「アートで社会の渚をつくる」
[21/03/31]
提供元:PRTIMES
提供元:PRTIMES
合同会社渚とニュースレター 2021年春
社会には「渚」が必要だ。なぜか?
芸術文化の力で社会の壁を打ち破り、渚のようになだらかで、より良い社会を目指す「合同会社渚と」から、最近の取組をお知らせします。渋谷でのイベントの開催報告や銀座での最新のWEB対談記事のお知らせ、また初めて作成したステッカーのご案内、最後に大学で取り組んだ講座の報告をいたします。
今回のお知らせは3つ。
・渋谷駅前の観光案内所兼アートセンター「shibuya-san」での展示「アジア都市透視展」で起こった付箋とマステのコミュニケーション
・全銀座会と共に進めている、文化のまちづくり(そしてかわいいステッカー)
・東京藝術大学大学院で考えている広域連携型地域アーツカウンシルの妄想(構想未満)
私たちとコラボレーションしたい企業/団体の方々も募集しています。まずはお気軽に連絡ください。
はじめまして。
合同会社渚とです。
「合同会社渚と」は、一人でも多くの人が、幸せに自分らしく生きられる社会の実現をめざします。「渚と」は、人と人、組織と人、組織と組織など、さまざまな境界に潜む障壁を芸術や文化の力で打ち破り、なだらかな「渚」のような場所を、あなた「と」作りたい。そんな思いでつけた名前です。
芸術文化は、人の心にダイレクトにアプローチできます。また、普通と違う方法で考えることや、時に非常識で変なことも肯定されるのが芸術文化の在り方です。「渚と」は、そんな芸術文化(アート)の力を活かして、社会を多様で楽しい場所にしていきたい。そう願って、この会社を作りました。
とはいえ、まだまだ始まったばかりですし、小さな会社にできることは限られます。
少しずつ、いろいろな方と共に進んでいきたいと思います。
このニュースレターでは、最近の取組をいくつか紹介します。
「最近事業がマンネリ化してきたなぁ」とか「芸術文化、それ美味しいんですか?」とか。
雑談から始まるコンサルティングも得意です。お気軽にご連絡ください。
【いくつかのニュース】
渋谷駅前の観光案内所兼アートセンター「shibuya-san」での展示「アジア都市透視展」で起こった付箋とマステのコミュニケーション
全銀座会と共に進めている、文化のまちづくり(そしてかわいいステッカー)
東京藝術大学大学院で考えている広域連携型地域アーツカウンシルの妄想(構想未満)
渋谷駅前の観光案内所兼アートセンター「shibuya-san」での展示「アジア都市透視展」で起こった付箋とマステのコミュニケーション
渋谷フクラス1階にある観光案内所兼アートセンター「shibuya-san」は、未だかつて無いスペースです。観光案内所の機能をもちながら、本格的な照明や音響を備え、展示にも対応できるアートセンターとしての基本的な設備も備えています。コンセプトは、タイムアウト東京代表の伏谷博之氏、内装デザインは建築家の青木淳氏、ネーミング・コピーライティングは高木基氏、ロゴは仲條正義氏と豪華メンバーが集まって作られた施設です。
合同会社渚と 代表の森隆一郎は、この施設のアートセンター部門責任者として、立ち上げに携わりました。
[画像1: https://prtimes.jp/i/74358/2/resize/d74358-2-872955-0.jpg ]
当社では、2019年末のオープン以来、オープニングシリーズの企画を担当しました。その最後の企画として3月後半に実施したのが、「空想地図作家・今和泉隆行と実在都市デザイナー・三文字昌也が描く アジア都市透視展」です。地図やまちづくり分野でマニアックな人気を誇る2名が、アジア諸都市の何気ない街角をイラストに描き、交差点の違いや看板の特徴、鉄道駅、住宅の建てられ方、路線バスの乗り方に至るまで、細かな差異に迫りました。
この展示の特色の一つは、それぞれのイラストや、その元ネタとなったまちなかの写真の展示に、マスキングテープ上にコメントを書き、貼り付けていくことで、作家たちの細かい観察眼を共有できた点です。コメントをつけるのは作家だけではなく、来場者が付箋を使って、展示物のイラストや写真にさまざまなコメントや質問を書き込めるようにし、さらにそのコメントへの返信を作家がマスキングテープに書いて貼っていく。
