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多重がん経験に関する実態調査で、女性がん患者932人のうち13.1%が「多重がん(転移ではない2回以上の原発がん)の経験がある」と回答

国立大学法人群馬大学情報学部(研究代表:片山佳代子准教授)と日本最大級の女性がんオンラインコミュニティ『PeerRingピアリング』が共同調査を実施。

一般社団法人ピアリング(神奈川県横浜市、代表理事:上田のぶこ、以下ピアリング)は、国立大学法人群馬大学情報学部(研究代表:片山佳代子先生)との共同研究による「SNS上で活動する女性がんサバイバーのピアサポートから抽出するアンメットメディカルニーズの把握とその可視化」の一部として、「ピアリングにおける多重がん経験の実態調査」を実施しました。2022年5月13日〜22日の10日間のWEBアンケートで、女性がんサバイバー932人から回答を得ました。




【調査結果概要】
●2回以上原発がん(転移ではないがん)の診断を受けた経験がある 13.1%(122人)
●3回以上異なる原発がんの診断を受けた経験がある 0.9%(8人)
●「ピアリング*に登録するきっかけとなったがん」以外の「他の原発がん」に気づいたきっかけについて最も多かったのは「治療中のがんで受診時の検査」28%(34人)
●主治医から、「治療中のがん」以外の部位について、がん検診を勧められたり、気になる症状があるか問診されたりしたことはない 74%(692人)
*ピアリングは、乳がん、子宮頸がん・体がん、卵巣がんなど女性のがん当事者のためのピアサポートコミュニティ

【調査結果抜粋】 
(1)2回以上原発がん(転移ではないがん)の診断を受けた経験がある人の割合は13.1%(122人)
女性がん(乳がん、子宮頸がん、子宮体がん、卵巣がん)の多重がん経験が半数以上を占めており、次いで甲状腺がん、大腸がんと続いた。

Q.「ピアリングに登録するきっかけとなったがん」以外に、他の原発がん(転移ではないがん)の 診断を受けた経験はありますか?(N=932人)


[画像1: https://prtimes.jp/i/47087/8/resize/d47087-8-897168323fb4c4b7d0b9-6.png ]


(2)3回以上の原発がん(転移ではないがん)の診断を受けた経験がある人の割合は0.9%(8人)
1回以上の原発がん経験者における3回以上の原発がん経験者の割合は0.9%(N=932人)
[画像2: https://prtimes.jp/i/47087/8/resize/d47087-8-53f46045cd7cc4a45109-2.png ]


2回以上の原発がん経験者における3回以上の原発がん経験者の割合は6.5%(N=122人)
[画像3: https://prtimes.jp/i/47087/8/resize/d47087-8-53fe2dc169e4f779bb5b-4.png ]


(3)「他の原発がん」に気づいたきっかけで最も多かった回答は「治療中のがんで受診時の検査」28%(34人)
「ピアリングに登録するきっかけとなったがん」以外の、新たな原発がんを発見したきっかけについて、
「治療中のがんで受診時の検査」と「別の病気で受診した際の検査」が合わせて37.7%と最上位になった。 
また、「その他」の回答の中にも「がん手術の病理結果で異なるがんが見つかった」など、治療中に見つかった人が含まれている。

Q.「ピアリングに登録するきっかけとなったがん」以外の「他の原発がん」に気づいたきっかけは?(N=122人)

[画像4: https://prtimes.jp/i/47087/8/resize/d47087-8-5347a6fc50d8896ada9c-5.png ]


(4)主治医から「治療中のがん」以外の検診や症状ついて言及されている人の割合は25.8%(240人)
主治医からの言及については、
「ホルモン療法により子宮体がんのリスクが上昇する可能性があることから、定期的な子宮がん検診を勧められている」
「対側の乳がん検診や遺伝性乳がん卵巣がん症候群の検査結果を受けて検診を勧められている」
などが主な内容。これらはいずれも「治療しているがん」に関連するものだが、言及された人の割合は1/4程度にとどまっている。
7割超の人は、発症したがん以外の部位について自己管理が求められているのが現状である。

Q. 主治医から、「治療中のがん」以外の部位について、がん検診を勧められたり、気になる症状があるか 問診されたりしたことはありますか?(N=932人)
[画像5: https://prtimes.jp/i/47087/8/resize/d47087-8-d61d64fe1fa2579752a8-7.png ]


(5)多重がん経験者ならではの様々な困難や苦労
記述式で、「複数のがんを経験するにあたり困ったこと、苦労したこと」を質問した。
「特にない」という回答も一定数あった一方、多重がん患者が、精神面や治療による体の悩みなど様々な困難を抱えていることがわかった。

●自由記述の内容抜粋(多く寄せられた回答を中心にまとめたもの)
・精神的な負担
-再び罹患したことへの落ち込み、再発の不安に加えてまた新たながんに罹患するのではという不安 等
・複数科の受診による負担
-通院日数の増加、別の科/病院の医師へ自分で適切に治療状況等を説明することが難しい 等
・治療による副作用や後遺症、体力的な負担
-初発がんの後遺症により採血できる場所が限られる、立て続けの治療による体力の厳しさ 等
・初発がんの治療による2回目以降の原発がんの治療方法の制限
-直近のがんの治療に重点を置くため初発の補助療法の継続ができなくなった 等
・金銭面の負担
-複数回の罹患によりかかる金額が大きい、2回目の罹患時には保険金が給付されなかった 等
・仕事を継続することへの困難
-復職後すぐの休職となった、通院や治療と仕事の両立が難しい 等

【国立大学法人群馬大学情報学部と一般社団法人ピアリングの共同研究について】
国立大学法人群馬大学とピアリングは共同研究契約を締結し、『SNS上で活動する女性がんサバイバーのピアサポートから抽出するアンメットメディカルニーズの把握とその可視化』というテーマで研究を行っています。
(研究代表 群馬大学情報学部 准教授・片山佳代子)

これまで、ピアリングのSNS上に100万件以上蓄積されてきた、がんに向き合う女性同士のピアサポートのコミュニケーションを、個人情報を排除した上で、テキストマイニングなど様々なデータ分析手法を使って解析を行い、そこから見えてくるインサイトを探ることで、だれもが適切なピアサポートにアクセスできる環境の構築を推進し、がん対策に資するための研究です。

【一般社団法人ピアリングについて】
がんに向き合う女性のためのオンラインコミュニティ『PeerRingピアリング』 https://peer-ring.com/ の利用者を対象に、
(1)ピア・コミュニケーションのサポート活動
(2)女性がんサバイバー向け勉強会・講習会、交流会などの開催
(3)がん罹患者の生活課題等についての調査・研究
を行っています。
ピアリングでは、乳がん、子宮頸がん・体がん、卵巣がんなどの女性のがんを告知された方が、 診察室ではなかなか話せない様々な不安を共有し、励まし合えるコミュニケーションの場を提供しています。時間・場所の制約を受けることなく、共通の経験をした仲間どうし支え合う場として『PeerRingピアリング』コミュニ ティは、 多くのがんサバイバー女性の支持を受け、現在約1万3千人の会員が登録しています。

■団体概要
名称:一般社団法人ピアリング 代表理事 上田 のぶこ
所在地:〒224-0001横浜市都筑区中川1-4-1 ハウスクエア横浜316号
設立:2017年6月
事業内容:女性がん患者コミュニティの運営
URL:https://site.peer-ring.com
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