深松組、持続可能な社会づくりに向け、ナノカーボン実用化に向けた研究の支援を開始
[22/05/25]
提供元:PRTIMES
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東北大学大学院理学研究科が寄付講座開設
株式会社深松組(所在地:宮城県仙台市、代表者:代表取締役社長 深松努、以下深松組)は5月20日、ナノカーボン実用化に向けた研究を支援し東北大学大学院理学研究科が寄付講座を開設したことを発表しました。
【発表のポイント】
●東北大学大学院理学研究科が地元民間企業である深松組の思いを受け、寄附講座を開設
●東北大学大学院理学研究科の寄附講座開設は開学以来2例目と稀少。「基礎研究こそがイノベーションを産み、日本を強くする」との信念のもと、寄附を行った
●次世代のナノテク材料として期待される「リチウムイオン内包フラーレン」を中心に、革新的な「ナノカーボン」の実用化へ向けた基礎・応用研究を進める
●将来的には、廃棄の方法が問題となっているシリコン太陽電池に替わる新たな太陽電池の材料開発・量産実用化をはじめ、エネルギー、センサー、医療など幅広い分野への応用を見込む
[画像1: https://prtimes.jp/i/78562/3/resize/d78562-3-d84d0d8ab3ba66d01733-0.jpg ]
(左)東北大学大学院理学研究科長 寺田眞浩
(右)株式会社深松組 代表取締役社長 深松努
[画像2: https://prtimes.jp/i/78562/3/resize/d78562-3-b532969b0acd0cf50508-1.png ]
エジンバラ大学 エレノア・キャンベル教授
【深松組社長 深松努よりみなさまへのメッセージ 】
株式会社深松組はこのたび、東北大学大学院理学研究科へ3,000万円の寄付を行い、東北大学大学院理学研究科が寄附講座を開設する運びとなりました。東北大学大学院理学研究科が民間からの寄附を受け、寄附講座を開設するのは開学以来2例目です。
弊社は仙台市に本社を置く建設会社です。本業である建築・土木事業に加え、再生可能エネルギー事業などを展開しています。私は東日本大震災の被災現場で、がれき撤去作業の責任者として遺体捜索から復旧作業まで指揮を執ってきました。その経験から被災地・仙台の復興や子どもたちのために持続可能な社会を作ることが使命と考えるようになりました。環境問題の解決も、重要な課題の一つだと考えています。
弊社は今回の寄附講座の核となる「リチウムイオン内包フラーレン」を開発したベンチャー企業「イデア・インターナショナル株式会社(以下i・i)」の親会社でもあります。今回の寄附講座が、このリチウムイオン内包フラーレンを中心とするナノ材料の量産・実用化につながってほしいという希望はありますが、その実現には10年以上の期間を見据えおり、短期的に事業化できるものとは考えておりません。今回の寄附はあくまで、「基礎科学の発展こそが環境問題の根源的な解決につながる」という考えに基づくものです。
i・iは世界で初めて、このリチウムイオン内包フラーレンを効率良く合成する技術の開発に成功しました。それは東北大学大学院工学研究科と理学研究科の基礎研究を基にしたものであり、東北大学大学院理学研究科もこれまで、i・iと共同で、リチウムイオン内包フラーレンを中心とする「ナノカーボン」に関する研究を進めてきました。
東北大学大学院理学研究科をはじめ、国内外の研究機関、研究者、地域の公的機関など、多くの関係者が長年、情熱と夢を持って育ててきたリチウムイオン内包フラーレンですが、市場に出て、実際に使われるという段階に至るまではまだまだ数多くの研究・技術開発を重ねる必要があり、時間がかかります。逆に言えば、それだけ「革新的で、大きなイノベーションを起こす可能性のある」素材なのです。
今回の寄附講座では、リチウムイオン内包フラーレンを効率良く作るための研究や技術開発をはじめ、リチウムイオン以外の金属を使った内包フラーレンの研究、それらを使った革新的なデバイスの基盤技術の研究開発に取り組んでいただきます。この分野で活躍してきた東北大学ほか国内外の一線の研究者を中心にプロジェクトを進め、次世代「ナノカーボン」物質の国際的な研究・教育のハブ拠点構築につなげます。
