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「新パワーコンディショナKP□Kシリーズ及びカラーモニターKP-CM2」の発売について

日本初 多数台連系時の単独運転防止技術『AICOT(R)』を搭載した新パワコン 
「新パワーコンディショナ KP□Kシリーズ、
及び新カラーモニター KP-CM2」の発売について

オムロン株式会社(本社:京都市下京区、代表取締役社長:山田義仁)は、多数台連系(※1)時の単独運転(※2)防止技術(AICOT(R)*:Anti-Islanding COntrol Technology)を搭載した新パワーコンディショナ KP55K:5.5kWタイプを2011年7月、KP30K:3kWタイプ・KP40K:4kWタイプを2011年秋頃にそれぞれ発売します。
また、新カラーモニター:KP-CM2を2011年7月に同時発売いたします。
*「AICOT(R)」(以下AICOT)は当社の登録商標です。
商品名 形式 発売時期 販売目標
(3年間累計)
パワーコンディショナ KP55K ‘11年7月 50,000台
パワーコンディショナ KP30K/KP40K ‘11年秋頃
300,000台
カラーモニタ KP-CM2 ‘11年7月 100,000台

(価格はすべてオープン価格) 

このたび7月に発売する形KP55Kは、この多数台連系に対応した新認証制度(2011年6月〜)の第1号機として登録されました。

本KP□Kシリーズは、ソーラータウン(太陽光発電システムが大量に導入された住宅地域)のような、太陽光発電システム(以下PVシステム)が局所集中的に連系されるアプリケーションを可能にする技術「AICOT」を搭載した日本初のパワーコンディショナです。AICOT搭載により下記のさまざまなメリットを受けることができ、PVシステム大量導入に貢献できるものと考えています。

<AICOT搭載によるメリット>
1.従来、複数台連系時には膨大な設備と時間が必要となる単独運転試験をする必要がありましたが、本KP□Kでは、この単独運転試験をすることなく短期間で電力会社との連系協議を完了することができます。
2.配電系統の安全を担保するための追加設備の投資が、大幅に削減されます。
3.現在はPVシステム同士の干渉防止などのため、区分開閉器(※3)単位で、最大でも昼間の最低消費電力の70%以下の定格発電容量にする発電制限の運用(7割ルール)がされていますが、AICOT搭載のパワーコンディショナは、この7割ルールを適用除外とできるため、設置可能容量を大幅に拡大することができます。
 
<AICOT開発の背景>
PVシステムにおいては、停電や電力事故等により電力会社からの電力供給が停止された際、PVシステムによって発電した電気が流れ続ける単独運転状態になる可能性があります。
そのため、復旧のための点検や工事を行なう際に、人身および設備に大きな影響を与える恐れがあります。これを防止するための「単独運転防止機能」の搭載が規定化されています。
しかし、今後推進が想定されるソーラーパークやソーラータウンなどにおいて、PVシステムを複数台連系した場合、現在以下のような課題が提起されています。
1.PVシステム間の単独運転検出機能の相互干渉による検出時間の遅延
2.単独運転検出機能(能動方式)による系統への影響
3.単独運転検出機能の誤検出による一斉停止
4.高低圧混触事故時の高速動作の必要性
(出処:系統連系技術要件検討委員会報告書/資源エネルギー庁)

これまで様々な研究が実施されてきましたが、これらの課題を解決する技術が確立されず、PVシステムの多数台連系、複数台連系を普及させるうえでの足かせになっていました。

「AICOT」は、これらの課題を解決し、PVシステムの多数台連系・複数台連系を可能にする、日本初の技術です。(特許取得:4552913号 他 4件)

菅直人首相が先ごろ発表した、設置可能な全てのビル、住宅に太陽光パネルを設置する構想「サンライズ計画」の中では、国内1千万戸の屋根に太陽光パネルの設置を目指すといった目標が表明されました。この目標を達成するために、連系台数が増え、局所集中的にPVシステムが連系されることが予想され、「AICOT」搭載のパワーコンディショナの導入が不可欠であると思われます。

また、本KP□KシリーズではAICOT技術に加え、小型・薄型のスリムなデザインを維持しながらも、従来機種と比べ、最大入力電流と最小動作電圧の改善によりシステム設計の自由度を高めました。加えて発電効率を1%改善し、動作時に発生するスイッチングノイズを軽減するなど、さまざまな性能・機能を向上させました。

新カラーモニターのKP-CM2は、従来機種で保有する省エネや環境意識を高める省エネガイド機能やCO2/石油換算機能などの機能は継承しながらも、洗練された薄型デザインと、高精細なVGA 5.7インチ大画面液晶にさまざまな機能・仕様を加えてリニューアルしました。
システムの運転状態を表示するナビモードは、お好みで3種類の中から画面を選べるようになりました。さらにパソコンから背景画面を取り込むことでお好みの画像に変更することも可能です。また、エネルギーレポートなどの内部データをパソコンで読み出すことが可能なため、管理を簡単に行うことができます。LEDバックライト採用で長寿命と消費電力の削減を実現しています。
さらに、CTセンサの設定方向を間違えても、配線を変えずに画面の設定で修正を可能とする機能を搭載するなど、ユーザー向けだけではなく、施工や設定などを簡単に行う機能も充実させました。

