【イベントレポート】「ユニオーブ(R)」をはじめ、最先端の製剤技術の開発基地「イノベーションセンター」発表会開催
[22/11/26]
提供元:PRTIMES
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注射薬の経口摂取による在宅医療の推進など“製剤の限界を超えた”新技術「ユニオーブ(R)」の今後の展望を発表!
カプセル受託製造のリーディングカンパニー 三生医薬株式会社(本社:静岡県富士市、代表取締役社長:今村 朗)は、製剤加工技術開発と研究開発、製剤技術を生かした新規用途開発で新たな価値を創造し、世界に向けたイノベーションを数多く発信する開発基地である「イノベーションセンター」の開設に伴い、 2022年11月24日(木) に「イノベーションセンター発表会」を開催いたしました。
[画像1: https://prtimes.jp/i/77164/3/resize/d77164-3-21932daa12e40fa91545-0.png ]
当社では、“製剤の限界を超えた”新技術「ユニオーブ(R)」の開発を行っております。既存の製剤には配合の得手・不得手や弱点があり、配合できる成分や機能、用途に制限がありました。 ユニオーブ(R)は、処方の多様性を確保し、製剤も顆粒サイズまで小型化することで、どのような成分でも配合でき、さまざまな用途に活用できる可能性を秘めたユニバーサルな製剤です。現在は「注射や点滴でしか投与できない薬の経口摂取」や「核医学検査における個別化医療・個別化予防」を可能にすることが期待されています。2022年11月に静岡県富士宮市南陵工場敷地内に開設したイノベーションセンターは、 ユニオーブ(R)をはじめとし、当社が手掛けるイノベーションを世界に向けて発信する開発基地です。
本発表会は、2部構成で行われ、第1部はイノベーションセンターにて、当社の常務取締役上席執行役員イノベーションセンター長の又平より、「イノベーションセンター」と「ユニオーブ(R)」に関する紹介と見学会を行いました。第2部では「ホテルグランド富士」にて、静岡県立大学の尾上教授による「ユニオーブ(R)への期待 医薬品の開発可能性を高めるゲームチェンジャー」の基調講演の後、イノベーションセンター ユニオーブ製品開発部長の平澤や、東和薬品で基盤技術本部長を務める奥田氏も含めて「ユニオーブ(R) 技術ができること〜注射がなくなる日〜」に関するトークセッションを行いました。
[画像2: https://prtimes.jp/i/77164/3/resize/d77164-3-0b087bc411e4c31ddd41-1.png ]
■主催者挨拶 三生医薬株式会社 代表取締役社長 今村 朗
[画像3: https://prtimes.jp/i/77164/3/resize/d77164-3-3e68034b5a115eba9f5e-17.jpg ]
本日はイノベーションセンター発表会にお越しいただきまして、誠にありがとうございます。イノベーションセンターは、イノベーションを創り出す「共創」の場として、2022年11月に開設いたしました。当施設は、クリエイティブなディスカッションを促すオープンなオフィス&ラボエリアや、当社が開発を手掛けるユニオーブ(R)の製造エリアを備えています。当社は、イノベーションセンターを拠点に、ユニオーブ(R)をはじめとする最先端のイノベーションを世界へと発信する中で、静岡発のグローバル企業となることを目指しています。
■イノベーションセンターとユニオーブ(R)の紹介
三生医薬 常務取締役上席執行役員イノベーションセンター長 又平 芳春
第1部では、当社イノベーションセンター長の又平より、イノベーションセンターとユニオーブ(R)についての紹介と、見学会を行いました。
[画像4: https://prtimes.jp/i/77164/3/resize/d77164-3-72f5783ff0a72739d40d-2.png ]
次世代技術の新研究開発拠点 イノベーションセンターについて
[画像5: https://prtimes.jp/i/77164/3/resize/d77164-3-ea0cf0f1271d14d9ddcc-6.jpg ]
イノベーションセンターは、独自の技術「テクノロジー」や、科学的なエビデンス「サイエンス」、社会課題を解決したいという情熱「パッション」、そして社内外のパートナーとの共創「コクリエイション」によって生み出されたサービスや製品を通じて、健康寿命の延伸といった社会課題や、企業のニーズに応えていくというビジョンのもと、2022年11月に開設いたしました。