私はi・iの事業に関わるようになり、関係者や研究者のみなさんからお話を伺ううちに基礎研究の重要性を認識するようになりました。一方で、目に見える成果や実用化に直結しやすい研究が重視されるようになった結果、技術大国と呼ばれた日本の国力の低下が懸念されるようになったのではないかとも考えています。弊社は「基礎研究の厚みこそが、世界の課題を解決するイノベーションにつながる。日本の技術開発力を再興する力になる」と考え、今回の寄附を決めました。
今回の寄附が、関係者はもちろん、未来を拓こうと志を同じくする人々の共感の輪を広げ、地元仙台で生まれた革新的な材料が世界に羽ばたくきっかけとなることを強く願っています。
【フラーレン】
フラーレンは複数の炭素原子が球状につながった状態の分子。ダイヤモンド、グラファイトに次ぐ第3の炭素同素体として見つかり、今では小学生の教科書でも紹介されるようになりました。日本では化粧品の原料として普及しています。中でも60個の炭素原子がサッカーボール状につながった「C60フラーレン(注1)」は有名で、1985年にその実在を証明したハロルド・クロト―、リチャード・スモーリー、ロバートカールは1996年にノーベル化学賞を受賞しました。彼らが発見する15年前の1970年に日本の化学者大澤映二博士が理論的に予測し雑誌「化学」で発表していたこともよく知られています。
(注1)C60フラーレンの「60」は小文字表記
【リチウムイオン内包フラーレン】
リチウムイオンを数十個の炭素原子でくるんだ「ナノ」(ナノは10億分の1、1ナノメートルは髪の毛の太さの10万分の1程度)世界の超微小な物質。単独で存在するには不安定なリチウムイオンを、炭素でくるむことで、金属イオン(無機物質)の性能に炭素(有機物質)の長所をかけ合わせた、いわば「近未来」の素材です。この新奇で魅力的な分子は世界中の大学や研究機関で研究が始まっています。その中でもエジンバラ大学のエレノア・キャンベル教授は、この分野で世界的に有名な学者です。彼女は、1996年、世界で初めてこの分子の合成に成功したことを英国の科学誌Nature で報告しました。彼女は、今度の寄附講座の客員教授として研究に参加されます。
一例として、次世代型太陽電池の新たな材料としての期待が挙げられます。現在普及しているシリコン型太陽電池は廃棄の難しさなど社会的課題が明らかになってきました。そのため、薄くて軽いフィルム状の太陽電池に期待が寄せられ、世界中で開発競争が進んでいます。課題となるのが寿命の短さなのですが、リチウムイオン内包フラーレンを材料の一部に使うことで、シリコン型以上のエネルギー変換効率を持ちながら、耐久性の高いフィルム状の「ペロブスカイト型」太陽電池を作れる可能性が高まります。リチウム内包フラーレンはほか、分子センサーや分子メモリ、医薬など幅広い分野での応用が期待されています。
東北大学大学院理学研究科の公式発表の詳細はこちらをご覧ください。
https://www.sci.tohoku.ac.jp/news/20220520-12089.html
【株式会社深松組】
本社:〒981-0931 仙台市青葉区北山一丁目2番15号
代表者:代表取締役社長 深松努
創業:大正14年3月1日
資本金:9,347万円
Tel:022(271)9211(代表)
Fax:022(275) 7012
URL:https://www.fukamatsugumi.co.jp/
事業拠点は宮城県の本社のほか、富山県、新潟県に営業所を構え、東北地方を中心に活動している。地元宮城県では、土木・建築工事実績は数多く、河川工事や橋梁工事、公共施設建設など多岐にわたり、地域の社会資本整備の発展に尽力してきた。
事業の多角化として、不動産賃貸事業、再生可能エネルギー事業、ミャンマーでのサービスアパートメント事業、沖縄開発事業、アクアイグニス仙台事業など幅広い事業を展開しているほか、環境保全活動や地域防災パトロールなどの社会貢献活動にも積極的に取組んでいる。
これらの事業、社会貢献活動を通して、これからも地域にとって”本当に必要とされる企業”を目指して、さまざまな活動を精力的に行っている。
【イデア・インターナショナル株式会社】
本社:宮城県仙台市青葉区鷺ヶ森1-15-35
代表取締役会長:深松努 ((株)深松組代表取締役社長)
代表取締役社長:笠間泰彦
創業:2011年4月11日資本金:6,032万円
Tel:022(342)8410
Fax: 022 (271) 9255
URL: https://www.lic60.info/
