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【信州大学繊維学部との共同研究】環境に優しい製造方法で水・薬品・熱に優れた耐久性を有するナノファイバーを開発。

英国王立化学会の『Green Chemistry』誌にも掲載。フィルタ分野、電池分野、バイオ分野での利用が期待される。

信州大学発のベンチャー企業であり、先端繊維素材の開発をリードする株式会社ナフィアス(本社:長野県上田市、代表:渡邊 圭)は、ナノファイバー技術を活用した製品開発だけでなく、研究開発も積極的に推進しています。このたび、戦略的基盤技術高度化支援事業(※1、令和元年度〜令和3年度サポイン事業)を活用し、信州大学繊維学部と共同研究を行い、環境に優しい水系製造プロセスによって製造可能な「優れた熱及び化学安定性を有するPU/PEO複合ナノファイバー材料」を開発しました。その研究成果をまとめた論文が、2023年10月7日に英国のRoyal Society of Chemistryが発行した国際化学誌である『Green Chemistry(グリーンケミストリー)』に掲載され、雑誌のBack Cover(裏表紙)にも選ばれました。





論文について


[表: https://prtimes.jp/data/corp/119191/table/4_1_bed463449c2004a90044d0f04313d1ed.jpg ]


[画像1: https://prtimes.jp/i/119191/4/resize/d119191-4-7c2d22b5624333be0b34-3.jpg ]

写真:(左)エレクトロスピニング法でナノファイバーを作製している様子、(右)作製したPU/PEO複合ナノファイバーシート
[画像2: https://prtimes.jp/i/119191/4/resize/d119191-4-57fe794254ac432241e9-1.png ]

写真:本開発技術により作製したPU/PEO 複合ナノファイバー(基材上に積層)の電子顕微鏡写真

◆研究の背景
エレクトロスピニング法で製造した超微細な繊維「ナノファイバー」素材が注目されています。ナノファイバーはその特性からさまざまな産業での応用が考えられますが、これまでの製造技術で作られたナノファイバーは、汎用的な化学薬品に溶解してしまったり、120〜130℃以上の高温に対して安定していなかったりと、いくつかの弱点がありました。例えば、PU(ポリウレタン)ナノファイバーは、透湿防水膜やフィルタ等の産業分野で実用化されている高機能繊維材料です。しかし、化学安定性や熱安定性が課題となり用途が限定され、期待されているほどの市場拡大には至っていませんでした。

◆本論文の概要
本研究では、PUナノ粒子水分散体、水系カルボジイミド架橋剤、及びPEO(ポリエチレンオキシド)水溶液といった環境に優しい水系材料のみを用いてPU/PEO複合ナノファイバーを作製し、120℃の熱を1分間与えるだけで、優れた化学安定性、耐熱性、及び親水性を実現できるPU/PEO複合ナノファイバー材料を開発し、その製造プロセスを確立しました。本研究ではこの製造方法で作製されたナノファイバー材料の詳しい特性を調べ、どのような強化メカニズムで優れた物性が実現しているのかといった分析も行っています。

◆今後の展開
これらの3つの優れた物性を同時に有するナノファイバー材料は、フィルタ分野、電池分野、及びバイオ分野での活用が期待されます。各用途分野での展開を見据えて性能評価を進めて参ります。


執筆者のコメント


[画像3: https://prtimes.jp/i/119191/4/resize/d119191-4-5d49136f5eb2d7b2fa1a-2.jpg ]

渡邊 圭(株式会社ナフィアス 代表取締役 / 信州大学繊維学部特任准教授)
今回研究開発した製造技術は、優れた耐久性を有するナノファイバーを水系材料のみで作る技術です。産業界が有する技術やニーズを学術的視点も踏まえて研究開発テーマに落とし込み、大学と共同研究を行いました。今後も用途に合わせた追加研究が必要となり実用化にはまだ時間がかかりますが、本研究成果は基盤技術として重要なものになると考えています。

『Green Chemistry』について



[画像4: https://prtimes.jp/i/119191/4/resize/d119191-4-c5e1d77484a10404f236-3.jpg ]


「Green Chemistry」は、持続可能で環境にやさしい化学を推進するための原則や方法論に関する研究を発表する国際的な査読付き学術雑誌です。84ジャーナルある「GREEN & SUSTAINABLE SCIENCE & TECHNOLOGY」のジャンルで【Q1】に該当します(※2)。Q1は、その分野でベスト25%以内にランクされるジャーナルであることを示しており、最も高いランクです。インパクトファクターは9.8。
 この雑誌は、1999年からイギリスのRoyal Society of Chemistry(RSC)によって出版されています。RSCは、化学の知識を普及・増進するために、多くの学術雑誌や書籍を出版している国際的に認知された学術団体です。そして「Green Chemistry」はその中でも特に環境と持続可能性に焦点を当てた雑誌として注目されています。

写真:『Green Chemistry』に掲載された裏表紙

株式会社ナフィアスについて


株式会社ナフィアス(https://www.nafias.jp/)は、信州大学発ベンチャー企業として先端繊維素材開発をリードし、高性能のマスクやフィルターを販売しております。コロナ以降は2ケタ成長が続き、22年度の売上高は約7億円。直近3年で35倍の成長をしています。

◆NafiaS(R)とは
日本で唯一の繊維学部を有する信州大学との共同開発により実用化に成功した「ナノファイバー」NafiaS(R)はこの極めて細い繊維からなる先端繊維素材ブランドです。NafiaS(R)は、マスク・工業用フィルター・アパレル・再生医療・エネルギーデバイスなど、幅広い分野で応用が可能です。人と自然に優しい社会を構築していくうえで重要な、効率化・省エネルギー化・省スペース化・省資源化などを実現させる可能性を、NafiaS(R)は存分に秘めています。右肩上がりの直線的な成長型の社会から、自然と人との調和を第一に考える循環型の社会へ。NafiaS(R)はその変化に素材のチカラを通して貢献していきます。

◆NafiaS(R)を使用したマスクをご紹介
[画像5: https://prtimes.jp/i/119191/4/resize/d119191-4-502492640e4cbcb65cd1-4.jpg ]

AIR M1[エアーエムワン]
・驚くほど軽く、薄い
・通気性がよく、呼吸がしやすい
・フィルター性能と快適性の両立
*商品ページはこちら → https://www.nafias.jp/lp/air_m1

NafiaS-N95 マスク
・医療機関等で使用される高性能な防塵マスク
・高い捕集性能と通気性を両立
・長時間の使用でも苦しくなりにくい

◆株式会社ナフィアスの基本情報
・設立:2015年8月
・代表者:渡邊 圭
・所在地:386-8567 長野県上田市常田3-15-1 信州大学繊維学部内Fii施設4F
・事業内容:高機能繊維素材の研究開発および製造販売
・公式サイト:https://www.nafias.jp/


※1:戦略的基盤技術高度化支援事業(サポイン事業)とは、中小企業・小規模事業者が大学・公設試等と連携して行う、特定ものづくり基盤技術(12分野)の高度化につながる研究開発や試作品開発、事業化に向けた取組を支援することで、我が国製造業の国際競争力の強化及び新たな産業の創出を図ることを目的としている経済産業省・中小企業庁の支援事業です。また、サポインとは、サポーティング・インダストリーの略で、自動車、環境・エネルギー、医療・健康、航空宇宙など国際競争力を有する産業分野のニーズにより、部品等の基盤的な製品や技術サービス(特定ものづくり基盤技術(12分野))を提供することで、日本経済を牽引するような最終製品の製造を支えている裾野産業のことです。
※2:Journal Citation Reportによる。Qは四分位(Quartile)の意。
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