第43回日本SF大賞決定のお知らせ
[23/02/20]
提供元:PRTIMES
提供元:PRTIMES
第43回日本SF大賞を『SFする思考 荒巻義雄評論集成』荒巻義雄(小鳥遊書房)と『残月記』小田雅久仁(双葉社)、功績賞を鹿野司氏・津原泰水氏・八杉将司氏が受賞
2023年2月19日、Zoomで行われた選考会の結果、第43回日本SF大賞を『SFする思考 荒巻義雄評論集成』荒巻義雄(小鳥遊書房)と『残月記』小田雅久仁(双葉社)、功績賞を鹿野司氏・津原泰水氏・八杉将司氏が受賞。贈賞式は、2023年4月22日(土)、代官山 蔦屋書店にて開催される「SFカーニバル」内で行われ、日本SF作家クラブ公式YouTubeにてオンライン配信予定。
平素は格別のお引き立てを賜り、厚くお礼を申し上げます。
一般社団法人 日本SF作家クラブでは、ピクシブ株式会社・株式会社ブックリスタ協賛のもと、日本SF大賞を主催しております。
このたび第43回日本SF大賞が決定いたしましたので、お知らせいたします。
[画像1: https://prtimes.jp/i/73686/6/resize/d73686-6-36cb0f60e5686d82d2d7-5.jpg ]
【大賞】
『SFする思考 荒巻義雄評論集成』荒巻義雄(小鳥遊書房)
『残月記』小田雅久仁(双葉社)
【功績賞】
鹿野 司(サイエンスライター)
津原泰水(小説家)
八杉将司(小説家)
第43回日本SF大賞は、2021年9月1日より2022年8月31日までの間に発表されたSF作品の中から、もっとも優れた作品に贈られるものです。
2023年2月19日、Zoomで行われた選考会(選考委員:井上雅彦・草上仁・小谷真理・斜線堂有紀・立原透耶の各氏)の結果、受賞作は以上のとおり決まりました。
なお功績賞が、故・鹿野司氏、故・津原泰水氏、故・八杉将司氏に贈られます。
大賞受賞作には正賞として賞状とトロフィー、副賞として賞金100万円(但し、受賞が複数の場合は等分)が贈られます。また、功績賞には正賞として賞状と記念品が贈られます。
贈賞式は、2023年4月22日(土)、代官山 蔦屋書店にて開催されるイベント「SFカーニバル」内で行われ、日本SF作家クラブ公式YouTubeにてオンライン配信いたします。
日本SF作家クラブ公式YouTube
https://www.youtube.com/channel/UC-zZT661Iyh_df6AX07IkgA
「SFカーニバル」4月22日&23日開催
公式サイト https://store.tsite.jp/daikanyama/sf-carnival2023/
公式ツイッターアカウント https://twitter.com/SF_CARNIVAL
受賞者プロフィール
【大賞】
荒巻義雄(あらまき・よしお)
1933年、北海道小樽市生まれ。早稲田大学第一文学部心理学専修卒業後、出版社勤務を経て、家業を継ぐために帰郷。仕事上の必要から北海学園大学短期大学部土木科を卒業。65年から札幌を拠点として創刊されたSF同人誌『CORE』でSFの執筆を始める。70年、評論「術の小説論」を「SFマガジン」5月号に、短編小説「大いなる正午」を同誌8月号に発表してデビュー。72年、短編「白壁の文字は夕陽に映える」で第3回星雲賞日本短編部門を受賞。同年刊行の第一長編『白き日、旅立てば不死』(早川書房)が翌年の第1回泉鏡花文学賞の最終候補作となる。2011年刊行の詩集『骸骨半島』(林檎屋文庫)で翌年の第46回北海道新聞文学賞詩部門を受賞。日本SF大賞では、2014年の『定本荒巻義雄メタSF全集』(彩流社)で第36回、2017年の『もはや宇宙は迷宮の鏡のように』(白樹直哉シリーズ完結編)で第38回の最終候補作となっている。他の著作に『神聖代』、『空白の十字架』、『ニセコ要塞1986』『紺碧の艦隊』、評論『シミュレーション小説の発見』など多数ある。89歳。[プロフィール作成:渡邊利道]
小田雅久仁(おだ・まさくに)
[画像2: https://prtimes.jp/i/73686/6/resize/d73686-6-eaf093bf23631c52ef44-6.jpg ]
