優れた止血能力を持ち、スムーズな外科手術に貢献。マイクロ波外科手術用エネルギーデバイス「アクロサージ」世界で初めて製品化
[16/07/29]
提供元:PRTIMES
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- 滋賀医科大の谷徹特任教授が開発した、高効率のマイクロ波技術を応用。唯一の日本発製品。本年8月から6医療機関で臨床開始、来年1月発売予定。-
インダストリアル事業、航空宇宙事業、メディカル事業を展開する日機装株式会社 (本社:東京都渋谷区 代表取締役社長:甲斐 敏彦)は、このほどマイクロ波を活用した外科手術用エネルギーデバイス「アクロサージ」を製品化し、市場投入を開始いたします。マイクロ波を使って生体組織を焼灼する針型のデバイスは以前からありましたが、ハサミ型、鑷子型(ピンセット型)のデバイスは世界初となります。
この手術用エネルギーデバイス開発にあたっては、滋賀医科大学バイオメディカル・イノベーションセンター谷徹特任教授が開発した、日本発となる高効率のマイクロ波技術を応用し、製品化いたしました。
マイクロ波外科手術用エネルギーデバイス「アクロサージ」は、既存の外科手術用エネルギーデバイスに比べ、優れた止血能力があるだけでなく、1つのデバイスで生体組織の剥離・凝固・止血・脈管シーリングといった一連の手術操作が可能となります。手術時間の短縮をもたらし、患者様の負担軽減に貢献できると考えています。
マイクロ波は、電子レンジと同じ波長域の2.45ghz(ギガヘルツ)です。水分子に直接作用し、分子運動により熱エネルギーを得ます。マイクロ波を照射した生体の中側と外側の水分子が均一に運動し発熱しますので、外側を目視することで、中側の状態を判断でき、効率的に手術を進めることが可能となります。
当社のマイクロ波外科手術用エネルギーデバイス「アクロサージ」の市場投入の第一弾として、マイクロ波ジェネレーターと、ディスポ―ザブル・デバイス(ハサミ型、鑷子型、プローブ型)を製品化しました。
<製品特徴>
1.マイクロ波の波長域は、電子レンジと同じ2.45ghz(ギガヘルツ)
2.マイクロ波の照射対象に含まれる水分子に直接、均一に作用。凝固にムラが少なく、高い止血作用
3.アンテナとアースの間の限局された部分にのみ照射可能であり、近傍の熱損傷が非常に少ない
4.マイクロ波の作用中、煙やミストがほとんど出ないため、術野が見易い
5.形状がハサミ型(刃)であり、生体組織の剥離・凝固・止血・脈管シーリングといった幅広い手術範囲に対応
マイクロ波外科手術用エネルギーデバイス「アクロサージ」
●ハサミ型
・出力 60W
・シール可能脈 5mm系の血管
[画像1: http://prtimes.jp/i/17014/3/resize/d17014-3-127641-0.jpg ]
●鑷子型
・出力 80W
・シール可能脈 5mm系の血管
[画像2: http://prtimes.jp/i/17014/3/resize/d17014-3-522662-1.jpg ]
●ジェネレーター
[画像3: http://prtimes.jp/i/17014/3/resize/d17014-3-842100-2.jpg ]
【 手術の流れと選択デバイス 】
[画像4: http://prtimes.jp/i/17014/3/resize/d17014-3-616903-3.jpg ]
これまでの手術においては、上記表に記載の通り、1 皮膚切開 から 3 組織、癒着の剥離 までを電気メスが担い、4 臓器・組織の剥離・止血 、5 脈管切断・封止(シール)は超音波デバイスや高周波デバイスを使用する流れが通常でした。当社のマイクロ波外科手術用エネルギーデバイス「アクロサージ」の登場により、2 皮下組織の切離から 5 脈管切断・封止 までの手術範囲を「アクロサージ」で行えるようになります。
1つのデバイスで、生体組織の剥離・凝固・止血・脈管シーリングといった一連の手術操作ができるため、手術の時間短縮につながり、術者だけではなく、患者様の負担軽減も期待されます。
