データドリブンな運用をめざす、バイオマス発電所における大規模言語モデルを活用した保安支援システム
[24/01/25]
提供元:PRTIMES
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保安業務のより一層の省力化を図るシステム構築
IT技術の進化に伴い、さまざまな分野でデジタル化が加速しています。しかし保安分野は長く巡視点検が基本とされ、人の目・手に拠る管理からの脱却が課題でした。
その状況に風穴を開け、保安分野の効率化・高度化への牽引が期待されるのが、「スマート保安導入支援事業費補助金」です。高度な保安業務のノウハウを持ちながらも、費用の点で新規性・革新性のある技術開発に踏み込めなかった企業や自治体が、この補助金との出会いで得たもの。それは技術開発のブレイクスルーに留まらず、企業の信頼度アップをも生み出し、次のステージへの大きな足掛かりとなっています。
日本能率協会コンサルティング (JMAC)は、経済産業省の「令和4年度補正 スマート保安導入支援事業費補助金」を通じて、IoT/AI等の新技術を活用することで産業インフラの安全性・効率性の維持・向上を支援しています。本記事では、令和5年度の交付事業者の補助金活用事例を紹介いたします。
■交付事業者紹介
木質バイオマス発電所の運営管理、保守運用、電力供給を行うバイオマスパワーテクノロジーズ株式会社(本社:三重県松坂市、代表:北角 強)は、バイオマス発電所における大規模言語モデルを活用した保安支援システムを構築、実証事業を終えたことをお知らせします。
この事業は、スマート保安技術を導入する際の技術実証を国が支援する「令和4年度補正 産業保安高度化推進事業費補助金」を利用したもの。燃料性状や自然環境に左右されることの多いベースロード電源において、大規模言語モデル(LLM)を活用したデータドリブンな運用で安定供給をめざし、かつ業界全体への展開を視野に入れて開発しています。
■解決したい課題
木質バイオマス発電は、他の化石資源を燃料とする火力発電と比較し、燃料の性状(含水率や形状)が入荷の都度異なるため、設備(特に燃料搬送系統、燃焼の平準化)の負担が大きく、これにより年間5件程度の発電停止を伴う突発故障が発生していました。安定した稼働を継続させるためには、この突発故障を防ぐ、または発生したとしても影響を極力小さくする(発電停止時間を短くする)ことが大きな課題であると感じていました。
■補助金を知ったきっかけ
木質バイオマス発電所に特化した運転支援システム「BMecomo」を共同開発した株式会社BMエコモを通じて認知。以前からAI開発を依頼していたところ、本補助金の存在をご教示いただき知りました。
■補助金を活用した開発内容
今までのシステム化により蓄積したデータと大規模言語モデル(LLM)を組み合わせることで、保安業務のより一層の省力化を図るシステム構築を実証。具体的には、下記項目を実施します。
1. LLM学習データ作成
既存の高度化システムのデータベースからデータを抽出し、LLMに学習させるための形式に変換
2. システム環境構築
本事業で導入するシステムの環境構築をクラウドで実施
3. LLM追加学習・学習結果確認
作成した学習データをLLMに追加学習させ、学習データ内容が反
映されていることを確認
4. 既存システムIF構築
既存の高度化システムとUI(チャットボット)間のインターフェースを構築
5. UI開発
UIとしてチャットボットを開発
6. 評価・検証
本事業で開発したチャットボットを使うことで、業務に必要な情報検索時間がどの程度短縮されるか評価
[画像: https://prtimes.jp/i/122186/3/resize/d122186-3-6bdc8205c218de117590-0.png ]
■効果
トラブルの早期復旧、発電停止時間の最小化を期待。また削減が難しい属人的な作業・対応についても、AIを活用することで運転員の技術の平準化につなげたいと考えます。
また将来的にはchatbotとの対話により、点検時期を知らせるアラート発出、定期点検審査の入力補助などへの活用も検討しています。
1.必要情報検索完了までの時間削減
令和4年度実績:30分/件 ⇒ 目標::3分/件
2.再発防止策の社内通知完了までの期間削減
令和4年度実績:3日/件 ⇒ 目標: 1日/件
3.定性的効果
本事業により、当該構築システムが有用という結論が出て各要員が利用するようになれば、より一層のデータ活用が見込まれ、データドリブンな発電所運営という意識向上の定性的効果も見込めます。
■今後の展望
弊社設立当時の十数年前を考えると、バイオマス発電所の成長は著しく、BMecomoのような運転支援システム(遠隔監視システム)は今後さらに増加していくことが予想されます。バイオマス発電所は専門的なスキルを必要とする職種であるものの、経験豊富な人材の発掘は困難であるため、このようなAIを活用することで、運転員の早期のスキルアップ等つながるのではと期待しています。
■問い合わせ先
社名:バイオマスパワーテクノロジーズ株式会社
本社所在地:三重県松阪市小片野町1790番地1
代表取締役:北角 強
事業内容:
・バイオマスエネルギーを利用した電力生産プラントの企画、設計、設置、運営管理、保守運用、電力供給、電力売買、人材教育及びそれらに関するコンサルティング事業
・バイオマスエネルギーの普及活用を図るための普及啓蒙・PR活動、教育研修、書籍出版、関係販社等支援、及び各種講演会開催等の情報提供事業
・山林の所有、経営並びにそれらに関する間伐、主伐、除伐等の管理保全事業
ほか
設立:2015年12月
HP:https://bpt.co.jp/
***
「令和4年度補正 スマート保安導入支援事業費補助金」公式サイトにて他社事例も公開中
https://jmac-hoan.com/2023/blog04.html
https://jmac-hoan.com/2023/blog03.html
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ニュースリリースに関する問い合わせ先
「スマート保安導入支援事業費補助金」事務局
Mail:smart_hoan@jmac.co.jp
