iPS細胞で動物再生医療を推進するVetanic、シリーズAにて5億円の資金調達を実施
[22/08/24]
提供元:PRTIMES
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イヌMSC製剤の研究開発、製造拠点を整備、さらなるパイプラインの拡充も
独自の基盤技術で動物iPS細胞を構築し、獣医療域での再生医療等製品を開発する株式会社Vetanic(本社:東京都 港区、代表取締役CEO:望月 昭典、以下「Vetanic」)は、慶應イノベーション・イニシアティブが運営するKII2号投資事業有限責任組合、QBキャピタルおよびNCBベンチャーキャピタルが共同で運営するQB第ニ号投資事業有限責任組合を引受先とするシリーズA第三者割当増資にて、5億円の資金調達を実施致しました。
2021年7月に実施したシードラウンド(1.5億円)に続いての調達となります。
Vetanicは日本大学および慶應義塾大学の共同研究成果を基盤とするアカデミア発バイオベンチャーで、動物向けのiPS細胞由来再生医療等製品の開発を進めています。これまでイヌ等の一部の動物種では、マウスやヒトに比べiPS細胞の樹立が困難(多能性誘導耐性)であることが知られていました。日本大学生物資源科学部 獣医学科獣医外科学研究室 枝村一弥教授(獣医師)、久留米大学医学部動物実験センター 塩澤誠司准教授(元慶應義塾大学医学部生理学教室、獣医師)および慶應義塾大学医学部生理学教室 岡野栄之教授(医師)らは共同研究でこの課題を克服し、臨床応用に適したiPS細胞を作製する独自技術を完成、特許を共同出願しています(*1。本基盤技術を用いて、iPS細胞由来イヌ間葉系幹細胞(MSC)をはじめとした多様な再生医療等製品の研究開発を推進、農林水産省に薬機法(*2に基づく動物用再生医療等製品として製造販売承認申請を行い、実用化を目指します。
再生医療は近年、ヒトの疾患治療法としても様々な活用が試行されており、難治性疾患治療における次世代治療法として期待されています。とりわけiPS細胞は京都大学 山中伸弥教授が発見した功績からノーベル賞を受賞した技術であり、世界的にもその応用の可能性が注目され、本邦はその最先端の研究開発を担う位置づけとなっています。
獣医療においても再生医療・細胞治療は積極的に取り組まれており、MSCなどの幹細胞治療法は、一部の先進的な動物病院で臨床応用されています。しかし、日本国内におけるこの様な細胞治療法はそのほとんどがこの様な個々の動物病院の献身的な努力に依存しており、本邦において昨年世界初のイヌ脂肪由来同種MSC製剤が承認・発売されたものの、動物再生医療は未だ黎明期と言わざるを得ません。
脂肪由来MSC製剤の課題として、その原料を動物に依存していることから治療効果や安全性について個体差に起因する製剤ロット間の均質性や、更には利用増に伴うドナー動物への身体的負担も倫理的な懸念点となります。
VetanicはiPS細胞を用いることで均質な製品の大量製造や多様な再生医療等製品への展開を極めて低いドナー依存性で実現し、サステナブルでありつつ、ご家族の方がアクセシブルな再生医療の実現を目指します。
Vetanicは最初の製品として、イヌiPS細胞由来MSC製剤の開発を推進しています。
我々の最も身近な動物であるイヌは、これまでiPS細胞の作製が困難でしたが、独自の初期化因子セットをウイルスを用いずに遺伝子導入し臨床応用に適したiPS細胞を構築、このiPS細胞をマスターセルバンク化することで、ドナーフリーでMSCを誘導することが可能となります。
[画像: https://prtimes.jp/i/83002/5/resize/d83002-5-12553c60b89209c3e645-0.jpg ]
この度の第三者割当増資で得た資金はイヌiPS細胞由来MSC製剤の製造方法開発、非臨床試験ならびに臨床試験の実施に用いる他、GMP製造を見据えた製造拠点の整備に充当します。
さらに当社は現在MSC製剤に続く2つ目の再生医療等製品の開発に着手すべく準備を進めており、当該パイプラインにも資金注入してまいります。
これからもVetanicは、本iPS細胞を利用することでこれまでの技術課題を解決、高品質・低コスト、ドナーフリーで倫理的な再生医療等製品の開発・普及を促進し、より多くの動物たちの健康的で幸せな生活を通じて、人々へも幸福を届けて参ります。
iPS細胞とは