【 各エネルギーデバイス 機能比較 】
[画像5: http://prtimes.jp/i/17014/3/resize/d17014-3-618305-4.jpg ]
マイクロ波デバイスと、超音波デバイス、高周波デバイスの主要性能を比較してみると、上記表にある通り、マイクロ波デバイスは、熱損傷、切離スピード、止血効果、組織凝固時の視野等で高い能力が見られました。
なお、アクロサージの販売開始時には、ディスポ―ザブル・デバイスの種類が少ない課題がありますが、今後、鏡視下用のディスポ―ザブル・デバイスを順次投入しラインアップの拡充を図る予定です。
【 滋賀医科大学 谷 徹 特任教授 プロフィール 】
【研究者名】 谷 徹 (Tohru Tani)
【所属】 滋賀医科大学 名誉教授
滋賀医科大学 バイオメディカル・イノベーションセンター
革新的医療システム開発部門 特任教授
【略歴】
1976年 金沢大学医学部卒業、虎ノ門病院外科レジデント
1980年 滋賀医科大学 第一外科 医員
1985年 滋賀医科大学大学院医学研究科 医学博士(滋賀医科大学)
滋賀医科大学 第一外科 助手
1990年 Montreal McGill大学 人工臓器・細胞研究センター留学(6ヶ月)
1995年 滋賀医科大学 外科学第一講座 学内講師
1998年 文部省在外研究員(5ヶ月)
National Institute of Health、Dept. of Health & Human Services(USA)
およびミュンヘン大学外科(ト゛イツ)(ルイヒ゛ル大学、ミシカ゛ン大学、ウフ゜サラ大学 外科 客員教授)
1998年 滋賀医科大学 第一外科 助教授
2001年 滋賀医科大学 第一外科 教授
2002年 滋賀医科大学 外科学講座 主任教授
2008年 滋賀医科大学医学部附属病院 副院長(研修渉外担当)(2010年3月まで)
2010年 滋賀医科大学医学部 学長補佐(産学連携担当)(2014年3月まで)
2014年 滋賀医科大学 名誉教授
滋賀医科大学 バイオメディカル・イノベーションセンター
革新的医療システム開発部門 特任教授
現在に至る
【研究分野】
・大腸疾患の外科的治療の研究、開発(特に直腸癌の機能温存手術)
・ナビゲーション外科の構築(医療材料、MRデバイス、ロボティクス)
・侵襲に対する生体反応研究
・敗血症の診断、治療と重症化の機序
・マイクロ波手術デバイス開発
【研究開発に関する受賞実績】
1980年-1985年 内毒素を固定化した新材料による悪性腫瘍の治療に関する研究開発
1985年-2001年 敗血症治療法開発(トレミキシン開発)、機序解明
1997年 日本アフェレシス学会 研究奨励賞(井上昇賞)受賞
1998年 井上春成賞 施設受賞
日本化学会 化学技術賞受賞
2008年 日本医療機器学会 青木賞
2000年-現在 オープンMRを用いたプロジェクトの研究開発
2008年 第8回バイオビジネスコンペJAPAN バイオ先端知賞
2002年 滋賀県産業振興実験プラン優秀賞受賞
2005年-現在 医療廃棄物の安全な処理法、処理機の研究開発
2006年 日本人工臓器学会 オリジナル賞受賞
2003年-現在 マイクロ波応用手術支援機器開発
2012年 日本コンピュータ外科学会 優秀賞
【 臨床を開始する6医療機関 】 ※50音順
●医療法人社団 仁生会 甲南病院
院長 渡田 正二 先生(心臓血管外科 循環器科)
[画像6: http://prtimes.jp/i/17014/3/resize/d17014-3-643619-17.jpg ]
超音波凝固切開装置の普及により止血の安全性、手時間短縮など外科系手術において大いなる効果をもたらし、特に鏡下手術においては必須の装置となっています。
超音波凝固切開装置は凝固において面での凝固切開であり、アクティブブレードによって組織への意図しない損傷を引きおこす可能性があり、電気メス装置との使い分けを余儀なくさせられる場合が多くありました。