10日間の短い展示期間ではありましたが、壁面はコメントとその返信で埋め尽くされました。SNSでのレスを返すようなものですが、それがリアルな壁面で活発に行われたことに驚きました。直接の触れ合いを避けざるを得ない現実の中で、このコメントのやりとりは、新たな対話型の展示手法としての可能性を秘めているように感じました。
[画像2: https://prtimes.jp/i/74358/2/resize/d74358-2-870213-3.jpg ]
[画像3: https://prtimes.jp/i/74358/2/resize/d74358-2-870213-3.jpg ]
[画像4: https://prtimes.jp/i/74358/2/resize/d74358-2-339830-4.jpg ]
[画像5: https://prtimes.jp/i/74358/2/resize/d74358-2-394783-5.jpg ]
今回の展示では、01 交差点、02 看板、03 鉄道駅と改札、04 バス、05 住宅、計5つのテーマで制作しましたが、このテーマは今後も増えていきます。
この展示の続きを作りたいと考えています。主催したい、場所を提供してみたい方などがいらしたら、是非お問合せください。一緒に作りましょう。
本展のプレスリリースはこちらです。
【開催概要】
〔タイトル〕
空想地図作家・今和泉隆行と、実在都市デザイナー・三文字昌也が描く
アジア都市透視展
〔会期〕2021年3月19日(金)〜28日(日)10:00〜20:00 休館日無し
〔会場〕shibuya-san https://shibuyasan.jp
住所:〒150-0043 東京都渋谷区道玄坂1-2-3 渋谷フクラス1F
交通:JR、東急、東京メトロ各線、京王井の頭線「渋谷」駅より徒歩1分
〔料金〕無料
〔内容〕空想地図作家・今和泉隆行と、実在都市デザイナー・三文字昌也がアジア各地の都市を透視した空想イラストの展示
〔作家〕今和泉隆行(空想地図作家)、三文字昌也(実在都市デザイナー・建築士)
〔主催〕shibuya-san / 合同会社渚と
〔協力〕TimeOut Tokyo
全銀座会と共に進めている、文化のまちづくり
「渚と」では、銀座のまちづくりやさまざまな意思決定を行う組織「全銀座会」のG2020というプロジェクトに携わっています(https://www.ginza.jp/g2020/whoweare)。全銀座会G2020では、銀座の街を更新していく「文化プログラム」を念頭に置いたレクチャーシリーズなどを実施し、街の人々が自ら考え実践できるような文化的な取組について研究してきました。
今回は、2019年から続けているWEB連載「AMAZING GINZA! TALK」について紹介します。この連載では、銀座の街にとって大切だと思える旬なゲストを迎え、銀座の方との対談をお願いしています。
最新は、東京藝術大学教授の熊倉純子さんと全銀座会事務局長の竹沢えり子さんが、人とのつながりから生まれる非貨幣的な価値などの話題を語り合いました。また、この対談シリーズでは、ロケ地も銀座らしい場所を選んでいて、本対談はビヤホールライオン銀座7丁目店をお借りしました。歴史の重みを感じる雰囲気と共にどうぞ。
Amazing Ginza! Talk No.8
アートを通じて共通体験を持つことの非貨幣的価値
東京藝術大学教授・熊倉純子さん
全銀座会事務局長・竹沢えり子さん
https://www.ginza.jp/g2020/columnandinterview/20210325
[画像6: https://prtimes.jp/i/74358/2/resize/d74358-2-225466-1.jpg ]
今年度に更新した他の記事もリンクをお知らせします。
ご興味がある方は、ぜひお読みください。
Amazing Ginza! Talk No.7
信頼を礎に「捉え直し」と「再定義」で街の未来を考える
音楽家・蓮沼執太さん
銀座通連合会常務理事/ソニー企業代表取締役社長/チーフブランディングオフィサー
永野大輔さん
https://www.ginza.jp/g2020/columnandinterview/20210310
[画像7: https://prtimes.jp/i/74358/2/resize/d74358-2-103377-7.jpg ]
Amazing Ginza! Talk No.6
「職住遊」の融合で暮らしたい街に変えていく
