぜ謝られるのかなと思うが、やはり子供がいない=可哀想と思われている節があるのかなと思う。如月氏と同じく、私も自分自身が可哀想と思った事はないし、むしろこの立場だからこそ出来ることがあると考えている。今後多様な生き方をする女性が増えていった時に、女性達がもっと生きやすい社会にしていきたい」と語り、人と違うということは人にはない強みであり、それを知るためには違う人とたくさん話をしてコミュニケーションをすることが大切。そうしなければ違いは見つからない、と意見を述べた。
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日本人の価値観の根底には“人生ゲーム”が関わっている?
トークセッションの最後に語られた「日本の家庭の“幸せ”というものに対する価値観は“人生ゲーム”が影響していると思う」という教来石氏の発言は、パネリスト4名だけでなく会場にいた多くの参加者の共感を呼んだ。「日本は結婚して夫婦になって子供が生まれてマイホームを持ってというのがスタンダードになっていて、そこから少しでも外れてしまうと可哀想と言われてしまう。それはきっと“人生ゲーム”で培われた感覚だと思う。人生ゲームという遊び自体を否定はしないが、もっと多種多様な人生もあるということを知ってもらいたい」と持論を展開。これに対し星田氏は「新しい人生ゲームを発売したら、もしかしたら世の中の価値観が変わるかもしれない」と同調し、山口氏も「様々なダイバーシティを考慮して、例えば離婚をすることも人生の経験値の一つとして車に乗っけていけるような、そんな人生ゲームが作れたら面白い」とコメントし会場を沸かせた。
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トークセッション終了後に行われたパーティセッションは、パネリストと来場参加者が一体となり意見を交換しあう場となった。参加者の男性は「自分が彼女たちの立場になったとしたら、あんなにポジティブでいられないと思う。彼女達がなぜポジティブでいられるのか、その理由を知ることができた」とコメント。参加者の女性も「確かに今まで“マイノリティ”な人達に対して、触れちゃいけない理由があるはずで、聞いてしまったら“すみません、ごめんない”と言ってしまっていた。ただ、深刻な理由がある方も多いと思うので、そこの判断が難しいのも事実。彼女達の活躍によって日本人の意識が変わっていったらいいなと思う」など、本トークイベントが自身の価値観を見直すきっかけになったという意見が見受けられた。
また、この時間には、フォトグラファーの木村咲氏を迎えた「綺麗に撮られる3つの秘訣」というフォトセッション企画も行われた。自分らしさを引き出し、女性が美しく撮られるコツとして「猫背にならず胸を張る」「顔はカメラの真正面を向き、身体は斜め45度横を向く」「手で動きを付ける」などが挙げられた。
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最後に、主催者である山口氏は「ワーキングママ、起業女子、女性リーダー、LGBT、DINKS、バリキャリなど、女性には様々な選択肢がある。そして、その選んだ選択肢によって人は集まる。ただ、ワーママが産まない女と語ってみたり、起業女子が専業主婦に会ってみたり、そんな普段あまり価値観を交える機会はなかなかないのではないかと私は思う。今生きている生き方の選択はそれぞれ違っても、実は、不安や弱さはもちろんのこと、幸せに生きていきたい気持ち、未来に貢献したい気持ちどの女性も変わらない。そう思えるパネルトークであった。あれ、人と違う。みんなと違うな。と思ったら、それはマイノリティじゃない。自分らしさ、そしてそれは強みになりうる何かなのかもしれない。人との違いを受け入れ、違う生き方を選んだ人を理解し、最終的にはマイノリティという言葉がなくなること、それが真のダイバーシティなのではないか?」とコメント。“みんな違ってみんないい”という言葉はよく聞くが、実際は“みんなと違ったら、あんまり良くない”それが日本。1回しかない人生だから、選べる選択肢もまた1つしかない。自分と違う選択をした人間を否定するのはとても簡単だが、違う生き方を選んだ人が周りにいたら、自分が経験できないことを知っていてそれを教えてくれる存在となり、そういう存在が居るという事はとても幸せなことだと思う。と持論を展開し、イベントは締めくくられた。
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文:赤堀奈美