アクロサージは剪刃と同じ鋭利な剥離切開、確実な血管などの組織凝固を得られ、超音波凝固切開装置と電気メスの使い分けが不要となることが期待されます。特に鏡下手術において強力な装置となることが期待されます。
●医療法人社団昴会 日野記念病院
外科 束田 宏明 先生
[画像7: http://prtimes.jp/i/17014/3/resize/d17014-3-900023-18.jpg ]
家庭の電子レンジでも使用されているマイクロ波を用いた治療装置は以前からあった。しかし、この製品が特徴的なのは、その強力なマイクロ波の組織凝固能と指向性を限られた範囲内で制御することに成功したことである。
外科手術では止血、剥離、切断が基本的な手技であり、従来それぞれ別の器具を持ち替えそれを行ってきた。だが、このデバイスを使えば、想定部位のみをシーリングし、同時に切離を行うことができる。
電気メスが登場してから約100年経つが、外科医が今まで見たことの無い仕組みを用いた、画期的なデバイスであり、マイクロ波の持つパワーやスピードに期待が持てる。これを使いこなすことができれば新たな手術法の確立へのブレークスルーとなるかもしれない。
●国民健康保険 小松市民病院
院長 村上 眞也先生 (外科)
[画像8: http://prtimes.jp/i/17014/3/resize/d17014-3-552318-19.jpg ]
マイクロ波メスAcrosurg.(アクロサージ)は、1本で組織、5mmまでの脈管の切離、凝固、止血が可能なため、手術器械の持ち替えにともなう術者、助手、看護師のストレス軽減、手術時間の短縮に非常に有用である。
既存のエネルギーデバイスは、ブレードとパッドの間に組織を挟み込みながら切離したり、組織を圧着後、ジョーに内蔵された専用ナイフで切離する構造となっているが、Acrosurg.(アクロサージ)は先端形状がはさみ型となっているため、凝固止血と同時に切離が可能となっている。これは組織、脈管の処理に伴う時間の大幅な短縮に寄与するだけでなく、切離する前に必要な組織の凝固を術者の好みでコントロールできるといった利点がある。
胃癌や大腸癌手術でのリンパ節郭清時の血管周囲の剥離や、肝、膵、乳腺、甲状腺などの実質臓器の切離や止血凝固、腸間膜や大網の処理等、多様な手術での様々な局面で応用が期待できるのではないかと考えている。
●滋賀医科大学医学部附属病院
国立大学法人滋賀医科大学
外科学講座消化器外科 乳腺・一般外科教授 谷 眞至 先生
[画像9: http://prtimes.jp/i/17014/3/resize/d17014-3-475073-20.jpg ]
新世代のマイクロ波メスであるAcrosurg.(アクロサージ)はデジタル制御により、第1世代のマイクロ波手術機器と比較して、より安全により効率よく組織を凝固・止血することが可能となりました。
また、デバイスのハンドピースも、人間工学に基づき日本人の手にフィットする形状と重心がバランスよく設計されています。長時間の手術でも疲れを知ることなしに、精緻な手術操作が可能であり、日本の高度なモノづくり技術を再認識できます。
また、マイクロ波は、超音波凝固切開装置とは異なりさまざまな形状の機器に応用が可能であり、多くの手術に発展できる将来性を感じています。これまでは海外のエネルギーデバイスに頼っていた外科手術がまさに地産地消できる機器となり、日本の医療機器に関する貿易赤字の解消に貢献できることもAcrosurg.(アクロサージ)の魅力と考えます。
●日本赤十字社 長浜赤十字病院
第一外科部長 塩見 尚礼 先生
[画像10: http://prtimes.jp/i/17014/3/resize/d17014-3-974607-21.jpg ]
大学在職中はAcrosurg.(アクロサージ)の原型であるマイクロ波凝固切開装置、MWCXを用いた動物実験をお手伝いさせていただきました。
