1台のスマートフォンで高精度な路面点検へ、「GLOCAL-EYEZ」
[23/10/23]
提供元:PRTIMES
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〜スマートフォン搭載の一般車両では初、路面性状3要素の全指標で性能確認試験に合格〜
「GLOCAL-EYEZ」が2023年度路面性状自動測定装置の性能確認試験にて、路面性状3要素の全点検指標に合格しました
(株)スマートシティ技術研究所とニチレキ(株)が共同開発したスマートフォンによる道路点検DXシステム「GLOCAL-EYEZ」が、この度、一般財団法人土木研究センター実施の「2023年度路面性状自動測定装置の性能確認試験」(以下、性能確認試験)に合格しました。「GLOCAL-EYEZ」は、一般車両にスマートフォン1台を取り付け通常通りに走行するだけで、路面性状を測定できる技術です。このように専用の機器や車両を必要とせず、スマートフォンによる振動計測と画像撮影に基づくシステムとしては初めて、「ひび割れ」、「わだち掘れ」「平たん性」という路面点検の3要素のすべてに合格することができました。従来では、初期コストが1億円程度の専用の路面性状調査車により測定されていた路面性状点検の全指標を、1台の車両内設置スマートフォンで高精度に点検することができるようになり、道路点検業界の革命的な効率化、高度化への期待が寄せられています。
[画像1: https://prtimes.jp/i/107939/5/resize/d107939-5-9ec580441c630e84b62e-8.png ]
図:GLOCAL-EYEZ測定イメージ 図:性能確認証書
[画像2: https://prtimes.jp/i/107939/5/resize/d107939-5-beab061c34b0554b6dee-10.png ]
開発の背景
日本の道路の総延長は、120万kmにのぼると言われています。これら膨大な量の道路インフラは年々老朽化が進んでおり、国や自治体をはじめとする道路管理者は限られた予算の中で適切かつ効率的に維持管理していくことが求められています。現状の路面性状調査業務は、高価な路面性状調査車により行われており、その路面性状調査車は1台あたり1億円ともいわれる初期コストおよび、運用コストとデータ解析の手間が課題となっています。広大な道路ネットワークの状態を効率的かつ客観的に把握し、詳細調査や補修の要否、事故リスクの高い道路を確実に絞り込むスクリーニング技術が欠かせません。
[画像3: https://prtimes.jp/i/107939/5/resize/d107939-5-f5fb47484ba8d7791ef1-11.png ]
こうした背景を受けて、(株)スマートシティ技術研究所とニチレキ(株)は東京大学と共同で、スマートフォン1台だけで高精度に路面点検指標を測定できる手法を開発し、DXクラウドシステム「GLOCAL-EYEZ」に実装しました。簡易装置とクラウド技術の利点を生かし、道路維持管理業務のコスト削減、ならびに大幅な効率化が期待できます。
スマホによる路面調査技術の開発タイムラインおよび実績
「簡易な手段による高頻度かつ正確な路面性状調査の実現」をマイルストーンとして、(株)スマートシティ技術研究所とニチレキ(株)は東京大学と共同で、技術開発を行いました。特に、路面性状3要素と呼ばれる路面調査に必要な3つの点検指標(ひび割れ、平たん性、わだち掘れ)を高精度に検出することを開発目標と設定しました。具体的な開発タイムラインおよび実績を以下に列挙します。
2014年:東京大学橋梁風工学研究室にて趙氏(代表取締役)が「平たん性」評価の博士研究を開始
2017年: [路面性状自動測定装置の性能確認試験]の「平たん性」に合格
2018年:趙氏が東京大学大学院工学系研究科長賞を受賞
2019年:文部科学大臣表彰 科学技術賞(開発部門)
2020年:国土交通省関東地方整備局「マッチング事業」にて,「ひび割れ」評価の研究を東京大学と共同実施
2022年:[路面性状自動測定装置の性能確認試験] の「平たん性」と「ひび割れ」に合格
2022年:国土交通省関東地方整備局「マッチング事業」にて,「わだち掘れ」評価の研究を東京大学と共同実施
2023年:中国「国家道路自動測定装置性能試験」の「IRI」と「ひび割れ」に合格
2023年:国土交通省「道路巡視性能カタログ」に「ポットホール」が登録
(精度最高位、検出率:100%)
2023年:国土交通省「舗装点検性能カタログ」に「IRI」と「ひび割れ」が登録
2023年:[路面性状自動測定装置の性能確認試験] の路面性状3要素に全て合格
(車載簡易装置に基づく技術としては唯一かつ初めての合格)
「GLOCAL-EYEZ」の優れた技術
2022年までに、長年の研究開発を通じて、鳥観図解析によるひび割れ推定や車両同定技術による平たん性推定技術を開発しました。その推定精度は非常に高く、2022年の性能確認試験に合格しています。
