宮城県南における外国人旅行客の傾向レポート 2017
[18/01/26]
提供元:PRTIMES
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データ分析経過報告のお知らせ
一般社団法人宮城インバウンドDMO(代表理事 :齊藤良太、所在地:宮城県丸森町)は、「宮城県南における外国人旅行客の傾向レポート 2017」に関する分析経過をリリースいたします。
今回の調査事業は平成29年度宮城インバウンドDMO推進協議会(事務局 宮城県丸森町 商工観光課内)の委託事業内で実施しております。2017年1月〜2017年12月の1.SNSデータ分析(N=1,869)、2.対面調査(N=202)、3.WEBアンケート調査(N=448)の集計結果をもとに、宮城県南地域におけるインバウンド観光動向をまとめ、「宮城県南における外国人旅行客の傾向レポート 2017)」を作成しております。
1 SNSデータ分析 (N=1,869)
今回は、一般社団法人宮城インバウンドDMO(以下「当社」)が宮城の外国人の動向データを収集し、中心誘客ターゲット国として設定している台湾・タイからの訪日旅行客の動向について、調査・分析を実施しました。分析データに関しては、構造上投稿地点データの取得が容易なTwitter / Weiboの投稿を中心にデータを取得いたしました。今回収集したデータのうち、中国国籍からだと見られるデータは50%超、当社がターゲット国とする台湾・タイのデータはそれぞれ7%、8%を占めています。(図1)
[画像1: https://prtimes.jp/i/30139/6/resize/d30139-6-621211-0.jpg ]
(図1)SNSデータを取得した国籍・地域割合
2 SNS分析考察
結果として、国籍を問わず、仙台市内での投稿が最も多く、同市を中心に、宮城県の他地域に移動する傾向が見られました。夏期は沿岸部への移動が多く見られる一方、秋の訪れとともに紅葉の名所である鳴子や栗駒山への移動が増加し、沿岸部への移動が減少する傾向がありました。また、国籍を問わず、宮城県南4市9町では、最も頻繁に投稿される地域は名取市と白石市であり、冬季になると青根温泉郷が立地する川崎町での投稿も増加しますが、いずれも宮城県南へは、仙台からの移動が中心となっておりました。(図2)
仙台市内の投稿では、いずれの国籍の旅行者も、仙台駅周辺や宿泊施設において、特に頻繁に投稿される傾向がありました。一方、宮城県南4市9町では、名取市は仙台空港において飛行機や空港構内、白石市は白石城周辺やキツネ村での投稿が顕著となっています。仙台市、宮城県南4市9町以外では、松島町での投稿が多くなっています。
[画像2: https://prtimes.jp/i/30139/6/resize/d30139-6-877280-1.jpg ]
図2 Twitter/weibo投稿地点と地点間の移動経路を示すヒートマップ *1,2
3 今後の課題と行動
台湾やタイからの旅行者を対象としたSNS分析を行なう場合、Facebookを活用し、分析を行なうことが望ましいことが分かりました。ただしFacebookデータは取得仕様により、Twitterのように容易に取得することは難しいため、改めてデータ取得構成を勘案したツールの利用が求められます。
今回の調査では、合計2千件弱の情報の収集に成功はしたものの、より深い分析を行うため、引き続き、ターゲット国での更なるプロモーション強化の必要性が認められました。仙台空港やキツネ村ではプロモーションの強化を図るとともに、この2スポットを中心に、他の宮城県南4市9町への誘導など具体的な施策が必要となります。また、仙台を中心拠点として移動すると見られることから、仙台市内でのプロモーション実施、特に仙台駅や周辺の宿泊施設でも施策実施による誘客効果が期待できます。
宮城県は全国的にもかなり季節性が強いことから、観光客が他県に比べ落ち込む夏に誘致できる観光コンテンツの育成がより一層必要となります。特に、2017年6月の投稿が、「東北絆まつり」のような大型イベントによって大きく上昇した可能性が高いことに鑑みれば、夏に同系統のソフトコンテンツ施策実施の必要があると考えられます。