MWCXは従来の超音波凝固切開装置よりも早く組織の切開ができ、ベッセルシーリングシステムに劣らない組織シーリング能力、止血力を持っていることが基礎実験で示されました。
昨年Acrosurg.(アクロサージ)のプロトタイプを使わせていただく機会に恵まれましたが、ハサミとしての仕上がりの高さによる切開スピードの速さ、それでいてきちんと止血されていることに驚かされました。
これ1本で開腹手術が完結できるように設計されているため、手術時間、出血量、準備する手術器具数、人件費、結紮糸の削減などが可能となると考えます。
まさに患者によし、外科医によし、社会(病院)によし、の三方よしの手術器具と言えましょう。
●東近江総合医療センター
副院長 目片 英治 先生
[画像11: http://prtimes.jp/i/17014/3/resize/d17014-3-882370-22.jpg ]
医療器械・器具の技術は日進月歩、しかし今回の進歩は私たちが想像できる範囲を超えそうです。恐らく外科手術の方法が変わります。頼もしい手術器具が完成しました。
切離や止血をワンステップででき、術野が煙ることはありません。二人、三人の外科医の手が交錯し、慌ただしい術野は過去の話、これからはマイクロ波メスAcrosurg.(アクロサージ)を持つ術者が、いとも簡単に組織を止血し切離していきます。
血管を2本の鉗子で把持、ハサミで切離の後、絹糸で結紮していた時代、鑷子で血管をつまみ、電気メスで時間をかけ、しっかりと焼いて切離していた時代、超音波凝固装置で凝固しメスの刃で切離していた時代、Acrosurg.(アクロサージ)の登場で、もう昔の話になりそうです。
【 日機装株式会社 会社概要 】
会社名 日機装株式会社
本社所在地 〒150-6022 東京都渋谷区恵比寿4丁目20番3号
恵比寿ガーデンプレイスタワー22階
創業 1953年12月26日 ※登記上の創業日1950年3月7日
代表者 代表取締役社長 甲斐 敏彦
資本金 6,544,339,191円
従業員数 1,588名 (グループ会社連結 : 6,558名)
上場証券取引所 東京証券取引所 市場第一部
事業内容
インダストリアル事業本部
<ポンプ、システム事業>
特殊ポンプなど産業プロセス用流体機器の製造・販売
<精密機器事業>
火力・原子力発電所向け水質調整装置などの製造・販売
粉粒体物性測定装置の製造・販売
積層セラミック電子部品製造装置および生産システムの製造・販売
航空宇宙事業本部
航空機用部品など炭素繊維強化複合材による成形品の製造・販売
メディカル事業本部
血液透析装置、ダイアライザー、透析用血液回路セット、透析用剤、
人工膵臓(血糖管理装置)などの製造・販売、腹膜透析関連製品の販売
日本における人工腎臓装置のパイオニアとして、透析医療の発展と、患者さまのQOL向上に取り組んでいるのが「メディカル事業本部」です。治療に携わるスタッフの省力化をサポートする、先進のコンピュータ端末機能を備えた人工腎臓装置はもとより、装置の周辺機器までをシステム化し、電子カルテとの連携にも対応する透析通信システム、人工腎臓透析用剤および透析用剤溶解装置、多人数用透析液供給装置、これらはすべて医療スタッフの負担を軽減し、患者さまとのコミュニケーションの時間を増やしたいという医療現場の要望から生まれました。また、独自開発のPEPA膜を使用したダイアライザーや、扱いやすく標準化された透析用血液回路セットなど、ディスポーザブル製品の開発および安定した供給体制にも力を入れています。他にも、人工膵臓など、透析分野以外の研究開発も行っています。
人のいのちに携わる責任と、誇り。「万一」が許されない医療現場で使用される製品だからこそ、サービス・メンテナンス体制には万全を期しています。日機装グループの技術者育成はもちろんのこと、お客さまへのプレサービスと最新のトレーニング研修を提供しています。
透析を必要とするすべての方へ快適な治療環境を。透析トータルメーカーとして、血液透析、腹膜透析のさらなる展開を図り、透析療法の普及・発展に尽力し、お客さまに最上級の安心と信頼をお届けするために、これからもより一層の努力を続けていきたいと考えています。