1974年6月6日、宮城県仙台市生まれ。関西大学法学部政治学科卒業。2009年、『増大派に告ぐ』で第21回日本ファンタジーノベル大賞を受賞しデビュー。12年の『本にだって雄と雌があります』は、同年の「SFが読みたい!」国内篇で第7位、翌年の第3回Twitter文学賞国内部門で第1位となる。13年の短編「11階」が第25回SFマガジン読者賞国内部門を受賞。9年ぶりの著作『残月記』で2022年本屋大賞第7位、第43回吉川英治文学新人賞を受賞。他に雑誌やアンソロジーに掲載された単行本未収録の中短編が多数ある。48歳。[プロフィール作成:渡邊利道]
【功績賞】
鹿野 司(しかの・つかさ)
[画像3: https://prtimes.jp/i/73686/6/resize/d73686-6-f2e5956bdb5db35c73f7-0.jpg ]
1959年生まれ、愛知県出身。日本大学文理学部応用物理学科卒業。サイエンスライター。パソコンゲーム雑誌「ログイン」でサイエンスコラムを連載するなど、様々な媒体で執筆。高度な科学知識が必要な対象を平易で親しみやすい文体で解説・紹介することに努めた。「SFマガジン」での長期連載「サはサイエンスのサ」は94年から逝去直前まで続いた。同連載を元にした科学エッセイ集『サはサイエンスのサ』(早川書房、10年)で第42回星雲賞ノンフィクション部門を受賞。他の著書に『オールザットウルトラ科学』(ビジネスアスキー、90年)、『ウィザードリィ5 プレイングマニュアル(ビジネスアスキー、90年)、『狂牛病パニック 脳が溶けていく』(石原洸一郎との共著、竹書房、96年)、『巨大ロボット誕生 最新ロボット工学がガンダムを生む』(秀和システム、98年、第30回星雲賞ノンフィクション部門参考候補作)、『教養』(小松左京、高千穂遙との共著、徳間書店、00年)、『狂牛病ショック』(石原洸一郎との共著、竹書房、01年)などがある。ほか『科学救助隊テクノボイジャー』『ガメラ2 レギオン襲来』『宇宙戦艦ヤマト2199』『機動戦士ガンダム THE ORIGIN』などアニメや映画のSF考証も手掛けた。22年10月17日に逝去。[プロフィール作成:宮本道人]
津原泰水(つはら・やすみ)
[画像4: https://prtimes.jp/i/73686/6/resize/d73686-6-16012b45d6b0f673990a-1.jpg ]
1964年広島県生まれ。青山学院大学国際政治経済学部卒業。89年に津原やすみ名義で少女小説作家としてデビューする。97年に現名義で『妖都』を刊行、以降幅広いジャンルで執筆を行う。2006年『ブラバン』がベストセラーに、12年短篇集『11』が第2回Twitter文学賞国内部門1位となる。14年に短篇「五色の舟」がSFマガジン“オールタイム・ベストSF”国内短編部門1位に選出される。同年、マンガ化されていた同作(漫画:近藤ようこ)が第18回文化庁メディア芸術祭マンガ部門大賞を受賞。著書に『ペニス』『少年トレチア』『綺譚集』『バレエ・メカニック』『流璃玉の耳輪』『ヒッキーヒッキーシェイク』〈幽明志怪シリーズ〉〈ルピナス探偵団シリーズ〉〈たまさか人形堂シリーズ〉などがある。法政大学大学院客員教授やよみうりカルチャー文章講座の講師なども務めた。22年10月2日に逝去。[プロフィール作成:櫻木みわ]
八杉将司(やすぎ・まさよし)
[画像5: https://prtimes.jp/i/73686/6/resize/d73686-6-5dd7b7aa3c611ee956f9-2.jpg ]