宮城県南地域には、観光地へのアクセスの便が十分ではないという点や、キツネ村以外の集客力の非常に高い観光コンテンツが少ない点、などの課題があることから、2017年度事業において当社は、上記を解決するため自治体や地域事業者を構成員とした「二次交通ワーキンググループ」や「キラーコンテンツワーキンググループ」等を発足させ解決施策の議論協議を進めております。2018年度は、このような取り組みもあり過去最大の外国人観光客が訪れることが予測されます。
4 対面調査 (N=202)
更に当社では、2017年7月から同年12月の期間で宮城県南地域の一次交通の玄関口となる「仙台国際空港」「JR白石蔵王駅」において、訪日外国人観光客に対して対面調査も実施いたしました。仙台空港には、台湾、中国、アメリカ(グアム)、および韓国からの国際線が就航しております。その中でも特に台湾および中国からの就航数が多いことから、今回の調査では台湾と中国で全体の74%の回答を占める結果となっております。
[画像3: https://prtimes.jp/i/30139/6/resize/d30139-6-106371-2.jpg ]
図3 対面調査を実施した国籍・地域割合
5 対面調査分析考察
当社では、台湾を中心ターゲットとして設定していることから、今回のアンケートについては台湾を中心とした分析を行いました。
今回調査した結果、今回の調査対象の台湾人は約7割が日本に3回以上訪れていることが分かりました。さらに、同じく「宮城県に何度目の訪問か」を質問した結果、調査対象の台湾人の約7割が宮城県を初めて訪れていることも分かりました。(図4、図5)
一般的に日本を訪れる外国人は、大部分が初訪日時に東京や大阪を中心とする大都市圏へ訪問する傾向がありますが、今回の調査によって、複数回訪日経験がある台湾人が宮城県を旅行地として選ぶ傾向にあることが分かりました。仙台桃園のLCC(格安航空会社)の就航と知名度の向上により、宮城県へのアクセスが一層身近なものとなったことに加え、亜熱帯および熱帯気候である台湾からの旅行者にとって、宮城県は夏に避暑、秋に紅葉狩り、冬に雪と温泉体験を行なうことのできる魅力的な観光地となっていると考えられます。特に宮城県南においては、春の大河原町および柴田町に跨る白石川河川敷の「一目千本桜」や、夏の丸森町の「不動尊キャンプ場」、蔵王町蔵王連峰の「御釜」、秋の蔵王エコーラインの紅葉、七ヶ宿町の「やまびこ吊橋」「長老湖」、冬の蔵王町すみかわスノーパークの「樹氷」、白石市の「キツネ村」、名取市の「セリ鍋」「閖上朝市」などを中心として、四季の魅力にあふれる観光名所が数多くあります。また訪日外国人にとって欠かせない温泉も、川崎町の「青根温泉」、蔵王町の「遠刈田温泉」、白石市の「鎌先温泉」などをはじめとして数多く擁しており、今後も多くの訪日外国人の来訪が期待できます。
[画像4: https://prtimes.jp/i/30139/6/resize/d30139-6-756595-3.jpg ]
図4 台湾人旅行者の訪日回数
[画像5: https://prtimes.jp/i/30139/6/resize/d30139-6-350068-4.jpg ]
図5 台湾人旅行者の宮城訪問回数
[画像6: https://prtimes.jp/i/30139/6/resize/d30139-6-294147-5.jpg ]
図6 台湾人旅行者の季節別宮城訪問回数
6 今後の課題と行動
今回仙台空港を中心に調査を実施しましたが、当社のターゲット国であるタイは直行便がないため、タイのデータを取得することができませんでした。そのため、仙台駅や宮城県南の人気スポットであるキツネ村などでの収集が必要となります。今後、継続的な変化の把握及びより具体的な情報収集を行うため、質問の微調整及び継続的な対面調査の実施を続けてまいります。
7 WEB調査 (N=448)
最後に、当社では2017年10月から同年12月の期間で、web経由でのアンケート調査も実施いたしました。主に、Facebook等を活用し、当社の繁体字アカウント「宮城漫?」(https://www.facebook.com/miyagidmo/)、およびタイ語アカウント「?????? ???????????? Miyagi Explorer」(https://www.facebook.com/miyagidmoth/)のフォロワーを対象として調査協力を要請し、5百件弱の調査結果を取得するにいたりました。特に、訪日台湾人が活用するFacebookコミュニティに協力いただいたこともあり、全データの中で台湾に関するアンケートは約7割を占めております。(図7)