東京大井町にあるADC(アプリケーションディベロップメントセンター)と連携をし、お客様の要望にいち早くお応えできる試作を行える環境となっています。
製剤を超えた新技術「ユニオーブ(R)」について
[画像6: https://prtimes.jp/i/77164/3/resize/d77164-3-1543c9be08a2a4622d9e-18.jpg ]
「ソフトカプセルは粉末の配合率に制限がある」「錠剤は衝撃を受けると割れてしまう」等、 既存の製剤には配合の得手・不得手や弱点があり、配合できる成分や機能、用途に限界があります。三生医薬のユニオーブ(R)は、原薬の弱点をカバーした処方の多様性により、どんな成分でも配合することが可能です。たとえばカプセルをコーティングせず腸で溶けるようにしたり(薬を届けたい箇所に届けられる)、原薬のマスキングや安定化によりライフサイクルに合わせた剤形変更が容易になりました。既に、ヒトで薬物動態を確認済みで、ジェネリック、剤型追加、新薬初期探索などの各分野で評価中です。三生医薬は、既存製剤の処方であきらめていた処方をユニオーブ(R)の技術で叶えます。
〈ユニオーブ(R)の提供価値〉
原薬の弱点をカバー
・体内吸収性の向上
・安定性
・苦みのマスキング
・ターゲティング(腸溶性、大腸送達)
扱いやすさ
・高薬理活性物質等の飛散防止
・打錠しやすい
・小スケールから製造可能
・含有量均一性の確保
・先行特許の回避、独自特許による保護
■基調講演 「ユニオーブ(R)への期待 医薬品の開発可能性を高めるゲームチェンジャー」
静岡県立大学 尾上 誠良教授
静岡県立大学 薬学部 薬剤学分野の尾上教授が登壇し、基調講演を行いました。基調講演の中では、ユニオーブ(R)を薬物に適用した事例について、発表しました。
「製剤化」なくして「製品化」なし
[画像7: https://prtimes.jp/i/77164/3/resize/d77164-3-975cf4b6a39ed848852a-7.jpg ]
製剤化なくして、製品化はあり得ません。製品化にあたっては、「携帯性」「服用性」、さらには「効果を最大限にしながら、副作用を最小化すること」等、多様な製剤設計が求められます。現在は、薬物の特性に合わせて、それぞれ適した製剤設計が行われていますが、多くは経口製剤として開発されています。
経口製剤のメリット・デメリット
経口製剤が多くの場面で採用されている理由は、携帯性・服用性に優れていることや、一時的に血液中の薬物濃度が高くなり、副作用のリスクがある注射と比較して、安全性が高いことがあげられます。一方、薬物を口から飲み込んで、胃、小腸、肝臓を通り、最終的には血液に乗って全身に運ばれるという長いプロセスの中で、個体間や個体内変動が起こりやすいといった課題も抱えています。
ユニオーブ(R)を適用した薬物の事例
1.吸収性が低い薬物に対して
開発されている薬の半数以上が、水に溶けにくいと言われています。その一例として、臓器移植後の拒絶反応抑制や、アトピー性皮膚炎、乾癬に効果のある「シクロスポリンA」は、水に溶けにくく、体内で吸収されにくい点や、吸収のバラツキが大きい点、さらには長期使用で腎毒性や、肝毒性などの副作用が起こるという点で、課題がありました。
そこで、「シクロスポリンA」にユニオーブ(R)の技術を活用したところ、速やかに水に溶け、さらには水に溶けている状態を長時間維持することに成功しました。また、一般に、薬物の血中濃度が一時的に上昇することで、副作用を引き起こすと言われていますが、ユニオーブ(R)の場合、吸収した薬物が長時間安定して血液中に留まり、減少が緩やかであるため、副作用のリスクも下げることができるのではないかと期待されています。
2.胃酸で壊れやすい薬物に対して
一番薬物が吸収されるべき場所は小腸ですが、小腸に届く前に胃酸で分解されてしまうケースが多く存在します。中でも、気管支喘息やアレルギー性鼻炎に効果のある「モンテルカスト」は安定性が低く、光照射下や酸性条件下で分解されてしまい、保存が難しいという課題がありました。
ユニオーブ(R)の技術を活用することで「モンテルカスト」が胃で分解されず、腸で吸収される腸溶性製剤にすることができます。
3.大腸到達が必須な薬物に対して
アレルギー性鼻炎や、海外では潰瘍性大腸炎に効果のある「ベクロメタゾンジプロピオン酸エステル」は、小腸で吸収され、大腸まで届かないことや、肝臓で代謝され不活性体に変わってしまい、十分な薬効を得るためには多量の投与が必要という課題がありました。
