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【VEXロボティクス】プロジェクト・ベースド・ラーニング研修事例Vol.01〜静岡市立賤機中小学校

予期しなかったいくつものミラクルが起きました

 国内の教育に危機感を持つ4人によって、次世代を担うリーダーを一人でも多く日本から輩出することを目的に【BeFuture】が結成された。活動を開始した理由には、世界で急成長するSTEM教育の導入スピードと、日本国内における導入スピードの差に違和感を覚え、自分たちが思い描く理想的な教育環境は、自分たちが行動に移さない限り変わっていかないという強い使命感のもと活動している。
 今回、静岡市立賤機中小学校でSTEM教育実習を開催するのに至った経緯には、本校長の八木邦明先生ご自身の取り組みに大きく関連する。八木校長先生は、教育改革に自ら取り組んでおり、官民に企業が加わった新しい教育環境を築く研究をされいる。
自らイノベーティブな講習に足を運び、そこでうまれたネットワークが、八木校長先生とBeFutureのスタッフを結びつけた。日本の未来のために、まずはより良い教育を地元静岡県の児童に受けさせたいという願い、それとこどもたちの未来や可能性を引き出すための実習の場を一刻も早く築きたいという個々の願いが結びつき、今回の研修が実現した。




実習の目的
・ロボット製作、プログラミング、競技大会を通じて、ソーシャルスキルの向上を図る。
・STEM教育を経験させ、こどもたちに新たな分野への興味と選択肢を与える。
・今までの【教える】教育から、【主体性を育む】教育の実践研修の場を設ける。
[画像1: https://prtimes.jp/i/41698/8/resize/d41698-8-379049-5.jpg ]


すべてのロボットは人間がつくっている
学習に対する好奇心や探究心を育ませることが、STEM(理・技・工・数)教育にロボットが取り入れられた大きな目的だ。決して、 STEMに強いこどもたちを育成することが目的ではなく、いかにこどもたちに多くのことを経験させ、多くの選択肢があることに気づかせ、主体性ある学習をさせていく機会を与えることが目的となる。もしも途中でSTEMが性に合わないことがわかれば別の道を選べば良い。ただし、今までの教育のように、幼少期にSTEMを経験させずに、苦手意識を感じさせてしまうのは、とても残念な教育環境だ。
ロボット製作も、どちらかといえば趣味の領域に思えてしまうが、あえて教育の場に持ち込み共同作業をさせることにより、チームワーク、リーダーシップ、コミュニケーション力、プロジェクト遂行力、課題解決力、クリティカル・シンキングといったソーシャルスキルも経験させることができる。実習に参加したPTAも、児童を受け持つ教員も、普段絡むことがないメンバーと共同作業することで、ロボット製作から派生するソーシャルスキルの必要性を感じたに違いない。
また大人にはわかっていても、こどもたちには「すべてのロボットは人間がつくった」という認識は低い。オープニングでは、スタッフから実習を通じて、世の中にある他のロボットのように、自分たちがロボットを作り、自分が作ったロボットを制御することが実習内容だと伝えられた。そして実習前と後では、自分を取り囲む環境の見方さへも大分変わったようだ。感想文には「今そのことを知ったので将来のことを考える時に役立つ」と書いた生徒がいた。この生徒の「将来のこと」は、きっとこれからの生き方や職業を意味するのだろう。
普段は60分で行う研修を45分間3セットに変更し、競技を通じてチームワークを育ませる時間を多く取り入れた。最初はチームの輪に入らず、立ち尽くし、関心を示さないように振舞っていた生徒もいたが、時間の経過とともに、主催者の想像を遥かに超える【変化】を遂げる。多くのこどもたちが学習意欲を覚醒する実習となった。

☆秘められた能力の覚醒☆

[画像2: https://prtimes.jp/i/41698/8/resize/d41698-8-947333-3.jpg ]

特に女子生徒の中には、技術や工学は男子の得意分野だという認識が強く、携わる機会がなかった生徒も多かったようだ。今回の実習のように、課題をチームで遂行していくことで、自分にできる役割が見つかり、初めての経験に興味や好奇心が育まれ、自分の能力が覚醒した生徒が多かったようだ。この実習が切っ掛けとなり、STEMの分野に携わっていく生徒もいることだろう。