A.T.カーニー株式会社日本法人会長/CIC Japan会長・梅澤高明さん
銀実会第69代理事長/株式会社ゼントラスト代表取締役社長・樋口雄一さん
https://www.ginza.jp/g2020/columnandinterview/20210226
[画像8: https://prtimes.jp/i/74358/2/resize/d74358-2-135567-8.jpg ]
Amazing Ginza! Talk No.5
情報レイヤーを幾つも重ね、メタで楽しむ銀座をつくる
トリップアドバイザー株式会社 代表取締役・牧野友衛さん(肩書きは当時)
一般社団法人銀座インフォメーションマネジメントGinza Official統括理事
株式会社丸江藤屋取締役・直江宏一さん
https://www.ginza.jp/g2020/columnandinterview/20201125
[画像9: https://prtimes.jp/i/74358/2/resize/d74358-2-750565-9.jpg ]
AMAZING な GINZA のステッカーができました!
[画像10: https://prtimes.jp/i/74358/2/resize/d74358-2-425277-10.jpg ]
タイトルにもある、AMAZING GINZAは、銀座が楽しい驚きに満ちた街であり、期待以上の驚きに出合える場所でありたいという願いを込めて発表した、銀座のスローガン「未知に迷おう。AMAZING GINZA」から採っています。この3月に「AMAZING GINZA」のステッカーができました。銀座の中でも「ああ、あそこ!」な場所を見知らぬ二人がピンクのリボンをたどって出会います。素敵なストーリーは、ぜひ実物を手に取ってご覧ください。
ステッカーは、数寄屋橋公園横(東急プラザ銀座1階)の観光案内所「G Info」、全銀座会会員店舗などで配布しています。
詳しくはこちら
https://www.ginza.jp/topics/16893
東京藝術大学大学院で考えている広域連携型地域アーツカウンシルの妄想(構想未満)
最後は少し硬い話題です。
私、森隆一郎(合同会社渚と代表)が、2019年より東京藝術大学大学院国際芸術創造研究科の特任助教として取り組んでいる、広域連携型の文化政策の在り方の研究についてお知らせします。
「Meeting アラスミ!」(アラスミ=Around Sumidagawa) というタイトルがついたこのプロジェクトでは、隅田川沿いの3つの自治体(足立区、墨田区、台東区)と連携して、文化政策を広域で考え実践する取り組みを進めています。「下町人情が残る」とか「江戸文化息づく」など、何十年もステレオタイプな言葉で説明されてきた東京東部ですが、西側に比べて家賃が安かったり、空き工場や倉庫などのスペースが豊富だったり、人と人の距離が近くて外からの人にも寛容だったりと、さまざまな地域特性が功を奏して、ここ20年くらいはアートの街へと少しずつ変化しています。
「アートの街」だからといって、イケイケなパブリックアートがあったり、瞳の奥に¥マークがついたような方が「アート!アート!」と闊歩しているわけでもありません。隅田川や街並み、人、関係性、さまざまな地域資源を活かして、作品やプロジェクト作りに携わる人たちが増えているのです。地域の子どもから高齢者まで分け隔て無く愉しみ、批評し、味わい合うような関係性の中で、少しずつ浸透するように街に根付こうとする「文化的な営み」が、アーティストやキュレーターなどの移住にもつながってきています。
「文化政策」は、社会の多様な領域に横串を刺す役割を担う。2017年に改正された「文化芸術基本法」の基本理念 第2条10には「(前略)文化芸術の固有の意義と価値を尊重しつつ,観光,まちづくり,国際交流,福祉,教育,産業その他の各関連分野における施策との有機的な連携が図られるよう配慮されなければならない」と位置づけられています。
この隅田川沿いの街でじんわりと広がっている文化的な営みを、公的に支援し、資本(文化/社会関係/経済の3資本)を意識的に循環させていくことで、エリア全体の価値を高めていくことができるのではないかと考えています。その軸となるのが「文化政策」です。文化的なエリア(文化圏)に複数の自治体が存在するのは普通のことですので、その文化圏を対象とする文化政策は自ずと自治体の境界を越えてしまうものです。そもそも区界というものも、歴史をたどれば、政治的経済的な理由でひかれていることも多く、そういう境界を一旦あやふやにして、文化圏として捉え直してみた方が、そこで暮らす人たちにも腑に落ちると思うのです。