http://www.nikkiso.co.jp/uploads/20160729104025.pdf
インダストリアル事業、航空宇宙事業、メディカル事業を展開する日機装株式会社 (本社:東京都渋谷区 代表取締役社長:甲斐 敏彦)は、このほどマイクロ波を活用した外科手術用エネルギーデバイス「アクロサージ」を製品化し、市場投入を開始いたします。マイクロ波を使って生体組織を焼灼する針型のデバイスは以前からありましたが、ハサミ型、鑷子型(ピンセット型)のデバイスは世界初となります。
この手術用エネルギーデバイス開発にあたっては、滋賀医科大学バイオメディカル・イノベーションセンター谷徹特任教授が開発した、日本発となる高効率のマイクロ波技術を応用し、製品化いたしました。
マイクロ波外科手術用エネルギーデバイス「アクロサージ」は、既存の外科手術用エネルギーデバイスに比べ、優れた止血能力があるだけでなく、1つのデバイスで生体組織の剥離・凝固・止血・脈管シーリングといった一連の手術操作が可能となります。手術時間の短縮をもたらし、患者様の負担軽減に貢献できると考えています。
マイクロ波は、電子レンジと同じ波長域の2.45ghz(ギガヘルツ)です。水分子に直接作用し、分子運動により熱エネルギーを得ます。マイクロ波を照射した生体の中側と外側の水分子が均一に運動し発熱しますので、外側を目視することで、中側の状態を判断でき、効率的に手術を進めることが可能となります。
当社のマイクロ波外科手術用エネルギーデバイス「アクロサージ」の市場投入の第一弾として、マイクロ波ジェネレーターと、ディスポ―ザブル・デバイス(ハサミ型、鑷子型、プローブ型)を製品化しました。
<製品特徴>
1.マイクロ波の波長域は、電子レンジと同じ2.45ghz(ギガヘルツ)
2.マイクロ波の照射対象に含まれる水分子に直接、均一に作用。凝固にムラが少なく、高い止血作用
3.アンテナとアースの間の限局された部分にのみ照射可能であり、近傍の熱損傷が非常に少ない
4.マイクロ波の作用中、煙やミストがほとんど出ないため、術野が見易い
5.形状がハサミ型(刃)であり、生体組織の剥離・凝固・止血・脈管シーリングといった幅広い手術範囲に対応
マイクロ波外科手術用エネルギーデバイス「アクロサージ」
●ハサミ型
・出力 60W
・シール可能脈 5mm系の血管
[画像1: http://prtimes.jp/i/17014/3/resize/d17014-3-127641-0.jpg ]
●鑷子型
・出力 80W
・シール可能脈 5mm系の血管
[画像2: http://prtimes.jp/i/17014/3/resize/d17014-3-522662-1.jpg ]
●ジェネレーター
[画像3: http://prtimes.jp/i/17014/3/resize/d17014-3-842100-2.jpg ]
【 手術の流れと選択デバイス 】
[画像4: http://prtimes.jp/i/17014/3/resize/d17014-3-616903-3.jpg ]
これまでの手術においては、上記表に記載の通り、1 皮膚切開 から 3 組織、癒着の剥離 までを電気メスが担い、4 臓器・組織の剥離・止血 、5 脈管切断・封止(シール)は超音波デバイスや高周波デバイスを使用する流れが通常でした。当社のマイクロ波外科手術用エネルギーデバイス「アクロサージ」の登場により、2 皮下組織の切離から 5 脈管切断・封止 までの手術範囲を「アクロサージ」で行えるようになります。
1つのデバイスで、生体組織の剥離・凝固・止血・脈管シーリングといった一連の手術操作ができるため、手術の時間短縮につながり、術者だけではなく、患者様の負担軽減も期待されます。
【 各エネルギーデバイス 機能比較 】
[画像5: http://prtimes.jp/i/17014/3/resize/d17014-3-618305-4.jpg ]
