世界が注目する“穀物繊維”の知られざるパワー 日本食物繊維学会第19回学術集会 公開特別シンポジウムレポート
[14/12/02]
提供元:PRTIMES
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一般社団法人日本食物繊維学会(理事長:奥 恒行)は、11月29日(土)に大妻女子大学 千代田キャンパス(東京都千代田区三番町12)にて、「日本食物繊維学会第19回 学術集会(学術集会長 青江誠一郎)」公開特別シンポジウムを開催致しました。
日本では2015年の春に「食品の新たな機能性表示制度」の導入を控えており、それに伴い様々な食品の栄養素に注目が集まってきています。その中でも特に、食物繊維の一つである大麦由来の「β-グルカン」という成分には期待が高まっており、研究や調査が盛んに行われています 。そこで今年で19回目の開催となる「日本食物繊維学会 学術集会」では、公開特別シンポジウムに於いて、医師・研究者・管理栄養士の皆様はもちろんのこと、行政・メディアご関係者の皆様へ食物繊維の重要性を広くご理解いただくために、穀物の食物繊維を中心とした世界での取り組みや最前線の研究成果を紹介しました。
特別講演ではアメリカの品質表示の第一人者であるカリフォルニア大学デイビス校名誉教授でFDA(食品医薬品局)の栄養・機能性表示・サプリメント部の部長を歴任したバーバラ・シュニーマンさんに登壇いただき、アメリカにおける食物繊維の健康強調表示に関する規制制度や、栄養表記の現状について講演いただきました。その他、円谷陽一さん、青江誠一郎さん、インゲル・ビヨルクさんという各研究分野を代表する先生方にお越しいただき、食物繊維に関する最先端のお話を伺うことが出来ました。
《実施概要》
【日時】
2014年11月29日(土) 14:30〜17:30
【会場】
大妻女子大学 千代田キャンパス (東京都千代田区三番町12 )
【プログラム】
座長 :青江誠一郎(大妻女子大学 家政学部教授)
森田達也(静岡大学 農学部教授)
■特別講演:食物繊維〜現行政策と今後の展望〜
バーバラ・シュニーマン(カリフォルニア大学デイビス校 名誉教授)
■シンポジウム1.:穀類の機能性 〜 多糖類の種類と構造について〜
円谷陽一(埼玉大学 理工 学研究科教授)
■シンポジウム2.:穀物繊維の機能性研究に関する最新情報
青江誠一郎(大妻女子大学 家政学部教授)
■シンポジウム3.:穀物繊維のセカンドミール効果
インゲル・ビヨルク(スウェーデンルンド大学 機能食品科学センター センター長)
■総合討論:質疑応答
バーバラ・シュニーマンさんによる特別講演「食物繊維:現状の政策と今後の展望」
本講演では、機能性表示の先進国であるアメリカの食物繊維に関する健康強調表示や、栄養表示の現行政策と今後の展望についてお話いただきました。
テーマは大きく3つに絞られ、「アメリカでの栄養表示における食物繊維の現状」、「栄養表示についての新たな提案」、「科学的な正当性、エビデンスの評価について」です。
アメリカではFDA ( Food and Drug Administration:アメリカ食品医薬品局)を中心に食品への機能性表示の取り組みが行われています。中でも食物繊維は、摂取すべき大事な成分としての意識が高く、1990年頃から栄養表示や健康強調表示に関する検討が活発に行われてきました。
現状の食物繊維の栄養表示は、「分量(基準値に対する割合)」、「水溶性食物繊維・不溶性食物繊維のどちらに該当するか」の表記ですが、2014年3月にFDAは栄養表示についての改訂案を発表しました。
食物繊維の定義の見直しや、栄養表示の基準値を25gから28gへ変更すること等が提案されています。
この提案に対してはパブリックコメントが4000件寄せられており、内容の整理は困難を極めるとのことですが、現在2015年の施行に向けて順次精査が行われている状況です。