ということで、前置きが長くなりましたが、大学では、そんな広域的な文化政策の連携を実現するにはどうすればいいのかというテーマで研究しています。今、妄想(構想未満です)しているのは、そのエリアを俯瞰する「アーツカウンシル」を大学に置き、地域文化のリサーチや政策提言を行うような組織を作れないだろうか、というものです。地方へ目を向ければ、複数の自治体で文化施設を運営するような事例もありますし、広域連携を実現する「広域事務組合」という組織形態もあります。また、地域や自治体が大学に資金提供し「寄付講座」として、アーツカウンシル的な機能を実現している事例もあります。
3年間の研究の集大成となる2021年度は、そのような具体的な事例も学びつつ、隅田川文化圏のアーツカウンシル「アラスミ・アーツカウンシル」の構想を深めようと考えています。
2020年度のアラスミ!については、各回のショートレポートを公開しています。
各回、短めにまとまっています。ご笑覧ください。
【連続講座レポート】
#1「官能都市とは」
講師:島原万丈氏(LIFULL HOME’S 総研 所長)
https://arasumi.geidai.ac.jp/2021/03/08/report1/
[画像11: https://prtimes.jp/i/74358/2/resize/d74358-2-324079-11.jpg ]
#2「地域とアーティスト・イン・レジデンス」
講師:吉田雄一郎(城崎国際アートセンター プログラム・ディレクター)
https://arasumi.geidai.ac.jp/2021/03/08/report2/
[画像12: https://prtimes.jp/i/74358/2/resize/d74358-2-275788-12.jpg ]
#3「フィールドワーク」
https://arasumi.geidai.ac.jp/2021/03/08/report3/
[画像13: https://prtimes.jp/i/74358/2/resize/d74358-2-823106-13.jpg ]
#4「フィールドワーク総評」
講師:吉本光宏(ニッセイ基礎研究所 研究理事・芸術文化プロジェクト室長)
https://arasumi.geidai.ac.jp/2021/03/08/report4/
[画像14: https://prtimes.jp/i/74358/2/resize/d74358-2-920217-14.jpg ]
#5「シンポジウム」
ゲストコメンテーター:小林真理(東京大学大学院 人文社会系研究科 文化資源学研究専攻 教授)
モデレーター:熊倉純子(東京藝術大学大学院 国際芸術創造研究科長)、森隆一郎(東京藝術大学大学院 国際芸術創造研究科 特任助教)
https://arasumi.geidai.ac.jp/2021/03/24/report5/
[画像15: https://prtimes.jp/i/74358/2/resize/d74358-2-634834-15.jpg ]
◎◎ 編集後記 ◎◎
事務所がある中目黒では、春風と桜吹雪で春真っ盛りです。ただ、個人的には(パンデミックの今でもなお)人が多すぎて、用事があるときだけそそくさと通り過ぎるようにしているのですが、目の端に見える淡いピンクの街並みは「確かに綺麗だなぁ」と感じます。
長い手紙でしたが、最後まで読んでくださりありがとうございました。2021年度の渚とでは、いくつかの公立文化施設と共に活動することになりそうです。これまでの活動と合わせて、いくつかの調査研究にも携わります。芸術や文化が「趣味・高尚なもの」じゃない社会を広められるようがんばります。また、季節に一度くらいはこういうお知らせを出したいなと考えています。書くべきことがたまってきたら、またお知らせいたします。(心の中で結構ですので)どうか、応援よろしくお願いいたします。
▼まだWEBサイトも作れていませんが、Facebookページで最新の取組などを紹介しています。フォローよろしくお願いします。
https://www.facebook.com/nagisatoinfo
社会には「渚」が必要だ。なぜか?