当社では今後も引き続き、顧客のROC(4)を最大化させるためのノウハウや機器を市場に投入することで、持続可能な循環型社会の実現に貢献していきます。


※1:連系(系統連系)
発電設備(分散型発電)の出力を系統(商用ライン)に接続することをいいます。発電設備の電力でまかなうことができない時は系統から不足分を供給します。

※2:単独運転
発電装置(単機又は複数台数)が連系している電力系統が事故等によって系統電源と切り離された状態において、連系している発電設備の運転だけで発電を継続し、局所的に線路負荷に電力供給している状態のことです。

※3:区分開閉器
遠隔から系統切り替え操作や事故復旧操作を行うための、6kV配電線を区分する開閉器。

※4: ROC
Return on Carbon=炭素利益率の略で、営業利益をCO2排出量で割ることで求められる。
いかに少ないCO2排出量で、効率的に多くの利益を生み出せたかに着目した企業の環境効率を示す指標。








≪製品の外観≫
KP30K/KP40K:横460mm×高さ280mm×奥行131mm
KP55K     :横550mm×高さ280mm×奥行161mm
  <写真:KP55K>

KP-CM2-D:横160mm×高さ127mm×奥行33mm(突起物を除く)
<写真:KP-CM2-D>

≪主な仕様≫
新パワーコンディショナ:KP□Kシリーズ
形式 形KP30K 形KP40K 形KP55K
直流入力 定格入力電圧 DC250V
最大入力電流 DC26A DC35A
運転可能電圧範囲 DC60〜370V
交流出力 定格容量(30℃で連続運転)
3.0kW 4.0kW 5.5kW
電力変換効率 95%
単独運転方式 能動的方式:ステップ注入付き周波数フィードバック方式(新方式)
受動的方式:周波数変化率

絶縁方式 非絶縁トランスレス方式
自立運転時の定格容量 1.5kVA
使用周囲温度 -10〜40℃
使用周囲湿度 25〜85%RH (ただし結露なきこと)
外形寸法(横×高さ×奥行) 460×280×131mm 550×280×161mm
質量 約13.5kg 約18kg
ケース 金属ケース
外装色 マンセル色 (10GY7/0.5)
取り付け方式 壁掛け方式
設置場所 屋内

新カラーモニター:KP-CM2
カラー表示ユニット
表示画面 液晶 カラーTFT 5.7インチ 640×480ピクセル
電力計測 電圧 単相3線計測
電流 二相計測
表示 発電、消費、買電、売電(瞬時/積算値)、環境換算(CO2/石油)、
時間帯別電力量表示、前年実績比較など
通信方式 無線通信 特定省電力無線通信
有線通信 RS-485準拠
時計機能 内蔵
電源供給 KP-CM-D本体 DC6V(専用ACアダプタ使用)
AC100V 50/60Hz(入力電圧範囲:90〜110V)
最大消費電力 6W以下
LED表示 緑点灯:売電、橙点灯:買電、橙点滅:異常
設置方式 卓上/壁掛け
使用温度範囲 -10〜40℃(ただし氷結なきこと)
使用湿度範囲 25〜85%RH(ただし結露なきこと)
外形寸法 横127mm×高さ160mm×奥行33mm(突起物を除く)
※施工時の壁面からの奥行は36mmとなります
質量 約320g
ケース ABS樹脂(フロントカバー:白色、バックカバー/スタンド:黒色)

計測ユニット
データ通信方式 無線/有線(切り替え式)
表示ユニット接続台数 1〜5台(無線)/1台(有線)
無線通信距離 見通し 50m
設置方法 壁固定
定格入力電圧 単相3線 100/200V
最大消費電力 3W以下
使用温度範囲 -10〜40℃(ただし氷結なきこと)
使用湿度範囲 25〜85%RH(ただし結露なきこと)
外形寸法 横135mm×高さ207mm×奥行37mm(突起物を除く)
質量 約410g
ケース ABS樹脂(白色)



【参考資料】 太陽光発電システムの構造

・太陽電池モジュール
 このパネルで太陽の光を受けて、電気を作ります。

・パワーコンディショナ
 太陽電池モジュールで発電された電力(直流)を家庭で使える電力(交流)に変換、さらにシステム全体の運転を自動管理します。

・分電盤
 発電した電力を各部屋で使えるように各電気機器に送ります。

・売電・買電用メーター
 発電して余り、売却した電力(売電)量と、購入した電力(買電)量をそれぞれ表示します。

・接続箱
 太陽電池からの配線を一本にまとめてインバーターに送る装置です。また太陽電池に電気が逆流したり、一度に大きな電流が流れたりしないようにする機能をもっています。


● 本リリースに関するお問合せ先
オムロン株式会社 環境事業推進本部 事業企画部 鈴木 純子
〒108-0075 東京都港区港南2-3-13 品川フロントビル7F TEL: 03-6718-3610

≪本製品の詳細に関しては、次の担当者までお問合せください≫
オムロン株式会社 環境事業推進本部
パワーエレクトロニクス推進事業部 事業推進課 井上 健一(TEL:077-565-5102)
事業企画部 事業推進課 鈴木 純子(TEL:03-6718-3610)
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