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ナティクシス・インベストメント・マネージャーズ2020年リタイアメント・インデックス調査:退職後の豊かさでは日本は23位に

● 日本は昨年に続き総合評価で23位。平均余命ではトップとなったものの、老年人口指数と政府債務では最下位に
● 引き続きアイスランド、スイス、ノルウェーが総合評価でトップ3、続いてアイルランドが4位、オランダが5位に
● 景気後退、金利、公的債務、気候、経済的平等が退職後の生活保障にとって最大の長期的脅威





【2020年9月30日 東京】ナティクシス・インベストメント・マネージャーズが発表した2020年のグローバル・リタイアメント・インデックス調査(以下、「同調査」)では、先進国の中では日本は昨年と同様の23位となりました。同調査は世界各国の退職後の状況を浮き彫りにするもので、今回の分析では、退職後の生活保障に対して長期的に大きな脅威となる5つの重要課題として、景気後退、金利、公的債務、気候、経済的平等が指摘されました。

ナティクシス・インベストメント・マネージャーズのジャン・ラビー最高経営責任者(CEO)は、以下の通り述べています。「現在および将来の退職者のニーズとそれ以外の公共政策に対する要望との間のバランスを取ることは、長年にわたり世界各国にとって最も解決が困難な課題の1つでした。今回の新型コロナウイルスの世界的流行やそれに伴う経済の低迷により、事態は更に悪化しています。個人、雇用主、機関投資家、政策当局、および資産運用者は、これらの課題に取り組む上でそれぞれ重要な役割を担っています。2020年グローバル・リタイアメント・インデックス調査は、幅広い重要指標を通じて、経済の実態を明確かつ一貫して示すことにより、対話を促進する上での一助になると思われます。」今年で8年目となる同調査は、退職後の資金、物質的な豊かさ、健康、生活の質の分野において、退職後の生活に影響を与える18の要因の分析を行っています。同調査は、世界44ヵ国を対象に、各指標に基づき相対的スコアを算出し、これらのスコアを総合することで、世界各国の退職後の生活保障の評価・比較が可能となっています。

2020年調査のハイライト:


北欧諸国が金融以外のすべての指数で比較的高い順位を占めました。例えば、生活の質指数ではすべての北欧諸国が10位以内に入りました。一方、金融指数で10位以内に入ったのはアイスランドのみでした。
地域全体で総合指数が最も高かったのは北米地域で、総合指数で2位となった西欧地域は、5位となった金融以外のすべての指数で1位または2位にランクインしています。


[画像1: https://prtimes.jp/i/48354/9/resize/d48354-9-430827-0.png ]

日本の順位を左右している要因
2020年の調査では、日本の順位は昨年に続いて23位となりました。退職後の資金指数(41位)と物質的な豊かさ指数(16位)のスコアが低下したため、総合スコアは昨年を若干下回りました。

金融指数のなかでもスコアが最も大幅に低下した指標は金利で、5年平均実質金利がマイナスに低下した結果、スコアは1%に低下しました。また、銀行の不良債権、老年人口指数、ガバナンスの各指標のスコアも昨年を下回りました。政府債務指標と老年人口指数指標は調査対象国の中で最下位となりました。

また、物質的な豊かさ指数も低下しました。所得の質、国民1人当たり所得のいずれの指標も昨年に比べて低下しました。一方、雇用指標は調査対象国の中で最高のスコアを付けています。

幸福度、環境要因、水質、公衆衛生の各指標のスコアが上昇したため、生活の質指数は昨年に比べて改善しています。日本の幸福度指標は調査対象国の中で6番目に低く、これ以外では上位10カ国あるいは下位10カ国に入った指標はありません。

また、日本の健康指数のスコアは比較的高くなっています。健康保険費指標が昨年に比べて改善しました。日本は、平均余命(1位)、健康保険費(8位)の両指標で10位以内に入っています。

日本の主な順位

[画像2: https://prtimes.jp/i/48354/9/resize/d48354-9-845076-1.png ]

退職後の生活保障を脅かす5つの重要課題
ナティクシスの「(今後)何を心配する必要があるのか:What could possibly go wrong?」と題する調査は、2020年のリタイアメント・インデックス調査を補足するもので、退職後の生活保障に対して長期的に最大の脅威となる5つの課題を特定しています:

景気後退:高水準の失業率は、年金積立金、公的年金の財源となる社会保険料ともに著しく減少することを意味します。さらに、生活を維持するために余儀なくされた困窮時引き出しも、こうした長期的な課題に拍車をかけることになります。

金利:12年以上にわたって金利は歴史的な低水準にありますが、世界的なロックダウン措置の影響で一段の利下げが余儀なくされました。今後、退職者は賢明な資金ニーズの管理を迫られ、年金運用者は長期的な年金債務の管理において独創的な思考が求められるようになると思われます。