「ベクロメタゾンジプロピオン酸エステル」に、ユニオーブ(R)の技術を活用することで、大腸送達を可能にし、少ない投与量で大腸まで薬物を届けることに成功しました。
■パネルディスカッション「ユニオーブ(R)技術ができること〜注射がなくなる日〜」
静岡県立大学薬学部薬学科(薬剤学分野) 尾上 誠良 教授
三生医薬 ユニオーブ製品開発部長 平澤 亙
東和薬品 執行役員 基盤技術本部長 兼 創剤研究部長 奥田 豊 氏
基調講演の後、当社社長 今村が進行役を務め、静岡県立大学薬学部 尾上教授、ユニオーブ製品開発部長でありユニオーブ (R) 開発者の平澤、東和薬品で基盤技術本部長を務める奥田氏も含めて「ユニオーブ (R) 技術ができること〜注射がなくなる日〜」をテーマとしたパネルディスカッションを行いました。ディスカッションの中では、ユニオーブが有望な経口製剤化手法であることが述べられ、将来的に注射のない世の中になる可能性も示唆しました。
[画像8: https://prtimes.jp/i/77164/3/resize/d77164-3-64e3a830450371d07193-8.jpg ]
[画像9: https://prtimes.jp/i/77164/3/resize/d77164-3-501b5f8e7cdcac51b66f-19.png ]
冒頭で、尾上教授はユニオーブ(R)の技術の具体的な事業化にあたり、「ユニオーブ(R)の技術は、お客様のニーズとマッチしたものでなければならないので、お客様と密なディスカッションのもと、双方にとってメリットのあるものに適用していくことが求められています。」と語りました。さらに「ユニオーブ(R)は、様々な薬剤の経口投与を可能にすることで、欧米で進むセルフメディケーションを推進するのではないかと期待しています。」と述べました。
また、東和薬品の奥田氏は、「製剤はアートだと思っており、東和薬品が創業70周年を迎える中で、技術の融合で新たな扉をひらく今までにない価値を生み出していこうと考えています。その中で、まさにユニオーブ(R)は親和性のある技術だと確信しています。注射剤がなくなるなど、夢のある新たな価値を生み出していくということを取り組んでいきたいです。」と今後の展望について明らかにしました。
さらに、ユニオーブ(R)の開発者である当社平澤は、開発の背景に関して「ユニオーブ(R) は、カプセルに既存の技術で配合することができなかった薬物を配合したい、という思いのもと開発をしました。」と語った上で、「開発を始めた当初は、特定のニーズを満たすことができれば良いと思っていましたが、様々なメーカーに技術を紹介する中で、より多くの活用方法の可能性が見えました。」と語りました。
パネルディスカッションの最後には、登壇者それぞれから今回のトークテーマである「世の中から注射がなくなること」に関してコメントをいただきました。
尾上教授:
注射は患者に、肉体的・精神的に苦痛を与えるだけでなく、医療行為であるため通院をしなければいけないことが課題です。多くの方が、在宅治療を求めている中で、注射剤の経口投与製剤を可能にするユニオーブ(R) は、在宅治療を推進することも期待しています。
奥田氏:
在宅医療が進む中で、現状の抱える課題やソリューションを患者が自ら発見することは難しい。企業として、患者の視点に立って、顕在化していないニーズ対しても、さまざまな製剤や手法を患者のみなさまに提案していきたいです。また、医薬品だけでなく、健康という広い分野で活用していただけるようにしたいです。
当社 平澤:
開発の中で医者、薬剤師等様々な立場の方に聞く中で、副作用をなくしたいなど、固有のニーズを抱えていることが分かりました。ユニオーブ(R)は幅広く活用できる製剤プラットフォームなので、コンセプトだけでなくいち早くみなさまにお届けしていきたい。また、そこからヒントを得て、さらなる開発を進めていきたいです。
今村社長:
ユニオーブ(R)の技術がゲームチェンジャーになれる可能性にワクワクしています。
静岡発の企業として人類の健康に貢献して参りたいと考えています。
■イノベーションセンターについて
所在地 :静岡県富士宮市南陵12
延床面積:2,441平方メートル
構造 :地上2階建て
竣工 :2022年11月
[画像10: https://prtimes.jp/i/77164/3/resize/d77164-3-fcc88e994fc33edadeee-15.jpg ]
■会社概要