FDAでは、栄養表示のエビデンスとなる情報に対して、科学的根拠の評価を厳しく行っています。信頼にたりるエビデンスかどうかのランク付けを行ない、厳密な情報の精査が行われます。このような研究の質、エビデンスレベルの高さや、一貫性に至るまで徹底的に評価する体制が今日のアメリカの栄養表示制度を支えているのです。
本講演では、アメリカの栄養表示や健康強調表示に設けられている規定、根拠となるエジビデンスに対する厳しい評価体制等についての現状と今後の検討事項を発表いただきましたが、非常にこと細かく取り決めがなされており、アメリカの栄養表示と健康強調表示における先進性を納得させられる内容となりました、2015年春に「食品の新たな機能性表示制度」の導入を控えている日本にとって、その取り決めなど大いに参考になり、参加者全員が熱心に耳を傾ける特別講義でした
各先生方の講義: 円谷陽一さん 青江誠一郎さん インゲル・ビヨルクさん
本シンポジウムでは、各界を代表する先生方にも講義を行っていただきました。
円谷陽一先生(埼玉大学 理工学研究科教授)は、穀類の機能性について「穀類細胞壁多糖」の構造や構成に焦点を於いたお話をいただきました。
青江誠一郎先生(大妻女子大学 家政学部教授)からは、食物繊維の摂取における穀物の役割とその重要性を最新情報を中心に講義いただきました。
朝食に穀物を摂取することでの効果を海外のレビューや実験結果を基にお話されました。
具体効果として、糖尿病や動脈疾患のリスク軽減、血中コレステロール濃度の低下の可能性があります。
また、穀物の食物繊維の摂取は、メタボリックシンドロームや満腹感の持続にも良い影響があると考えられています。その要因の一つとしては、大麦などに含まれる食物繊維の「β-グルカン」という成分の働きが作用しています。「β-グルカン」はゲル状になる性質から、胃腸内での消化吸収をゆっくりさせる効果があり、これが満腹感の持続や腹囲や内蔵脂肪への良い効果をもたらします。民間企業との共同研究でBMIが高い人への「β-グルカン」摂取の試験を行ったところ、実際に腹囲、内蔵脂肪の減少がみられたという事例もご紹介いただきました。
合わせて、食物繊維の具体的効果として「セカンドミール効果」というものが紹介されました。 「β-グルカン」は食べた物の消化吸収を緩やかにし、食後の血糖値の上昇を抑えてくれます。そして、この状態が次の食事にまで及ぶことが分かってきております。つまりは朝食に穀物の食物繊維を摂取すれば、次の昼食、夕食後の血糖値にも影響があることになり、このことを「セカンドミール効果」といいます。
今後「β-グルカン」に関しては、それを含む大麦と含まない大麦(「β‐グルカン」を含まない大麦は現在開発中)を用いた100人規模での実験が考えられており、穀物の食物繊維の効果について新たな実証データの報告がなされる可能性もあるようです。
最後に、インゲル・ビヨルク さん(スウェーデンルンド大学 機能食品科学センター センター長)からは、大麦と豆類に含まれる食物繊維のプレバイオティクス(※1)としての可能性と潜在能力に関して講義が行われました。
(※1)消化管上部で分解・吸収されない。腸内環境を整え、人の健康の増進維持に役立つ物質。善玉菌だけを増やす。大麦や茶豆の食物繊維は、潜在能力として、腸内細菌を調整し、それにより健康的な細菌層を生成する働きがあると考えられています。また実験を通して、夕食に大麦や茶豆の摂取すると腸内発酵が起こり、その後の食事の際の空腹感を抑えることがわかっています。翌日の血糖レベルが低くなる「セカンドミール効果」の結果も出ています。
本シンポジウム講義を通じ、大麦の持つ潜在能力の高さや、肥満、メタボリックシンドロームに対して有効的な効果を発揮することが、改めて理解されることとなりました。
総合討論と展望
プログラム最後の総合討論では、参加者から各先生方へ多くの質問が寄せられ、活発な意見交換が行われました。また登壇された先生方も互いに質問をされ、食物繊維における国際的なやり取りが展開されました。この積極的な討論の模様は、食物繊維の中でも穀物の食物繊維の重要性と将来性を感じさせる光景となりました。