※詳細はhttps://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000003.000107939.htmlをご参照ください。
[画像4: https://prtimes.jp/i/107939/5/resize/d107939-5-a9ca53e082bebaa37a61-0.png ]
ただし、路面点検業務では、「ひび割れ」と「平たん性」のみならず、直進していてもハンドルを取られたり、車線変更時に車が揺れる要因となる「わだち掘れ」に対する点検も非常に重要です。従来の測定方法は人力測定や専用車に搭載されているレーザー投光器やラインセンサカメラによる測定に限定されており、一般車両の前方画像による推定は非常に難しいと言われていました。
[画像5: https://prtimes.jp/i/107939/5/resize/d107939-5-06e4cf0c176954dccbab-0.png ]
そこで、特徴点マッチングによる路面横断形状推定技術(特願:特願2023- 80856)を新たに開発し、車両内設置カメラによるわだち掘れへの定量評価に成功しました。この「わだち掘れ定量評価」の実現により、今回の性能確認試験において、全指標に同時合格することができました。なお、開発した特許技術は、わだち掘れのみならず、路面段差やポットホール深さの定量評価にも適用でき、現在多くの道路管理者に期待されています。
[画像6: https://prtimes.jp/i/107939/5/resize/d107939-5-df375c32fc2dc5300c0b-7.png ]
「GLOCAL-EYEZ」の展開実績
高い技術力に基づいて開発された[GLOCAL-EYEZ]は2021年9月リリース以来、導入実績は毎年連続して前年度比200%を達成しており、2023年上半期までは国内計100以上の自治体や国道事務所に対して実証実験も含めてサービスの提供をしております。そのうち半分以上において有償導入に至っており、3年以上定着して使われている自治体も多数あります。なお、姉妹サービスである[GE×Patrol]や[GE×Photopro]といった写真通報型クラウドシステムもパッケージとして展開しており、路面性状点検業務のみならず、パトロール業務の効率化や住民通報の見える化など、道路管理全体に貢献しております。
[画像7: https://prtimes.jp/i/107939/5/resize/d107939-5-81b4fbf31aa7c6c90a6c-0.png ]
株式会社スマートシティ技術研究所について
株式会社スマートシティ技術研究所は、インフラ維持管理分野における最先端の研究成果を社会に還元することをミッションに、2019年に設立された東京大学発のベンチャー企業です。
「GLOCAL-EYEZ」が2023年度路面性状自動測定装置の性能確認試験にて、路面性状3要素の全点検指標に合格しました
(株)スマートシティ技術研究所とニチレキ(株)が共同開発したスマートフォンによる道路点検DXシステム「GLOCAL-EYEZ」が、この度、一般財団法人土木研究センター実施の「2023年度路面性状自動測定装置の性能確認試験」(以下、性能確認試験)に合格しました。「GLOCAL-EYEZ」は、一般車両にスマートフォン1台を取り付け通常通りに走行するだけで、路面性状を測定できる技術です。このように専用の機器や車両を必要とせず、スマートフォンによる振動計測と画像撮影に基づくシステムとしては初めて、「ひび割れ」、「わだち掘れ」「平たん性」という路面点検の3要素のすべてに合格することができました。従来では、初期コストが1億円程度の専用の路面性状調査車により測定されていた路面性状点検の全指標を、1台の車両内設置スマートフォンで高精度に点検することができるようになり、道路点検業界の革命的な効率化、高度化への期待が寄せられています。
[画像1: https://prtimes.jp/i/107939/5/resize/d107939-5-9ec580441c630e84b62e-8.png ]
図:GLOCAL-EYEZ測定イメージ 図:性能確認証書
[画像2: https://prtimes.jp/i/107939/5/resize/d107939-5-beab061c34b0554b6dee-10.png ]
開発の背景
日本の道路の総延長は、120万kmにのぼると言われています。これら膨大な量の道路インフラは年々老朽化が進んでおり、国や自治体をはじめとする道路管理者は限られた予算の中で適切かつ効率的に維持管理していくことが求められています。現状の路面性状調査業務は、高価な路面性状調査車により行われており、その路面性状調査車は1台あたり1億円ともいわれる初期コストおよび、運用コストとデータ解析の手間が課題となっています。広大な道路ネットワークの状態を効率的かつ客観的に把握し、詳細調査や補修の要否、事故リスクの高い道路を確実に絞り込むスクリーニング技術が欠かせません。
[画像3: https://prtimes.jp/i/107939/5/resize/d107939-5-f5fb47484ba8d7791ef1-11.png ]