マイクロ波デバイスと、超音波デバイス、高周波デバイスの主要性能を比較してみると、上記表にある通り、マイクロ波デバイスは、熱損傷、切離スピード、止血効果、組織凝固時の視野等で高い能力が見られました。
なお、アクロサージの販売開始時には、ディスポ―ザブル・デバイスの種類が少ない課題がありますが、今後、鏡視下用のディスポ―ザブル・デバイスを順次投入しラインアップの拡充を図る予定です。
【 滋賀医科大学 谷 徹 特任教授 プロフィール 】
【研究者名】 谷 徹 (Tohru Tani)
【所属】 滋賀医科大学 名誉教授
滋賀医科大学 バイオメディカル・イノベーションセンター
革新的医療システム開発部門 特任教授
【略歴】
1976年 金沢大学医学部卒業、虎ノ門病院外科レジデント
1980年 滋賀医科大学 第一外科 医員
1985年 滋賀医科大学大学院医学研究科 医学博士(滋賀医科大学)
滋賀医科大学 第一外科 助手
1990年 Montreal McGill大学 人工臓器・細胞研究センター留学(6ヶ月)
1995年 滋賀医科大学 外科学第一講座 学内講師
1998年 文部省在外研究員(5ヶ月)
National Institute of Health、Dept. of Health & Human Services(USA)
およびミュンヘン大学外科(ト゛イツ)(ルイヒ゛ル大学、ミシカ゛ン大学、ウフ゜サラ大学 外科 客員教授)
1998年 滋賀医科大学 第一外科 助教授
2001年 滋賀医科大学 第一外科 教授
2002年 滋賀医科大学 外科学講座 主任教授
2008年 滋賀医科大学医学部附属病院 副院長(研修渉外担当)(2010年3月まで)
2010年 滋賀医科大学医学部 学長補佐(産学連携担当)(2014年3月まで)
2014年 滋賀医科大学 名誉教授
滋賀医科大学 バイオメディカル・イノベーションセンター
革新的医療システム開発部門 特任教授
現在に至る
【研究分野】
・大腸疾患の外科的治療の研究、開発(特に直腸癌の機能温存手術)
・ナビゲーション外科の構築(医療材料、MRデバイス、ロボティクス)
・侵襲に対する生体反応研究
・敗血症の診断、治療と重症化の機序
・マイクロ波手術デバイス開発
【研究開発に関する受賞実績】
1980年-1985年 内毒素を固定化した新材料による悪性腫瘍の治療に関する研究開発
1985年-2001年 敗血症治療法開発(トレミキシン開発)、機序解明
1997年 日本アフェレシス学会 研究奨励賞(井上昇賞)受賞
1998年 井上春成賞 施設受賞
日本化学会 化学技術賞受賞
2008年 日本医療機器学会 青木賞
2000年-現在 オープンMRを用いたプロジェクトの研究開発
2008年 第8回バイオビジネスコンペJAPAN バイオ先端知賞
2002年 滋賀県産業振興実験プラン優秀賞受賞
2005年-現在 医療廃棄物の安全な処理法、処理機の研究開発
2006年 日本人工臓器学会 オリジナル賞受賞
2003年-現在 マイクロ波応用手術支援機器開発
2012年 日本コンピュータ外科学会 優秀賞
【 臨床を開始する6医療機関 】 ※50音順
●医療法人社団 仁生会 甲南病院
院長 渡田 正二 先生(心臓血管外科 循環器科)
[画像6: http://prtimes.jp/i/17014/3/resize/d17014-3-643619-17.jpg ]
超音波凝固切開装置の普及により止血の安全性、手時間短縮など外科系手術において大いなる効果をもたらし、特に鏡下手術においては必須の装置となっています。
超音波凝固切開装置は凝固において面での凝固切開であり、アクティブブレードによって組織への意図しない損傷を引きおこす可能性があり、電気メス装置との使い分けを余儀なくさせられる場合が多くありました。
アクロサージは剪刃と同じ鋭利な剥離切開、確実な血管などの組織凝固を得られ、超音波凝固切開装置と電気メスの使い分けが不要となることが期待されます。特に鏡下手術において強力な装置となることが期待されます。