シュニーマンさんの講義でアメリカの栄養表示に関する取り組みに触れることは、日本の「食品の新たな機能性表示制度」の導入において、実りある機会となりました。
また各先生方の講義を通して、食物繊維の研究は単なる栄養素としての研究にとどまらず、医学領域まで及ぶ重要な分野になってきていることが明らかになりました。この分野の更なる発展の為にも、若手研究者の活躍に期待していると、座長の青江先生は語られております。
今後も、日本食物繊維学会は、引き続き最前線の情報を発信していく意気込みを示しました。
《講演者プロフィール》
バーバラ・シュニーマン (カリフォルニア大学 デイビス校名誉教授)
カリフォルニア大学デイビス校名誉教授。FDA(食品医薬品局)の栄養・機能性表示・サプリメント部の部長を暦任。栄養学領域の研究教育に注力。栄養ガイドライン専門委員会、米国科学アカデミー、米国農務省、国連食糧農業機関、世界保健機構などで委員活動を行ってきた。食品・栄養分野における政策策定での功績が大きい。
円谷陽一 (埼玉大学 理工学研究科教授)
埼玉大学理工学部卒業。大阪市立大学大学院にて博士課程修了(学術博士)。アルバート・アインシュタイン医科大学研究員などを経て、2000年より現職。高等植物の細胞壁を構成する多糖や糖タンパク質の性質、これらの生理機能について研究。埼玉県の地域ブランド創出と地域振興を目指し、大麦の粉を用いた麺やパンの開発にも取り組んできた。
青江誠一郎 (大妻女子大学 家政学部教授)
千葉大学大学院自然科学研究科博士課程修了。雪印乳業技術研究所を経て2007年より現職。専門は栄養化学。食物繊維の機能性、消化管機能、脂質栄養、メタボリックシンドロームなど研究。2010年日本食物繊維学会・学会賞を受賞。穀類の食物繊維研究をけん引してきた第一人者。今回の、本学会学術集会の会長を務める。
インゲル・ビヨルク (スウェーデンルンド大学 機能食品科学センター センター長)
スウェーデン抗糖尿病食品センターの部長(managing director)も兼任。食材の選択や加工・処理法の違い、摂取のタイミングが血糖調整や代謝、食欲に与える影響について研究。スウェーデン王立科学アカデミーの食品・栄養グループ、国際炭水化物品質コンソーシアム、ILSI(国際生命科学研究機構)などの委員会のメンバーも務める。
日本では2015年の春に「食品の新たな機能性表示制度」の導入を控えており、それに伴い様々な食品の栄養素に注目が集まってきています。その中でも特に、食物繊維の一つである大麦由来の「β-グルカン」という成分には期待が高まっており、研究や調査が盛んに行われています 。そこで今年で19回目の開催となる「日本食物繊維学会 学術集会」では、公開特別シンポジウムに於いて、医師・研究者・管理栄養士の皆様はもちろんのこと、行政・メディアご関係者の皆様へ食物繊維の重要性を広くご理解いただくために、穀物の食物繊維を中心とした世界での取り組みや最前線の研究成果を紹介しました。
特別講演ではアメリカの品質表示の第一人者であるカリフォルニア大学デイビス校名誉教授でFDA(食品医薬品局)の栄養・機能性表示・サプリメント部の部長を歴任したバーバラ・シュニーマンさんに登壇いただき、アメリカにおける食物繊維の健康強調表示に関する規制制度や、栄養表記の現状について講演いただきました。その他、円谷陽一さん、青江誠一郎さん、インゲル・ビヨルクさんという各研究分野を代表する先生方にお越しいただき、食物繊維に関する最先端のお話を伺うことが出来ました。
《実施概要》
【日時】
2014年11月29日(土) 14:30〜17:30
【会場】
大妻女子大学 千代田キャンパス (東京都千代田区三番町12 )
【プログラム】
座長 :青江誠一郎(大妻女子大学 家政学部教授)
森田達也(静岡大学 農学部教授)
■特別講演:食物繊維〜現行政策と今後の展望〜
バーバラ・シュニーマン(カリフォルニア大学デイビス校 名誉教授)
■シンポジウム1.:穀類の機能性 〜 多糖類の種類と構造について〜
円谷陽一(埼玉大学 理工 学研究科教授)