芸術文化の力で社会の壁を打ち破り、渚のようになだらかで、より良い社会を目指す「合同会社渚と」から、最近の取組をお知らせします。渋谷でのイベントの開催報告や銀座での最新のWEB対談記事のお知らせ、また初めて作成したステッカーのご案内、最後に大学で取り組んだ講座の報告をいたします。
今回のお知らせは3つ。
・渋谷駅前の観光案内所兼アートセンター「shibuya-san」での展示「アジア都市透視展」で起こった付箋とマステのコミュニケーション
・全銀座会と共に進めている、文化のまちづくり(そしてかわいいステッカー)
・東京藝術大学大学院で考えている広域連携型地域アーツカウンシルの妄想(構想未満)
私たちとコラボレーションしたい企業/団体の方々も募集しています。まずはお気軽に連絡ください。
はじめまして。
合同会社渚とです。
「合同会社渚と」は、一人でも多くの人が、幸せに自分らしく生きられる社会の実現をめざします。「渚と」は、人と人、組織と人、組織と組織など、さまざまな境界に潜む障壁を芸術や文化の力で打ち破り、なだらかな「渚」のような場所を、あなた「と」作りたい。そんな思いでつけた名前です。
芸術文化は、人の心にダイレクトにアプローチできます。また、普通と違う方法で考えることや、時に非常識で変なことも肯定されるのが芸術文化の在り方です。「渚と」は、そんな芸術文化(アート)の力を活かして、社会を多様で楽しい場所にしていきたい。そう願って、この会社を作りました。
とはいえ、まだまだ始まったばかりですし、小さな会社にできることは限られます。
少しずつ、いろいろな方と共に進んでいきたいと思います。
このニュースレターでは、最近の取組をいくつか紹介します。
「最近事業がマンネリ化してきたなぁ」とか「芸術文化、それ美味しいんですか?」とか。
雑談から始まるコンサルティングも得意です。お気軽にご連絡ください。
【いくつかのニュース】
渋谷駅前の観光案内所兼アートセンター「shibuya-san」での展示「アジア都市透視展」で起こった付箋とマステのコミュニケーション
全銀座会と共に進めている、文化のまちづくり(そしてかわいいステッカー)
東京藝術大学大学院で考えている広域連携型地域アーツカウンシルの妄想(構想未満)
渋谷駅前の観光案内所兼アートセンター「shibuya-san」での展示「アジア都市透視展」で起こった付箋とマステのコミュニケーション
渋谷フクラス1階にある観光案内所兼アートセンター「shibuya-san」は、未だかつて無いスペースです。観光案内所の機能をもちながら、本格的な照明や音響を備え、展示にも対応できるアートセンターとしての基本的な設備も備えています。コンセプトは、タイムアウト東京代表の伏谷博之氏、内装デザインは建築家の青木淳氏、ネーミング・コピーライティングは高木基氏、ロゴは仲條正義氏と豪華メンバーが集まって作られた施設です。
合同会社渚と 代表の森隆一郎は、この施設のアートセンター部門責任者として、立ち上げに携わりました。
[画像1: https://prtimes.jp/i/74358/2/resize/d74358-2-872955-0.jpg ]
当社では、2019年末のオープン以来、オープニングシリーズの企画を担当しました。その最後の企画として3月後半に実施したのが、「空想地図作家・今和泉隆行と実在都市デザイナー・三文字昌也が描く アジア都市透視展」です。地図やまちづくり分野でマニアックな人気を誇る2名が、アジア諸都市の何気ない街角をイラストに描き、交差点の違いや看板の特徴、鉄道駅、住宅の建てられ方、路線バスの乗り方に至るまで、細かな差異に迫りました。
この展示の特色の一つは、それぞれのイラストや、その元ネタとなったまちなかの写真の展示に、マスキングテープ上にコメントを書き、貼り付けていくことで、作家たちの細かい観察眼を共有できた点です。コメントをつけるのは作家だけではなく、来場者が付箋を使って、展示物のイラストや写真にさまざまなコメントや質問を書き込めるようにし、さらにそのコメントへの返信を作家がマスキングテープに書いて貼っていく。
10日間の短い展示期間ではありましたが、壁面はコメントとその返信で埋め尽くされました。SNSでのレスを返すようなものですが、それがリアルな壁面で活発に行われたことに驚きました。直接の触れ合いを避けざるを得ない現実の中で、このコメントのやりとりは、新たな対話型の展示手法としての可能性を秘めているように感じました。
