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イタリア政府観光局 5月以降の注目の現地イベント情報を発表

海外旅行市場の本格的な再開に向け、日本の旅行業界内の動きも活発化してきていますが、イタリア政府観光局では先月から、毎月定期的に国内各地の最新の観光関連のイベント情報を配信しております。今回は世界遺産の街、ジェノヴァとラヴェンナの芸術・音楽イベント、グッビオの伝統的なお祭り、見頃を迎えるエミリア街道沿いのバラ園の情報をお届けいたします。




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Genova: Anno del Barocco
2020年は「ジェノヴァ・バロックの年」〜関連イベントが多数開催

イベリア半島のスペインやポルトガルが牽引した「新大陸」および大西洋岸の貿易を投資・金融活動で支えたジェノヴァの銀行家や商人達は、16世紀以降莫大な富を手に入れ、著名な芸術家や建築家を誘致するようになりました。その結果、ジェノヴァでは17世紀から18世紀にかけて、壮麗なバロック芸術活動が隆盛を極めたのです。そんな輝かしい時代を回顧すべく、本年は「ジェノヴァ・バロックの年」に指定され、一年を通じて多様な関連イベントが催される予定です。今回は以下2つのイベントをご紹介します。

展覧会「スーパー・バロック (Un Barocco Superbo)」
[画像2: https://prtimes.jp/i/97544/3/resize/d97544-3-d93e3f2cc05b72d62cd7-21.png ]

本年3月からはドゥカーレ宮殿をメイン会場に、ジェノヴァの地でバロック芸術が華開いた1600年から1750年までの輝かしい時期の作品を集めた美術展、「スーパー・バロック」が開催されています。展示会の名称は、16世紀後半から18世紀前半までヨーロッパ内で最強規模の経済力を誇ったジェノヴァを表現するのにしばしば使われる、イタリア語の”Superba(日本語で「尊大な」という意味)”に由来しています。

ジェノヴァにおけるバロック芸術のムーブメントは、17世紀の初頭、ジェノヴァ出身の画家・彫刻家、ジョヴァンニ・バッティスタ・パッジによって開始され、同じくジェノヴァ出身の画家アレッサンドロ・マニャスコが実験的な作品群を生み出した18世紀中盤をもって終焉をむかえたとされています。その間、著名な外国人芸術家、ルーベンス、ヴァンダイク、ピューゲットなどと、現地のアーティスト、ベルナルド・ストロッツィ、ヴァレリオ・カステッロ、ジョルジョ・デ・フェッラーリなどがその才能を競い、ジェノヴァを舞台に歴史に残る秀逸な作品を次々に生み出しました。

この展示会は、ローマのクイリナーレ宮殿で本年7月3日まで開催されている同じタイトルの展示会(「SUPERBAROCCO(スーパー・バロック)」)と連動する形で開催され、中世時代、ジェノヴァ共和国の統治拠点であったドゥカーレ宮殿をはじめ、白の宮殿、アカデミア・リグスティカ博物館、王宮など、ジェノヴァの中心街に点在する歴史的建造物を会場に展開されます。

また本年10月6日から来年の1月22日までは同じくドゥカーレ宮殿にて、フランダース出身のバロック時代の巨匠、ルーベンスの絵画展示会「ルーベンスとジェノヴァの宮殿」が開催されます。17世紀前半、金融業で繁栄し莫大な富を誇っていた当時のジェノバの有力者たちは、目を見張るような壮麗さとバロック時代の新たなセンスを取り入れた邸宅を建設し、その内装のため、ローマやフランドル地方の流行美術をはじめ様々な美術品を購入するのに熱心でした。ルーベンスのもとにも、彼らの家族の肖像画を中心に次々と大きな仕事が舞い込み、多くの作品を生み出すこととなりました。絵画の仕事をこなす傍ら、ルーベンスはジェノバの洗練された「ロッリの邸宅群」をスケッチし、これらを画集としてまとめ1622年に「ジェノバの邸宅群("Palazzi di Genova")」として出版しています。本年はこの出版から400年という節目の年にもあたります。展示会では、現在ジェノヴァに所在する作品に加え、ヨーロッパ各国やイタリアの他の都市からのコレクションもあわせ、150以上の作品が公開される予定です。