社 名 : 三生医薬株式会社
所在地 : 〒419-0201 静岡県富士市厚原1468
代 表 : 代表取締役社長 今村 朗
設 立 : 1993年11月
資本金 : 86,889,000円
事業内容 : 健康食品、医薬品、一般食品、雑貨等の企画・開発・受託製造
URL : http://www.sunsho.co.jp/
カプセル受託製造のリーディングカンパニー 三生医薬株式会社(本社:静岡県富士市、代表取締役社長:今村 朗)は、製剤加工技術開発と研究開発、製剤技術を生かした新規用途開発で新たな価値を創造し、世界に向けたイノベーションを数多く発信する開発基地である「イノベーションセンター」の開設に伴い、 2022年11月24日(木) に「イノベーションセンター発表会」を開催いたしました。
[画像1: https://prtimes.jp/i/77164/3/resize/d77164-3-21932daa12e40fa91545-0.png ]
当社では、“製剤の限界を超えた”新技術「ユニオーブ(R)」の開発を行っております。既存の製剤には配合の得手・不得手や弱点があり、配合できる成分や機能、用途に制限がありました。 ユニオーブ(R)は、処方の多様性を確保し、製剤も顆粒サイズまで小型化することで、どのような成分でも配合でき、さまざまな用途に活用できる可能性を秘めたユニバーサルな製剤です。現在は「注射や点滴でしか投与できない薬の経口摂取」や「核医学検査における個別化医療・個別化予防」を可能にすることが期待されています。2022年11月に静岡県富士宮市南陵工場敷地内に開設したイノベーションセンターは、 ユニオーブ(R)をはじめとし、当社が手掛けるイノベーションを世界に向けて発信する開発基地です。
本発表会は、2部構成で行われ、第1部はイノベーションセンターにて、当社の常務取締役上席執行役員イノベーションセンター長の又平より、「イノベーションセンター」と「ユニオーブ(R)」に関する紹介と見学会を行いました。第2部では「ホテルグランド富士」にて、静岡県立大学の尾上教授による「ユニオーブ(R)への期待 医薬品の開発可能性を高めるゲームチェンジャー」の基調講演の後、イノベーションセンター ユニオーブ製品開発部長の平澤や、東和薬品で基盤技術本部長を務める奥田氏も含めて「ユニオーブ(R) 技術ができること〜注射がなくなる日〜」に関するトークセッションを行いました。
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■主催者挨拶 三生医薬株式会社 代表取締役社長 今村 朗
[画像3: https://prtimes.jp/i/77164/3/resize/d77164-3-3e68034b5a115eba9f5e-17.jpg ]
本日はイノベーションセンター発表会にお越しいただきまして、誠にありがとうございます。イノベーションセンターは、イノベーションを創り出す「共創」の場として、2022年11月に開設いたしました。当施設は、クリエイティブなディスカッションを促すオープンなオフィス&ラボエリアや、当社が開発を手掛けるユニオーブ(R)の製造エリアを備えています。当社は、イノベーションセンターを拠点に、ユニオーブ(R)をはじめとする最先端のイノベーションを世界へと発信する中で、静岡発のグローバル企業となることを目指しています。
■イノベーションセンターとユニオーブ(R)の紹介
三生医薬 常務取締役上席執行役員イノベーションセンター長 又平 芳春
第1部では、当社イノベーションセンター長の又平より、イノベーションセンターとユニオーブ(R)についての紹介と、見学会を行いました。
[画像4: https://prtimes.jp/i/77164/3/resize/d77164-3-72f5783ff0a72739d40d-2.png ]
次世代技術の新研究開発拠点 イノベーションセンターについて
[画像5: https://prtimes.jp/i/77164/3/resize/d77164-3-ea0cf0f1271d14d9ddcc-6.jpg ]
イノベーションセンターは、独自の技術「テクノロジー」や、科学的なエビデンス「サイエンス」、社会課題を解決したいという情熱「パッション」、そして社内外のパートナーとの共創「コクリエイション」によって生み出されたサービスや製品を通じて、健康寿命の延伸といった社会課題や、企業のニーズに応えていくというビジョンのもと、2022年11月に開設いたしました。
