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Datachain、ブロックチェーンのインターオペラビリティを実現するフレームワークを活用した取引に関する特許を出願

株式会社Datachain(本社:東京都港区、代表取締役:久田哲史)は、2020年10月6日、特定の中央集権型システムに依存せずに、異なるブロックチェーンに分散したデータの参照や機能の実行を行うCross-chain smart contractの開発を可能にするフレームワーク「Cross Framework」を開発し、取引システムへの適用に関する特許を出願いたしました。

Datachainでは、今後もCross Frameworkを中心とした研究開発を進めると共に、同技術をOSSとして技術公開させて頂くことで、ブロックチェーンの社会実装の前進に貢献できるよう努めてまいります。




[画像1: https://prtimes.jp/i/55051/3/resize/d55051-3-218529-3.png ]


従来のHTLC方式や一般的な2way-peg方式では、取引参加者が一定期限内に応答できない場合や、決済チェーンが証券チェーンのルール(例えば、譲渡人数が上限に達していないか、移転先のユーザーはKYC済かなど)への適合をチェックできない場合に、取決済相当額の資金は渡したにも関わらず、証券を受け取れないリスクが存在します。

Cross Frameworkを用いることで、異なるブロックチェーン間のスマートコントラクトの実行をアトミックに実現でき、DvP取引において取引参加者の「取りはぐれ」リスクを回避することができます。

また、Cross Frameworkでは、片方のチェーンから他のブロックチェーン上のスマートコントラクトを安全に実行することができるため、他のブロックチェーンにある任意データ(ホワイトリストなど)の情報を元にした処理を行うことが可能になります。

現在、Hyperledger Fabric(R) / Tendermint(R)において利用可能であり、大手SIer様とDvP決済への活用を想定した実証実験を予定しています。また、Corda(R) / Quorum(R)等のブロックチェーンに関しても鋭意開発中です。


■背景
ブロックチェーンは、一般的に異なるブロックチェーンとの相互接続の能力が乏しく、複数のブロックチェーンに分散した情報の参照や機能を実行するための仕組みが求められています。しかし、従来の方法では複数のブロックチェーンを相互に接続する特定の中央集権型システムの介在や、開発者による安全なブロックチェーン間の通信プロトコルの開発等を都度行う必要がありますが、これらはブロックチェーンが持つ透明性や堅牢性を失う恐れや開発難易度が高い等の課題が指摘されていました。

さらに、企業が提供するサービス内容や対象となるレギュレーション、国などの違いからブロックチェーンに求められる要件も異なるため、今後、より多様なブロックチェーンネットワークが形成され、様々なユースケースにおいてCross-chain smart contractの開発が求められるようになってくると考えられます。

特に、昨今議論が活性化しているCBDC* などに代表されるデジタル通貨を用いた決済において、その重要性は益々増してくると考えられます。

そこで、Datachainは特定の中央集権型システムの介在に依存せず、アプリケーション開発者が容易にCross-chain smart contractを開発可能なフレームワーク「Cross Framework」を開発し、取引に関わるスマートコントラクトをアトミックに実行するユースケースに関する特許出願に至りました。

尚、Cross FrameworkはOSSとして公開しています。
https://github.com/datachainlab/cross

*CBDC:中央銀行発行デジタル通貨(CBDC:Central Bank Digital Currency)


■「Cross Framework」の3つの特徴


複数のブロックチェーン間で相互に状態を検証可能


異なるブロックチェーン間で状態を検証した上でデータ共有をブロックチェーン同士で行うためのプロトコル(Cosmos ICS)をサポートしているため、特定の中央集権型システムに依存することなく、相互接続が可能になります。


Cross-chain smart contract開発が容易に

クロスチェーン上の価値の移転のような複雑なプロトコルを含むスマートコントラクト(Cross-chain smart contract)が開発可能になることで、1つのブロックチェーンから異なるブロックチェーン上のスマートコントラクトを実行することができます。
Fungible Tokenに限定せず、様々なAsset Tokenやその他様々なデータに関するスマートコントラクトの実行を複数のブロックチェーン間でアトミック性を担保し安全に処理することが可能です。


様々なブロックチェーン/DLT基盤へ拡張可能

Cosmos ICSに準拠しており、Hyperledger Fabric(R) / Corda(R) / Quorum(R)/ Tendermint(R)等のブロックチェーン/DLTに幅広く対応可能であり、今後もユースケースやニーズに合わせて拡張可能です。*一部開発中




[画像2: https://prtimes.jp/i/55051/3/resize/d55051-3-866374-0.png ]

これらの特徴により、セキュリティトークンや船荷証券などのデジタルアセットとCBDCのような暗号通貨とのDvP決済や、死亡情報の閲覧に基づく保険給付金請求および支払いの自動執行など、一つのサービスに必要なブロックチェーンネットワークが複数に分かれることが想定されるユースケースにおいても、Cross-chain smart contractを容易に実装可能になります。

また、プライバシーの保護のために、データの公開範囲毎に台帳を分散した場合でも、取引実行に必要な一部のデータのみ接続先ブロックチェーンに連携して処理を行うことができます。
[画像3: https://prtimes.jp/i/55051/3/resize/d55051-3-236782-1.png ]

Cross Frameworkの詳細に関しては、以下の2つの記事をご覧ください。

ブロックチェーンの相互運用を可能にするCross Framework
https://medium.com/@datachain/cross-framework-introduction-f25d7bbfcd9a

Cross Frameworkの紹介
https://medium.com/@datachain/cross-framework-concepts-3a9d0a7fd86c


■今後
Datachainはアプリケーション開発者が複数のブロックチェーンを組み合わせたサービスを、ブロックチェーンの特性を失わずに簡単に構築できるようにするため、Cross Frameworkを中心とした研究開発を進めてまいります。また、Cross FrameworkをOSSとして技術公開することで、相互接続 / Cross-chain smart contractの開発に関する課題を解決し、ブロックチェーン全体の社会実装の前進に貢献できるよう努めてまいります。

最後に、Datachainではブロックチェーンによりデータが流通・活用される世界を一緒に目指す仲間も積極募集中です。是非Wantedlyのページも合わせてご覧ください。
https://www.wantedly.com/companies/datachain/


■ 株式会社Datachainについて
社名  :株式会社Datachain
事業概要:ブロックチェーン技術に関連する企画・開発
設立   :2018年3月
所在地 :東京都港区六本木四丁目1番4号
代表者 :代表取締役 久田 哲史
URL   :https://datachain.jp/
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