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IT技術の進化に伴い、さまざまな分野でデジタル化が加速しています。しかし保安分野は長く巡視点検が基本とされ、人の目・手に拠る管理からの脱却が課題でした。
その状況に風穴を開け、保安分野の効率化・高度化への牽引が期待されるのが、「スマート保安導入支援事業費補助金」です。高度な保安業務のノウハウを持ちながらも、費用の点で新規性・革新性のある技術開発に踏み込めなかった企業や自治体が、この補助金との出会いで得たもの。それは技術開発のブレイクスルーに留まらず、企業の信頼度アップをも生み出し、次のステージへの大きな足掛かりとなっています。
日本能率協会コンサルティング (JMAC)は、経済産業省の「令和4年度補正 スマート保安導入支援事業費補助金」を通じて、IoT/AI等の新技術を活用することで産業インフラの安全性・効率性の維持・向上を支援しています。本記事では、令和5年度の交付事業者の補助金活用事例を紹介いたします。
■交付事業者紹介
木質バイオマス発電所の運営管理、保守運用、電力供給を行うバイオマスパワーテクノロジーズ株式会社(本社:三重県松坂市、代表:北角 強)は、バイオマス発電所における大規模言語モデルを活用した保安支援システムを構築、実証事業を終えたことをお知らせします。
この事業は、スマート保安技術を導入する際の技術実証を国が支援する「令和4年度補正 産業保安高度化推進事業費補助金」を利用したもの。燃料性状や自然環境に左右されることの多いベースロード電源において、大規模言語モデル(LLM)を活用したデータドリブンな運用で安定供給をめざし、かつ業界全体への展開を視野に入れて開発しています。
■解決したい課題
木質バイオマス発電は、他の化石資源を燃料とする火力発電と比較し、燃料の性状(含水率や形状)が入荷の都度異なるため、設備(特に燃料搬送系統、燃焼の平準化)の負担が大きく、これにより年間5件程度の発電停止を伴う突発故障が発生していました。安定した稼働を継続させるためには、この突発故障を防ぐ、または発生したとしても影響を極力小さくする(発電停止時間を短くする)ことが大きな課題であると感じていました。
■補助金を知ったきっかけ
木質バイオマス発電所に特化した運転支援システム「BMecomo」を共同開発した株式会社BMエコモを通じて認知。以前からAI開発を依頼していたところ、本補助金の存在をご教示いただき知りました。
■補助金を活用した開発内容
今までのシステム化により蓄積したデータと大規模言語モデル(LLM)を組み合わせることで、保安業務のより一層の省力化を図るシステム構築を実証。具体的には、下記項目を実施します。
1. LLM学習データ作成
既存の高度化システムのデータベースからデータを抽出し、LLMに学習させるための形式に変換
2. システム環境構築
本事業で導入するシステムの環境構築をクラウドで実施
3. LLM追加学習・学習結果確認
作成した学習データをLLMに追加学習させ、学習データ内容が反
映されていることを確認
4. 既存システムIF構築
既存の高度化システムとUI(チャットボット)間のインターフェースを構築
5. UI開発
UIとしてチャットボットを開発
6. 評価・検証
本事業で開発したチャットボットを使うことで、業務に必要な情報検索時間がどの程度短縮されるか評価
[画像: https://prtimes.jp/i/122186/3/resize/d122186-3-6bdc8205c218de117590-0.png ]
■効果
トラブルの早期復旧、発電停止時間の最小化を期待。また削減が難しい属人的な作業・対応についても、AIを活用することで運転員の技術の平準化につなげたいと考えます。
また将来的にはchatbotとの対話により、点検時期を知らせるアラート発出、定期点検審査の入力補助などへの活用も検討しています。
1.必要情報検索完了までの時間削減
令和4年度実績:30分/件 ⇒ 目標::3分/件
2.再発防止策の社内通知完了までの期間削減
令和4年度実績:3日/件 ⇒ 目標: 1日/件
3.定性的効果
本事業により、当該構築システムが有用という結論が出て各要員が利用するようになれば、より一層のデータ活用が見込まれ、データドリブンな発電所運営という意識向上の定性的効果も見込めます。
■今後の展望
弊社設立当時の十数年前を考えると、バイオマス発電所の成長は著しく、BMecomoのような運転支援システム(遠隔監視システム)は今後さらに増加していくことが予想されます。バイオマス発電所は専門的なスキルを必要とする職種であるものの、経験豊富な人材の発掘は困難であるため、このようなAIを活用することで、運転員の早期のスキルアップ等つながるのではと期待しています。
■問い合わせ先
社名:バイオマスパワーテクノロジーズ株式会社
本社所在地:三重県松阪市小片野町1790番地1
代表取締役:北角 強
事業内容:
・バイオマスエネルギーを利用した電力生産プラントの企画、設計、設置、運営管理、保守運用、電力供給、電力売買、人材教育及びそれらに関するコンサルティング事業
・バイオマスエネルギーの普及活用を図るための普及啓蒙・PR活動、教育研修、書籍出版、関係販社等支援、及び各種講演会開催等の情報提供事業
・山林の所有、経営並びにそれらに関する間伐、主伐、除伐等の管理保全事業
ほか
設立:2015年12月
HP:https://bpt.co.jp/
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「令和4年度補正 スマート保安導入支援事業費補助金」公式サイトにて他社事例も公開中
https://jmac-hoan.com/2023/blog04.html
https://jmac-hoan.com/2023/blog03.html
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ニュースリリースに関する問い合わせ先
「スマート保安導入支援事業費補助金」事務局
Mail:smart_hoan@jmac.co.jp
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