細胞を培養して人工的に作られた多能性の幹細胞のこと(人工多能性幹細胞(induced pluripotent stem cell))。2006年8月に京都大学の山中伸弥教授らにより世界で初めてiPS細胞が作製され、その画期的な功績から2012年にノーベル医学・生理学賞を受賞した。山中らは、皮膚などに分化・成熟した体細胞に4つの初期化遺伝子を組み込むことで、あらゆる生体組織に成長できる受精卵のような万能な細胞を作ることに成功した。この技術を基に現在数多くの再生医療技術の開発が国内外で進められている。
間葉系幹細胞(MSC)とは
MSCは体にもともと備わっている幹細胞(体性幹細胞)の一つで、自己複製能と他の細胞への分化能を持つ細胞である。iPS細胞に比べると分化できる細胞のタイプが限られているが、骨、軟骨、脂肪、神経、肝細胞など、様々な細胞に分化できるという性質を持つことから、再生医療への応用が注目されている。既にヒトにおいて承認済みのMSC製剤も販売されており、疾患治療の実績が積み上げられつつある。現在臨床的には脂肪や骨髄、末梢血などから採取・増殖したMSCが用いられている。
*1)「さまざまな動物種からiPS細胞を作出する方法の確立-幹細胞を用いた細胞工学の基盤となる重要なリソース-」 https://www.keio.ac.jp/ja/press-releases/files/2021/4/2/210402-1.pdf
*2)「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律」
株式会社Vetanicについて
Vetanicは大学発の再生医療技術の社会実装をめざして設立したバイオベンチャーです。国立研究開発法人科学技術振興機構(JST)の大学発新産業創出プログラム<社会還元加速プログラム(SCORE)発ベンチャーとして、創業いたしました(https://www.jst.go.jp/start/biz-model/startup.html)。
独自の動物iPS細胞樹立技術を基盤として、世界展開可能な、間葉系幹細胞をはじめとしたドナーフリー・高品質の再生医療等製品を開発します。
■ 会社概要
会社名:株式会社Vetanic
所在地:東京都港区浜松町2丁目2-15
ラ ボ:神奈川県藤沢市村岡東2丁目26−1(湘南ヘルスイノベーションパーク内)
代表者:望月 昭典
設 立:2021年1月8日
資本金:6億5785万円(資本準備金を含む)
URL:www.vetanic.com
■ 本件に関するお問い合わせ
株式会社Vetanic
contact@vetanic.com
独自の基盤技術で動物iPS細胞を構築し、獣医療域での再生医療等製品を開発する株式会社Vetanic(本社:東京都 港区、代表取締役CEO:望月 昭典、以下「Vetanic」)は、慶應イノベーション・イニシアティブが運営するKII2号投資事業有限責任組合、QBキャピタルおよびNCBベンチャーキャピタルが共同で運営するQB第ニ号投資事業有限責任組合を引受先とするシリーズA第三者割当増資にて、5億円の資金調達を実施致しました。
2021年7月に実施したシードラウンド(1.5億円)に続いての調達となります。
Vetanicは日本大学および慶應義塾大学の共同研究成果を基盤とするアカデミア発バイオベンチャーで、動物向けのiPS細胞由来再生医療等製品の開発を進めています。これまでイヌ等の一部の動物種では、マウスやヒトに比べiPS細胞の樹立が困難(多能性誘導耐性)であることが知られていました。日本大学生物資源科学部 獣医学科獣医外科学研究室 枝村一弥教授(獣医師)、久留米大学医学部動物実験センター 塩澤誠司准教授(元慶應義塾大学医学部生理学教室、獣医師)および慶應義塾大学医学部生理学教室 岡野栄之教授(医師)らは共同研究でこの課題を克服し、臨床応用に適したiPS細胞を作製する独自技術を完成、特許を共同出願しています(*1。本基盤技術を用いて、iPS細胞由来イヌ間葉系幹細胞(MSC)をはじめとした多様な再生医療等製品の研究開発を推進、農林水産省に薬機法(*2に基づく動物用再生医療等製品として製造販売承認申請を行い、実用化を目指します。
再生医療は近年、ヒトの疾患治療法としても様々な活用が試行されており、難治性疾患治療における次世代治療法として期待されています。とりわけiPS細胞は京都大学 山中伸弥教授が発見した功績からノーベル賞を受賞した技術であり、世界的にもその応用の可能性が注目され、本邦はその最先端の研究開発を担う位置づけとなっています。