公的債務:景気対策のための公共支出や補助金は景気の下支えに不可欠となっていますが、同時に過去最高水準にある公的債務は一段と膨張しています。その結果、将来政策当局は退職者のニーズへの対応に関して難しい決断を迫られることになると予想されます。

気候:最近のオーストラリアの山火事に明らかな通り、気候変動関連の自然災害がますます深刻化し、より頻繁に発生するようになっており、その影響を受けやすい退職者は身体、資金の両面で大きなリスクに直面するようになっています。

経済的平等:社会正義運動を通じて、所得の不平等が関心を集めるようになっています。人種間あるいはジェンダー間のいずれのデータ比較においても、生涯収入力が低いと退職後のための貯蓄、生活資金、所得の不均衡が拡大することを示しています。

退職後の生活保障の現状
今年に入り世界中の人々が直面しているリスクは、最近の記憶では最も大きなものと言えます。公衆衛生上の極めて深刻な問題に対峙するためには、世界的な協調体制が不可欠です。世界的な金融危機を回避するためにも、同様の取り組みが必要となります。しかしながら、個人、雇用主、機関投資家、政策当局、資産運用者は、短期的な脅威に対応して極めて重要な政策措置がとられることにより、退職後の生活保障が新たな課題に直面することを認識することが重要です。

環境が許せば、人々は退職後のための資金の貯蓄方法と貯蓄額をこれまで以上に重視する必要があります。低金利は非常に長期にわたって続く可能性が高く、この点を貯蓄計画に勘案すべきです。端的に言えば、貯蓄から得られる収入に多くを期待できないのであれば、貯蓄自体を増やす必要があります。貯蓄を増やせないのであれば、退職後の生活を再考しなければならない可能性があります。完全に仕事を辞めるのではなく、新たな職に就くことや異業種への転職などが考えられます。

雇用主は、貯蓄をしやすくすることにより、労働者が退職後のニーズを満たす手助けをすることができます。

年金運用者も、退職後の生活保障を確実なものとするうえで重要な役割を果たします。運用者の健全な投資決定により、受益者のための長期的に安定した予測可能な収入の確保に貢献することができます。スマートな資産運用においては、経常的な(年金)収入と長期的な債務の管理に有効な戦略が模索されます。これと同様の課題に直面する多くの運用担当者は、伝統的な債券投資に替えて非上場資産、インフラ、不動産などに投資するようになっています。

長期的には、政策当局が退職後の生活保障を左右する多くの鍵を握ることになります。年金プランへの加入や、退職後に備えた貯蓄を奨励するような有効な政策や優遇税制が、その最初の重要なステップとなります。債務への対応に不可欠な投資戦略を理解することは、賢明な規制の導入に不可欠な要素です。流動性に対する懸念と長期的な収入の持続可能性を支える必要性とのバランスをとる必要があります。予算編成においては、増加の一途をたどる高齢者のニーズを優先する必要があります。そのための多くの対策は支出の拡大を伴い、既に過去最高水準にある公的債務の一段の増加を招く可能性があるため、これは容易なことではありません。

世界的な退職後の生活保障という観点で、資産運用者は個人、雇用主、機関投資家、政策当局をつなぐ中心的な存在です。資産運用業界は、年金資金を増やすために必要な運用を主導するだけでなく、世界的な退職後の生活保障にとって重要な意味を持つ課題への対応においても、主導的な役割を果たすべきです。個人や機関投資家の長期的なニーズに対応するためには、商品面で先導することが不可欠です。所得の平等にかかわる分野では、社会的なリーダーシップが求められます。こうした機会を捉えることにより、資産運用者は退職後の生活保障に対して大きな影響を及ぼすことができます。

ナティクシスが実施した直近の世界の機関投資家を対象に行った調査(1)によると、機関投資家はESG投資への関心を強めており、64%の機関投資家が何らかの形でESGを投資戦略に取り入れており、54%がESGはアルファにつながると回答しています。資産を組織の価値に見合ったものとするためにESG投資を行っている機関投資家の割合(57%)も、これに近い水準となっています。さらに、10人中4人に近い投資家(37%)がヘッドライン・リスクの最小化手段としてESG投資を組み入れています。

ナティクシス・インベストメント・マネージャーズの北アジア代表を務める加藤欣司は、次の通り述べています。「ESGテーマは、投資という観点だけでなく、社会的責任という点でも魅力的な機会であると引き続き当社は考えています。コロナ危機下でESGに基づく投資は(市場の下落などに対する)耐性の強さを示しており、多くの投資家が強い関心を示しています。ESG基準を織り込んだより多くの退職金制度が提供されることで、貯蓄の増加、年金プランの改善、そして退職後の生活保障の拡充につながると同時に、より持続可能な社会の実現に貢献することになります。」

