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家族で最も遠くにいるのがお父さん。一番近い存在はペット。〜ADK「日本人の平均調査」2014より

〜父親との心理的距離は119m、スキージャンプでのK点に迫る距離。 ペットとの心理的距離は34m 〜

株式会社アサツー ディ・ケイ(本社:東京都港区、代表取締役社長:植野伸一、以下ADK)では、平均的日本人像の認識のために、「ADK 日本人の平均調査」を実施しました。日本人のライフサイクルやお金、自分・家族の評価、人付き合い、余暇・旅行、カラダなど多くの視点で調査をしております。この調査は今回で3回目になります。2006年、2011年にも実施しており、経年で見ることで日本人の意識、行動の変化を読み取ることができます。この度、調査結果がまとまりましたのでご案内致します。当レポートでは家族や友人など周囲の人間関係における心理的な距離感を感覚的に「m(メートル)」で回答することで、人間関係を数値化し、レポートしています。
ADKでは今後もこうした取り組みを通じて、生活者の大きな変化をくみ取り、トレンドを交えてレポートをして参ります。以下、トピックスとデータを紹介いたします。




■調査トピック
ーあなたの近くの人との心理的な距離を「m(メートル)」で表現したとき、「理想の距離」と「現実の距離」はどのくらい?ー
1.家族で最も遠くにいるのがお父さん。一番近い存在はペット。
 〜全体として、家族全員に対して、理想の距離は現実よりも短く、もっと家族と近づきたい意識が窺える。
 〜家族で最も遠く感じられているのは「父親:119m」、家族で最も近くに感じられているのは「ペット:34m」。
 〜理想の距離が最も近いのは「子供:24m」で、最も家族で心理的距離感を近づけたいのは子供。
2.子離れできる母親と、いつまでも子離れできない父親。
 〜女性は20代において、子供との理想と現実の距離が等しく、また最短となる6m。年代が上がるに従い距離は概ね遠くなり、60代では現実70m・理想54mと、理想・現実共に距離が開いていく。母親が上手に子離れしていく様子が窺える。
 〜男性は30代において、子供との現実の距離が13mと最短だが、理想の7mと比較して現実の方が6m離れている。年代が上がるに従い、理想の距離は近いままで現実の距離だけが広がっていき、60代ではその差は34mとなる。いつまでも子供に寄り添っていたい、子離れできない父親の様子を窺える結果となっている。
3.すれ違う父と娘。本当は、思春期の子供も「父親にもっと近づきたい」?
 〜家族内で最も遠い存在の父親だが(119m)、理想の距離は64mと、家族・友人・恋人を含めたすべての関係において最も理想と現実のギャップが大きく、もっと父親に近づきたいという意識があることがわかる。
 〜10代女性からの父親の距離は153mと遠く離れるが、理想の距離は69mと、全世代最大の84mものギャップがある。
 〜10代男性からの父親の距離も、現実は132mだが、理想の距離は64mと、68mのギャップがある。
4.今どきの10代女子は、親友と彼氏が同等。「親友より彼氏が大事」は昔話?
 「親友(一番仲の良いリアルの友達)」と「恋人」との理想の距離を、10代女性と20代女性で比較した。
〜10代女性は「親友:29m」「恋人:24m」と、親友と彼氏がほぼ同等。
〜20代女性は「親友:36m」「恋人:10m」と、その差は3倍以上。親友よりも彼氏の方が圧倒的に近い。

今回のレポートでは、家族・友人・恋人との人間関係にスポットを当てました。人との心理的な距離感を「理想の距離」と「現実の距離」それぞれにおいて「m(メートル)」の数値に置き換えて回答してもらい、平均値やギャップから現代の人間関係を把握・考察しています。以下、トピックスとデータを紹介いたします。

■結果詳細
1.家族で最も遠くにいるのがお父さん。一番近い存在はペット。

 〜全体として、家族全員に対して、理想の距離は現実よりも短く、もっと家族と近づきたい意識が窺える。
 〜家族で最も遠く感じられているのは「父親:119m」、家族で最も近くに感じられているのは「ペット:34m」。
 〜理想の距離が最も近いのは「子供:24m」で、最も家族で心理的距離感を近づけたいのは子供。

 人間関係における距離感を「m(メートル)」で表現し、家族それぞれの距離を比較すると、すべての関係において、現実の距離が理想の距離よりも遠いことが分かりました。家族とは、もっと近づきたいと思う気持ちの表れではないでしょうか。
 家族関係を見ると、最も距離が遠いのは「父親:119m」と、スキージャンプのK点に迫る距離を記録しました。(【図1】参照)
※参考:長野オリンピック・ラージヒルにおけるK点は120m