東北大学の基礎研究を基に、世界で初めて「リチウムイオン内包フラーレン」を効率良く合成する技術の開発に成功。リチウム以外の原子を含む内包フラーレンとその応用技術の開発、ペロブスカイト太陽電池・分子センサー・スーパーキャパシタの開発に取り組む。
株式会社深松組(所在地:宮城県仙台市、代表者:代表取締役社長 深松努、以下深松組)は5月20日、ナノカーボン実用化に向けた研究を支援し東北大学大学院理学研究科が寄付講座を開設したことを発表しました。
【発表のポイント】
●東北大学大学院理学研究科が地元民間企業である深松組の思いを受け、寄附講座を開設
●東北大学大学院理学研究科の寄附講座開設は開学以来2例目と稀少。「基礎研究こそがイノベーションを産み、日本を強くする」との信念のもと、寄附を行った
●次世代のナノテク材料として期待される「リチウムイオン内包フラーレン」を中心に、革新的な「ナノカーボン」の実用化へ向けた基礎・応用研究を進める
●将来的には、廃棄の方法が問題となっているシリコン太陽電池に替わる新たな太陽電池の材料開発・量産実用化をはじめ、エネルギー、センサー、医療など幅広い分野への応用を見込む
[画像1: https://prtimes.jp/i/78562/3/resize/d78562-3-d84d0d8ab3ba66d01733-0.jpg ]
(左)東北大学大学院理学研究科長 寺田眞浩
(右)株式会社深松組 代表取締役社長 深松努
[画像2: https://prtimes.jp/i/78562/3/resize/d78562-3-b532969b0acd0cf50508-1.png ]
エジンバラ大学 エレノア・キャンベル教授
【深松組社長 深松努よりみなさまへのメッセージ 】
株式会社深松組はこのたび、東北大学大学院理学研究科へ3,000万円の寄付を行い、東北大学大学院理学研究科が寄附講座を開設する運びとなりました。東北大学大学院理学研究科が民間からの寄附を受け、寄附講座を開設するのは開学以来2例目です。
弊社は仙台市に本社を置く建設会社です。本業である建築・土木事業に加え、再生可能エネルギー事業などを展開しています。私は東日本大震災の被災現場で、がれき撤去作業の責任者として遺体捜索から復旧作業まで指揮を執ってきました。その経験から被災地・仙台の復興や子どもたちのために持続可能な社会を作ることが使命と考えるようになりました。環境問題の解決も、重要な課題の一つだと考えています。
弊社は今回の寄附講座の核となる「リチウムイオン内包フラーレン」を開発したベンチャー企業「イデア・インターナショナル株式会社(以下i・i)」の親会社でもあります。今回の寄附講座が、このリチウムイオン内包フラーレンを中心とするナノ材料の量産・実用化につながってほしいという希望はありますが、その実現には10年以上の期間を見据えおり、短期的に事業化できるものとは考えておりません。今回の寄附はあくまで、「基礎科学の発展こそが環境問題の根源的な解決につながる」という考えに基づくものです。
i・iは世界で初めて、このリチウムイオン内包フラーレンを効率良く合成する技術の開発に成功しました。それは東北大学大学院工学研究科と理学研究科の基礎研究を基にしたものであり、東北大学大学院理学研究科もこれまで、i・iと共同で、リチウムイオン内包フラーレンを中心とする「ナノカーボン」に関する研究を進めてきました。
東北大学大学院理学研究科をはじめ、国内外の研究機関、研究者、地域の公的機関など、多くの関係者が長年、情熱と夢を持って育ててきたリチウムイオン内包フラーレンですが、市場に出て、実際に使われるという段階に至るまではまだまだ数多くの研究・技術開発を重ねる必要があり、時間がかかります。逆に言えば、それだけ「革新的で、大きなイノベーションを起こす可能性のある」素材なのです。
今回の寄附講座では、リチウムイオン内包フラーレンを効率良く作るための研究や技術開発をはじめ、リチウムイオン以外の金属を使った内包フラーレンの研究、それらを使った革新的なデバイスの基盤技術の研究開発に取り組んでいただきます。この分野で活躍してきた東北大学ほか国内外の一線の研究者を中心にプロジェクトを進め、次世代「ナノカーボン」物質の国際的な研究・教育のハブ拠点構築につなげます。
私はi・iの事業に関わるようになり、関係者や研究者のみなさんからお話を伺ううちに基礎研究の重要性を認識するようになりました。一方で、目に見える成果や実用化に直結しやすい研究が重視されるようになった結果、技術大国と呼ばれた日本の国力の低下が懸念されるようになったのではないかとも考えています。弊社は「基礎研究の厚みこそが、世界の課題を解決するイノベーションにつながる。日本の技術開発力を再興する力になる」と考え、今回の寄附を決めました。
