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高精度の手のひらサイズナビゲーションシステム「KneeAlign2」、OrthAlign社との日本独占契約により日本へ初導入。

スマートフォンにも使われるテクノロジーを医療に応用、人工膝関節置換術が進化

バイオメット・ジャパン株式会社(本社:東京、代表取締役:松本政浩)は、人工膝関節置換術(以下、手術)の手術工程を簡素化し、患者の体への負担を軽減させる手のひらサイズのナビゲーションシステム「KneeAlign2(ニーアライン2)」を米国OrthAlign(オーソアライン)社との独占販売契約により、日本国内に初めて導入しました。(2月1日より保険適用)




製品の概要

「KneeAlign2」は、手術時に膝に取り付け、上下左右に動かすだけという簡易な作業で、内蔵の高感度IMU(慣性計測装置)が骨の軸を把握し骨を切る最適な角度を割り出す、小型でシンプルな人工膝関節置換術用ナビゲーションシステムです。

従来品の大型ナビゲーション(CAS)ように外部機器と接続することなく、手術中に豊富なデータがこの手のひらサイズの機器から得られます。
また「KneeAlign2」では、従来の大型ナビゲーションシステムの課題であった大型機器の導入コストや、手術時の患者さんの体への負担増加などを解決することが期待されています。

アメリカでは2009年に発売され、既に1万5000件以上の手術に用いられており、その安全性と有用性が確認されています。

製品概要

販売名:KneeAlign2 システム
承認番号:22500BZX00546000
特長:
・骨切除の角度を0.5°間隔で設定可能(膝関節の大腿骨側及び脛骨側の冠状面・矢状面)
・追加のX線画像、MRI画像、CT画像が不要

従来のナビゲーション手術とその課題

ナビゲーションシステムによって手術をサポートする方法は、以前から一部の病院で導入されていました。しかし、従来のナビゲーションシステムでは、骨の位置情報を読み取るセンサーを設置する為に膝関節周囲の骨に大きなピンを挿す必要がありました。場合によってはそのピンを挿したことが骨折の原因となる(1)こともありました。

また、医師が術野とナビゲーション画面とを交互に確認しながら手術をする必要がある為、手術時間が延長し(2)患者さんの体への負担が大きくなるといった課題がありました。

機械も大型で、導入のためのコストも高く、資金面と手術室のスペースの面から、大学病院など一部の限られた施設でしか使用されていませんでした。

「KneeAlign2」では、正確でより安全な手術によって患者さんのQOL(生活の質)を向上させる技術が、より多くの施設で利用可能になることが期待されます。

「KneeAlign2」による人工膝関節設置の精度

人工膝関節の設置は、大腿骨頭―膝関節―足関節それぞれの中心点を結んだ機能軸に対して3°以内が良いとされ、これは長期の臨床成績に影響すると報告されています(3)。

人工関節設置の正確性を従来のナビゲーションシステム(CAS)と比較した研究結果(4)によると、「KneeAlign2」を用いて手術された症例のうち94.9%は、大腿骨側では機能軸に対してニュートラルな状態から2°以内に位置合わせできており、従来のナビゲーションシステムを用いた症例では92.5% でした。下肢全体の位置合わせに関しても大きな違いがみられ、「KneeAlign2」を用いた患者の92.5%は機能軸に対してニュートラルな位置から3°以内であり、従来のナビゲーションシステムを用いた患者は 86.3%と(1)、従来のナビゲーションシステムと同等の正確性が報告されています。

(1) F. Massai et al. Tibial Stress Fracture After Computer-Navigated Total Knee Arthroplasty Joint Implant Surgery & Research Foundation Reconstructive Review Vol. 3 No. 4 2013

(2) R. A. Siston et al. Surgical navigation for total knee arthroplasty: A perspective Journal of Biomechanics vol. 40 728-735 2007

(3) Mullaji A.B. et al. Which factors increase risk of malalignment of the hip-knee-ankle axis in TKA? Clinical orthopaedics and related research 2013 Jan;471(1):134-41.

(4) Nam D. et al. Accelerometer-Based, Portable Navigation vs Imageless, Large-Console Computer-Assisted Navigation in Total Knee Arthroplasty. The journal of Arthroplasty Vol. 28 No. 2 2013

バイオメット・ジャパン株式会社について

バイオメット・ジャパン株式会社は、米国インディアナ州に本社を持つバイオメット社(Biomet, Inc.)の日本法人として、2001年に設立されました。
バイオメット社は1977年に設立され、主に筋骨格の医療専門家向けの外科的治療、非侵襲治療材料のデザイン、製造、販売を行っています。売上高は30億5200万ドル(2013年度)にのぼり、世界約90ヵ国に製品を供給しています。バイオメットのテーマ である"One Surgeon. One Patient." は、ヘルスケアの価値とは、一人の外科医が一人の人として、また専門家として、一人の患者に適切な治療を通してつながることであるとの認識を表現したものです。1年間に100万回以上、こうした一人の外科医が行う一人の患者への治療にバイオメット製品が役立っています。

OrthAlign社について

OrthAlign社は、米国、カリフォルニア州に本社を置く医療機器メーカーで、2008年に設立され、2009年より、使い易くてコストパフォーマンスの良い整形外科領域での正確な位置決めの為の手術用ナビゲーション製品を提供しています。
この技術によって、人工膝関節と人工股関節置換術が常にデータに基づいて行われることで、すべての整形外科医、病院、そして患者さんにとってメリットがある手術の標準値を向上させることを目指しています。また、このシンプル、かつ、正確な位置合わせの技術の、整形外科の様々な手術への応用を目指しています。
より詳しい情報は下記のホームページをご覧ください。
www.orthalign.com

参考資料(1)高齢化に伴う介護予防・高齢者のQOL向上に、更なる普及が期待される人工膝関節置換術

人工膝関節置換術は、変形性関節症をはじめとする膝の痛みに対する治療のために膝関節を関節に人工物に置き換える手術です。関節の痛みは要介護になってしまうきっかけとなるため、高齢化社会では特に対策が重要視されていますが、その抜本的治療法は現時点では手術しかありません。
日本では現在、年間約7万5千人(2012年)が人工膝関節置換術を受けており、10年前より約2倍に増えています。しかしながら、主な原因疾患である変形性膝関節症の国内の潜在的な患者数(X線診断による有病者数)は、約2,530万人と推定(*)されており、多くの方が手術を避けて痛みを我慢しています。手術による体への負担が減り、少しでも受けやすい手術へと進化していくことが、人工膝関節置換術の普及に繋がります。
*東大病院「22世紀医療センター、 平成22年度活動報告書」より

参考資料(2)関節痛に悩んでいる方々をサポートする情報サイト―『人工関節ライフ』

バイオメットは、ひざや股関節の痛みに悩んでいる方々に、治療に関する正しい情報を提供するウェブサイト『人工関節ライフ(URL:http://kansetsu-life.com)を運営しています。
人工関節の情報はもちろん、手術が受けられる病院検索や、手術を受けた患者さんの体験談、手術にかかる費用の情報など、人工関節手術を検討している方々に役立つ情報を随時、企画・追加しています。
URL:http://kansetsu-life.com
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