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KPMG、「AIを用いたこれからの財務報告と監査」を発表

財務報告でのAI活用は、今後3年間で99%に拡大する見込み

KPMGインターナショナル(チェアマン:ビル・トーマス)は、主要10カ国の1,800社を対象に実施した「AIを用いたこれからの財務報告と監査」を発表しました。本調査によれば、すでに4分の3(72%)の企業が財務報告プロセスにおいて人工知能(AI)を試験的に導入または使用しており、この割合は次の3年間でほぼ全世界的なレベル(99%)に拡大すると見られています。
同時に、企業は監査人がより積極的で予測的な監査を推進するために、これまで以上にAIを活用することを期待しています。また、企業がAIを活用することで、財務報告の洞察力、精度、効率性を高めていることが明らかになりました。主な調査結果は、以下のとおりです。

主な調査結果
- 企業の約4分の3が財務報告にAIを試験的に導入または使用しており、3年後には99%に上昇する見込み
- 企業は監査人が変革をリードし、AIに対する保証を提供することを期待している
- 82%の企業が、自社の監査人が財務分析におけるAI導入において、自社と同等または先行していると考えている
- CFOなどの財務部門の責任者は、AIを活用して監査の品質向上や予防的な監査プロセスの開発、データ分析の強化を企業の財務報告体制に組み込むことを期待している
- AIの導入により、効率的かつ効果的な財務報告体制や経理体制を作ることができ、リスク識別と異常検出の精度が向上し、意思決定の改善が期待できる
- AIの積極的な活用には多くのメリットがある一方、データのセキュリティや倫理的な課題は残る。CFOはAI戦略を事業戦略に取り入れ、強固なAIガバナンスフレームワークを確立し、戦略的なAI技術とスキルへの投資を進めることが重要である
- 生成AIは、今後1年間における財務報告における最優先の技術である

地域、セクター、企業規模
地域別で最も急速に普及しているのは北米であり、39%の企業が財務報告にAIを選択的または広範に導入しています。これに続くのは、欧州(32%)、アジア太平洋(29%)地域です。
セクター別では、通信とテクノロジーの企業が最も進展しており、41%が財務報告プロセス内でのAIの選択的なまたは広範な活用を現在進めていると回答しています。エネルギー、天然資源、化学(35%)が続き、消費者・小売業(26%)は他の産業より遅れをとっています。
企業の規模も導入に影響を与えており、大企業ほど導入が進んでいます。本調査では、成熟度のフレームワークとして「リーダー」(24%)、「実装者」(52%)、「初心者」(24%)の3つに分類しています。売上高が100億米ドルを超える大企業の10社に4社が「リーダー」である一方、売上高が50億米ドル未満の企業では、「リーダー」はその割合の半分以下です。

導入のリーダーとして期待される監査人
財務報告におけるこれらの構造的な変化と並行して、AIは監査にも大きな影響を与え、新たな分析能力と洞察をもたらしています。実際、企業は監査人がAIの変革を主導し、財務報告の変革を促し、推進することを期待しています。
4分の3以上の企業が、AIの導入に伴う自動化やデータアナリティクスとともに、外部監査人がAIを使用することについて中程度ないし非常に重要であると考えています。財務分析におけるAIの導入について、監査人が自社より先行している、または同等であると考えている企業は全体の82%に上ります。企業は次の3つの主な目的のために、監査人にAIを監査で活用することを期待しています。
- 監査の効率と精度向上
- より積極的で、継続的かつ予測可能な手順の開発
- データと付加価値のある監査インサイトの収集

非常に多くの企業が、監査人に一歩進んだサービスを求めています。52%の企業が予測分析を重視することを求めており、47%が迅速な提供を望み、45%が年間を通じたリアルタイム監査を求めています。

調査結果について、KPMGインターナショナルのグローバル監査責任者であるラリー・ブラッドリーは次のように述べています。
「AIはすでに企業のシステム、プロセス、統制、財務報告に関するガバナンスなど企業の運営方法に多大な影響を及ぼしており、今後数年で劇的に加速するでしょう。私たちはデジタル時代を終え、AI時代に突入しようとしています。AIの力を単なるツールとしてではなく、監査の基本的なアプローチとしてすべての業務に活用することを約束します。私たちの目標は、AIが信頼でき、人間中心で、価値に基づいた方法で使用されるようにすることです。これは、KPMGの『Trusted AI Approach』によって支えられています。」