ナティクシスの2020年グローバル・リタイアメント・インデックス調査の概要および調査結果の全文(英語のみ)のダウンロードについては、www.im.natixis.com/intl/research/2020-global-retirement-indexをご覧ください。

ナティクシスは、2019年10月から11月にかけて、アジア、欧州、北米、中南米、中東の企業・公的年金基金、財団・基金、保険会社、政府系ファンドなどの500の機関投資家を対象に調査を実施。



[画像3: https://prtimes.jp/i/48354/9/resize/d48354-9-177282-2.png ]



調査方法
同調査は、退職後の生活保障が喫緊の社会および経済問題となっている主要先進国44ヵ国を対象に、退職後の生活に影響を与える要因を調査・評価したものです。ナティクシス・インベストメント・マネージャーズの委託により、英国の金融調査会社CoreDataが作成しています。同指数は、国際通貨基金(IMF)に加盟する先進国、経済協力開発機構(OECD)加盟国およびBRICs諸国(ブラジル、ロシア、インド、中国)を対象としています。報告書は、世界銀行など様々な情報源からのデータを元にしています。調査員が各カテゴリー内の中央値を計算し、カテゴリーの合計値を元に、調査対象となった全44ヵ国の総合順位が作成されました。


ナティクシス・インベストメント・マネージャーズについて
ナティクシス・インベストメント・マネージャーズは、ポートフォリオ構築に対する鋭い洞察力に裏付けられたアプローチを通じて金融プロフェッショナルにサービスを提供しています。世界の20社を超える投資運用会社の専門能力を結集して、Active Thinking(R)のもと、あらゆる市場でより良い成果を追求するお客様をサポートする先見的なソリューションを提供しています。ナティクシスは世界トップクラスの資産運用会社のひとつ(1)で、運用資産総額(2)は1兆ドル超(9,060億ユーロ)に達します。

パリとボストンに本社を置くナティクシス・インベストメント・マネージャーズは、ナティクシスの子会社です。パリ証券取引所に上場しているナティクシスは、フランス第2位の銀行グループBPCEの子会社です。ナティクシス・インベストメント・マネージャーズの関連資産運用会社は次の会社が含まれます。AEW; Alliance Entreprendre; AlphaSimplex Group; DNCA Investments;(3) Dorval Asset Management; Flexstone Partners; Gateway Investment Advisers; H2O Asset Management; Harris Associates; Investors Mutual Limited; Loomis, Sayles & Company; Mirova; MV Credit; Naxicap Partners; Ossiam; Ostrum Asset Management; Seeyond; Seventure Partners; Thematics Asset Management; Vauban Infrastructure Partners; Vaughan Nelson Investment Management; Vega Investment Managers;(4) and WCM Investment Management。 投資ソリューションは、ナティクシス・アドバイザーズおよびナティクシス・インベスト・ソリューションを通じても提供されます。管轄地区によりご提供できない運用戦略もございます。詳細は、当社ウェブサイト(im.natixis.com)およびLinkedIn(linkedin.com/company/natixis-investment-managers)をご覧ください。

ナティクシス・インベストメント・マネージャーズは、ナティクシス・ディストリビューションL.P.ならびにナティクシス・インベストメント・マネージャーズS.A.(ルクセンブルク)、ナティクシス・インベストメント・マネジャーズ・インターナショナル(フランス)、およびその傘下の欧州およびアジアにおけるすべての販売関連のサービス会社を含みます。ナティクシス・ディストリビューションL.P.は、ナティクシス・インベストメント・マネージャーズの関連会社がアドバイザリー・サービスを提供するさまざまな米国登録投資運用会社のための限定目的のブローカー・ディーラーおよび関連サービス会社です。

Cerulli Quantitative Update: Global Markets 2020によれば、ナティクシス・インベストメント・マネージャーズは2019年12月末時点の受託運用資産(AUM)規模で世界第17位となっております。
AUMは2020年6月末現在の数値(1兆177億ドル)。これには、想定資産、資産運用サービスを提供している資産、グロス資産、少数持分関連会社の資産、ナティクシス・インベストメント・マネージャーズの関連会社が資産運用サービスを提供しているその他の規制対象外のAUMが含まれている可能性があります。
DNCA Financeのブランド。
ナティクシス・ウェルス・マネジメントの完全子会社。


本文書に含まれる情報は情報提供のみを目的とするものであり、金融商品やサービスの販売および勧誘を目的とするものではありません。本文書の記載内容、データ等は作成時点等のものであり、今後予告なしに変更することがあります。また、本文書は翻訳、作成された資料であり、内容については原文(英語)が優先します。
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