ロッリ・デイズ Rolli Days
[画像3: https://prtimes.jp/i/97544/3/resize/d97544-3-1c15f3f4b4974e6d4379-22.png ]

16世紀、繁栄を極めたジェノヴァにて世界中から訪れる来賓客をもてなすべく、富裕貴族層の暮らす豪華な館や大邸宅を厳選し、「ロッリ」と呼ばれるリストに登録した上で迎賓館として活用された、「ロッリの邸宅群」。2006年には、うち43の邸宅が邸宅建設のため造られた新路とともに、ユネスコの世界文化遺産に登録されました。この豪奢な「ロッリの邸宅群」の一部を期間限定で一般公開するイベント、「ロッリ・デイズ」が本年も5月13日から15日にかけて開催されます。また同企画は10月の週末にも開催される予定です。

当時の繁栄ぶりを偲ぶことができる、壮麗なファサード、大邸宅群をつなぐために建設された街路(ストラーデ・ヌオーヴェ)、フレスコ画、階段、中庭、家具などを鑑賞できるほか、「ジェノヴァ・バロックの年」にちなみ、公開される邸宅内では17世紀および18世紀の芸術作品が数多く公開される予定です。

公式ウェブサイト https://www.visitgenoa.it/en/rolli 
https://www.visitgenoa.it/rollidays-online

RAVENNA FESTIVAL - 33rd Edition ”Between Flesh and Heaven”
第33回目を迎えるラヴェンナ・フェスティバルの概要 〜 映画監督兼脚本家、ピエル・パオロ・パゾリーニの生誕100周年を記念してプログラムを構成
[画像4: https://prtimes.jp/i/97544/3/resize/d97544-3-98702d66d1197d86e143-23.png ]



西ローマ帝国の都だったことで知られる古都、ラヴェンナで1990年から毎年、夏から秋の時期にかけて開催されている大型音楽・芸術イベント、ラヴェンナ・フェスティバル。本年33回目を迎える今回は、イタリア人映画監督兼脚本家、パゾリーニの生誕100年を記念し、彼が生涯で初めて耳にしたバッハによる無伴奏ヴァイオリン・ソナタを形容するのに使ったとされる、「肉体と天国の間」というフレーズをテーマに、多様な音楽、演劇、ダンス、映画イベントなど催されます。

シカゴ交響楽団音楽監督兼ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団名誉団員で、現代クラッシック界を代表する指揮者の一人として挙げられる、リッカルド・ムーティの夫人であるクリスティーナ女史が創設したこの文化イベントは、ラヴェンナ市内の劇場のみならず、「ラヴェンナの初期キリスト教建築物群」としてユネスコの世界遺産に登録されている建造物や、修道院の回廊、チェルヴィアやルーゴなどの近郊の町を会場に開催されます。本年は夏のプログラムは6月1日から7月21日まで、そして本年10周年を迎えるオペラ・イベント「秋の三部作Autum Torilogy」は10月31日から11月6日まで開催される予定です。

本年は映画監督のみならず、作家、詩人、批評家などさまざまな顔を持ち、「異端児」として世界的な評価を獲得したピエル・パオロ・パゾリーニの生誕100周年にあたり、今年のラヴェンナ・フェスティバルも地元エミリア・ロマー州出身のパゾリーニにオマージュを捧げています。
合計120の音楽・芸術プログラムが企画されている本年のイベントのハイライトは以下のとおりです。パゾリーニによる「肉体と天国の間」という表現がテーマになっているため、本年のプログラムの多くがバッハ関連の内容となっています。

・ 6月1日に開催される開幕プログラムは、世界で最も注目されている若手指揮者の一人である、ダニエル・ハーディング指揮によるマーラー・チェンバー・オーケストラによるコンサート。