[画像2: https://prtimes.jp/i/74358/2/resize/d74358-2-870213-3.jpg ]
[画像3: https://prtimes.jp/i/74358/2/resize/d74358-2-870213-3.jpg ]
[画像4: https://prtimes.jp/i/74358/2/resize/d74358-2-339830-4.jpg ]
[画像5: https://prtimes.jp/i/74358/2/resize/d74358-2-394783-5.jpg ]
今回の展示では、01 交差点、02 看板、03 鉄道駅と改札、04 バス、05 住宅、計5つのテーマで制作しましたが、このテーマは今後も増えていきます。
この展示の続きを作りたいと考えています。主催したい、場所を提供してみたい方などがいらしたら、是非お問合せください。一緒に作りましょう。
本展のプレスリリースはこちらです。
【開催概要】
〔タイトル〕
空想地図作家・今和泉隆行と、実在都市デザイナー・三文字昌也が描く
アジア都市透視展
〔会期〕2021年3月19日(金)〜28日(日)10:00〜20:00 休館日無し
〔会場〕shibuya-san https://shibuyasan.jp
住所:〒150-0043 東京都渋谷区道玄坂1-2-3 渋谷フクラス1F
交通:JR、東急、東京メトロ各線、京王井の頭線「渋谷」駅より徒歩1分
〔料金〕無料
〔内容〕空想地図作家・今和泉隆行と、実在都市デザイナー・三文字昌也がアジア各地の都市を透視した空想イラストの展示
〔作家〕今和泉隆行(空想地図作家)、三文字昌也(実在都市デザイナー・建築士)
〔主催〕shibuya-san / 合同会社渚と
〔協力〕TimeOut Tokyo
全銀座会と共に進めている、文化のまちづくり
「渚と」では、銀座のまちづくりやさまざまな意思決定を行う組織「全銀座会」のG2020というプロジェクトに携わっています(https://www.ginza.jp/g2020/whoweare)。全銀座会G2020では、銀座の街を更新していく「文化プログラム」を念頭に置いたレクチャーシリーズなどを実施し、街の人々が自ら考え実践できるような文化的な取組について研究してきました。
今回は、2019年から続けているWEB連載「AMAZING GINZA! TALK」について紹介します。この連載では、銀座の街にとって大切だと思える旬なゲストを迎え、銀座の方との対談をお願いしています。
最新は、東京藝術大学教授の熊倉純子さんと全銀座会事務局長の竹沢えり子さんが、人とのつながりから生まれる非貨幣的な価値などの話題を語り合いました。また、この対談シリーズでは、ロケ地も銀座らしい場所を選んでいて、本対談はビヤホールライオン銀座7丁目店をお借りしました。歴史の重みを感じる雰囲気と共にどうぞ。
Amazing Ginza! Talk No.8
アートを通じて共通体験を持つことの非貨幣的価値
東京藝術大学教授・熊倉純子さん
全銀座会事務局長・竹沢えり子さん
https://www.ginza.jp/g2020/columnandinterview/20210325
[画像6: https://prtimes.jp/i/74358/2/resize/d74358-2-225466-1.jpg ]
今年度に更新した他の記事もリンクをお知らせします。
ご興味がある方は、ぜひお読みください。
Amazing Ginza! Talk No.7
信頼を礎に「捉え直し」と「再定義」で街の未来を考える
音楽家・蓮沼執太さん
銀座通連合会常務理事/ソニー企業代表取締役社長/チーフブランディングオフィサー
永野大輔さん
https://www.ginza.jp/g2020/columnandinterview/20210310
[画像7: https://prtimes.jp/i/74358/2/resize/d74358-2-103377-7.jpg ]
Amazing Ginza! Talk No.6
「職住遊」の融合で暮らしたい街に変えていく
A.T.カーニー株式会社日本法人会長/CIC Japan会長・梅澤高明さん