[画像7: https://prtimes.jp/i/30139/6/resize/d30139-6-800816-6.jpg ]
図7 WEB調査で取得した国籍・地域割合
8 WEBアンケート調査考察
WEBアンケートに関しても当社重点ターゲットの台湾についての考察をまとめております。本調査は、直近1回の東北旅行に着目し実施したところ、90%超の台湾人旅行者は旅行代理店の団体旅行商品ではなく、個人旅行客として東北に訪れているという示唆が得られました。そのため、本調査は、台湾からの個人旅行客の東北への訪問実態を示すものと換言できます。
本調査により、対面調査で取得できたものと同様の結果に加え、台湾人の宮城県ならびに東北地方における観光動線を俯瞰することが出来ました。
[画像8: https://prtimes.jp/i/30139/6/resize/d30139-6-854799-7.jpg ]
図8 台湾人旅行者の東北訪問時到着空港
[画像9: https://prtimes.jp/i/30139/6/resize/d30139-6-824740-8.jpg ]
図9 台湾人旅行者が東北訪問時に利用した航空会社
東北地方を訪れる台湾人は、その過半数が成田空港および羽田空港を利用していることが分かりました。(図8)また、利用した航空会社は、70%弱が格安航空会社であることも分かりました。(図9)加えて、彼らの東北地方の旅行ルートを見ると、東北全域、北東北、南東北といった広域で周遊するルートを取っているケースと、宮城県、山形県を中心としたルートを取るケースに大きく分けられることが分かりました。(図10)2月の雪のシーズン、4月の桜のシーズン、10月の紅葉シーズンに来訪が増えることも分かりました。(図11)個人客の情報収集源としては、Facebook等のSNSは50%弱、ブログの閲覧は14%、インターネットでの直接検索は13%となっています。(図12)
[画像10: https://prtimes.jp/i/30139/6/resize/d30139-6-822298-9.jpg ]
図10 台湾人旅行者による東北地方周遊ルート Top7
[画像11: https://prtimes.jp/i/30139/6/resize/d30139-6-211911-10.jpg ]
図11 台湾人旅行者による東北訪問の月別割合
[画像12: https://prtimes.jp/i/30139/6/resize/d30139-6-623488-11.jpg ]
図12 台湾人旅行者による東北訪問前の情報収集方法
9 今後の課題と行動
宮城県南地域には、個人客に人気の「蔵王キツネ村」のほかにも、個人客ならではの楽しみ方のできる様々なディープな観光地がたくさんあります。例えば、丸森町の藍染め職人の工房で藍染め体験「藍染工房 野風」、村田町のガラス職人の工房でガラスづくり体験をできる「キルロ」、蔵王町で陶芸を体験できる「万風窯」、亘理町の着物リメイク作品づくりを体験できる「WATALIS」など様々な体験コンテンツも充実しており、いずれも外国人観光客の受入れ実績もあることから、柔軟な対応をすることもできます。当社では、これらをSNSを通じて、世界に発信するほか、これらも含めた様々な観光コンテンツをまとめたツアーの造成なども行い、個人客に販売してまいります。今後も引き続きWEBアンケート調査を実施し、個人客の変化しているニーズを把握し、宮城県南地域への外国人旅行客の誘客に向け魅力的な商品造成及び宣伝を進めてまいります。
【参考資料】
宮城県南における外国人旅行客の傾向レポート 2017
※本事業は宮城インバウンドDMO推進協議会の委託事業内で作成しています。
【一般社団法人宮城インバウンドDMOについて】
当団体は、観光庁公認の日本版DMO候補法人として、平成29年3月に宮城県伊具郡丸森町を拠点として発足した団体です。宮城県南の13の市町自治体(白石市、名取市、角田市、岩沼市、蔵王町、七ヶ宿町、大河原町、村田町、柴田町、川崎町、丸森町、 亘理町、山元町)で構成される宮城インバウンドDMO推進協議会と協働し、宮城県南への外国人観光客誘致を推進している。