AIがもたらす大きなメリット - 生成AIが次の大きな焦点
財務報告でAIを導入している企業には、無数のメリットがあります。リーダーの3分の2は、最大の利点を「トレンドと影響の予測能力」(65%)と見ており、次いで「リアルタイムでのリスク洞察」(60%)、「データに基づく意思決定の改善」と「データの正確性の向上」(いずれも57%)も重視しています。
同時に、AIの使用は財務報告チームの生産性向上と、人材獲得およびスキル開発の向上にもつながっています。すでに10社中4社以上が従業員の生産性と効率が向上したと報告しており、3年後にはその割合が10社中6社にまで拡大すると見られています。
先を見据えて、企業は生成AIの大きな可能性に注目しています。比較的新しいテクノロジーであるため、「従来」のAIと比較して、現在試験導入または使用している企業は少ない(43%)ですが、今後3年間で大幅に加速する見込みです。実際、今後12か月間で、リーダーは財務報告のために他のどのテクノロジーよりも生成AIを優先すると言えます。データ&アナリティクス(44%)、プロセスマイニング(39%)、クラウド(36%)を抑えて、半数近く(47%)が生成AIを優先する見込みと回答しました。リスク管理 - 企業は監査人の保証と証明を求めている
企業はまた、監査人がAIの使用が堅実で安全であり、規則や規制に準拠していることを確認するための支援を求めています。将来的には、企業は財務報告プロセスにおけるAIの使用を評価し、AIの制御に対する保証と証明を提供するうえで、監査人がより重要な役割を果たすことを期待しています。回答者の3分の2近く(64%)が、監査人に、財務報告におけるAIの使用に関連した統制環境のより詳細なレビューを実施する役割を担うことを期待している、と回答しています。半数以上(53%)は、監査人がAIガバナンス成熟度評価を実施すると予測しており、3分の1は、AI技術の使用に関する第三者認証を監査人に依頼することを予期しています。しかしこの分野は、財務報告や監査におけるAIの活用の急速な発展ペースに合わせて規制を進め、歩調を合わせる必要がある分野と言えます。導入を前進させるために - リーダーから学ぶ
企業はAIのリスクを十分に認識しており、データセキュリティ、プライバシー、倫理的問題が最大の懸念事項として挙げられています。一般的に、サイバーセキュリティ問題や著作権・知的財産権に加え、プライバシーやハルシネ―ションなど、従来のAIよりも生成AIに対する懸念が大きいのが現状です。
AI実装に対するリスク管理、倫理的なアプローチを取ることは非常に重要であり、これはKPMGが透明性、公平性、説明責任などの品質を重視した「Trusted AI Approach」を策定した理由でもあります。
課題を克服し、リスクを軽減するために、企業はリーダーから多くを学ぶことができます。本調査では、AIフレームワーク、ガバナンス構造、トレーニングプログラムなどを通じて、リーダーがAI導入をコントロールするさまざまな方法を検証しています。KPMGインターナショナルのグローバル監査部門イノベーション統轄責任者であるセバスチャン・シュテックルは、次のように述べています。
「今やAIの導入は加速しているが、企業は慎重かつ適切な方法で進める必要があります。データ管理と分析の専門知識、規制と独立性プロセスに関する深い理解、革新を促進するクラス最高のアライアンス・パートナーへのアクセスなどを通じて、財務報告における変革を安全かつ成功裏に推進するための支援が必要でしょう。私たちはAIと生成AIの大きな可能性に誰よりも熱心であり、安全な導入に不可欠な保証と証明を提供するだけでなく、必要なイノベーションの推進を支援する準備が整っています。」「AI in financial reporting and audit: Navigating the new era」 報告書(英語)はこちら(本プレスリリースは、2024年5月8日にKPMGインターナショナルが発表したプレスリリースの日本語の抄訳版です。内容および解釈は英語の原文を優先します)

調査概要
[表: https://prtimes.jp/data/corp/140551/table/5_1_881ed8b457770411dc01e48df5cea5e7.jpg ]
KPMGについて
KPMGは、監査、税務、アドバイザリーサービスを提供する、独立したプロフェッショナルファームによるグローバルな組織体です。世界143の国と地域のメンバーファームに273,000人以上の人員を擁し、サービスを提供しています。KPMGの各ファームは、法律上独立した別の組織体です。
KPMG International Limitedは英国の保証有限責任会社(private English company limited by guarantee)です。KPMG International Limitedおよびその関連事業体は、クライアントに対していかなるサービスも提供していません。
日本におけるメンバーファームは、次のとおりです。
有限責任 あずさ監査法人、KPMG税理士法人、KPMGコンサルティング株式会社、株式会社 KPMG FAS、KPMGあずさサステナビリティ株式会社、KPMGヘルスケアジャパン株式会社、KPMG社会保険労務士法人、株式会社 KPMG Ignition Tokyo、株式会社 KPMGアドバイザリーライトハウス
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