今回の寄附が、関係者はもちろん、未来を拓こうと志を同じくする人々の共感の輪を広げ、地元仙台で生まれた革新的な材料が世界に羽ばたくきっかけとなることを強く願っています。
【フラーレン】
フラーレンは複数の炭素原子が球状につながった状態の分子。ダイヤモンド、グラファイトに次ぐ第3の炭素同素体として見つかり、今では小学生の教科書でも紹介されるようになりました。日本では化粧品の原料として普及しています。中でも60個の炭素原子がサッカーボール状につながった「C60フラーレン(注1)」は有名で、1985年にその実在を証明したハロルド・クロト―、リチャード・スモーリー、ロバートカールは1996年にノーベル化学賞を受賞しました。彼らが発見する15年前の1970年に日本の化学者大澤映二博士が理論的に予測し雑誌「化学」で発表していたこともよく知られています。
(注1)C60フラーレンの「60」は小文字表記
【リチウムイオン内包フラーレン】
リチウムイオンを数十個の炭素原子でくるんだ「ナノ」(ナノは10億分の1、1ナノメートルは髪の毛の太さの10万分の1程度)世界の超微小な物質。単独で存在するには不安定なリチウムイオンを、炭素でくるむことで、金属イオン(無機物質)の性能に炭素(有機物質)の長所をかけ合わせた、いわば「近未来」の素材です。この新奇で魅力的な分子は世界中の大学や研究機関で研究が始まっています。その中でもエジンバラ大学のエレノア・キャンベル教授は、この分野で世界的に有名な学者です。彼女は、1996年、世界で初めてこの分子の合成に成功したことを英国の科学誌Nature で報告しました。彼女は、今度の寄附講座の客員教授として研究に参加されます。
一例として、次世代型太陽電池の新たな材料としての期待が挙げられます。現在普及しているシリコン型太陽電池は廃棄の難しさなど社会的課題が明らかになってきました。そのため、薄くて軽いフィルム状の太陽電池に期待が寄せられ、世界中で開発競争が進んでいます。課題となるのが寿命の短さなのですが、リチウムイオン内包フラーレンを材料の一部に使うことで、シリコン型以上のエネルギー変換効率を持ちながら、耐久性の高いフィルム状の「ペロブスカイト型」太陽電池を作れる可能性が高まります。リチウム内包フラーレンはほか、分子センサーや分子メモリ、医薬など幅広い分野での応用が期待されています。
東北大学大学院理学研究科の公式発表の詳細はこちらをご覧ください。
https://www.sci.tohoku.ac.jp/news/20220520-12089.html
【株式会社深松組】
本社:〒981-0931 仙台市青葉区北山一丁目2番15号
代表者:代表取締役社長 深松努
創業:大正14年3月1日
資本金:9,347万円
Tel:022(271)9211(代表)
Fax:022(275) 7012
URL:https://www.fukamatsugumi.co.jp/
事業拠点は宮城県の本社のほか、富山県、新潟県に営業所を構え、東北地方を中心に活動している。地元宮城県では、土木・建築工事実績は数多く、河川工事や橋梁工事、公共施設建設など多岐にわたり、地域の社会資本整備の発展に尽力してきた。
事業の多角化として、不動産賃貸事業、再生可能エネルギー事業、ミャンマーでのサービスアパートメント事業、沖縄開発事業、アクアイグニス仙台事業など幅広い事業を展開しているほか、環境保全活動や地域防災パトロールなどの社会貢献活動にも積極的に取組んでいる。
これらの事業、社会貢献活動を通して、これからも地域にとって”本当に必要とされる企業”を目指して、さまざまな活動を精力的に行っている。
【イデア・インターナショナル株式会社】
本社:宮城県仙台市青葉区鷺ヶ森1-15-35
代表取締役会長:深松努 ((株)深松組代表取締役社長)
代表取締役社長:笠間泰彦
創業:2011年4月11日資本金:6,032万円
Tel:022(342)8410
Fax: 022 (271) 9255
URL: https://www.lic60.info/
東北大学の基礎研究を基に、世界で初めて「リチウムイオン内包フラーレン」を効率良く合成する技術の開発に成功。リチウム以外の原子を含む内包フラーレンとその応用技術の開発、ペロブスカイト太陽電池・分子センサー・スーパーキャパシタの開発に取り組む。