東京大井町にあるADC(アプリケーションディベロップメントセンター)と連携をし、お客様の要望にいち早くお応えできる試作を行える環境となっています。
製剤を超えた新技術「ユニオーブ(R)」について
[画像6: https://prtimes.jp/i/77164/3/resize/d77164-3-1543c9be08a2a4622d9e-18.jpg ]
「ソフトカプセルは粉末の配合率に制限がある」「錠剤は衝撃を受けると割れてしまう」等、 既存の製剤には配合の得手・不得手や弱点があり、配合できる成分や機能、用途に限界があります。三生医薬のユニオーブ(R)は、原薬の弱点をカバーした処方の多様性により、どんな成分でも配合することが可能です。たとえばカプセルをコーティングせず腸で溶けるようにしたり(薬を届けたい箇所に届けられる)、原薬のマスキングや安定化によりライフサイクルに合わせた剤形変更が容易になりました。既に、ヒトで薬物動態を確認済みで、ジェネリック、剤型追加、新薬初期探索などの各分野で評価中です。三生医薬は、既存製剤の処方であきらめていた処方をユニオーブ(R)の技術で叶えます。
〈ユニオーブ(R)の提供価値〉
原薬の弱点をカバー
・体内吸収性の向上
・安定性
・苦みのマスキング
・ターゲティング(腸溶性、大腸送達)
扱いやすさ
・高薬理活性物質等の飛散防止
・打錠しやすい
・小スケールから製造可能
・含有量均一性の確保
・先行特許の回避、独自特許による保護
■基調講演 「ユニオーブ(R)への期待 医薬品の開発可能性を高めるゲームチェンジャー」
静岡県立大学 尾上 誠良教授
静岡県立大学 薬学部 薬剤学分野の尾上教授が登壇し、基調講演を行いました。基調講演の中では、ユニオーブ(R)を薬物に適用した事例について、発表しました。
「製剤化」なくして「製品化」なし
[画像7: https://prtimes.jp/i/77164/3/resize/d77164-3-975cf4b6a39ed848852a-7.jpg ]
製剤化なくして、製品化はあり得ません。製品化にあたっては、「携帯性」「服用性」、さらには「効果を最大限にしながら、副作用を最小化すること」等、多様な製剤設計が求められます。現在は、薬物の特性に合わせて、それぞれ適した製剤設計が行われていますが、多くは経口製剤として開発されています。
経口製剤のメリット・デメリット
経口製剤が多くの場面で採用されている理由は、携帯性・服用性に優れていることや、一時的に血液中の薬物濃度が高くなり、副作用のリスクがある注射と比較して、安全性が高いことがあげられます。一方、薬物を口から飲み込んで、胃、小腸、肝臓を通り、最終的には血液に乗って全身に運ばれるという長いプロセスの中で、個体間や個体内変動が起こりやすいといった課題も抱えています。
ユニオーブ(R)を適用した薬物の事例
1.吸収性が低い薬物に対して
開発されている薬の半数以上が、水に溶けにくいと言われています。その一例として、臓器移植後の拒絶反応抑制や、アトピー性皮膚炎、乾癬に効果のある「シクロスポリンA」は、水に溶けにくく、体内で吸収されにくい点や、吸収のバラツキが大きい点、さらには長期使用で腎毒性や、肝毒性などの副作用が起こるという点で、課題がありました。
そこで、「シクロスポリンA」にユニオーブ(R)の技術を活用したところ、速やかに水に溶け、さらには水に溶けている状態を長時間維持することに成功しました。また、一般に、薬物の血中濃度が一時的に上昇することで、副作用を引き起こすと言われていますが、ユニオーブ(R)の場合、吸収した薬物が長時間安定して血液中に留まり、減少が緩やかであるため、副作用のリスクも下げることができるのではないかと期待されています。
2.胃酸で壊れやすい薬物に対して
一番薬物が吸収されるべき場所は小腸ですが、小腸に届く前に胃酸で分解されてしまうケースが多く存在します。中でも、気管支喘息やアレルギー性鼻炎に効果のある「モンテルカスト」は安定性が低く、光照射下や酸性条件下で分解されてしまい、保存が難しいという課題がありました。
ユニオーブ(R)の技術を活用することで「モンテルカスト」が胃で分解されず、腸で吸収される腸溶性製剤にすることができます。
3.大腸到達が必須な薬物に対して
アレルギー性鼻炎や、海外では潰瘍性大腸炎に効果のある「ベクロメタゾンジプロピオン酸エステル」は、小腸で吸収され、大腸まで届かないことや、肝臓で代謝され不活性体に変わってしまい、十分な薬効を得るためには多量の投与が必要という課題がありました。
