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安藤忠雄氏によるギャラリートーク開催!in 文化庁国立近現代建築資料館

9月23日まで湯島の文化庁国立近現代建築資料館で開催中の「安藤忠雄初期建築原図展」。本展の特別企画として、7月23日に安藤忠雄氏ご本人を招いてのギャラリートークが開催されました。【企画展詳細】http://nama.bunka.go.jp/




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[画像2: https://prtimes.jp/i/47048/2/resize/d47048-2-462835-11.jpg ]

ギャラリートークは12時30分からと14時からの計2回開催。会場は建築を学ぶ学生や安藤建築のファンで各回ともに満席となりました。安藤氏の歯に衣着せぬトークに、笑いが起こる場面も。当日の様子を一部お伝えします。

文化庁国立近現代建築資料館「安藤忠雄初期建築原図展―個の自立と対話」http://nama.bunka.go.jp/

■ギャラリートーク第一回(12時30分開始)
進行役:川向正人(当館主任建築資料調査官、東京理科大学名誉教授)
ゲスト:安田幸一氏(東京工業大学教授)、国広ジョージ氏(国士舘大学教授)、城戸崎和佐氏(京都造形芸術大学教授)

■ギャラリートーク第二回(14時開始)
進行役:川向正人(当館主任建築資料調査官、東京理科大学名誉教授)
ゲスト:中谷礼仁氏(早稲田大学教授)


手書きの図面、コンピューターの図面

 貴重な手描き図面がならぶ本展。手描きの図面とPCで描かれた図面の違いや、手描き図面から感じる熱意についてなどが話題にのぼりました。

[画像3: https://prtimes.jp/i/47048/2/resize/d47048-2-783726-1.jpg ]



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安田「手描きの図面には、修正した筆跡が残っていますよね。今の図面はCADやBIMを使うから、痕跡がすべて消える。設計者の熱意を感じ取ることができない。」
国広「この図面(コシノ邸)のブルー、何度も塗り重ねてこの色になっている。これは安藤さん流だと思う。」
安藤「コンピューターの図面で熱意を伝えることは非常に難しいですよ。でも、コンピューターから手作業に戻すのも難しいでしょう。」「何度も持ってきて描いて…手で描くのはしんどいけど、おもしろいですよ。(建築家は、図面を通して)人間と会話せにゃならん。うちの事務所はチームで作業しているから、お互いの考えていることがわかる。コンピューターは一人で完結してしまうからやっかい。」
城戸崎「震災があったとき、電気が使えないからみんな手描きで図面をひきました。今でも現場では手描きの図面が必要になる。」
中谷「様々な種類の図面を一枚に合わせますよね。僕は本でしか見たことがなかったので、原図の時点からやられていることに本当に驚きました。レイアウトを間違えると原図は大変なことになる、ということをこれだけやられた。それも分かりやすい。一発で分かる。」


手描きの図面と「熱意」について


[画像5: https://prtimes.jp/i/47048/2/resize/d47048-2-261166-2.jpg ]

川向「PCが良いか手描きが良いか、という話だけではない。この展示で観てほしいのは、建築家の熱意。抑えがたい、衝動のようなものです。安藤さんの図面にはその熱意が表れており、それが作品になっている。」
中谷「良い手描きの図面は、どんなものですか?つまり芸術作品でもあるけれど、大工さんがちゃんと読まなければならない。」
安藤「大工さんが見るものでもあるし、自分たちが見るものでもある。なにより「熱意」があるものには、必ず食い違いもある。食い違いある図面の方が良いですよ。スーッといくと心に引っかからない。心に引っかかる図面が良いと思うんですよ。」「我々の熱意というもの、想いというものを伝えなければならない。向こうも自分たちの想いを伝えなければならない。コンピューターではできない。」「(図面を手で描く際)下手は下手なりに情報量が高くて良い。なぜなら間違っているところがわかるから。今は情報量が低い社会に生きていると思う。情報量がないものをあると思って、勘違いしながら一生懸命やってる。(その危うさを)自覚しないといけない。」


「ない」からひろがる可能性



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安藤「私は過去に手術して内臓がいくつもない。でも、海外の人からは『(こんな身体でも元気な人は)縁起がいい』と歓迎される(会場笑)。英語も話せないが、周りが気を使って勝手に仕事が進んでいく(会場笑)。「ない」のも悪いことじゃない。ないならどうするか、どうすれば「ある」人に勝てるか、考えると良い。」


学生へのエール


[画像7: https://prtimes.jp/i/47048/2/resize/d47048-2-626928-5.jpg ]

安藤「私は大学にも行ってないし、建築の教育を受けたわけじゃない。建築を始めようとしたとき、まずは観て触ることから始めた。建築を観て触って、自分のものにする。奈良や京都に行って、建築をスケッチする。自分の想いがスケッチになる。参考書の代わりに建築がある。」「一流企業に入るより、卒業したらどんどん海外に出てみた方がいい。熱意さえもっていればやっていける。どんなところでも生きていけるというパワーを持っていってほしい。」
[画像8: https://prtimes.jp/i/47048/2/resize/d47048-2-421389-10.jpg ]

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安藤氏の熱意がこもった貴重な手描き図面の数々。9月23日(月・祝)まで文化庁国立近現代建築資料館で観ることができます。
[画像9: https://prtimes.jp/i/47048/2/resize/d47048-2-624120-7.jpg ]

■文化庁国立近現代建築資料館「安藤忠雄初期建築原図展―個の自立と対話」Early Drawings of Tadao Ando: Autonomy and Dialogue
会期:2019年6月8日(土)〜9月23日(祝・月)
開館時間: 10:00〜16:30
開館日:会期中無休
入場料:平日は入館無料。湯島地方合同庁舎正門よりご入館ください。※土日祝の入場及び都立旧岩崎邸庭園と同時観覧の場合は、旧岩崎邸庭園入園料(一般400円)が必要となります。

[画像10: https://prtimes.jp/i/47048/2/resize/d47048-2-292514-6.jpg ]
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