[画像3: https://prtimes.jp/i/41698/8/resize/d41698-8-503625-1.jpg ]

全チームのロボットは、ほぼ同じタイミングで完成した。最初は男子生徒が率先してロボット製作をしていたが、すぐに多くの女子生徒が積極的に意見を交わし、ロボット製作を始める姿が印象的だった。プログラミングによる制御方法の説明が始まると、生徒全員が真剣に聞き入っていた。次は何が起きるのか?自分にもできるのか?自分にもできることはあるのか?そんな心の声が聞こえてくるようだった。

[画像4: https://prtimes.jp/i/41698/8/resize/d41698-8-369001-4.jpg ]

実際にプログラミングが始まると、前半は慣れないパソコン操作に手こずっているようだった。見学の先生からも「タッチパッドを使える生徒は少ないからマウスを用意するべきだ」という指摘が入ったが、すぐにこどもたちの柔軟な適応能力に驚かされる。操作のコツを掴んだ瞬間から、こどもたちの探究心に拍車がかかったようで、教えてもいない制御方法を試したり、大人では想定できない数値を入力したり、いくつものトライ・アンド・エラーを繰り返しながら、自分たちのロボットをプログラミングしていた。

[画像5: https://prtimes.jp/i/41698/8/resize/d41698-8-892107-0.jpg ]

VEXでは、ロボット製作中に大人が助言することや、プログラミングの方法を教えることがないように細心の注意を払っている。それはロボットの完成度やプログラミングの精度を評価することが目的ではなく、こどもたちの主体性を育ませるために、トライ・アンド・エラーを繰り返しさせ【気付かせる】学習をさせることに徹しているためだ。これからの教育には、こどもたちに機会(物・場所・時間)を提供し、経験させることが求められている。

[画像6: https://prtimes.jp/i/41698/8/resize/d41698-8-109025-6.jpg ]

2時限目に行ったプログラミングを実践するこどもたち。数人の生徒は、ロボット教室に通うプログラミング経験者だが、チームで学んだことはないようだ。感想文には「友達との絆ができた」「仲間と考えるのが楽しかった」「もう一回プログラミング授業をやりたい」「最初は難しいと思っていたけど簡単で楽しかった」「話し合いながらゴールに行けたので話し合いは大切だっと思った」という声が寄せられた。

[画像7: https://prtimes.jp/i/41698/8/resize/d41698-8-455894-7.jpg ]

さらに3時限目では、コースを拡張し、正確に【進む・曲がる・戻る】を繰り返し実習させた。優勝したチームは、ただ90°右に回るのではなく、あえて左に630°回転させたり、あるいは途中の直線でロボットを4回転させたりと、大人では想定外のプログラミンを披露した。ロボットには多少なりとも個体差もあり、コースからはみだしてしまうチームや最後までプログラミングが終了しなかったチームがあったことを思えば、このチームには、ズバ抜けたチームワークと発想力がある。しかし実は、もともとチーム分けをした担任の教員は、この二人が共同作業できるのか、とても心配だったようだ。この二人にどのような化学反応が起きたのか、まったく想像ができないとのことだった。お互いの主張が強く、ロボット製作中に言葉を交わす姿は見られなかったが、プログラミングの実践に切り替わると互いの役割が明確になったようで、二人のコミュニケーションが急に増えたことは、運営スタッフも見落さなかった。


◇VEXについて
VEXロボティクスは、子供にSTEM(科学・技術・工学・数学)への興味を早い時期から持たせ、理数工学に対する苦手意識を覚える前に好奇心から刺激し、次世代を担っていくリーダーを育成する教育プログラムだ。
昨シーズンは、60カ国でこのようなイベントが2,500回登録され開催された。
競技には、小学4年生から中学2年生を対象にした【VEX IQ チャレンジ】、小学6年生から高校3年生を対象にした【VEXロボティクスコンペティション】、大学生を対象にした【VEX U】がある。


◇株式会社QuestWorks
会社名:株式会社QuestWorks
所在地:〒215-0021 神奈川県 川崎市麻生区 上麻生1-3-4 WAKAビル4階
URL:questworks.jp

本件に対するお問い合わせ先:
株式会社QuestWorks/NPO法人青少年科学技術振興会
担当:丸山大介
info@vexjapan.com
Tel: 044-959-1161
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