■シンポジウム2.:穀物繊維の機能性研究に関する最新情報
青江誠一郎(大妻女子大学 家政学部教授)
■シンポジウム3.:穀物繊維のセカンドミール効果
インゲル・ビヨルク(スウェーデンルンド大学 機能食品科学センター センター長)
■総合討論:質疑応答
バーバラ・シュニーマンさんによる特別講演「食物繊維:現状の政策と今後の展望」
本講演では、機能性表示の先進国であるアメリカの食物繊維に関する健康強調表示や、栄養表示の現行政策と今後の展望についてお話いただきました。
テーマは大きく3つに絞られ、「アメリカでの栄養表示における食物繊維の現状」、「栄養表示についての新たな提案」、「科学的な正当性、エビデンスの評価について」です。
アメリカではFDA ( Food and Drug Administration:アメリカ食品医薬品局)を中心に食品への機能性表示の取り組みが行われています。中でも食物繊維は、摂取すべき大事な成分としての意識が高く、1990年頃から栄養表示や健康強調表示に関する検討が活発に行われてきました。
現状の食物繊維の栄養表示は、「分量(基準値に対する割合)」、「水溶性食物繊維・不溶性食物繊維のどちらに該当するか」の表記ですが、2014年3月にFDAは栄養表示についての改訂案を発表しました。
食物繊維の定義の見直しや、栄養表示の基準値を25gから28gへ変更すること等が提案されています。
この提案に対してはパブリックコメントが4000件寄せられており、内容の整理は困難を極めるとのことですが、現在2015年の施行に向けて順次精査が行われている状況です。
FDAでは、栄養表示のエビデンスとなる情報に対して、科学的根拠の評価を厳しく行っています。信頼にたりるエビデンスかどうかのランク付けを行ない、厳密な情報の精査が行われます。このような研究の質、エビデンスレベルの高さや、一貫性に至るまで徹底的に評価する体制が今日のアメリカの栄養表示制度を支えているのです。
本講演では、アメリカの栄養表示や健康強調表示に設けられている規定、根拠となるエジビデンスに対する厳しい評価体制等についての現状と今後の検討事項を発表いただきましたが、非常にこと細かく取り決めがなされており、アメリカの栄養表示と健康強調表示における先進性を納得させられる内容となりました、2015年春に「食品の新たな機能性表示制度」の導入を控えている日本にとって、その取り決めなど大いに参考になり、参加者全員が熱心に耳を傾ける特別講義でした
各先生方の講義: 円谷陽一さん 青江誠一郎さん インゲル・ビヨルクさん
本シンポジウムでは、各界を代表する先生方にも講義を行っていただきました。
円谷陽一先生(埼玉大学 理工学研究科教授)は、穀類の機能性について「穀類細胞壁多糖」の構造や構成に焦点を於いたお話をいただきました。
青江誠一郎先生(大妻女子大学 家政学部教授)からは、食物繊維の摂取における穀物の役割とその重要性を最新情報を中心に講義いただきました。
朝食に穀物を摂取することでの効果を海外のレビューや実験結果を基にお話されました。
具体効果として、糖尿病や動脈疾患のリスク軽減、血中コレステロール濃度の低下の可能性があります。
また、穀物の食物繊維の摂取は、メタボリックシンドロームや満腹感の持続にも良い影響があると考えられています。その要因の一つとしては、大麦などに含まれる食物繊維の「β-グルカン」という成分の働きが作用しています。「β-グルカン」はゲル状になる性質から、胃腸内での消化吸収をゆっくりさせる効果があり、これが満腹感の持続や腹囲や内蔵脂肪への良い効果をもたらします。民間企業との共同研究でBMIが高い人への「β-グルカン」摂取の試験を行ったところ、実際に腹囲、内蔵脂肪の減少がみられたという事例もご紹介いただきました。
合わせて、食物繊維の具体的効果として「セカンドミール効果」というものが紹介されました。 「β-グルカン」は食べた物の消化吸収を緩やかにし、食後の血糖値の上昇を抑えてくれます。そして、この状態が次の食事にまで及ぶことが分かってきております。つまりは朝食に穀物の食物繊維を摂取すれば、次の昼食、夕食後の血糖値にも影響があることになり、このことを「セカンドミール効果」といいます。