獣医療においても再生医療・細胞治療は積極的に取り組まれており、MSCなどの幹細胞治療法は、一部の先進的な動物病院で臨床応用されています。しかし、日本国内におけるこの様な細胞治療法はそのほとんどがこの様な個々の動物病院の献身的な努力に依存しており、本邦において昨年世界初のイヌ脂肪由来同種MSC製剤が承認・発売されたものの、動物再生医療は未だ黎明期と言わざるを得ません。
脂肪由来MSC製剤の課題として、その原料を動物に依存していることから治療効果や安全性について個体差に起因する製剤ロット間の均質性や、更には利用増に伴うドナー動物への身体的負担も倫理的な懸念点となります。
VetanicはiPS細胞を用いることで均質な製品の大量製造や多様な再生医療等製品への展開を極めて低いドナー依存性で実現し、サステナブルでありつつ、ご家族の方がアクセシブルな再生医療の実現を目指します。
Vetanicは最初の製品として、イヌiPS細胞由来MSC製剤の開発を推進しています。
我々の最も身近な動物であるイヌは、これまでiPS細胞の作製が困難でしたが、独自の初期化因子セットをウイルスを用いずに遺伝子導入し臨床応用に適したiPS細胞を構築、このiPS細胞をマスターセルバンク化することで、ドナーフリーでMSCを誘導することが可能となります。
[画像: https://prtimes.jp/i/83002/5/resize/d83002-5-12553c60b89209c3e645-0.jpg ]
この度の第三者割当増資で得た資金はイヌiPS細胞由来MSC製剤の製造方法開発、非臨床試験ならびに臨床試験の実施に用いる他、GMP製造を見据えた製造拠点の整備に充当します。
さらに当社は現在MSC製剤に続く2つ目の再生医療等製品の開発に着手すべく準備を進めており、当該パイプラインにも資金注入してまいります。
これからもVetanicは、本iPS細胞を利用することでこれまでの技術課題を解決、高品質・低コスト、ドナーフリーで倫理的な再生医療等製品の開発・普及を促進し、より多くの動物たちの健康的で幸せな生活を通じて、人々へも幸福を届けて参ります。
iPS細胞とは
細胞を培養して人工的に作られた多能性の幹細胞のこと(人工多能性幹細胞(induced pluripotent stem cell))。2006年8月に京都大学の山中伸弥教授らにより世界で初めてiPS細胞が作製され、その画期的な功績から2012年にノーベル医学・生理学賞を受賞した。山中らは、皮膚などに分化・成熟した体細胞に4つの初期化遺伝子を組み込むことで、あらゆる生体組織に成長できる受精卵のような万能な細胞を作ることに成功した。この技術を基に現在数多くの再生医療技術の開発が国内外で進められている。
間葉系幹細胞(MSC)とは
MSCは体にもともと備わっている幹細胞(体性幹細胞)の一つで、自己複製能と他の細胞への分化能を持つ細胞である。iPS細胞に比べると分化できる細胞のタイプが限られているが、骨、軟骨、脂肪、神経、肝細胞など、様々な細胞に分化できるという性質を持つことから、再生医療への応用が注目されている。既にヒトにおいて承認済みのMSC製剤も販売されており、疾患治療の実績が積み上げられつつある。現在臨床的には脂肪や骨髄、末梢血などから採取・増殖したMSCが用いられている。
*1)「さまざまな動物種からiPS細胞を作出する方法の確立-幹細胞を用いた細胞工学の基盤となる重要なリソース-」 https://www.keio.ac.jp/ja/press-releases/files/2021/4/2/210402-1.pdf
*2)「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律」
株式会社Vetanicについて
Vetanicは大学発の再生医療技術の社会実装をめざして設立したバイオベンチャーです。国立研究開発法人科学技術振興機構(JST)の大学発新産業創出プログラム<社会還元加速プログラム(SCORE)発ベンチャーとして、創業いたしました(https://www.jst.go.jp/start/biz-model/startup.html)。
独自の動物iPS細胞樹立技術を基盤として、世界展開可能な、間葉系幹細胞をはじめとしたドナーフリー・高品質の再生医療等製品を開発します。
■ 会社概要
会社名:株式会社Vetanic
所在地:東京都港区浜松町2丁目2-15
ラ ボ:神奈川県藤沢市村岡東2丁目26−1(湘南ヘルスイノベーションパーク内)
代表者:望月 昭典
設 立:2021年1月8日
資本金:6億5785万円(資本準備金を含む)
URL:www.vetanic.com
■ 本件に関するお問い合わせ
株式会社Vetanic
contact@vetanic.com