「ベクロメタゾンジプロピオン酸エステル」に、ユニオーブ(R)の技術を活用することで、大腸送達を可能にし、少ない投与量で大腸まで薬物を届けることに成功しました。
■パネルディスカッション「ユニオーブ(R)技術ができること〜注射がなくなる日〜」
静岡県立大学薬学部薬学科(薬剤学分野) 尾上 誠良 教授
三生医薬 ユニオーブ製品開発部長 平澤 亙
東和薬品 執行役員 基盤技術本部長 兼 創剤研究部長 奥田 豊 氏
基調講演の後、当社社長 今村が進行役を務め、静岡県立大学薬学部 尾上教授、ユニオーブ製品開発部長でありユニオーブ (R) 開発者の平澤、東和薬品で基盤技術本部長を務める奥田氏も含めて「ユニオーブ (R) 技術ができること〜注射がなくなる日〜」をテーマとしたパネルディスカッションを行いました。ディスカッションの中では、ユニオーブが有望な経口製剤化手法であることが述べられ、将来的に注射のない世の中になる可能性も示唆しました。
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冒頭で、尾上教授はユニオーブ(R)の技術の具体的な事業化にあたり、「ユニオーブ(R)の技術は、お客様のニーズとマッチしたものでなければならないので、お客様と密なディスカッションのもと、双方にとってメリットのあるものに適用していくことが求められています。」と語りました。さらに「ユニオーブ(R)は、様々な薬剤の経口投与を可能にすることで、欧米で進むセルフメディケーションを推進するのではないかと期待しています。」と述べました。
また、東和薬品の奥田氏は、「製剤はアートだと思っており、東和薬品が創業70周年を迎える中で、技術の融合で新たな扉をひらく今までにない価値を生み出していこうと考えています。その中で、まさにユニオーブ(R)は親和性のある技術だと確信しています。注射剤がなくなるなど、夢のある新たな価値を生み出していくということを取り組んでいきたいです。」と今後の展望について明らかにしました。
さらに、ユニオーブ(R)の開発者である当社平澤は、開発の背景に関して「ユニオーブ(R) は、カプセルに既存の技術で配合することができなかった薬物を配合したい、という思いのもと開発をしました。」と語った上で、「開発を始めた当初は、特定のニーズを満たすことができれば良いと思っていましたが、様々なメーカーに技術を紹介する中で、より多くの活用方法の可能性が見えました。」と語りました。
パネルディスカッションの最後には、登壇者それぞれから今回のトークテーマである「世の中から注射がなくなること」に関してコメントをいただきました。
尾上教授:
注射は患者に、肉体的・精神的に苦痛を与えるだけでなく、医療行為であるため通院をしなければいけないことが課題です。多くの方が、在宅治療を求めている中で、注射剤の経口投与製剤を可能にするユニオーブ(R) は、在宅治療を推進することも期待しています。
奥田氏:
在宅医療が進む中で、現状の抱える課題やソリューションを患者が自ら発見することは難しい。企業として、患者の視点に立って、顕在化していないニーズ対しても、さまざまな製剤や手法を患者のみなさまに提案していきたいです。また、医薬品だけでなく、健康という広い分野で活用していただけるようにしたいです。
当社 平澤:
開発の中で医者、薬剤師等様々な立場の方に聞く中で、副作用をなくしたいなど、固有のニーズを抱えていることが分かりました。ユニオーブ(R)は幅広く活用できる製剤プラットフォームなので、コンセプトだけでなくいち早くみなさまにお届けしていきたい。また、そこからヒントを得て、さらなる開発を進めていきたいです。
今村社長:
ユニオーブ(R)の技術がゲームチェンジャーになれる可能性にワクワクしています。
静岡発の企業として人類の健康に貢献して参りたいと考えています。
■イノベーションセンターについて
所在地 :静岡県富士宮市南陵12
延床面積:2,441平方メートル
構造 :地上2階建て
竣工 :2022年11月
[画像10: https://prtimes.jp/i/77164/3/resize/d77164-3-fcc88e994fc33edadeee-15.jpg ]
■会社概要
社 名 : 三生医薬株式会社
所在地 : 〒419-0201 静岡県富士市厚原1468
代 表 : 代表取締役社長 今村 朗
設 立 : 1993年11月
資本金 : 86,889,000円
事業内容 : 健康食品、医薬品、一般食品、雑貨等の企画・開発・受託製造
URL : http://www.sunsho.co.jp/