●医療法人社団昴会 日野記念病院
外科 束田 宏明 先生
[画像7: http://prtimes.jp/i/17014/3/resize/d17014-3-900023-18.jpg ]
家庭の電子レンジでも使用されているマイクロ波を用いた治療装置は以前からあった。しかし、この製品が特徴的なのは、その強力なマイクロ波の組織凝固能と指向性を限られた範囲内で制御することに成功したことである。
外科手術では止血、剥離、切断が基本的な手技であり、従来それぞれ別の器具を持ち替えそれを行ってきた。だが、このデバイスを使えば、想定部位のみをシーリングし、同時に切離を行うことができる。
電気メスが登場してから約100年経つが、外科医が今まで見たことの無い仕組みを用いた、画期的なデバイスであり、マイクロ波の持つパワーやスピードに期待が持てる。これを使いこなすことができれば新たな手術法の確立へのブレークスルーとなるかもしれない。
●国民健康保険 小松市民病院
院長 村上 眞也先生 (外科)
[画像8: http://prtimes.jp/i/17014/3/resize/d17014-3-552318-19.jpg ]
マイクロ波メスAcrosurg.(アクロサージ)は、1本で組織、5mmまでの脈管の切離、凝固、止血が可能なため、手術器械の持ち替えにともなう術者、助手、看護師のストレス軽減、手術時間の短縮に非常に有用である。
既存のエネルギーデバイスは、ブレードとパッドの間に組織を挟み込みながら切離したり、組織を圧着後、ジョーに内蔵された専用ナイフで切離する構造となっているが、Acrosurg.(アクロサージ)は先端形状がはさみ型となっているため、凝固止血と同時に切離が可能となっている。これは組織、脈管の処理に伴う時間の大幅な短縮に寄与するだけでなく、切離する前に必要な組織の凝固を術者の好みでコントロールできるといった利点がある。
胃癌や大腸癌手術でのリンパ節郭清時の血管周囲の剥離や、肝、膵、乳腺、甲状腺などの実質臓器の切離や止血凝固、腸間膜や大網の処理等、多様な手術での様々な局面で応用が期待できるのではないかと考えている。
●滋賀医科大学医学部附属病院
国立大学法人滋賀医科大学
外科学講座消化器外科 乳腺・一般外科教授 谷 眞至 先生
[画像9: http://prtimes.jp/i/17014/3/resize/d17014-3-475073-20.jpg ]
新世代のマイクロ波メスであるAcrosurg.(アクロサージ)はデジタル制御により、第1世代のマイクロ波手術機器と比較して、より安全により効率よく組織を凝固・止血することが可能となりました。
また、デバイスのハンドピースも、人間工学に基づき日本人の手にフィットする形状と重心がバランスよく設計されています。長時間の手術でも疲れを知ることなしに、精緻な手術操作が可能であり、日本の高度なモノづくり技術を再認識できます。
また、マイクロ波は、超音波凝固切開装置とは異なりさまざまな形状の機器に応用が可能であり、多くの手術に発展できる将来性を感じています。これまでは海外のエネルギーデバイスに頼っていた外科手術がまさに地産地消できる機器となり、日本の医療機器に関する貿易赤字の解消に貢献できることもAcrosurg.(アクロサージ)の魅力と考えます。
●日本赤十字社 長浜赤十字病院
第一外科部長 塩見 尚礼 先生
[画像10: http://prtimes.jp/i/17014/3/resize/d17014-3-974607-21.jpg ]
大学在職中はAcrosurg.(アクロサージ)の原型であるマイクロ波凝固切開装置、MWCXを用いた動物実験をお手伝いさせていただきました。
MWCXは従来の超音波凝固切開装置よりも早く組織の切開ができ、ベッセルシーリングシステムに劣らない組織シーリング能力、止血力を持っていることが基礎実験で示されました。