銀実会第69代理事長/株式会社ゼントラスト代表取締役社長・樋口雄一さん
https://www.ginza.jp/g2020/columnandinterview/20210226
[画像8: https://prtimes.jp/i/74358/2/resize/d74358-2-135567-8.jpg ]
Amazing Ginza! Talk No.5
情報レイヤーを幾つも重ね、メタで楽しむ銀座をつくる
トリップアドバイザー株式会社 代表取締役・牧野友衛さん(肩書きは当時)
一般社団法人銀座インフォメーションマネジメントGinza Official統括理事
株式会社丸江藤屋取締役・直江宏一さん
https://www.ginza.jp/g2020/columnandinterview/20201125
[画像9: https://prtimes.jp/i/74358/2/resize/d74358-2-750565-9.jpg ]
AMAZING な GINZA のステッカーができました!
[画像10: https://prtimes.jp/i/74358/2/resize/d74358-2-425277-10.jpg ]
タイトルにもある、AMAZING GINZAは、銀座が楽しい驚きに満ちた街であり、期待以上の驚きに出合える場所でありたいという願いを込めて発表した、銀座のスローガン「未知に迷おう。AMAZING GINZA」から採っています。この3月に「AMAZING GINZA」のステッカーができました。銀座の中でも「ああ、あそこ!」な場所を見知らぬ二人がピンクのリボンをたどって出会います。素敵なストーリーは、ぜひ実物を手に取ってご覧ください。
ステッカーは、数寄屋橋公園横(東急プラザ銀座1階)の観光案内所「G Info」、全銀座会会員店舗などで配布しています。
詳しくはこちら
https://www.ginza.jp/topics/16893
東京藝術大学大学院で考えている広域連携型地域アーツカウンシルの妄想(構想未満)
最後は少し硬い話題です。
私、森隆一郎(合同会社渚と代表)が、2019年より東京藝術大学大学院国際芸術創造研究科の特任助教として取り組んでいる、広域連携型の文化政策の在り方の研究についてお知らせします。
「Meeting アラスミ!」(アラスミ=Around Sumidagawa) というタイトルがついたこのプロジェクトでは、隅田川沿いの3つの自治体(足立区、墨田区、台東区)と連携して、文化政策を広域で考え実践する取り組みを進めています。「下町人情が残る」とか「江戸文化息づく」など、何十年もステレオタイプな言葉で説明されてきた東京東部ですが、西側に比べて家賃が安かったり、空き工場や倉庫などのスペースが豊富だったり、人と人の距離が近くて外からの人にも寛容だったりと、さまざまな地域特性が功を奏して、ここ20年くらいはアートの街へと少しずつ変化しています。
「アートの街」だからといって、イケイケなパブリックアートがあったり、瞳の奥に¥マークがついたような方が「アート!アート!」と闊歩しているわけでもありません。隅田川や街並み、人、関係性、さまざまな地域資源を活かして、作品やプロジェクト作りに携わる人たちが増えているのです。地域の子どもから高齢者まで分け隔て無く愉しみ、批評し、味わい合うような関係性の中で、少しずつ浸透するように街に根付こうとする「文化的な営み」が、アーティストやキュレーターなどの移住にもつながってきています。
「文化政策」は、社会の多様な領域に横串を刺す役割を担う。2017年に改正された「文化芸術基本法」の基本理念 第2条10には「(前略)文化芸術の固有の意義と価値を尊重しつつ,観光,まちづくり,国際交流,福祉,教育,産業その他の各関連分野における施策との有機的な連携が図られるよう配慮されなければならない」と位置づけられています。
この隅田川沿いの街でじんわりと広がっている文化的な営みを、公的に支援し、資本(文化/社会関係/経済の3資本)を意識的に循環させていくことで、エリア全体の価値を高めていくことができるのではないかと考えています。その軸となるのが「文化政策」です。文化的なエリア(文化圏)に複数の自治体が存在するのは普通のことですので、その文化圏を対象とする文化政策は自ずと自治体の境界を越えてしまうものです。そもそも区界というものも、歴史をたどれば、政治的経済的な理由でひかれていることも多く、そういう境界を一旦あやふやにして、文化圏として捉え直してみた方が、そこで暮らす人たちにも腑に落ちると思うのです。