 家族のだれよりも心理的距離が近くにいるのは「ペット:34m」と、家族の一員として大事な存在であることがわかります。

2.「子離れできる母親」と、「いつまでも子離れできない父親」

 〜女性は20代において、子供との理想と現実の距離が等しく、また最短となる6m。年代が上がるに従い距離は概ね遠くなり、60代では現実70m・理想54mと、理想・現実共に距離が開いていく。母親が上手に子離れしていく様子が窺える。
 〜男性は30代において、子供との現実の距離が13mと最短だが、理想の7mと比較して現実の方が6m離れている。年代が上がるに従い、理想の距離は近いままで現実の距離だけが広がっていき、60代ではその差は34mとなる。いつまでも子供に寄り添っていたい、子離れできない父親の様子を窺える結果となっている。

「子供との距離」は40mと、家族の中では理想の距離が最も近く、誰よりも近くに感じていたい存在です。
 年代別にみると、男女ともに、年代を重ねるにつれてだんだんと理想・現実の距離が開いていくことがわかります。 女性では、20代において理想・現実ともに最も近い6m前後となり、40代までほぼ理想通りの距離感を保ち、50-60代では現実の距離が大きく開いていきますが、理想の距離もやや現実とは開きがでるものの、概ね比例していきます。一方で男性では、やや理想よりも現実の距離が遠い状態でスタートし、30代でピークに近づいた後、理想の距離は近いまま、現実の距離が開き、ギャップが生じています。(【図2】参照)

 男性は常に子供との距離を近づけたいと感じていることに対し、女性の方が子供との距離の保ち方に長けており、子供の成長と共に上手に子離れをしていることが分かります。

3.すれ違う父と娘。本当は、思春期の子供も「父親にもっと近づきたい」?

 〜家族内で最も遠い存在の父親だが(119m)、理想の距離は64mと、家族・友人・恋人を含めたすべての関係において最も理想と現実のギャップが大きく、もっと父親に近づきたいという意識があることがわかる。
 〜10代娘からの父親の距離は153mと遠く離れるが、理想は69mと短く、全世代最大の84mのギャップがある
 〜10代息子からの父親の距離も、現実は132mだが、理想は64mと短く、68mのギャップがある

 「父親」は、家族内で最も遠い119m離れた存在である一方、理想の距離は64mと、60m近くのギャップがあります。
 性年代別にみると、反抗期や思春期を迎える10代女性(娘)にとって、父親との現実の距離は153mと、一つ屋根の下に住んでいるとは思えない遠さです。その一方で、父親との理想の距離は69mと短く、現実の距離と比較して84mものギャップが生じています。このギャップの大きさは、全性年代において最大であり、心の中ではもっと父親と近づきたいと思っている心理が窺えます。10代男性(息子)においても現実の距離が132m、理想の距離は平均と同じく64mとなっており、10代女性と同様にギャップが大きくなっています。(【図3】参照)

 子供が思春期になり、会話やコミュニケーションが難しくなる時期、父親との現実の距離が開いてしまっても、父親だけでなく、子供も、本当はもっと父親と近づきたいと思っているようです。この結果はお父さんへの朗報と言えそうです。
 また、現実の距離が最も広がるのは男女とも40代で、父親の高齢化や他界などにより現実の距離が遠ざかり、改めて父親との理想の距離とのギャップを感じる年代であると言えそうです。

4.今どきの10代女子は、親友と彼氏が同等。「親友より彼氏が大事」は昔話?
「親友(一番仲の良いリアルの友達)」と「恋人」との理想の距離を、10代女性と20代女性で比較した。

〜10代女性は「親友:29m」「恋人:24m」と、あまり差が無い
〜20代女性は「親友:36m」「恋人:10m」と、その差は3倍以上、26mも「恋人」の方が近い

 「親友」と「恋人」との理想の距離は、20代女性では26mもの差を付けて「親友」より「恋人」を近くに感じたいと思っている一方で、 10代女性では「親友」と「恋人」に5mしか差がない結果になっています。従来より、女性は「親友より彼氏が大事」と言われてきましたが、今の10代女性にとっては同等に近い存在と感じていることが窺えます。(【図4】参照)

  SNS・LINEなどのツールの発達や交友関係におけるコミュニケーション形態の変化を受け、若年女性では「友チョコ」ブームが起こるなど、異性・同性に関わらず、周囲からどう思われるかに敏感な世代と言われています。「恋愛だけでなく、友人関係も大事にしたい」と思う若年層が増加しているのではないでしょうか。
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