【会社概要】
会社名:一般社団法人宮城インバウンドDMO
代表者の役職・氏名:代表理事 齊藤良太
設立年月:2017年3月17日
URL: http://miyagidmo.org/
一般社団法人宮城インバウンドDMO(代表理事 :齊藤良太、所在地:宮城県丸森町)は、「宮城県南における外国人旅行客の傾向レポート 2017」に関する分析経過をリリースいたします。
今回の調査事業は平成29年度宮城インバウンドDMO推進協議会(事務局 宮城県丸森町 商工観光課内)の委託事業内で実施しております。2017年1月〜2017年12月の1.SNSデータ分析(N=1,869)、2.対面調査(N=202)、3.WEBアンケート調査(N=448)の集計結果をもとに、宮城県南地域におけるインバウンド観光動向をまとめ、「宮城県南における外国人旅行客の傾向レポート 2017)」を作成しております。
1 SNSデータ分析 (N=1,869)
今回は、一般社団法人宮城インバウンドDMO(以下「当社」)が宮城の外国人の動向データを収集し、中心誘客ターゲット国として設定している台湾・タイからの訪日旅行客の動向について、調査・分析を実施しました。分析データに関しては、構造上投稿地点データの取得が容易なTwitter / Weiboの投稿を中心にデータを取得いたしました。今回収集したデータのうち、中国国籍からだと見られるデータは50%超、当社がターゲット国とする台湾・タイのデータはそれぞれ7%、8%を占めています。(図1)
[画像1: https://prtimes.jp/i/30139/6/resize/d30139-6-621211-0.jpg ]
(図1)SNSデータを取得した国籍・地域割合
2 SNS分析考察
結果として、国籍を問わず、仙台市内での投稿が最も多く、同市を中心に、宮城県の他地域に移動する傾向が見られました。夏期は沿岸部への移動が多く見られる一方、秋の訪れとともに紅葉の名所である鳴子や栗駒山への移動が増加し、沿岸部への移動が減少する傾向がありました。また、国籍を問わず、宮城県南4市9町では、最も頻繁に投稿される地域は名取市と白石市であり、冬季になると青根温泉郷が立地する川崎町での投稿も増加しますが、いずれも宮城県南へは、仙台からの移動が中心となっておりました。(図2)
仙台市内の投稿では、いずれの国籍の旅行者も、仙台駅周辺や宿泊施設において、特に頻繁に投稿される傾向がありました。一方、宮城県南4市9町では、名取市は仙台空港において飛行機や空港構内、白石市は白石城周辺やキツネ村での投稿が顕著となっています。仙台市、宮城県南4市9町以外では、松島町での投稿が多くなっています。
[画像2: https://prtimes.jp/i/30139/6/resize/d30139-6-877280-1.jpg ]
図2 Twitter/weibo投稿地点と地点間の移動経路を示すヒートマップ *1,2
3 今後の課題と行動
台湾やタイからの旅行者を対象としたSNS分析を行なう場合、Facebookを活用し、分析を行なうことが望ましいことが分かりました。ただしFacebookデータは取得仕様により、Twitterのように容易に取得することは難しいため、改めてデータ取得構成を勘案したツールの利用が求められます。
今回の調査では、合計2千件弱の情報の収集に成功はしたものの、より深い分析を行うため、引き続き、ターゲット国での更なるプロモーション強化の必要性が認められました。仙台空港やキツネ村ではプロモーションの強化を図るとともに、この2スポットを中心に、他の宮城県南4市9町への誘導など具体的な施策が必要となります。また、仙台を中心拠点として移動すると見られることから、仙台市内でのプロモーション実施、特に仙台駅や周辺の宿泊施設でも施策実施による誘客効果が期待できます。
宮城県は全国的にもかなり季節性が強いことから、観光客が他県に比べ落ち込む夏に誘致できる観光コンテンツの育成がより一層必要となります。特に、2017年6月の投稿が、「東北絆まつり」のような大型イベントによって大きく上昇した可能性が高いことに鑑みれば、夏に同系統のソフトコンテンツ施策実施の必要があると考えられます。