こうした背景を受けて、(株)スマートシティ技術研究所とニチレキ(株)は東京大学と共同で、スマートフォン1台だけで高精度に路面点検指標を測定できる手法を開発し、DXクラウドシステム「GLOCAL-EYEZ」に実装しました。簡易装置とクラウド技術の利点を生かし、道路維持管理業務のコスト削減、ならびに大幅な効率化が期待できます。
スマホによる路面調査技術の開発タイムラインおよび実績
「簡易な手段による高頻度かつ正確な路面性状調査の実現」をマイルストーンとして、(株)スマートシティ技術研究所とニチレキ(株)は東京大学と共同で、技術開発を行いました。特に、路面性状3要素と呼ばれる路面調査に必要な3つの点検指標(ひび割れ、平たん性、わだち掘れ)を高精度に検出することを開発目標と設定しました。具体的な開発タイムラインおよび実績を以下に列挙します。
2014年:東京大学橋梁風工学研究室にて趙氏(代表取締役)が「平たん性」評価の博士研究を開始
2017年: [路面性状自動測定装置の性能確認試験]の「平たん性」に合格
2018年:趙氏が東京大学大学院工学系研究科長賞を受賞
2019年:文部科学大臣表彰 科学技術賞(開発部門)
2020年:国土交通省関東地方整備局「マッチング事業」にて,「ひび割れ」評価の研究を東京大学と共同実施
2022年:[路面性状自動測定装置の性能確認試験] の「平たん性」と「ひび割れ」に合格
2022年:国土交通省関東地方整備局「マッチング事業」にて,「わだち掘れ」評価の研究を東京大学と共同実施
2023年:中国「国家道路自動測定装置性能試験」の「IRI」と「ひび割れ」に合格
2023年:国土交通省「道路巡視性能カタログ」に「ポットホール」が登録
(精度最高位、検出率:100%)
2023年:国土交通省「舗装点検性能カタログ」に「IRI」と「ひび割れ」が登録
2023年:[路面性状自動測定装置の性能確認試験] の路面性状3要素に全て合格
(車載簡易装置に基づく技術としては唯一かつ初めての合格)
「GLOCAL-EYEZ」の優れた技術
2022年までに、長年の研究開発を通じて、鳥観図解析によるひび割れ推定や車両同定技術による平たん性推定技術を開発しました。その推定精度は非常に高く、2022年の性能確認試験に合格しています。
※詳細はhttps://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000003.000107939.htmlをご参照ください。
[画像4: https://prtimes.jp/i/107939/5/resize/d107939-5-a9ca53e082bebaa37a61-0.png ]
ただし、路面点検業務では、「ひび割れ」と「平たん性」のみならず、直進していてもハンドルを取られたり、車線変更時に車が揺れる要因となる「わだち掘れ」に対する点検も非常に重要です。従来の測定方法は人力測定や専用車に搭載されているレーザー投光器やラインセンサカメラによる測定に限定されており、一般車両の前方画像による推定は非常に難しいと言われていました。
[画像5: https://prtimes.jp/i/107939/5/resize/d107939-5-06e4cf0c176954dccbab-0.png ]
そこで、特徴点マッチングによる路面横断形状推定技術(特願:特願2023- 80856)を新たに開発し、車両内設置カメラによるわだち掘れへの定量評価に成功しました。この「わだち掘れ定量評価」の実現により、今回の性能確認試験において、全指標に同時合格することができました。なお、開発した特許技術は、わだち掘れのみならず、路面段差やポットホール深さの定量評価にも適用でき、現在多くの道路管理者に期待されています。
[画像6: https://prtimes.jp/i/107939/5/resize/d107939-5-df375c32fc2dc5300c0b-7.png ]
「GLOCAL-EYEZ」の展開実績
高い技術力に基づいて開発された[GLOCAL-EYEZ]は2021年9月リリース以来、導入実績は毎年連続して前年度比200%を達成しており、2023年上半期までは国内計100以上の自治体や国道事務所に対して実証実験も含めてサービスの提供をしております。そのうち半分以上において有償導入に至っており、3年以上定着して使われている自治体も多数あります。なお、姉妹サービスである[GE×Patrol]や[GE×Photopro]といった写真通報型クラウドシステムもパッケージとして展開しており、路面性状点検業務のみならず、パトロール業務の効率化や住民通報の見える化など、道路管理全体に貢献しております。
[画像7: https://prtimes.jp/i/107939/5/resize/d107939-5-81b4fbf31aa7c6c90a6c-0.png ]
株式会社スマートシティ技術研究所について
株式会社スマートシティ技術研究所は、インフラ維持管理分野における最先端の研究成果を社会に還元することをミッションに、2019年に設立された東京大学発のベンチャー企業です。