・ 6月2日には、昨年24年ぶりにイタリア人としてパガニーニ国際コンクールで優勝を飾った、わずか20歳のバイオリニスト、ジュゼッペ・ギボーニによるコンサート。演目はパゾリーニのお気に入りだった、バッハ作曲の無伴奏ソナタとパルティータ。

・1999年から5度のグラミー賞を獲得し、日本でも人気の高い女性ジャズ・ピアニスト/歌手のダイアナ・クラールによるコンサート(7月13日)。会場はルーゴにある、昔はシルク市場として栄えた、18世紀に建造された壮麗なパヴァリオーネの柱廊。

・夏のイベントを締めくくるのは、リッカルド・ムーティ指揮による、ルイージ・ケルビーニ・ジョヴァニーレ管弦楽団のコンサート(7月21日)。

・10月31日から11月6日まで開催されるオペラ・イベント「秋の三部作」の演目は、ダ・ポンテが書いた台本にモーツァルトが作曲を行った「フィガロの結婚(指揮:ジョバンニ・コンティ)」、「ドン・ジョバンニ(指揮:八嶋恵利奈)」、「コジ・ファン・トゥッテ(指揮:ウラディミール・オヴォドック」。
公式ウェブサイト:https://www.ravennafestival.org/en/

Gubbio: Corsa dei ceri
豊かな歴史を感じられるユニークなお祭り、グッビオのろうろく競争が本年も5月15日に開催
[画像5: https://prtimes.jp/i/97544/3/resize/d97544-3-6f85df273bf62a80a2eb-19.jpg ]

中部ウンブリア州にある、中世の町並みと山岳地帯の自然が美しく調和した町、グッビオ。中世に逆戻りしたような雰囲気が楽しめる、毎年恒例となっている伝統のイベント、「ろうそく競争」が本年もグッビオの町の守護聖人、聖ウバルドの記念日にあたる5月15日に開催されます。

「ろうそく競争」は、3聖人のシンボル色である黄(聖ウバルド)、青(聖ジョルジョ)、黒色(聖アントニオ)の衣装に身を包んだ各チーム20名ほどの参加者が、ろうそく型の巨大な木製御輿を担ぎ、頂上にある聖ウバルド教会を目指して全長5キロほどの急な山道を疾走する豪快なイベント。当日のイベントは午前中から始まり、町内のドゥオーモ(教会堂)から、聖ウバルド、聖ジョルジョ、聖アントニオの順で、それぞれ聖人の人形を乗せた御輿を担いだ参加者が、午後の時間にゆっくりと町中を練り歩きます。この間、町民たちは近所の人たちと庭や家の前でくつろぎ、手作りの食事や地ワインをデルタ焼きの壷で通行人に振る舞います。

メインイベントがスタートするのは夕方の6時頃。まず聖ウバルドの御輿が出発し、それを他の2チームが追いかけます。聖ウバルド教会に聖ウバルドチームが到着するとすぐに扉を閉め、後者を阻止します。もし後発の聖ジョルジョチームが教会に入ってしまったら聖ウバルドの負けというルールです。ろうそく競争の起源は12世紀半ばにまで遡ると言われており、迫力満点で視覚的にも美しいこのイベントは世界中から観光客を集めています。

公式ウェブサイト: https://www.ceri.it/

Rose Gardens in Emilia Romagna
エミリア・ロマーニャ州で5月から6月にかけて咲き誇る薔薇を堪能できる、バラ園のご紹介
[画像6: https://prtimes.jp/i/97544/3/resize/d97544-3-7fa44f40a1855588fc82-20.jpg ]