昨年Acrosurg.(アクロサージ)のプロトタイプを使わせていただく機会に恵まれましたが、ハサミとしての仕上がりの高さによる切開スピードの速さ、それでいてきちんと止血されていることに驚かされました。
これ1本で開腹手術が完結できるように設計されているため、手術時間、出血量、準備する手術器具数、人件費、結紮糸の削減などが可能となると考えます。
まさに患者によし、外科医によし、社会(病院)によし、の三方よしの手術器具と言えましょう。
●東近江総合医療センター
副院長 目片 英治 先生
[画像11: http://prtimes.jp/i/17014/3/resize/d17014-3-882370-22.jpg ]
医療器械・器具の技術は日進月歩、しかし今回の進歩は私たちが想像できる範囲を超えそうです。恐らく外科手術の方法が変わります。頼もしい手術器具が完成しました。
切離や止血をワンステップででき、術野が煙ることはありません。二人、三人の外科医の手が交錯し、慌ただしい術野は過去の話、これからはマイクロ波メスAcrosurg.(アクロサージ)を持つ術者が、いとも簡単に組織を止血し切離していきます。
血管を2本の鉗子で把持、ハサミで切離の後、絹糸で結紮していた時代、鑷子で血管をつまみ、電気メスで時間をかけ、しっかりと焼いて切離していた時代、超音波凝固装置で凝固しメスの刃で切離していた時代、Acrosurg.(アクロサージ)の登場で、もう昔の話になりそうです。
【 日機装株式会社 会社概要 】
会社名 日機装株式会社
本社所在地 〒150-6022 東京都渋谷区恵比寿4丁目20番3号
恵比寿ガーデンプレイスタワー22階
創業 1953年12月26日 ※登記上の創業日1950年3月7日
代表者 代表取締役社長 甲斐 敏彦
資本金 6,544,339,191円
従業員数 1,588名 (グループ会社連結 : 6,558名)
上場証券取引所 東京証券取引所 市場第一部
事業内容
インダストリアル事業本部
<ポンプ、システム事業>
特殊ポンプなど産業プロセス用流体機器の製造・販売
<精密機器事業>
火力・原子力発電所向け水質調整装置などの製造・販売
粉粒体物性測定装置の製造・販売
積層セラミック電子部品製造装置および生産システムの製造・販売
航空宇宙事業本部
航空機用部品など炭素繊維強化複合材による成形品の製造・販売
メディカル事業本部
血液透析装置、ダイアライザー、透析用血液回路セット、透析用剤、
人工膵臓(血糖管理装置)などの製造・販売、腹膜透析関連製品の販売
日本における人工腎臓装置のパイオニアとして、透析医療の発展と、患者さまのQOL向上に取り組んでいるのが「メディカル事業本部」です。治療に携わるスタッフの省力化をサポートする、先進のコンピュータ端末機能を備えた人工腎臓装置はもとより、装置の周辺機器までをシステム化し、電子カルテとの連携にも対応する透析通信システム、人工腎臓透析用剤および透析用剤溶解装置、多人数用透析液供給装置、これらはすべて医療スタッフの負担を軽減し、患者さまとのコミュニケーションの時間を増やしたいという医療現場の要望から生まれました。また、独自開発のPEPA膜を使用したダイアライザーや、扱いやすく標準化された透析用血液回路セットなど、ディスポーザブル製品の開発および安定した供給体制にも力を入れています。他にも、人工膵臓など、透析分野以外の研究開発も行っています。
人のいのちに携わる責任と、誇り。「万一」が許されない医療現場で使用される製品だからこそ、サービス・メンテナンス体制には万全を期しています。日機装グループの技術者育成はもちろんのこと、お客さまへのプレサービスと最新のトレーニング研修を提供しています。
透析を必要とするすべての方へ快適な治療環境を。透析トータルメーカーとして、血液透析、腹膜透析のさらなる展開を図り、透析療法の普及・発展に尽力し、お客さまに最上級の安心と信頼をお届けするために、これからもより一層の努力を続けていきたいと考えています。
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