今後「β-グルカン」に関しては、それを含む大麦と含まない大麦(「β‐グルカン」を含まない大麦は現在開発中)を用いた100人規模での実験が考えられており、穀物の食物繊維の効果について新たな実証データの報告がなされる可能性もあるようです。
最後に、インゲル・ビヨルク さん(スウェーデンルンド大学 機能食品科学センター センター長)からは、大麦と豆類に含まれる食物繊維のプレバイオティクス(※1)としての可能性と潜在能力に関して講義が行われました。
(※1)消化管上部で分解・吸収されない。腸内環境を整え、人の健康の増進維持に役立つ物質。善玉菌だけを増やす。大麦や茶豆の食物繊維は、潜在能力として、腸内細菌を調整し、それにより健康的な細菌層を生成する働きがあると考えられています。また実験を通して、夕食に大麦や茶豆の摂取すると腸内発酵が起こり、その後の食事の際の空腹感を抑えることがわかっています。翌日の血糖レベルが低くなる「セカンドミール効果」の結果も出ています。
本シンポジウム講義を通じ、大麦の持つ潜在能力の高さや、肥満、メタボリックシンドロームに対して有効的な効果を発揮することが、改めて理解されることとなりました。
総合討論と展望
プログラム最後の総合討論では、参加者から各先生方へ多くの質問が寄せられ、活発な意見交換が行われました。また登壇された先生方も互いに質問をされ、食物繊維における国際的なやり取りが展開されました。この積極的な討論の模様は、食物繊維の中でも穀物の食物繊維の重要性と将来性を感じさせる光景となりました。
シュニーマンさんの講義でアメリカの栄養表示に関する取り組みに触れることは、日本の「食品の新たな機能性表示制度」の導入において、実りある機会となりました。
また各先生方の講義を通して、食物繊維の研究は単なる栄養素としての研究にとどまらず、医学領域まで及ぶ重要な分野になってきていることが明らかになりました。この分野の更なる発展の為にも、若手研究者の活躍に期待していると、座長の青江先生は語られております。
今後も、日本食物繊維学会は、引き続き最前線の情報を発信していく意気込みを示しました。
《講演者プロフィール》
バーバラ・シュニーマン (カリフォルニア大学 デイビス校名誉教授)
カリフォルニア大学デイビス校名誉教授。FDA(食品医薬品局)の栄養・機能性表示・サプリメント部の部長を暦任。栄養学領域の研究教育に注力。栄養ガイドライン専門委員会、米国科学アカデミー、米国農務省、国連食糧農業機関、世界保健機構などで委員活動を行ってきた。食品・栄養分野における政策策定での功績が大きい。
円谷陽一 (埼玉大学 理工学研究科教授)
埼玉大学理工学部卒業。大阪市立大学大学院にて博士課程修了(学術博士)。アルバート・アインシュタイン医科大学研究員などを経て、2000年より現職。高等植物の細胞壁を構成する多糖や糖タンパク質の性質、これらの生理機能について研究。埼玉県の地域ブランド創出と地域振興を目指し、大麦の粉を用いた麺やパンの開発にも取り組んできた。
青江誠一郎 (大妻女子大学 家政学部教授)
千葉大学大学院自然科学研究科博士課程修了。雪印乳業技術研究所を経て2007年より現職。専門は栄養化学。食物繊維の機能性、消化管機能、脂質栄養、メタボリックシンドロームなど研究。2010年日本食物繊維学会・学会賞を受賞。穀類の食物繊維研究をけん引してきた第一人者。今回の、本学会学術集会の会長を務める。
インゲル・ビヨルク (スウェーデンルンド大学 機能食品科学センター センター長)
スウェーデン抗糖尿病食品センターの部長(managing director)も兼任。食材の選択や加工・処理法の違い、摂取のタイミングが血糖調整や代謝、食欲に与える影響について研究。スウェーデン王立科学アカデミーの食品・栄養グループ、国際炭水化物品質コンソーシアム、ILSI(国際生命科学研究機構)などの委員会のメンバーも務める。