毎年5月〜6月は、エミリア・ロマーニャ州を斜めに貫く古代ローマ時代の街道、エミリア街道沿いで、種類豊富なバラが次々と開花するシーズン。バラ独特の華々しい色彩と、うっとりとするような香りに包まれるこの時期は、エミリア・ロマーニャ州を訪れるのに最高の季節の一つといえるでしょう。当ニュースレターでは、特に日本人旅行客にお勧めのバラ園を3つご紹介します。
1. グロッパレッロ城のバラ園 Castello di Gropparello
ピアチェンツァから30キロほど離れた場所にある、グロッパレッロ城の庭園内の「バラ博物館」と称するに相応しいバラ園では、合計125品種、約1,200本のバラをご覧いただけます。5枚あるいは100枚の花びらを携えたバラ、長さ3cmの棘を有するジャコウバラなど珍しい品種に加え、その多くがパリのメイアン社など、世界的に有名なバラ育種生産会社で作出されたものです。40枚の紫色の花びらが美しい花容を形成する「バロネス・ロスチャイルド」、一年のうち5月のみに花を咲かせる「ルネッサンス・アルバ・マキシマ」などはその一例に過ぎません。グロッパレッロ城は、フランク王国全盛期の王、カール大帝により808年、ピアチェンツァ=ジュリアーノ2世司教に寄贈された歴史深い建造物です。年中無休。ガイド付きの庭園ツアー(所要時間1時間30分)は、10ユーロ。
公式ウェブサイト: https://en.castellodigropparello.net/

2. グラッツァーノ・ヴィスコンティ城 Grazzano Visconti
ピアチェンツァから車で15分ほど南下した場所に位置する、グラッツァーノ・ヴィスコンティ城。15万平方メートル という広大な敷地面積を誇る庭園では、芳香を放つバラ園をはじめ、青々と生い茂る野生植物、スイレンの花が咲き誇る池、樹齢150年のシナノキと高さ26メートルの菩提樹などが、時の感覚を失ってしまうような美しい情景を生み出しています。ピアチェンツァから12キロほど離れたヴィゴルツォーネ町にある、グラッツァーノ・ヴィスコンティ城は1395年に、初代ミラノ公であるジャン・ガレアッツォ・ヴィスコンティの姉、ベアトリス・ヴィスコンティの婚礼の際の贈答品として建造されたものです。城は現在も、世界的に有名な映画監督、故ルキノ・ヴィスコンティを輩出した、ヴィスコンティ家によって所有されています。ガイド付きの庭園ツアー(所用時間45分、10ユーロ)は、春の時期から11月まで毎週末および祝日に催行。城と庭園の両方が鑑賞できる入場料は23ユーロ。
公式ウェブサイト: https://grazzanovisconti.com/le-visite/

3. セッラマッツォーニの「原種バラ庭園・博物館」Museo giardino della Rosa antica
バルサミコ酢の生産地として広く都市、モデナから25キロ離れた場所にある、セッラマッツォーニにある「原種バラ庭園・博物館」では、日本をはじめ、中国、アメリカ、中東など世界中から集められた800種類以上のバラが化学肥料を使わずに自生し、その美しさを競っています。博物館では、古くは古代ペルシャ時代から栽培されてきた原種バラの標本を多数集めており、ヒマラヤ山脈地方原産で、芳しい香りの葉を有する「ロサ・バルサミーナ」、花びらは4枚で、枝に大きな赤い三角のトゲがあるのが特徴の「ロサ・セリケア・プテラカンサ」、世界で最も小さなバラとして知られる「ショウノスケバラ」など、合計2,400種のバラの標本をご覧いただけます。3万平方メートル の総敷地面積を誇る庭園はゆるやかな丘の上に展開しており、出口近辺にはバラに特化したガーデンショップと、バラの香りと色彩を愛でながらピクニックを楽しめる芝生のエリアもご用意しています。開園時間:毎年、4月15日から6月30日まで(日の出から日没まで開演)。それ以外の時期については、事前予約が必要。入場料:庭園と博物館のセット料金で9ユーロ(7歳から14歳までは6ユーロ。6歳以下は無料)。
公式ウェブサイト: https://www.museoroseantiche.it


上記イベント・アーティストに関する写真をご希望のメディア関係の方はイタリア政府観光局までご連絡ください。tokyo@enit.it
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