宮城県南地域には、観光地へのアクセスの便が十分ではないという点や、キツネ村以外の集客力の非常に高い観光コンテンツが少ない点、などの課題があることから、2017年度事業において当社は、上記を解決するため自治体や地域事業者を構成員とした「二次交通ワーキンググループ」や「キラーコンテンツワーキンググループ」等を発足させ解決施策の議論協議を進めております。2018年度は、このような取り組みもあり過去最大の外国人観光客が訪れることが予測されます。
4 対面調査 (N=202)
更に当社では、2017年7月から同年12月の期間で宮城県南地域の一次交通の玄関口となる「仙台国際空港」「JR白石蔵王駅」において、訪日外国人観光客に対して対面調査も実施いたしました。仙台空港には、台湾、中国、アメリカ(グアム)、および韓国からの国際線が就航しております。その中でも特に台湾および中国からの就航数が多いことから、今回の調査では台湾と中国で全体の74%の回答を占める結果となっております。
[画像3: https://prtimes.jp/i/30139/6/resize/d30139-6-106371-2.jpg ]
図3 対面調査を実施した国籍・地域割合
5 対面調査分析考察
当社では、台湾を中心ターゲットとして設定していることから、今回のアンケートについては台湾を中心とした分析を行いました。
今回調査した結果、今回の調査対象の台湾人は約7割が日本に3回以上訪れていることが分かりました。さらに、同じく「宮城県に何度目の訪問か」を質問した結果、調査対象の台湾人の約7割が宮城県を初めて訪れていることも分かりました。(図4、図5)
一般的に日本を訪れる外国人は、大部分が初訪日時に東京や大阪を中心とする大都市圏へ訪問する傾向がありますが、今回の調査によって、複数回訪日経験がある台湾人が宮城県を旅行地として選ぶ傾向にあることが分かりました。仙台桃園のLCC(格安航空会社)の就航と知名度の向上により、宮城県へのアクセスが一層身近なものとなったことに加え、亜熱帯および熱帯気候である台湾からの旅行者にとって、宮城県は夏に避暑、秋に紅葉狩り、冬に雪と温泉体験を行なうことのできる魅力的な観光地となっていると考えられます。特に宮城県南においては、春の大河原町および柴田町に跨る白石川河川敷の「一目千本桜」や、夏の丸森町の「不動尊キャンプ場」、蔵王町蔵王連峰の「御釜」、秋の蔵王エコーラインの紅葉、七ヶ宿町の「やまびこ吊橋」「長老湖」、冬の蔵王町すみかわスノーパークの「樹氷」、白石市の「キツネ村」、名取市の「セリ鍋」「閖上朝市」などを中心として、四季の魅力にあふれる観光名所が数多くあります。また訪日外国人にとって欠かせない温泉も、川崎町の「青根温泉」、蔵王町の「遠刈田温泉」、白石市の「鎌先温泉」などをはじめとして数多く擁しており、今後も多くの訪日外国人の来訪が期待できます。
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図4 台湾人旅行者の訪日回数
[画像5: https://prtimes.jp/i/30139/6/resize/d30139-6-350068-4.jpg ]
図5 台湾人旅行者の宮城訪問回数
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図6 台湾人旅行者の季節別宮城訪問回数
6 今後の課題と行動
今回仙台空港を中心に調査を実施しましたが、当社のターゲット国であるタイは直行便がないため、タイのデータを取得することができませんでした。そのため、仙台駅や宮城県南の人気スポットであるキツネ村などでの収集が必要となります。今後、継続的な変化の把握及びより具体的な情報収集を行うため、質問の微調整及び継続的な対面調査の実施を続けてまいります。
7 WEB調査 (N=448)
最後に、当社では2017年10月から同年12月の期間で、web経由でのアンケート調査も実施いたしました。主に、Facebook等を活用し、当社の繁体字アカウント「宮城漫?」(https://www.facebook.com/miyagidmo/)、およびタイ語アカウント「?????? ???????????? Miyagi Explorer」(https://www.facebook.com/miyagidmoth/)のフォロワーを対象として調査協力を要請し、5百件弱の調査結果を取得するにいたりました。特に、訪日台湾人が活用するFacebookコミュニティに協力いただいたこともあり、全データの中で台湾に関するアンケートは約7割を占めております。(図7)