1972年生まれ、兵庫県姫路市出身。九州国際大学法経学部法律学科卒。2003年、第5回日本SF新人賞を受賞。翌04年に刊行された『夢見る猫は、宇宙に眠る』で作家デビュー。同作は量子論とナノテクノロジーを軸に人間の認知と宇宙のあり方を問うた本格SFで、作家の基本的スタンスを示した。以後、視覚描写を排して“全人類盲目”の世界を描いた『光を忘れた星で』(第43回星雲賞日本長編部門参考候補、講談社BOX、11年)、多種多様なSFガジェットを盛り込み「継承」のテーマに挑んだ壮大なポストヒューマンSF『Delivery』(第33回日本SF大賞最終候補・第44回星雲賞日本長編部門参考候補、ハヤカワSFシリーズJコレクション、12年)、人気SFアニメのノベライゼーション『楽園追放―Expelled from Paradise―』(原作・虚淵玄、ハヤカワ文庫JA、14年)、第一次世界大戦とフッサール現象学への綿密な調査に裏打ちされた『LOG-WORLD』(pixivにて公開、21年)といった意欲的な長編群を発表。他方で短編作家としても定評があり、脳の認識異常によって "動くものが見えず、静止したものしか見えない" という症状に見舞われた青年の行動と心理を描いた「ハルシネーション」(「SF JAPAN」06年春号、徳間書店)、メタヴァースでのロマンスと量子もつれを軸に奇想を炸裂させた「うつろなテレポーター」(「SF JAPAN」07年冬号、徳間書店、のちに『虚構機関 年間SF傑作選』、創元SF文庫、08年に再録)、“存在失認”と人間自身に内在するフィクション性との関係を鮮やかに結びつけた「私から見た世界」(「小説現代」13年7月号)をはじめ、「SF JAPAN」、「異形コレクション」、「小説すばる」、「小松左京マガジン」といった文芸誌やアンソロジー、人工知能学会やロボット学会の学会誌にも短編やショートショートを寄稿、九十九神曼荼羅シリーズや夢幻∞シリーズ(ともに小学館eBOOKs)といった電子書籍の競作企画にも精力的に参加した。11年、日本SF作家クラブ公認ネットマガジンとして有志と「SF Prologue Wave」を立ち上げ、初代編集長に就任(13年まで)。退任後も同サイトの主要寄稿者であり続け、複数作が韓国語に翻訳紹介、遺稿となった「宇宙の選択」「やり直す」も「SF Prologue Wave」に発表された。21年12月逝去。
【八杉将司著作リスト(2022年1月最終更新)】
https://prologuewave.club/archives/9048
[プロフィール作成:岡和田晃、伊野隆之、片理誠、上田早夕里、およびSF Prologue Wave編集部]
2023年2月19日、Zoomで行われた選考会の結果、第43回日本SF大賞を『SFする思考 荒巻義雄評論集成』荒巻義雄(小鳥遊書房)と『残月記』小田雅久仁(双葉社)、功績賞を鹿野司氏・津原泰水氏・八杉将司氏が受賞。贈賞式は、2023年4月22日(土)、代官山 蔦屋書店にて開催される「SFカーニバル」内で行われ、日本SF作家クラブ公式YouTubeにてオンライン配信予定。
平素は格別のお引き立てを賜り、厚くお礼を申し上げます。
一般社団法人 日本SF作家クラブでは、ピクシブ株式会社・株式会社ブックリスタ協賛のもと、日本SF大賞を主催しております。
このたび第43回日本SF大賞が決定いたしましたので、お知らせいたします。
[画像1: https://prtimes.jp/i/73686/6/resize/d73686-6-36cb0f60e5686d82d2d7-5.jpg ]
【大賞】
『SFする思考 荒巻義雄評論集成』荒巻義雄(小鳥遊書房)
『残月記』小田雅久仁(双葉社)
【功績賞】
鹿野 司(サイエンスライター)
津原泰水(小説家)
八杉将司(小説家)
第43回日本SF大賞は、2021年9月1日より2022年8月31日までの間に発表されたSF作品の中から、もっとも優れた作品に贈られるものです。
2023年2月19日、Zoomで行われた選考会(選考委員:井上雅彦・草上仁・小谷真理・斜線堂有紀・立原透耶の各氏)の結果、受賞作は以上のとおり決まりました。
なお功績賞が、故・鹿野司氏、故・津原泰水氏、故・八杉将司氏に贈られます。
大賞受賞作には正賞として賞状とトロフィー、副賞として賞金100万円(但し、受賞が複数の場合は等分)が贈られます。また、功績賞には正賞として賞状と記念品が贈られます。
贈賞式は、2023年4月22日(土)、代官山 蔦屋書店にて開催されるイベント「SFカーニバル」内で行われ、日本SF作家クラブ公式YouTubeにてオンライン配信いたします。