ということで、前置きが長くなりましたが、大学では、そんな広域的な文化政策の連携を実現するにはどうすればいいのかというテーマで研究しています。今、妄想(構想未満です)しているのは、そのエリアを俯瞰する「アーツカウンシル」を大学に置き、地域文化のリサーチや政策提言を行うような組織を作れないだろうか、というものです。地方へ目を向ければ、複数の自治体で文化施設を運営するような事例もありますし、広域連携を実現する「広域事務組合」という組織形態もあります。また、地域や自治体が大学に資金提供し「寄付講座」として、アーツカウンシル的な機能を実現している事例もあります。
3年間の研究の集大成となる2021年度は、そのような具体的な事例も学びつつ、隅田川文化圏のアーツカウンシル「アラスミ・アーツカウンシル」の構想を深めようと考えています。
2020年度のアラスミ!については、各回のショートレポートを公開しています。
各回、短めにまとまっています。ご笑覧ください。
【連続講座レポート】
#1「官能都市とは」
講師:島原万丈氏(LIFULL HOME’S 総研 所長)
https://arasumi.geidai.ac.jp/2021/03/08/report1/
[画像11: https://prtimes.jp/i/74358/2/resize/d74358-2-324079-11.jpg ]
#2「地域とアーティスト・イン・レジデンス」
講師:吉田雄一郎(城崎国際アートセンター プログラム・ディレクター)
https://arasumi.geidai.ac.jp/2021/03/08/report2/
[画像12: https://prtimes.jp/i/74358/2/resize/d74358-2-275788-12.jpg ]
#3「フィールドワーク」
https://arasumi.geidai.ac.jp/2021/03/08/report3/
[画像13: https://prtimes.jp/i/74358/2/resize/d74358-2-823106-13.jpg ]
#4「フィールドワーク総評」
講師:吉本光宏(ニッセイ基礎研究所 研究理事・芸術文化プロジェクト室長)
https://arasumi.geidai.ac.jp/2021/03/08/report4/
[画像14: https://prtimes.jp/i/74358/2/resize/d74358-2-920217-14.jpg ]
#5「シンポジウム」
ゲストコメンテーター:小林真理(東京大学大学院 人文社会系研究科 文化資源学研究専攻 教授)
モデレーター:熊倉純子(東京藝術大学大学院 国際芸術創造研究科長)、森隆一郎(東京藝術大学大学院 国際芸術創造研究科 特任助教)
https://arasumi.geidai.ac.jp/2021/03/24/report5/
[画像15: https://prtimes.jp/i/74358/2/resize/d74358-2-634834-15.jpg ]
◎◎ 編集後記 ◎◎
事務所がある中目黒では、春風と桜吹雪で春真っ盛りです。ただ、個人的には(パンデミックの今でもなお)人が多すぎて、用事があるときだけそそくさと通り過ぎるようにしているのですが、目の端に見える淡いピンクの街並みは「確かに綺麗だなぁ」と感じます。
長い手紙でしたが、最後まで読んでくださりありがとうございました。2021年度の渚とでは、いくつかの公立文化施設と共に活動することになりそうです。これまでの活動と合わせて、いくつかの調査研究にも携わります。芸術や文化が「趣味・高尚なもの」じゃない社会を広められるようがんばります。また、季節に一度くらいはこういうお知らせを出したいなと考えています。書くべきことがたまってきたら、またお知らせいたします。(心の中で結構ですので)どうか、応援よろしくお願いいたします。
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