[画像7: https://prtimes.jp/i/30139/6/resize/d30139-6-800816-6.jpg ]
図7 WEB調査で取得した国籍・地域割合
8 WEBアンケート調査考察
WEBアンケートに関しても当社重点ターゲットの台湾についての考察をまとめております。本調査は、直近1回の東北旅行に着目し実施したところ、90%超の台湾人旅行者は旅行代理店の団体旅行商品ではなく、個人旅行客として東北に訪れているという示唆が得られました。そのため、本調査は、台湾からの個人旅行客の東北への訪問実態を示すものと換言できます。
本調査により、対面調査で取得できたものと同様の結果に加え、台湾人の宮城県ならびに東北地方における観光動線を俯瞰することが出来ました。
[画像8: https://prtimes.jp/i/30139/6/resize/d30139-6-854799-7.jpg ]
図8 台湾人旅行者の東北訪問時到着空港
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図9 台湾人旅行者が東北訪問時に利用した航空会社
東北地方を訪れる台湾人は、その過半数が成田空港および羽田空港を利用していることが分かりました。(図8)また、利用した航空会社は、70%弱が格安航空会社であることも分かりました。(図9)加えて、彼らの東北地方の旅行ルートを見ると、東北全域、北東北、南東北といった広域で周遊するルートを取っているケースと、宮城県、山形県を中心としたルートを取るケースに大きく分けられることが分かりました。(図10)2月の雪のシーズン、4月の桜のシーズン、10月の紅葉シーズンに来訪が増えることも分かりました。(図11)個人客の情報収集源としては、Facebook等のSNSは50%弱、ブログの閲覧は14%、インターネットでの直接検索は13%となっています。(図12)
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図10 台湾人旅行者による東北地方周遊ルート Top7
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図11 台湾人旅行者による東北訪問の月別割合
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図12 台湾人旅行者による東北訪問前の情報収集方法
9 今後の課題と行動
宮城県南地域には、個人客に人気の「蔵王キツネ村」のほかにも、個人客ならではの楽しみ方のできる様々なディープな観光地がたくさんあります。例えば、丸森町の藍染め職人の工房で藍染め体験「藍染工房 野風」、村田町のガラス職人の工房でガラスづくり体験をできる「キルロ」、蔵王町で陶芸を体験できる「万風窯」、亘理町の着物リメイク作品づくりを体験できる「WATALIS」など様々な体験コンテンツも充実しており、いずれも外国人観光客の受入れ実績もあることから、柔軟な対応をすることもできます。当社では、これらをSNSを通じて、世界に発信するほか、これらも含めた様々な観光コンテンツをまとめたツアーの造成なども行い、個人客に販売してまいります。今後も引き続きWEBアンケート調査を実施し、個人客の変化しているニーズを把握し、宮城県南地域への外国人旅行客の誘客に向け魅力的な商品造成及び宣伝を進めてまいります。
【参考資料】
宮城県南における外国人旅行客の傾向レポート 2017
※本事業は宮城インバウンドDMO推進協議会の委託事業内で作成しています。
【一般社団法人宮城インバウンドDMOについて】
当団体は、観光庁公認の日本版DMO候補法人として、平成29年3月に宮城県伊具郡丸森町を拠点として発足した団体です。宮城県南の13の市町自治体(白石市、名取市、角田市、岩沼市、蔵王町、七ヶ宿町、大河原町、村田町、柴田町、川崎町、丸森町、 亘理町、山元町)で構成される宮城インバウンドDMO推進協議会と協働し、宮城県南への外国人観光客誘致を推進している。
【会社概要】
会社名:一般社団法人宮城インバウンドDMO
代表者の役職・氏名:代表理事 齊藤良太
設立年月:2017年3月17日
URL: http://miyagidmo.org/