日本SF作家クラブ公式YouTube
https://www.youtube.com/channel/UC-zZT661Iyh_df6AX07IkgA
「SFカーニバル」4月22日&23日開催
公式サイト https://store.tsite.jp/daikanyama/sf-carnival2023/
公式ツイッターアカウント https://twitter.com/SF_CARNIVAL
受賞者プロフィール
【大賞】
荒巻義雄(あらまき・よしお)
1933年、北海道小樽市生まれ。早稲田大学第一文学部心理学専修卒業後、出版社勤務を経て、家業を継ぐために帰郷。仕事上の必要から北海学園大学短期大学部土木科を卒業。65年から札幌を拠点として創刊されたSF同人誌『CORE』でSFの執筆を始める。70年、評論「術の小説論」を「SFマガジン」5月号に、短編小説「大いなる正午」を同誌8月号に発表してデビュー。72年、短編「白壁の文字は夕陽に映える」で第3回星雲賞日本短編部門を受賞。同年刊行の第一長編『白き日、旅立てば不死』(早川書房)が翌年の第1回泉鏡花文学賞の最終候補作となる。2011年刊行の詩集『骸骨半島』(林檎屋文庫)で翌年の第46回北海道新聞文学賞詩部門を受賞。日本SF大賞では、2014年の『定本荒巻義雄メタSF全集』(彩流社)で第36回、2017年の『もはや宇宙は迷宮の鏡のように』(白樹直哉シリーズ完結編)で第38回の最終候補作となっている。他の著作に『神聖代』、『空白の十字架』、『ニセコ要塞1986』『紺碧の艦隊』、評論『シミュレーション小説の発見』など多数ある。89歳。[プロフィール作成:渡邊利道]
小田雅久仁(おだ・まさくに)
[画像2: https://prtimes.jp/i/73686/6/resize/d73686-6-eaf093bf23631c52ef44-6.jpg ]
1974年6月6日、宮城県仙台市生まれ。関西大学法学部政治学科卒業。2009年、『増大派に告ぐ』で第21回日本ファンタジーノベル大賞を受賞しデビュー。12年の『本にだって雄と雌があります』は、同年の「SFが読みたい!」国内篇で第7位、翌年の第3回Twitter文学賞国内部門で第1位となる。13年の短編「11階」が第25回SFマガジン読者賞国内部門を受賞。9年ぶりの著作『残月記』で2022年本屋大賞第7位、第43回吉川英治文学新人賞を受賞。他に雑誌やアンソロジーに掲載された単行本未収録の中短編が多数ある。48歳。[プロフィール作成:渡邊利道]
【功績賞】
鹿野 司(しかの・つかさ)
[画像3: https://prtimes.jp/i/73686/6/resize/d73686-6-f2e5956bdb5db35c73f7-0.jpg ]
1959年生まれ、愛知県出身。日本大学文理学部応用物理学科卒業。サイエンスライター。パソコンゲーム雑誌「ログイン」でサイエンスコラムを連載するなど、様々な媒体で執筆。高度な科学知識が必要な対象を平易で親しみやすい文体で解説・紹介することに努めた。「SFマガジン」での長期連載「サはサイエンスのサ」は94年から逝去直前まで続いた。同連載を元にした科学エッセイ集『サはサイエンスのサ』(早川書房、10年)で第42回星雲賞ノンフィクション部門を受賞。他の著書に『オールザットウルトラ科学』(ビジネスアスキー、90年)、『ウィザードリィ5 プレイングマニュアル(ビジネスアスキー、90年)、『狂牛病パニック 脳が溶けていく』(石原洸一郎との共著、竹書房、96年)、『巨大ロボット誕生 最新ロボット工学がガンダムを生む』(秀和システム、98年、第30回星雲賞ノンフィクション部門参考候補作)、『教養』(小松左京、高千穂遙との共著、徳間書店、00年)、『狂牛病ショック』(石原洸一郎との共著、竹書房、01年)などがある。ほか『科学救助隊テクノボイジャー』『ガメラ2 レギオン襲来』『宇宙戦艦ヤマト2199』『機動戦士ガンダム THE ORIGIN』などアニメや映画のSF考証も手掛けた。22年10月17日に逝去。[プロフィール作成:宮本道人]
津原泰水(つはら・やすみ)
[画像4: https://prtimes.jp/i/73686/6/resize/d73686-6-16012b45d6b0f673990a-1.jpg ]
1964年広島県生まれ。青山学院大学国際政治経済学部卒業。89年に津原やすみ名義で少女小説作家としてデビューする。97年に現名義で『妖都』を刊行、以降幅広いジャンルで執筆を行う。2006年『ブラバン』がベストセラーに、12年短篇集『11』が第2回Twitter文学賞国内部門1位となる。14年に短篇「五色の舟」がSFマガジン“オールタイム・ベストSF”国内短編部門1位に選出される。同年、マンガ化されていた同作(漫画:近藤ようこ)が第18回文化庁メディア芸術祭マンガ部門大賞を受賞。著書に『ペニス』『少年トレチア』『綺譚集』『バレエ・メカニック』『流璃玉の耳輪』『ヒッキーヒッキーシェイク』〈幽明志怪シリーズ〉〈ルピナス探偵団シリーズ〉〈たまさか人形堂シリーズ〉などがある。法政大学大学院客員教授やよみうりカルチャー文章講座の講師なども務めた。22年10月2日に逝去。[プロフィール作成:櫻木みわ]
八杉将司(やすぎ・まさよし)
[画像5: https://prtimes.jp/i/73686/6/resize/d73686-6-5dd7b7aa3c611ee956f9-2.jpg ]
1972年生まれ、兵庫県姫路市出身。九州国際大学法経学部法律学科卒。2003年、第5回日本SF新人賞を受賞。翌04年に刊行された『夢見る猫は、宇宙に眠る』で作家デビュー。同作は量子論とナノテクノロジーを軸に人間の認知と宇宙のあり方を問うた本格SFで、作家の基本的スタンスを示した。以後、視覚描写を排して“全人類盲目”の世界を描いた『光を忘れた星で』(第43回星雲賞日本長編部門参考候補、講談社BOX、11年)、多種多様なSFガジェットを盛り込み「継承」のテーマに挑んだ壮大なポストヒューマンSF『Delivery』(第33回日本SF大賞最終候補・第44回星雲賞日本長編部門参考候補、ハヤカワSFシリーズJコレクション、12年)、人気SFアニメのノベライゼーション『楽園追放―Expelled from Paradise―』(原作・虚淵玄、ハヤカワ文庫JA、14年)、第一次世界大戦とフッサール現象学への綿密な調査に裏打ちされた『LOG-WORLD』(pixivにて公開、21年)といった意欲的な長編群を発表。他方で短編作家としても定評があり、脳の認識異常によって "動くものが見えず、静止したものしか見えない" という症状に見舞われた青年の行動と心理を描いた「ハルシネーション」(「SF JAPAN」06年春号、徳間書店)、メタヴァースでのロマンスと量子もつれを軸に奇想を炸裂させた「うつろなテレポーター」(「SF JAPAN」07年冬号、徳間書店、のちに『虚構機関 年間SF傑作選』、創元SF文庫、08年に再録)、“存在失認”と人間自身に内在するフィクション性との関係を鮮やかに結びつけた「私から見た世界」(「小説現代」13年7月号)をはじめ、「SF JAPAN」、「異形コレクション」、「小説すばる」、「小松左京マガジン」といった文芸誌やアンソロジー、人工知能学会やロボット学会の学会誌にも短編やショートショートを寄稿、九十九神曼荼羅シリーズや夢幻∞シリーズ(ともに小学館eBOOKs)といった電子書籍の競作企画にも精力的に参加した。11年、日本SF作家クラブ公認ネットマガジンとして有志と「SF Prologue Wave」を立ち上げ、初代編集長に就任(13年まで)。退任後も同サイトの主要寄稿者であり続け、複数作が韓国語に翻訳紹介、遺稿となった「宇宙の選択」「やり直す」も「SF Prologue Wave」に発表された。21年12月逝去。
【八杉将司著作リスト(2022年1月最終更新)】
https://prologuewave.club/archives/9048
[プロフィール作成:岡和田晃、伊野隆之、片理誠、上田早夕里、およびSF Prologue Wave編集部]